日誌

2023年5月の記事一覧

けいおん!

 今日は、昼休みに大会議室で関東大会の壮行会がリモートでありました。出場するのは、陸上競技部、少林寺拳法部、ボクシング部、登山部(大会がまだ先なので、本日は不参加)です。ぜひ、ほどよい緊張感をもちながら、自分のベストの状態で臨んでくれればと思います。壮行会のあと軽音楽部のミニライブが視聴覚室でありました。手書きのかわいい招待状を前日に渡されていましたので、弁当をかっこんで視聴覚室へ行くと、まだ準備中で10分くらいしてから開演になりました。聴きに来ていた生徒の数は、ざっと数えて90人ほどで盛況でした。3バンドで3曲聴かせてもらいましたが、「青春してるなぁ」と羨ましくなりました。もうすぐ還暦の私としては、知っている曲がないのは仕方ないのですが、クラッシックとして「ビートルズ」や「ディープパープル」「レッドツェッペリン」など演奏してくれたらうれしいなぁと思いました。本校の軽音楽部は部員数が80名弱で、部員数断トツの1位ですが、そのせいで練習場所がないのが悩みですね。ギターは一人でも練習できますが、ドラムは厳しいですね。自宅に地下室でもあれば別ですが。練習して自分の好きな曲が弾けるようになったときはうれしいものです。軽音部の皆さんも、運動部に負けることなく目標に向かって練習してください。

常識と非常識が逆転する日

 今日5月29日は、語呂合わせで「幸福の日」らしいですが、幸福について書こうとすると、かなり長文になりそうな嫌な予感がするのでやめておきます。
 というわけで、今日は当たり前と一般に思われていること、つまり常識を疑うことについて書きます。ユーチューブにビジネス書をボイスコミックで紹介するものがあるのですが、先日見たものに「ニュースは見るな」というものがありました。なぜ、ニュースは見ないほうがいいのでしょう?私もニュースは同じものが飽きるほど繰り返されるし、肝心なことはテレビ局に都合が悪いのか報道されないことも多いし、時間の無駄と思うことが多々あります。週末に1週間の主なニュースをまとめて見るだけで十分な気がします。ニュースは報道する価値があるからニュースになるのではなく、視聴率がとれるものをニュースにするという側面があります。コロナの報道も視聴者の不安を煽ったほうが視聴率がとれると言われました。ニュースの中で本当に報道する価値のあるものは、果たしてどれくらいあるのでしょう。若者の犯罪の増加や凶悪事件の増加、高齢者の事故の増加、外国人犯罪の増加などは、ニュースによって間違ったイメージが作られたものです。「ニュースを見た(読んだ)ほうが世の中のことがわかるからいい」という常識や思い込みを、もたされてはいませんか。
 「重役の7割が賛成するプランは時すでに遅く、7割が反対するプランくらいでやっと先手をとれる。」と松下幸之助さんは言っていますが、独創的発想、斬新なアイディア、これらは世間の常識を裏切って生まれてくるということですね。逆説的ですが常識の範疇を超えたアイデアを出すためには、まず常識を知り尽くさねばなりません。そのために学校は大事です。社会の常識を学ぶところですから。
「本当の意味で勉強するということは、常識を学ぶことではない。常識を知り、そこから外れてもいいということを学ぶことである」と言語学者の外山滋比古さんは言っています。
皆さんが、当たり前と思って少しも疑っていないことが、世の中にはたくさんあると思います。身近なところで何があるか、考えてみてください。そして、それが当たり前でなくなった先には、どんな社会が待っているのでしょう。

アンテナ感度は良好?PART2

最近読んだ「内外教育」という小冊子に以下のような話が載っていました。(要約です)

 以前に教育実践のコンテストで審査員をしたときのこと。児童に毎朝、タブレット端末でその日の気分を入力させて心の健康をつかむという活動報告があった。私は感心して高い点をつけた。しかし、ほかの教員経験者の審査員の受けは悪かった。「指導の観察は教員がしっかり見るのが筋」という理由による。このような情報ツールで子どもの異変をつかむ手法は、教員の助けになろう。ただ、「心の健康は出席をとりながら顔を見てこそ」と反発した教員OBたちの姿勢は尊い。対話型人口知能が教育現場に入ってきたとしても、一人ひとりとしっかりつながる矜持(プライド)だけはAIの時代にも失ってはなるまい。

