日誌

言霊か言魂か

 昨日は、芸術鑑賞教室として劇団四季のミュージカル『アラジン』を観に3年次生が東京に行ってきました。私は、引率で平成15年に『マンマ・ミーア』を観に行ったことを記憶しています。舞台装置のすごさや劇団員の方々の演技と歌の素晴らしさにひきこまれ、楽しい時間を過ごさせてもらいました。今回も引率された先生方から、生徒が楽しんでいた話を聞きました。私はミュージカルや演劇は数えるくらいしか観ていませんが、本当にたくさんの人が関わって一つの舞台ができあがっているということを感じます。それは、映画のロールエンドで、俳優や監督などの他に非常に多くの団体や個人が協力していることがわかることと同義です。たくさんの人に楽しんでもらうために多くの人が誇りをもって協力し、一つの作品を作り上げているのだと思います。生徒の皆さんも、ぜひ誇りをもって取り組める仕事を見つけられるように、太東と進学先での勉強を頑張ってください。
 世界に知られる映画の黒澤明監督は役者の演技をチェックする時に3つのセリフに注目したそうです。「ありがとうございます」「いらっしゃいませ」「かしこまりました」この3つは心がこもっていないと、とても不自然に聞こえる言葉だとのことでした。『戦後最高のウェイターと呼ばれた男の話』という本に載っていました。別に、これらの言葉に限らず、言葉の意味よりも、そこに込められた気持ちのほうが大事で、言葉の質感というか、言霊みたいなものが出るかでないかが、言葉が人に届くためには必要なのかなと思います。顔や身体の表情と声の表情がそろって、言葉が人に伝わる力が決まるのだと思います。今はマスクのせいで、目力だけで勝負しなければならなくなっていますが、早くマスクを取りたいものです。ちなみに言霊は言魂とも書くようです。みなさんは、どちらがしっくりきますか?