日誌

「IJIME」

 今日は、本校を主会場として太田地区の「いじめ防止フォーラム」が開催されました。太田市内の6校の高校を拠点校として、近隣の小中高校・特別支援学校から学校代表の児童・生徒が集まり、オンラインでいじめ防止の話し合いをしました。本校の生徒会長が総合司会をし、他の生徒会役員にも色々と手伝ってもらいました。ありがとうございました。拠点校の先生方や、引率の先生方、保護者の皆さん、猛暑の中大変お世話になりました。

 開会の挨拶では言えなかったこともありました。いじめで自殺に追い込まれるほど被害を受けている子どもがいて救済もできていない一方で、本来ならいじめだとは言えないことが重大事案になってしまうことや、「いじめ利得」などという問題も生じているようです。(ここでは詳細は書きません。自分で調べてみてください。) 深刻ないじめに遭っている子どもからすれば、いじめっ子が良い子になっていじめをやめてくれるなんて、悠長に待ってはいられません。心の教育は時間がかかるし、万全ではありません。もし、万全ならそれは完璧な洗脳になります。いじめられている子をすぐに救うためのシステム(ちゃんと機能する)を作ることが求められます。『逃げるは恥ではないし、役に立つ』ことを、最悪でも教える必要があります。

 私は、いじめを防止するためには、幼稚園や小学校から徹底的に「いじめは絶対許さない」という断固たる姿勢をまず先生が貫くことが必要だと思います。そこには、いじめに対する高感度のアンテナ(察する力)が必要です。どこかの中学校みたいに先生が先生をいじめていて事件になるなんて言語道断です。現在は、ジャイアンとのび太のようにいじめる側といじめられる側が固定されているのではなく、その立場が逆転することも多々あります。アンケートでいじめたこともいじめられたこともあると答える生徒が多いように、次は自分がいじめのターゲットになるのではないかと怯えて傍観者を装ってしまう。そうさせないためには、先生が、学校がみんなを守るという確固たる姿勢が求められます。

『いじめ防止は、「いじめたい心」の理解から始まる。』あるいじめ関係の本の中の一節です。『いじめは絶対悪』からスタートすると、思考停止して根本的な解決策、つまり「いじめたい心」を消すことはできないのではないかと考えます。学校はすべてのカリキュラムを通して、良好な人間関係を形成する力をつけるために、ソーシャルエクササイズをするところです。どんなときにどんな気持ちになるのかを、小さい時から失敗しながら学び合うことが大事です。

「いじめ」は、心と体への傷害罪であり、重大な人権侵害です。泥棒を「万引き」と置き換えて、罪の意識を軽くし、親に「返せばいいんだろう」と言わしめる問題。それと同様に、いじめをふざけだとか軽くとらえてしまう意識の低さの問題。いじめは学校だけの問題でなく、人間社会全体の問題です。ですから、いじめ防止フォーラムも児童・生徒だけでなく、地域の大人も巻き込んだものになってほしいです。小学生から「おじさんの会社では、いじめはないのですか」「いじめは止められないのですか」と質問された時、どう答えるでしょうか。