日誌

外国由来のモノはどれくらい?

 今日は、貿易の日だそうで、通商産業省(現:経済産業省)が1963年に制定したそうです。皆さんは、中学校までの歴史で勉強した安政の五か国条約を覚えていますか。1858年に日米修好通商条約を始めとして、オランダ・ロシア・イギリス・フランスと結んだ一連の通商条約です。1859年6月28日、江戸幕府がこれらの5ヵ国との間で結んだ友好通商条約に基づいて横浜・長崎・箱館(函館)の3港を開港し、自由貿易を許可する布告を出したことから貿易の日となりました。しかし、これらの大きな問題点は、不平等条約だったことです。高校入試でもよく出る①領事裁判権を認めたこと、②関税自主権がないこと、③片務的最恵国待遇(ロシアを除く)です。この撤廃のために明治政府は、大変な苦労をしました。また、この条約は天皇の許可(勅許)が得られないまま結ばれたことにより、安政の大獄や桜田門外の変(井伊直弼の暗殺)などの事件を引き起こすことになりました。(日本史の授業みたいになりそうなのでこのへんでやめておきます)            

 日本は外国と様々なモノ・サービスの取引を行っています。多くの場合、それでお互いに利益を得るわけですが、取引総額が不均衡になると外交問題に発展する場合もあります。日本とアメリカとの戦後の貿易摩擦の歴史は長く、「ジャパンバッシング(日本たたき)」という言葉も生まれました。また、特殊な輸出品がある国は、それを外交上優位に立つためのカードに使う場合もあります。最近だと中国のレアアースの輸出規制が、それに当たります。日本は、資源を輸入して付加価値を高めた製品を生産し輸出して、外貨を稼ぐ「加工貿易国」ですから、資源の輸入リスクを減らすために多くの国と貿易しています。しかし、一部の国に産出が偏った資源はどうにもなりません。ただ、日本は資源がない分を補うため、持ち前の技術力によって製品だけでなく新しいエネルギーの開発を進め、世界が驚く成果をあげています。近い将来、他国に依存しないエネルギーが確保できるのではと期待しています。国同士の安全保障は、もとは戦争を避けるためのシステムでしたが、今は「食糧安全保障」や「エネルギー安全保障」など戦争に至る前の段階が重要になってきています。「食糧安全保障」には、穀物などだけでなく水も重要です。他国に多くを依存していれば、「食糧」と「エネルギー」は国民の生死にかかわる問題になります。SDGsばやりの昨今ですが、今、皆さんの身の回りにあるモノは、どこから来ているのか調べてみてください。そして、それがどんな人々によってどのように生産されているのかを知ってください。(政治経済の授業か?)