日誌

アンテナ感度は良好?

 日本教育新聞のコラムにゲゲゲの鬼太郎の「妖怪アンテナ」から、教員の気付きに発展させたものがありました。「サザエさん」と一緒で、「ゲゲゲの鬼太郎」を知らない人は、いないですよね。「妖怪アンテナ」は妖怪の気配を感じとる便利なセンサーですが、様々な専門家にもそれぞれのアンテナがあり、祇園のお茶屋で長年下足番を務めている男性の例をあげていました。この下足番の男性は、常連さんの靴の減り方の異変に気付き、受診を強く勧めたそうです。半信半疑で医者にかかった客に思いもよらない病気が見つかったということです。よく人の変わったところ(特に女性の髪)に気付く人と気付かない人がいますが、髪型や服装だけでなく、様子がいつもと違うことに敏感に気付けるかどうかが、教員に必要な資質かもしれません。(もっとも、気付いていても、口にださないとだめですが。)朝のSHRの点呼で、顔や声から「いつもと違うな」と気付けるかどうか。特にいじめに敏感なセンサーをもっているかは重要です。学校で生徒に「ちゃんとやりなさい」と授業態度や課題の提出について注意するのは誰にでもできます。プロの教師としては、目に見えている事象の向こう側を見つめ、どう声掛けするかを考えることが求められます。本当に困っている時に学校に相談できない生徒や保護者も多いので、「困り感センサー」を高く張って、教員からなるべく声掛けができるようにしたいです。そのためにも、働き方改革が進み、先生方が余裕をもって教育活動ができるようにしてもらいたいです。

 現在、必要な教員数を満たせず、困っている学校が全国にたくさんあります。定められた教員数が満たされないのは論外ですが、まず、小学校にせめて2クラスに1人副担任を配置してもらいたいですね。「教育で一番大切なのは義務教育だ。小中の教育をしっかりやればいいのだ。それにはいい先生を集めなければならない。そのためには月給を高くしなければならない。一般公務員よりも先生の給料を3割高くしろ」と田中角栄は言い、人材確保法が成立しました。高校の教員である私がこんなことを言うのもなんですが、やはり、小学校が大事だと思いますので、先生方の善意に頼った「定額働かせ放題」と揶揄されるようなことはやめて、文科省には小学校にいい先生が集まるように施策を考えてほしいものです。