日誌

今年最後のつぶやきは・・・

 今日は、2学期の終業式と表彰伝達式を実施しました。午前中だったため昨日の予餞会よりも寒く、防寒着を着用してもいいとはいえ、寒がりの人はきつかったかなと申し訳なく思います。ただ、リモートで会議室から行う式は、学校としての一体感に欠けるところがあるので、なるべくなら避けたいという気持ちがあります。特に表彰伝達は全校生徒の前で祝ってあげたい気持ちが強いです。校長式辞だけならリモートでもかまいませんが(正直言ってパソコンの画面の前で話をするのは味気なくて嫌ですけどね)。

 式辞の前に校歌斉唱があり、私も息切れするくらい声を出して歌いました。しかし、残念ながら吹奏楽の音ばかりが響いて生徒の声が聞こえてこなかったので、式辞の最初に予定を変えて校歌の話をすることにしました。3年次生は、コロナ禍で校歌を歌う機会が大幅に減ったこともあるので気の毒ですが、現在はそれを理由にはできませんので、卒業式までには大きな声で歌えるようにしてくださいとお願いしました。本校の校歌は「清きいのち」という名前がついており、非常に珍しいものです。前奏が長いことと全部歌うと7分を超えるのも、特徴的です。校歌を全校生徒で大きな声で歌うというのは、太田東高校生としての一体感を得るためです。愛校心は、強制されるものではなく、自然と湧きあがるものですが、校歌については強制とは言わないまでも、できれば歌ってほしいですね。私は小中高の校歌を今でも歌えますし、異動先の学校の校歌もすぐ覚えるようにしています(通勤の車の中で聞きながら)。母校の校歌は、ぜひしっかり覚えてほしいです。

 式辞では、次のような話をしました。2、3年次生に、昨年の2学期の終業式で、私が何を話したか覚えていますかと問いかけました。「吐く」という漢字について3度目の話をしたことと、新入生への部活紹介で男子テニス部が私が式辞のために作った「吐」の漢字のボードを使ったことを話し、思い出してもらうようにしました。授業でも本当に覚えてほしいことは導入・展開・まとめで3回繰り返す必要があり、1年間の授業では最低30数時間、多ければ120時間以上、話せる機会がありますが、校長式辞は一発勝負ですので、皆さんの心に残すにはどうしたらよいだろうかと考えますということを話しました。私も今まで色々な方の話を聴いてきましたが、その人の話ぶりはすごかったという記憶はあっても残念ながら細かい内容はほとんど覚えていません。覚えているのは、話す人の迫力やエネルギーです。エネルギッシュに話す人、淡々と穏やかに話す人、タイプは違っても真剣さは伝わってきます。ただ、言葉を心に残そうとすれば、そしてそれを自分の中で消化して生かそうとすれば、メモして繰り返し見たり読んだりする必要があります。私は、昔二人の上司から正反対のことを言われて悩みました。それは「人の話はメモしながら聞くものだ」「メモなんかしないで、真剣に聞いてその場で頭に入れろ」というものです。私は、人間は忘れてしまうものなので、やはりメモしながら聞き、見返すことが大事だという結論に達しました。

 習得・活用・探究という過程を経て、学習したことは真に身に付きます。スマホですぐに検索できるから、AIに聞けば、すぐ答えてくれるからと、知識の習得を怠れば、頭の中での活用・探究に支障が出ます。多くの知識と経験があって、頭の中で関連付けが行われ新たなアイデアが生まれます。ただ、一問一答式のクイズの知識ではなく、それがなぜ重要なのかがわかる知識がリンクされないと、生きた知識にはなりません。活用・探究を通して生きた知識を身に付けてください。暗記すればいいという考えは、長い目で見て役に立たないということになりかねません。よく覚えておいて、今後の学習で気を付けてください。

 さて、令和5年度は、まだ3か月ありますが、令和5年は、あと少しで終わります。今年のお正月に立てた目標、もしくは4月に立てた目標は達成できたでしょうか。振り返って来年の目標に生かしてください。

 本当に色々な問題が今年も地球上で起きました。戦争がその最たるものですね。テレビやインターネットを通して多様な情報が毎日届けられます。それらの情報について考え、判断し、どう自分が生かしていくのかを考えることが大切です。「なるようにしかならない」「なるようになる」は精一杯努力した後に思うことなので、「なせばなる」の精神で、自分の道を切り拓いていきましょう。それでは、よい年を迎えてください。