 皆さんは、この話を読んでどう思いましたか。欠席している生徒が誰かわかっていても、40人全部の顔を見ながら、声の調子を確かめつつ呼名をするのが理想だと思います。小学校のように20人学級なら十分できる余裕があるかもしれません。しかし、実際には朝の連絡事項が多すぎて、一人ずつ呼名できず、ざっと全員の顔を眺めるのが精いっぱいかもしれません。ですから、教員の多忙化の中で、「生徒と接する時間を増やしたい」と思っている先生が多い現状を考えれば、朝の体調や気分についてアイコンの顔マークを選んで、泣き顔や困った顔を選んだ生徒は、理由を簡単に書いてもらい生徒への声掛けや対応に役立てられるようにするソフトは、よいのではと思います。忙しかったり疲れていたりすれば、生徒の表情や雰囲気がいつもと違うということを見過ごすこともあるかもしれません。ただ、正直に入力しない生徒もいるかもしれませんので、最後は生徒をよく見て、対面して話をしっかり聴くことが大事なのはいうまでもありません。残業時間が100時間を超える先生が珍しくない状況では、そうしたソフトはありがたいと考える先生も少なくないのではと思います。また、生徒が入力してくれたことで話を聴くきっかけとなるだけでもいいのではないかと思います。皆さんも悩み等があるなら、一人で抱え込まずに、誰か話しやすい先生を見つけて、相談してくださいね。

失敗は成功の・・・

 今年度最初の定期考査が終了しました。努力に見合った満足する結果が得られたでしょうか。中間考査初日のブログでは、成功について触れましたので、今日は「失敗」について、私が書き留めてきた言葉の中から抜粋したものを紹介します。今回の考査で、失敗したと落ち込んでいる人がいたら、よく読んでください。失敗を前向きにとらえられるかどうかが、成長の鍵です。

〇早稲田大学の創設者である大隈重信のいた佐賀鍋島藩は、藩士教育に熱心なあまり、成績不良な学生の家禄を半分にする、といった罰則まで設けていました。現代では、受験地獄がいくら厳しくても失敗すると親の給料まで半分にされてしまうというようなことはありません。それほど当時の藩の経営は厳しく、また武士たるものの責任は重かったのです。大隈重信は次のような言葉を残しています。「諸君は必ず失敗する。ずいぶん失敗する。成功があるかもしれませぬけれど、成功より失敗が多い。失敗に落胆しなさるな。失敗に打ち勝たなければならぬ。たびたび失敗すると、そこで大切な経験を得る。この経験によって、もっと成功を期さなければならぬのである。」  

〇失敗からは必ず新たな発見がある。最近は、失敗するのが楽しみになってきました。田中耕一(ノーベル化学賞を受賞)

〇失敗すればするほど幸運はくる。若い間に、いっぱい失敗して挫折してください。」山中伸弥(京都大学教授 世界で初めてiPS細胞の作製に成功し、ノーベル医学・生理学賞を受賞)

〇失敗をただの失敗と思うか、おいしいと思うかの違いなんです。失敗って視点を変えると結構面白かったりしますから」東国原英夫(元宮崎県知事)

〇「失敗したからって何なのだ。失敗から学びを得て、また挑戦すればいいじゃないか」ウォルト=ディズニー

〇そもそも失敗は、脳にとって最高のエクササイズである。失敗して痛い思いをすると、その晩、失敗に使われた関連回路の閾値が上がり、電気信号が行きにくくなる。胸の痛い失敗を重ねれば、要らない回路が消え、失敗しにくい脳に変わるとともに、とっさに余分な回路に電気信号が行かないので、本質を見抜き、勘が働く、センスのいい脳になる。

〇人が成長する上で、必ず経験しなければならない失敗があるのです。これが「よい失敗」で、別の言葉を使えば、「必要な失敗」といえます。

〇人は正解を教えてもらったら、盲目的にそれしかやらなくなります。試行錯誤をしなくなるんですね。絶対に失敗させて、試行錯誤させれば、どれだけセンスのないやつでも成功できるんです。全員失敗させて、全員成功させるんです。

いかがでしょうか。失敗を単なる失敗で終わらせるか、「勉強させてもらった」と感謝して、成長と次の成功に生かせる糧とするか。それはあなた次第です。

3.14・・・楽しめる!?

