日誌

令和と皐月

 今日は、新しい元号「令和」が始まった日ですね。「令和」は「大化」以降248番目の元号ですが、元号は天皇の御代を意識させるものです。天皇の代替わりごとに元号が変わる「一世一元の制」が定められたのは明治からですが、それ以前は1代で何回も改元したり、数代の間1つの元号で通したりといったこともありました。これまでの改元時とは異なり、コンピュータが生活のあらゆる場所で影響を及ぼしている現在、新元号への対応準備の期間を確保する必要がありました。西暦だけなら問題なかったのでしょうが、2000年問題の騒ぎが思い出されます。憲政史上初めて新元号が改元の一ヵ月前となる2019年(平成31年)4月1日に「事前公表」されたのです。

 さて、今日から5月ですが、すっかり木々の若葉の緑が目に染みる季節になりました。5月は旧暦では「皐月」、英語では「MAY」です。ここでピンときた人は、「となりのトトロ」が好きな人ですね。そう、主人公の姉妹は「さつき」と「メイ」です。旧暦の月で女の子の名前に使われているのは「やよい」「さつき」「はづき」くらいで、英語は「メイ」以外見当たりません。最初は姉妹ではなく、女の子一人だったらしいですが、真偽のほどはわかりません。5月が若葉、青葉の季節であり、トトロの世界に合っていた季節なので、つけられたかどうかも不明です。旧暦では、4月から6月が「夏」になります。このため、5月である「皐月」が、夏の真ん中の月で田植の月という意味の早苗月(さなえづき)が省略されて「さつき」になったという説があります。ですから、「五月晴れ」は、もともとは「梅雨の晴れ間」のことです。ただ、現在は「5月のさわやかな晴れ」を指す言葉としても使われています。トトロの映画の中で、雨が降っているバス停で、隣にトトロが立っているシーンが思い浮かびます。高校総体が、「五月晴れ」の中でできることを祈っています。

※ちなみに、同じように誤解されやすいのが「小春日和」ですが、こちらは「晩秋から初冬にかけての、暖かく穏やかな晴天の日」を指します。