日誌

交番と治安

 昨日から本格的に私大の一般入試が始まりました。3年次では多くの生徒が受験に行っています。今日は、寒くなりそうですが、受験生の皆さんの健闘をお祈りします。一方で、2年次生は今日の放課後と明日1日、共通テスト模試に挑みます。先輩方のアドバイスでは、受験勉強のスタートは2年次の秋からがいいという話を聞きますが、この模試を受験勉強スタートの号砲として、ゆっくりでもいいのでスタートしてください。「もっと早く始めればよかった」と1年後に後悔しないように、すぐ始めてください。

 今日2月2日は、交番設置記念日だそうです。 1874年に東京警視庁が設置した「交番所」(交番舎)が世界初のもので当初は、交番の建物はなく、街中の交差点などに警察署から警察官が出向いていたそうです。1881年の今日、1つの警察署の管内に7つの「交番」を設置することが定められました。町の中に常設の建物を置き、そこを中心に制服の警察官が活動するという交番の制度が始まりました。1888年10月に全国で「派出所」(警察官の詰め所)、「駐在所」(外勤警察官が居住する施設)という名称に統一されましたが、「交番」という呼び名が定着し、国際的にも通用する言葉になっているということから、1994年11月1日に「交番」(KOBAN)を正式名称とすることになりました。日本の治安の良さは世界中に知られていますが、アメリカの大学教授が日本に犯罪が少なく治安が良い大きな理由は、都市に交番が設けられ、全国各地に駐在所があり、警察官が地域において住民と良好な関係を築いていることだという研究を発表しています。外国でもKOBANで通用し、今や世界に広がりつつあります。 現在アメリカやラテンアメリカ諸国、およびアジア諸国で導入されています。ブラジルのサンパウロ州のラニエリ地区は「世界一危険な地区」と国連が認定するほど治安の悪いところでしたが、KOBANを導入してから10年後には、殺人の件数は2割程度にまで激減したそうです。日本の制度が世界の平和と安全に貢献していると思うとうれしいですね。

 少年ジャンプで連載され、アニメ化もされた「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は警官を描いた漫画としては断トツに有名です。「こち亀」として親しまれ、単行本は全201巻に及び、2021年に『ゴルゴ13』に抜かれるまでは「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定されていました。私も半分くらいは持っています。私が中学生の時に連載が始まり、40年間一度の休載もなく続いたのですから、驚異的です。この漫画は、ほとんど警察組織とは関係ない内容ですが、様々なマニアに受ける内容が盛り込まれ、作者の知識と感性、そして先を見通す力に驚かされます。この漫画が日本の派出所を世界に広める一助になったことは否定できないでしょう。