カッコいい?
若かりし頃に観た映画『トップガン』と、30年以上経って先日観た『トップガン マーヴェリック』。トム=クルーズは年取っても相変わらずカッコいいなぁと思いました。戦闘機のアクションもすごかったです。ただ、フィクションとして観ている分には娯楽作品ですが、現実だと思えばそうも言っていられません。
子どもの頃、戦車や戦闘機、戦艦などのプラモデルをよく作りましたが、そうした兵器を「カッコいい!」と思ってしまう自分と、「しょせん人殺しの機械」と思う自分がいます。また、カズレーザーの自衛隊愛がわかる自衛隊のいいPRになっている番組を観て、同じく「カッコいい!」「自衛隊の皆さん、感謝します」と思ってしまいます。
今回の映画では、敵国のウラン濃縮施設を攻撃するアメリカに正義があるわけですが、『勝てば官軍』という言葉があるとおり、歴史を勉強すると何が正しいのかわからなくなってしまうことがあります。日本が負けた太平洋戦争もその中の一つです。 何で読んだか忘れましたが、外務省では「外国と交渉するときは相手を宇宙人だと思ってやれ」と助言するそうです。 5.15事件で暗殺された犬養首相が海軍青年将校に「話せばわかる」と言い、「問答無用」と撃たれたという有名な話がありますが、 「話せばわかる」のは価値観の同じ人間同士のことだと考えます。例えば「人を殺してもよい」と考えている人間と、「人を殺してはいけない」と考えている人間がわかり合えるのでしょうか。歩み寄れることはあっても、本当にわかり合えるとは思えません。現在のウクライナ紛争で瓦礫と化した町と兵器を毎日ニユースで見ていて、そう思います。
現在、今のままでは日本を守れないと考え、防衛費を大幅に増額する方向に動いていますが、 憲法9条の解釈から導かれる「自衛のための必要最小限度の戦力」とは、極端なことを言えば、世界一の戦力になります。2位だと1位の国にやられてしまうのですから。お互いを信用できれば、軍縮ができるはずですが、様々な障害があり、その難しさは歴史が証明しています。先日、3年生は笑下村塾の人による主権者教育を受けましたが、投票の前に政治家の政策の是非を判断するためには、歴史を勉強する必要があります。文型理型にかかわらず、歴史をしっかり勉強してもらいたいと思います。