日誌

♪Yo!A~C~

 内外教育という小冊子の中で大阪大学名誉教授の小野田正利先生が「普通の教師が生きる学校 モンスター・ペアレント論を超えて」という連載をしています。その中でACジャパンの寛容ラップを紹介していました。有名なラッパーである呂布カルマさんを起用し、コンビニのレジでお金を出すのにもたつくおばあさんの後ろに立たせ、イライラしているふりから足でリズムを取り始めて、ラップを掛け合いを始めます。見たことがない人は、ぜひ、YouTubeで「ACジャパン寛容ラップ」で検索して視聴してみてください。それでは以下にそのやりとりを書きます。
男性客:「♪Yo!もしかして焦ってんのか おばーさん」「♪誰も怒ってなんかない」
    「♪アンタのペースでいいんだ 何も気にすんな」「♪自分らしく 堂々と生きるんだ」
おばあさん:「♪迷惑かけてしまってるなって」「♪焦ったらまさかの優しい発言」 
      「♪アタシも反省 見た目で判断」「♪もういらないわ 色眼鏡なんか」
男性客:「♪みんな違うの 当たり前」
おばあさん:「♪アタシはアタシで、アナタはアナタ」
男性客:「♪だれもができる」
おばあさん:「♪みんな持ってる」
(二人):「♪ひとり一人に リスペクト」
レジの女性:「♪たたくより たたえ合おう」「♪それが 優しい世界~」

私もずいぶんたくさんのACJAPAN(公共広告機構)のCMを見てきました。昭和天皇が崩御された時の前後は、テレビが番組自粛でACJAPANのCMがたくさん流れていたのを覚えています。大事なんだけれど、けっこう深刻な問題提起の内容のCMも多く、このラッパーのCMは、今まで見た中で一番明るく心に残るCMでした。このCMと同じ状況は、店での支払いだけでなく、銀行のキャッシュディスペンサーでもあります。別にお年寄りだけでなく、動作が遅いためにイライラされる人は、他にもいます。心に余裕があれば、待てるし、助けてあげられると思います。(お金を扱う場面では、誤解されるかもしれないので危険ですが) 色々な場所でクレーマーが増えて、昔より不寛容な人が増えたと言われますが、待つのが苦手な人や、我慢しなくなっている人が増えている気はします。

生きるということは誰かの世話を受けることを意味します。言葉は悪いですが、世話を受けることを「迷惑をかける」と言ったりします。「人様に迷惑をかけるんじゃない」は日本人がよく言うセリフですね。ただ、それはすべての人が、生まれてから死ぬまでお互い様のことです。「腹が立ったら10秒数えろ、それでもだめなら場所を変えて1分数えろ」という言葉があります。アンガーマネジメントという怒りをコントロールする方法を、小学校で学んでいるところもあります。「短気は損気」と言いますが、自分にとって損だということだけでなく、人に対して損害を与えるということを考えてほしいですね。寛容とは、心が広くて色々なことを受け入れられることを意味しますが、ギスギスした世の中にならないように、みんなが心に余裕をもって生きていけるようにしたいものです。みなさんは、心に余裕がありますか?