日誌

仮面とマスク

 今日は、月光仮面登場の日だそうです。1958年(昭和33年)の今日、ラジオ東京(現:TBS)で国産初の連続テレビ放送が始まりました。日本のヒーロー番組の元祖でもあり、時代劇と探偵活劇の要素を組み合わせた作風は、その後のヒーロー番組に多大な影響を与えました。1959年(昭和34年)まで、130回が放送され、1958年(昭和33年)からテレビ版の漫画化と、実写映画化がされています。その後、1972年(昭和47年)にアニメテレビドラマ化、1981年(昭和56年)に再び実写映画化されています。私は、最初の放送時はまだ生まれていませんので、初めて見たのは小学校の時のアニメでした。今思えば、実写版の最初はヒーローというより「怪しいおじさん」という感じです。「どこの誰かは知らないけれど~誰もがみんな知っている~♪」は、誰もが知っているテーマソングでした。パロディーもたくさん作られ、ギャグにもされました。仮面ヒーローものの元祖でしたが、その後「仮面」が付くヒーローは、「七色仮面」「仮面の忍者赤影」「遊星仮面」「仮面ライダー」「シルバー仮面」などがありました。「仮面」の名がつかなくても、仮面のヒーローは枚挙に暇がありません。プロレスの「タイガーマスク」も仮面のヒーローでした。

 仮面の文化は、世界中にあります。なぜ、人は仮面をかぶるのでしょうか。正体を隠すため?威厳をもたせ強くみせるため?月光仮面は前者、ツタンカーメンの黄金のマスクは後者でしょうか。違う自分、なりたい自分に変身するためとも考えられます。日本の文化である能の面は、一つの面で全ての感情を表現します。演者が演技によって、観客に様々な表情に見えるようにすると言ってもいいかもしれません。歌舞伎の化粧も程度の差はあっても仮面の一種かもしれません。お化粧をすることで気分がピシッとし、仕事モードに切り替わったり、振る舞いがよくなったりといった経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。パーソナリティ(性格)の語源は仮面(ペルソナ)という話を以前書きました。人は様々な仮面をもっていて、少なからずTPOに応じて使い分けていると思います。いきすぎると多重人格者になってしまいますが。本当の自分を引き出すために、自信をもつために仮面をかぶることも必要かもしれません。かぶったままじゃだめですけどね。思い出されるのは映画「MASK」です。仮面による人間の深層心理(欲望)の発現が大袈裟にコミカルに描かれていて笑うとともに考えさせられました。反対に「隠す」という意味で最も記憶に残っているのが「オペラ座の怪人」です。ミュージカルや映画で有名すぎるくらい有名な作品ですが、観た後、切ない気持ちになります。高校生だと観たことがない人が多いと思いますので、ぜひ観てみてください。ところで、今はコロナ禍で、マスクが仮面の代替物になってしまっている気がします。皆さんは、どう思いますか。