日誌

ようこそ太東へ!

 今日は、令和5年度第1学期の始業式と入学式です。卒業式以降、3年生がいなくなって寂しくなった校内に初々しい1年生が入ってきて、また活気が出てくることでしょう。年々、春の訪れが早くなり入学式まで桜の花びらが枝にしがみついて新入生を待っていられなくなってきました。その代役をハナミズキがしてくれています。

 日本から贈られた米国ワシントン・ポトマック川の桜並木は、”日米親善”の象徴であることはよく知られています。1912年、当時の尾崎行雄東京市長が桜の苗木6040本を米国へ贈った返礼として、タフト米大統領が1915年にハナミズキを60本寄贈しました。ハナミズキの花言葉は、「答礼」「私の思いを受けて下さい」などです。100年前の寄贈の後、2000年にはタフト大統領の孫にあたるタフト・オハイオ州知事から「第2世代」のハナミズキ150本が寄贈されています。

 私は、以前に式辞で話すために桜のことについて調べたことがありますが、その時にハナミズキのエピソードとして知った中で印象的だったのは、一青 窈(ひとと・よう)さんが、2004年に歌って大ヒットした「ハナミズキ」の歌詞の意味です。歌詞に「薄紅色の可愛い君のね 果てない夢がちゃんと 終わりますように」「君と好きな人が 百年続きますように」とありますが、この歌は2001年の「9.11」同時多発テロで、 一青さんの友人が亡くなり、しかもその友人に子供がいたことから、その切ない気持ちを歌ったものだそうです。「ハナミズキ」は恋愛ではなく、平和への思いを歌ったものだったのですね。他に恋愛を歌っていながら、反戦の意味を持っているものに沖縄戦を歌っている「島唄」があります。桜は、散り際のよさから武士や軍人に好まれましたが、ハナミズキは、キリストが架けられた十字架に使われた木でした。「クリスチャンにとって、ハナミズキはとても大事な木。背があまり高くならないのは、2度とハナミズキを十字架にしないようにという想いがこもっているからだといわれている」そうです。桜にもハナミズキにも罪はありません。罪を負わせているのは人間です。世界情勢は、きな臭い状況が続いていますが、コロナもようやく収まってきつつあり、今年度は生徒の皆さんが安心して以前と変わらぬ高校生活が送れることを願っています。

※写真は今年の本校の桜とハナミズキです。