日誌

スッキリ!

 掃除の話が2日続きましたが、今日は書き残した「整理整頓」の話をしようと思います。教室を見て回った時、生徒の皆さんのロッカーの中が整頓されているかどうかも見ました。皆さんの自宅の部屋は、「整理整頓」されていますか。「整理整頓」すると、どんないいことがあるのでしょう。
「整理」とは「いるものといらないものを分け、いらないものを捨てる」ことです。
「整頓」とは、「必要なものをいつでも誰でも取り出せるよう、秩序だてて配置すること」です。工場などで「整理整頓」という標語が掲示されているところもありますが、私の実家は鉄工場で、父は「どこに何があるかわかっているから、目をつぶっても必要なものは取って来られる」と言っていました。
 今から10年以上前に『断捨離』ブームがありました。「捨てるものと残すものは、心がときめくかどうかで決める」という言葉が印象に残っています。ただ、日本には世界でも称賛された「もったいない」思想がありますので、なかなか捨てられない人も多いようです。断捨離とは、下記のように不要な物を断ち切り、物への執着心をなくすことで、身軽で快適な生活や人生を手に入れようとする考え方のことです。断捨離はヨーガの思想だそうで、商標登録もされています。
断行(だんぎょう):入ってくる不要な物を断つ
捨行(しゃぎょう):家にずっとある不要な物を捨てる
離行(りぎょう):物への執着心をなくす
 皆さんは、何か購入する時、「本当にこれは使う(着る)だろうか」と心の中で自問していますか。私は、本当に欲しいと思えば買うし、迷ったら何日か待って、欲しい気持ちが残っていれば買います。それでも、何回か着ただけのシャツやネクタイがあります。今は、本当に服の質がよくなって安くなったため、気軽に買えてしまうので、タンスの肥やしも増える一方なのではないでしょうか。私は、1年着なかったものは捨てるようにしています。本は、メモしながら読んでいるので、手元に残しておきたいと思った本以外は、売るか学校の図書館に寄付しています。仕事でファイルしてある書類も私の感覚では7~8割捨てても大丈夫です。実際、捨ててきましたが、その時の判断基準は、今後必要となると予測される情報が記載されているかどうかです。
 「足るを知る(者は富む)」という言葉があります。古代中国の思想家、老子の言葉ですが、「何事に対しても、“満足する”という意識を持つことで、精神的に豊かになり、幸せな気持ちで生きていける」という意味です。物質欲には限りがなく、執着心を捨てることで楽になります。この言葉には、後に続く言葉がありますので、興味をもったら調べてみてください。
 『断捨離』は一つの価値観なので、これが正しいというわけではありません。ただ「整理整頓」は、勉強でも仕事でも何かしようとする時に大事なことだと考えます。身の回りを整理整頓し、予習で仕分けを、復習で整頓することで理解が進みます。
 皆さんは、なぜ、「わかる」を「分かる」と書くのかわかりますか?情報は、事前に整理されていれば、その構造(意味)を判定することが容易になります。そして、この整理とは、たいてい、「分ける」ことから始まります。つまり、「分ける」は「分かりやすい」の原点なのです。認知心理学では「分かる」とは、一次記憶域の情報が「解釈」「一般化」「抽象化」という過程を経て、二次記憶域に移動することとしています。

 身の回りと頭の中の「整理整頓」をして、効率的な勉強をし、志望校合格を勝ち取ってください。