日誌

萬画とは

 昨年の今日は、カノッサの屈辱と謝罪について書きましたが、今日1月25日は漫画家の石ノ森章太郎先生の誕生日ということで、石ノ森章太郎先生について書こうと思います。今の高校生には石ノ森章太郎といってもピンとこないかもしれませんが、仮面ライダーや戦隊シリーズは知っていると思います。早いもので石ノ森先生が亡くなられてから、26年がたちましたが、今でも映画で「シン・仮面ライダー」が作成されたり、テレビでの仮面ライダーシリーズやゴレンジャーから始まる戦隊シリーズなどの放映が続いていたりで、その作品の影響力は健在です。特に等身大のヒーローものは、巨大ヒーローもののウルトラマンと並び、子ども達に絶大な人気を誇り、現在まで50年以上続いているのがすごいです。彼は生前、マンガというメディアが持つ無限の可能性を提唱する「萬画宣言」を行い、自身も「漫画家」ではなく「萬画家」と称しました。この「萬画」という言葉には、「あらゆるものを表現でき、あらゆる世代の嗜好に合い、無限の可能性をもつメディアであり、そしてミリオンアートである」という意味が込められているのです。『石ノ森章太郎萬画大全集』は、770タイトル全500巻で、一人の著者が描いたコミックの出版作品数が世界一多いとしてギネスブックにも認定されています。手塚治虫先生の業績も超人的で「漫画の神様」と呼ばれていますが、石ノ森先生も、SF漫画から学習漫画まで幅広い分野で作品を量産し「漫画の王様」「漫画の帝王」と評されています。私が実際に読んだ作品には『サイボーグ009』『仮面ライダー』『人造人間キカイダー』『イナズマン』『ロボット刑事』『秘密戦隊ゴレンジャー』『佐武と市捕物控』『マンガ日本経済入門』『HOTEL』などがあります。

 私が初めてコマ割りをして16ページの漫画を描いたのは小学3年生の時でしたが、題材はテレビの仮面ライダーでした。ペン入れやホワイト、トーン貼りなどはもちろんなく、サインペン1本で描いたもので拙いものでしたが、セリフとコマ割りをテレビのシーンを思い出しながら描きました。今でもよく覚えています。当時は、漫画は低俗なものという偏見もあり、特に父親からはいい顔をされず、描いていると怒られました。今や紙ベースでもWebでも漫画があふれており、日本のクールなサブカルチャーとして世界に発信されているのですから、時代は変わったものです。漫画の表現力は進歩し続けていますが、果たしてAIが代替してしまう時代がくるのか、絵や音楽、文学などすべての表現者にとって今までとは全く異なる時代が到来するかもしれません。皆さんも、今後はAIに代替されないもので勝負するか、AIを活用することで勝負するか、いずれにせよ自分の様々な力を伸ばせるよう努めてください。