日誌

榎本校長のつぶやき

勝負の難しさ

 Wカップのコスタリカ戦は、まさかの敗北になりました。Wカップに出場しているチームは、どこも油断できないと言ってしまえばそれまでですが、「せっかくドイツに勝ったのに…」と正直落胆した人も多かったと思います。コスタリカが、守りを固めて前半が0-0で終了した時、私は嫌な感じがしていましたが、シュート数と勝敗が大きく食い違う試合となりました。私は「鎌倉殿の13人」をテレビで見ながら、ネットでコスタリカ戦を見ていましたが、1点入れられてから試合終了のホイッスルが鳴るまで複雑な気持ちで見ていました。スペインに0-7で負けたチームの背水の陣の気持ちに対して、ドイツに勝って「勝って兜の緒を締めよ」という気持ちで臨んでいたはずですが、どこかに「絶対勝つ!」ではなく「引き分けでもいいか」という気持ちが潜んでいたのかもしれません。

1次リーグE組は、混戦となり面白くなったとも言えますが、最終的には日本に突破してほしいと思います。ぜひ、次の試合はまた大番狂わせを見せてほしいですね。

 私の友達にC判定の第一志望校に合格して、A判定の第三志望校に落ちてしまった人がいますが、私大と国公立の二次の問題は、それぞれ特色がありますので対策を立てて勉強しなければなりません。自分との相性もあれば、その年の傾向もあります。特に難関校になればなるほど、ちょっとしたミスが明暗を分けます。3年生の皆さん、合格目指して最後まで焦らず、油断せず自分にできることをやりきってください。

Wカップから仕事考

 今、サッカーワールドカップが、とんでもなく盛り上がっていますが、コスタリカ戦の視聴率(ネットで見る人が多いですかね?)は、日曜日なのですごいかもしれませんね。皆さんは、期末テストの勉強で、それどころじゃないかもしれませんが。今回、試合での勝利とは別に話題になっているのが、日本の選手とサポーターのマナーの良さです。以前から外国のマスコミに取り上げられていましたが、ロッカールームのきれいさと、スタジアムのゴミ拾いをしている姿が報道され、話題になっています。日本人としては、外国人ほど驚かないと思いますが、それは、児童・生徒が学校の清掃をするお国柄だからでしょう。それは、自治体の清掃活動に繋がっています。
 ただ、そうした慈善行為が、清掃員の仕事を奪っているという声もあります。これについては、ボランティアで行ったことが、誰かの仕事を奪うことになるのでやらないほうが良いということになりますが、ダメなら予め言ってもらえば済むことではないでしょうか。しかし、インドのチャイのカップの話では、飲んだ後の陶器のカップは叩きつけて壊すのがマナーだそうで、日本人ならお店に返しますよね。ところが、そうすると激怒されるそうです。大事にしていると陶器職人の仕事がなくなるからだそうで、日本の常識は、世界の常識ではないのですね。郷に入っては郷に従えと言いますが、外国旅行するときは現地の習慣とか考え方とか、よく調べたほうがいいですね。皆さんは、どう思いましたか。よかれと思ってやったことで、迷惑がられたり、怒られたりしたら割に合わないですね。

 ちなみに、世界史で勉強したと思いますが、19世紀初期に産業革命にともなう機械使用の普及により、失業のおそれを感じた手工業者・労働者が起こしたラッダイト運動と呼ばれる機械破壊運動が起こりました。仕事というものは、文明の進歩とともに淘汰されるものがあれば、新しいものが生まれます。極端なことを言えば、虫歯や歯槽膿漏を完全に予防する薬が開発されれば、歯医者さんは、ほぼ失業してしまいますね(矯正歯科は大丈夫)。職業は、現在3万以上あると言われますが、何かしら人の役にたって、報酬がもらえるなら、それは仕事といってよいと思うので、無くなる仕事がある一方で、今後も様々な仕事が生まれてくることでしょう。何十年後、世界にはどんな仕事があって、皆さんはどんな仕事をしているのでしょうか。

 

ガンバレニッポン!頑張れ受験生!

