日誌

ウルトラキャリア

 先日、「シン・ウルトラマン」を観てきました。ウルトラマンに代表される特撮巨大ヒーロー物と仮面ライダーに代表される等身大ヒーロー物全盛期に子ども時代を過ごした者としては、どのようにリニューアルされているか興味がありました。邪道かもしれませんが、私は映画を観る前に口コミをチェックし、どのように感じている人がいるのか、評価しているのかを頭に入れます。そして、映画を観ながら、それらの意見や感想を照合して、自分の心の中で、同意したり反論したりします。映画は、自分が面白ければ、それでいいのですが、多様な考え方や感じ方を知ることで勉強になります。「対話的で深い学び」になっているかもしれません。(大袈裟)
 単純な勧善懲悪ものではなく、現在の世界情勢とも絡めて考えさせられるものになっていましたが、やはり本来の作品を知っているかどうかで楽しみ方も変わってしまう可能性は否定できませんでした。(知っているから面白いと感じるわけではありません。がっかりすることもあります) 私は、ウルトラマンに日本と契約して自衛隊所属になってもらって他国からの侵略から守ってもらうストーリーだとどうなるかなと思います。(同人誌で発表レベルですかね)
 ウルトラマンは「光のエネルギー」、仮面ライダーは「風力エネルギー」、アトムは「原子力エネルギー」のヒーローです。50~60年前に、日本は環境問題をテーマにしたヒーローを生み出していたんです。なんて先進的なのでしょう。世界に誇るべきです。
 子どもの頃には、大抵ヒーローごっこ遊びというのをやりますが、仮面ライダーの「ライダーキック」の真似をして高いところから飛び降りて怪我をする子どもが増え社会問題になりました。番組サイドは、どうしたと思いますか?異例なことにライダーが番組最後に注意喚起をしました。「ライダーキックは仮面ライダーだからできるんだ。よい子のみんなは危険だから真似してはいけないよ」と。
 子どもですから、「ウルトラマンになりたい」と思う子も多かったです。今もウルトラマンや仮面ライダーシリーズは続いていますから、少なからずいることでしょう。どこで読んだか忘れましたが、キャリア教育の精神に通じる一節を思い出しました。
「ウルトラマンになりたい」という子どもを笑ってはいけない。そんなことは無理だと考えるのではなく、どうしたらできるかということを考えよう。大切なのは、なぜそうなりたいと思ったのかである。(この子どもは警察官になった) ウルトラマンには、手から水を放出して火を消すシーンがありますが、消防士になった子もいるかもしれません。キャリア教育は、自らの生き方を考えられるようにする教育です。最終的にどんなことで人の役に立ちたいのかが、進路決定の大事な要素です。そのきっかけとなることは、みなさんの場合、何でしょうか。