日誌
2022年5月の記事一覧
将来使いません
小学校教師を目指して教育実習中の娘の役に立つかもと思って、先日、『子供の「困った発言」に5秒で返す 教師の「切り返し」』という本を買いました。その中に「〇〇を勉強したってどうせ将来使いません」という発言がありました。みなさんなら、どう返しますか?
「勉強というものは、いいものだ。代数や幾何の勉強が、学校を卒業してしまえば、もう何の役にも立たないものだと思っている人もあるようだが、大間違いだ。植物でも、動物でも、物理でも化学でも、時間のゆるす限り勉強しておかなければならん。日常の生活に直接役立たないような勉強こそ、将来、君たちの人格を完成させるのだ。何も自分の知識を誇る必要はない。覚えるということが大事なのではなくて、大事なのは、カルチベートされるということなんだ。カルチュアというのは、公式や単語をたくさん暗記していることではなくて、心を広くもつということなんだ。つまり、愛するということを知ることだ。学生時代に不勉強だった人は、社会に出てからも、必ずむごいエゴイストだ。学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底にひとつかみの砂金が残っているものだ。これだ、これが貴いのだ。勉強しなければいかん。そうして、その学問を、生活に無理に役立てようとあせってはいかん。ゆったりと、真にカルチベートされた人間になれ!」 以上は、太宰治の言葉ですが、私は内容よりも、太宰治がこんなことを言ったんだということに驚きました。
勉強の意味や意義について述べた言葉は、他にもたくさんありますが、私にとって一番印象に残っていたものなので、少し長いですが紹介しました。
ガンバレ!実習生
今日から教育実習が始まります。みなさんの先輩ですので、基本的に温かく、時には少し厳しく接してあげてください。よい先生になれるように。
さて、私が教育実習をしたのは、今から37年も前ですが、2週間で指導案を10時間分書き、19時間授業をしました。指導案は、当時はB4一枚で手書きでした。「あなたの答案が真っ赤になって返ってくる〇〇ゼミ」のように添削していただきました。「よし、最終日の研究授業は、頑張ろう」と考え、毎日2~3時くらいまで教材研究をしました。そして、板書も説明もすべて覚えて研究授業に臨み、チャイムスタート・チャイムエンドで終え、心の中でガッツポーズをしました。ところが、当時としては珍しいビデオに撮ってもらっていた授業映像を見てみると…。「えっ何だこりゃ、しゃべり方が変、間が変、思っているより下を向いてる時間が長い」など、自負心が木っ端微塵となりました。この時のショックが、自分を第三者の目で観て改善する姿勢をもたせました。
「実るほど 頭(こうべ)を垂れる 稲穂かな」という句があるように、できる人ほど謙虚であり「自分などまだまだ」という意識が強いものです。だから、停滞せず伸びるのです。自信は大事ですが、過剰にならないように、自分に不満をもって、いろいろなことに取り組んでください。不満があるから改善しようとします。実習生も生徒のみなさんも、伸び続けるために頑張ってください。
ごますり和尚
先日、「ほめる」という話題が出てきて、ふと思い出したのが、アンパンマンに出てくるスリコギ坊主とごますり和尚です。スリコギ坊主が「そーれっ!それそれっ!ゴマすれゴマすれ」というかけ声とともにごますり和尚の頭の鉢でごまをすると、お世辞が次々とでてきて、みんながよろこびます。「ほめる、叱る」は教育の一大テーマで、書き出すとつぶやきでは終わらないので、「ほめる」話をいくつか紹介します。
①父親から「パパをほめて」と言われた6歳の女の子の答え…「やる気がないのにがんばっているところ」この深い洞察力恐るべし。
②女子から「かっこいいですね」とほめられた時の返事として、最も適切なものを答えなさい。模範解答「えーっ!全然そんなことないけど〇〇ちゃん(相手の名前)に言われたら超うれしい」
③1999年、60の企業が共同で出した連合広告…「ニッポンをほめよう」
④そごう 父の日キャンペーンのキャッチコピー…「父さんだって、ほめれば育つ」
⑤私はこれまで世界中のさまざまな大人物と会ってきたが、人にほめられて働くより叱られて働くほうがよい仕事ができるという人間には、まだ会ったことがない。
そう言えば、人をおだてて持ち上げたり、しきりに誉めるなどして良い気分にさせることで「よいしょする」という言葉がありましたが、死語になってしまったんですかね。
ウルトラスーパー便利?
我が家では、かねてからA3対応プリンタが欲しいというリクエストがあり、今のプリンタも9年も使っているので昨日買い換えました。リビングのデスクトップの下にプリンタは設置しているので、今まではUSBケーブルでつないでいましたが、今度はWi-Fiでつなごうと作業を始めると…。プリンタにWi-Fiは繋がっているのにパソコンが認識してくれず、色々と試しましたが諦めてUSBケーブルにすることにしました。思えば、すぐ下にプリンタがあるのに、わざわざ不安定なWi-Fiにする必要もなかったと時間を無駄にしてアホでした。USBが登場したとき、「何の略?」「ウルトラスーパー便利だよ」という冗談がありましたが、それくらい当時は画期的でした。USBの登場前は、数多くの接続規格が乱立していて、キーボード用、プリンタ用、ハードディスク用などそれぞれ違う端子をパソコンに搭載する必要がありました。 (私は20数年前に、外付けCDドライブの接続を朝まで悪戦苦闘してだめで、購入した量販店へ持って行ったら不良品でした。「時間を返せ!」と叫びました。)1996年にUSB1.0の規格が成立し、その後Windows98以降のOSでは追加ソフトなしでUSBポートが使えるようになり、外部機器の接続がすごく楽になりました。デジタルデバイド(情報格差)という言葉がありますが、コンピュータやインターネットを使いこなせずに不利益を被る人(情報弱者)も少なくありません。特に高齢者は。コロナワクチンの予約申し込みを私は両親に代わって3回行いましたが、「電話だとつながらないので、息子さんがいるならネットでやってもらってください」と言われたそうです。私はMS-DOSの時代からパソコンと付き合っていますので、それなりの知識はあるつもりですが、早く「パソコンとプリンタを繋いで」と言えば、済む時代になってほしいです。
習慣は第二の天性
今年度1回目の定期考査が始まりました。1年生にとっては、高校で初めての定期考査ですね。十分準備をして臨めたでしょうか。私の高校時代を振り返ると、満足のいく結果を得られるには英語や地歴、古典など覚えることが多い科目では、10~20時間くらいはテスト前勉強が必要でした。逆に理数科目は、普段からちゃんとやっていれば、テスト前にそれほど勉強しなければならないことはありませんでした。英語や地歴だって普段からしっかり取り組んでいれば、テスト前に慌てることはなかったはずです。私の好きな言葉に「習慣は第二の天性」というものがありますが、「一日英単語を20個覚える」「数学の問題を2題解く」など、できることから習慣化していくことが、天才に匹敵するほど能力を伸ばし大きく成長するための一歩です。エジソンの言葉に「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」とあるとおりです。「継続は力なり」も「習慣は第二の天性」とセットにしてください。まず、帰宅したら30分机に座る習慣からつけましょう。少しずつ良い習慣を増やしていって、やらないと気持ち悪くなるくらいになってください。なりたい自分になるために、まだまだ遅くはありませんので、勉強でも部活でも、よい習慣をつける努力をしてください。