 日本が勝ちましたね。私は、サッカーのワールドカップ1次リーグE組で、日本がドイツに2ー1で勝つという希望的予想をしていましたが、朝のテレビ番組で、ドイツ人関係者へのインタビューでは、全員がドイツの勝利を予想していました。それだけに、日本の逆転勝ちは痛快でした。ジャイアントキリング(大番狂わせ)と言われていますが、本当にそうかな?と思います。前半PKの1点だけで抑えたから逆転ができたのではないでしょうか。アルゼンチンにサウジアラビアが勝ったのも大きなニュースになりましたが、日本には判官贔屓(ほうがんびいき)という言葉があるとおり、弱い方を応援したくなる気持ちがわかりますね。スラムダンクという漫画で、インターハイで湘北高校が山王工業高校を追い詰めていったときに、湘北への応援が増えて、観客が「ここまで来たら歴史が変わる瞬間を見たいですよ」と言っていたのが思い出されます。 

「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければ、それは成功になる。」と松下幸之助さんは、言っています。エジソンも「諦めたらイカン!」という意味の同様の言葉を言っていますが、スラムダンクで湘北の顧問の安西先生が三井に言った「あきらめたら、そこで試合終了だよ」という言葉も有名ですね。

3年生の皆さん、受験勉強もこれからが正念場です。最後まで諦めずに頑張ってください。

マラソン大会無事終了に感謝

 小春日和の好天の下、マラソン大会が無事終了しました。暑いくらいになりましたが、明日の雨を予想させる飛行機雲が、青い空にきれいに2本描かれていました。大きな事故や怪我等もなく、全員が完走することができました。走路で、安全に配慮していただいた係の先生方、本日走ることができずに、補助作業を手伝ってくれた生徒の皆さん、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。ゴールした生徒に笑顔が多くみられたのが、大変うれしく、印象的でした。走り終えて、閉会式の時には、「終わった~」という達成感のある表情が多く、和やかな雰囲気が感じられました。入賞した生徒の皆さん、おめでとうございます。クラス対抗では、6位内に1年生が4クラス入り、1年生頑張ったなあと思いました。3年生は、最初で最後のマラソン大会でしたが、どんな感想をもったでしょうか。今年度の体育的行事は、これで全て終わりました。気が付けば、もう期末考査1週間前です。マラソン大会同様、頑張ってくれることを期待します。

苦中楽あり

 先日、日本教育新聞の書評欄に「受験勉強で君は史上最高の自分になる」(宝島社)という本を見つけました。受験勉強というと、「暗い」「辛い」「忍耐」などのネガティブなイメージが強いのかもしれませんが、皆さんはこの本のポジティブなタイトルを見て「読んでみたい!」という気分になりませんでしたか。書評で概要は読みましたが、面白そうだったので実際に書店で中身を確かめてから買って読もうと思います。皆さんは、勉強だけに限らず何かに打ち込んでいて、自分が覚醒していく感じにとらわれたことは、ありませんか。勉強でも運動でも音楽や美術でも、自分が一皮むけたと感じたことが。それは、ランナーズハイと同じで一生懸命に打ち込んだ人にしか味わえないものなのかもしれません。適当に取り組んでいる人には、一生訪れない感覚なのでしょう。何か新しいことを身に付けようと努力するとき、どこまで頑張れるか。この頑張れる力というのが、社会に出て求められます。

 明日はマラソン大会ですね。これまで、皆さんは体育の時間にマラソン大会の練習をしてきましたね。苦しくて嫌だと思っていた人も多いかもしれません。ただ、マラソンは人生に例えられたりするように、自分のペースで自分の意志で負荷を決めて、走るものです。楽は、苦があって初めてわかるものだと思います。これからの人生で肉体的精神的に辛いことが全くないなんてことはありません。マラソンという学校行事から、皆さんは何を学ぶのか、どんな力をつけることを期待されているのか、考えてみてください。今回、諸事情で走ることができない人も少なくないと思います。越塚さんの講演会の中でお話をいただいた佐藤さんのように走りたくても走れない人も、世の中にはたくさんいます。走れることは、当たり前のことではないことに気づき、マラソン大会では走れる人も走れない人も自分にできることをしっかりやってください。