日誌

日本でのカレー発展に学ぶこと

 1982年(昭和57年)の今日、1月22日は、学校給食創立35周年を記念して、全国学校栄養士協議会が学校給食試食会を実施し、全国の小中学校の児童約800万人にカレーライスの給食が出されたそうです。私はこの時高校3年でしたので、残念ながらこの時のカレーは食べていません。この試食会を記念して、カレーを製造する事業者の全国団体である全日本カレー工業協同組合がこの日を「カレーの日」に制定したそうです。カレーは、1976年(昭和51年)に正式導入された米飯給食の普及にも大いに貢献しました。私も中学生の時に、カレーが給食で初めて出た時のことを覚えています。給食といえば、コッペパンか食パン、ソフト麺でしたので、ごはんにカレーが加わってうれしかったですね。

 私は、小学生が好きな食べ物のベスト3は、カレー・すし・ハンバーグという記事を記憶していたので、現在はどうか調べてみました。株式会社ぐるなびが小学生の子供を持つ親を対象に行った小学生が好きな食べ物についてのアンケートによれば、平成生まれと昭和生まれの小学生ともに、好きな食べ物の1位は、『カレーライス』だったそうです。最近の子どもは、私の感覚からすると信じられないもの(プリンやみかんなど)が嫌いで食べられないという話を聞きますが、カレーライスを嫌いな子どもは聞いたことがありません。

 これだけ人気があるカレーライスですが、ラーメンやハンバーグに比べて外食専門店が少ないのを不思議に思ったことはありませんか。おにぎりやお茶がコンビニで売られるようになったとき、それらは家庭で作られるもので買うものではないという観念が日本人にはあったので売れるはずがないと思われていました。カレーライスも市販のルーを使って家庭で作って食べるものという概念が日本人には根強いのでしょう。私の知人でカレー専門店を開いた人がいたのですが、残念ながら客足が伸びずに店を閉めざるをなくなってしまったこともそれを裏付けています。

 カレーはインドから伝わったと思われていますが、まずインドからイギリスに伝わり、イギリスから明治時代に日本に伝わったそうです。イギリスでは、シチューが牛乳を使うため日持ちしないので航海中にも食べられるカレーライスが定着したとされています。日本では明治時代に手軽な牛肉の食べ方としてカレーライスが紹介されました。明治末期には「じゃがいも、玉ねぎ、人参」が定番のカレーの具材として定着しましたが、これは日本独自のものだそうです。カレーやラーメンはもちろん、それ以外の外国の料理も日本人はアレンジして日本独特のものに発展させてきました。これも日本人の探究心と創意工夫のなせる技なのでしょう。皆さんも今後、社会に出て様々な分野で活躍することと思いますが、そのために高校で探究力の基礎を身に付けてください。

 私はカレーというと思い出すのが、「包丁人味平」という漫画の中の「カレー戦争」です。料理をテーマにした漫画は今では珍しくありませんが、料理漫画の魁となり少年ジャンプで1973年から連載され、小学生の時に読んでいました。色々なジャンルの料理で一流の料理人を相手に、主人公の塩見味平が勝負して成長していくストーリーでした。今読んでも色褪せてはいません。「カレー戦争」は、デパートのレストランでの客引き戦争でもあり、時代をよく表しています。