日誌

精霊と彼岸

 今日は、38期生と39期生の卒業生32名に、「卒業生からのアドバイス」というキャリア教育部の行事の講師として1、2年次生に学校生活や進路決定へ向けてアドバイスをしてもらいました。強風の中、貴重な春休みの時間を割いて後輩のために来ていただき、ありがとうございました。10年後は「みらい学」の講師として、また来ていただけるとうれしいです。

 今日は「精霊(しょうりょう)の日」だそうです。『万葉集』を代表する歌人の柿本人麻呂、女流歌人の和泉式部と小野小町、この3人の忌日がこの日であると古くから伝えられていることから、亡くなった偉大な歌人たちの霊魂を偲ぶ日となっているそうです。あまり知られていないと思いますが、私も初めて知りました。「精霊」は「せいれい」とも読む場合と「しょうりょう」と読む場合があります。死者の霊魂を意味する場合は「しょうりょう」です。「精霊流し」というさだまさしのかなり古いヒット曲がありますが、精霊流しは長崎県などの一部地域での行事であり、死者を弔って精霊船で送り火として行うものです。今年は、昨日が「彼岸の入り」で中日である春分の日が20日です。以前にも彼岸については書きましたが、「春分(3月21日頃)」と「秋分(9月23日頃)」を中日(ちゅうにち)とし、前後各3日を合わせた各7日間であり、1年で計14日あります。この期間に行う仏教の行事を「彼岸会(ひがんえ)」と呼び、一般的にはこの期間に「お墓参り」をします。「精霊」は普通は御先祖様の霊を指すわけですが、天寿をまっとうして普通に死んだ者の霊は、死後33年または50年の弔い上げを終わると、死体から分離して清らかな霊質(祖霊)となり、正月・盆・農耕儀式の折々に子孫のもとを訪れて見守ってくれるものと考えられているそうです。霊魂を信じる信じないは別として、御先祖様がいなければ今の私たちは存在しないわけですから、1年に2度くらいは御先祖様に感謝する日があってもいいかと思います。25歳で子ができるとして計算すると700年弱遡るとみんな親戚になるそうです。よく「遠い親戚」と言いますが、そういう意味ではみんな程度の差はあれ「遠い親戚」なんですね。不思議な感じがします。