日誌

「くう ねる あそぶ」の意味

 皆さんは、「遊ぶ」ことに対して、どんなイメージを持っていますか。「遊ぶ」の対義語は何だと思いますか。諸説ありますが、正解は何でもよくて、自分がどう考えるかだなと思います。解答例には、「働く」「休む」「学ぶ」などがあります。

 「遊び」というと思い出されるのが、後白河法皇が編纂した今様集『梁塵秘抄』の中にある「遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん 遊ぶ子供の声聞けば わが身さへこそ揺るがるれ」です。日本史を選択している皆さんは、授業で学びましたか?このうたを解釈すると「子どもたちは遊びたくて生まれてきたのだろうか。ふざけたりイタズラするのが楽しくて生まれてきたのだろうか。子どもたちの楽しそうな笑い声を聞くと、私も遊びたくなって体がムズムズしてしまうよ。」とでもなるのでしょうか。このうたは、立場から二つの解釈があるようですが、興味をもった人は調べてみてください。

 さて、「遊ぶ」ことについて、次のような文章を見つけたとき、私は「遊ぶ」の対義語は「休む」かなと思いました。「働く」ことにも「学ぶ」ことにも「遊び」の要素を取り入れてこそ、楽しくできるのではないかと考えます。

 「遊ぶこと」は、「決して楽なことでも、息抜きでも、気晴らしでもない」「自分自身のすべてをかけた緊張感や張りのあるスリリングでリスキーな行為であり、何かを学ぶための手段や方法におさまるようなものではない」「子どもにとっては、いつでも最も集中しているのは遊んでいるときであり、遊んでいる時以上に真剣な時はない」「子どもたちは、遊びの中で最高に洗練された人間らしい重要な能力を発揮しているのだ」 

 「遊び」の中で、学び、働き、能力を発揮する。なんてすばらしい。先日の体育祭も、遊びの中に学びがあったのか、学びながら遊んでいたのか、どちらでもいいですよね。準備の段階から実施まで、色々なことが楽しみながら学べたのなら。学校の教育活動が、すべて遊びの視点から捉えなおせたら、面白くなりますね。

※ちなみに「くう ねる あそぶ」は、1988年の車のCMのキャッチコピーです。ミュージシャンの井上陽水が、車の助手席から「皆さん、お元気ですか~」と言うのが話題になりましたが、ある事情で音声が消えました。気になった人は、調べてみてください。日本の社会について考えることができます。