 昨日、興味深いニュースを見ました。兵庫県の西宮市立西宮高校3年の4人が「三角比の定理」などを用いて「円周率の新しい求め方」を証明し、まとめた論文がオーストラリアの国立ニューサウスウェールズ大学が発行する数学雑誌に特に注目すべき記事として掲載されました。高校までで学ぶ公式などを使って証明することは困難とされていて、新たな証明方法として評価されたそうです。研究を始めたのは彼らが1年生だった2021年9月で、身近な疑問を出発点に深く探究する授業の中で、「円の面積と内接する多角形の面積は近似する」というテーマの着想を高校受験の問題集から得たとのことです。半年ほどかけて挑んだ末、高校1年で習う「三角比の定理」などを用いて、スムーズに証明できることが分かりました。指導した先生は「私がほとんど口を挟むことなくやってのけた。円周率の証明は伝統があるが、高校生が学ぶ知識で解けたということに大きな意義がある。数学界でいうと“エレガント”な証明」と太鼓判を押しました。生徒たちは「答えにたどり着くまでの過程を導くために、自分たちなりに試すことに楽しさを感じた」「諦めないで続けていけば道は開ける、という自信につながった。これからも大好きな数学に関わっていきたい」と述べています。研究の原動力は、尽きぬ探究心だそうです。皆さんも、ぜひ探究心をもって好きなことに取り組んでください。

 さて、円周率についての話をもう少し書きたいと思います。1999年秋に某N学習塾が2002年の学習指導要領改訂をとりあげ『ウッソー!?円の面積を求める公式 半径×半径×3!?』、『円周率を3.14ではなく、「およそ3」として円の求積計算を行います』と書かれた広告を首都圏の通勤電車の中に大量に張り出すなどして大々的なキャンペーンを行いました。この衝撃的な情報は全国に広まり、マスコミによって拡散され、首都圏の学習塾の思惑(公立学校に行かせるとこんな事になっちゃいますよ。いいんですか?)を助けることになりました。そしてゆとり世代は"円周率を3として習っている"という認識が世間一般で広がってしまいましたが、この話はデマです。正確には 「円周率は3.14だが、実際の計算では3として取り扱っても良い」 ということです。これは、小学校5年で習う小数の計算では、小数点以下1桁までしか扱わなくなったことに関連しています。これに関連して2003年に話題になったのが東大理系の前期試験の「円周率が3.05よりも大きいことを証明せよ」です。メディアは、「東大がゆとり教育を否定した」などとセンセーショナルに取り上げ、もっとも有名な大学入試問題の一つになりました。興味をもった人は、ネットでたくさん取り上げられていますので考えてから解答を見てみてください。3.14がどんな数字なのかを考える人と単に円周率として覚える人では、学年を重ねるごとに数学だけでなくすべての学習で大きな差がつくことでしょう。

 そのほか円周率に関するトピックでは、2019年3月14日に、グーグル社で日本出身の岩尾エマはるかさんが、円周率を小数点以下31兆4000億桁まで計算することに成功したことや、19世紀末のアメリカのインディアナ州で円周率を3.2という間違った値に勝手に決める内容を含んでいる法案が通りそうになったことなどが、興味深いです。円周率がアバウトだと失敗してしまう国家プロジェクトもあります。日本の小惑星探査機はやぶさの軌道計算には「3.141592653589793」が使われましたが、もし「3.14」を使っていたら最大で約15万キロも軌道がずれてしまう可能性がありました。日本には円周率11万桁を覚えた世界記録保持者原口證さん(77歳)がいますが、原口さんは意味のない数字の並びである円周率に、独自の語呂合わせで770以上の物語を作り、記憶しています。最後に彼の言葉を紹介します。

「『実行八分目』が大切。精一杯頑張ったら、翌日は疲れてやりたくなくなる。でも、物足りなさを残してやめておけば次の日も楽しみながら実行できる。その繰り返しが、継続へとつながるのです。目標も決して定めない。達成しなければという義務感が生じ、つい頑張ってしまうから。頑張りすぎる→苦しむ→目標に届かず挫折、という悪循環に陥ってしまいがち。「大事なのは続けることではなく、続けられること。肝心なのは、楽しくやることではなく、楽しくやれること」 

『論語』にある孔子の言葉「之れを知る者は、之を好む者に如かず 之を好む者は、之を楽しむ者に如かず」が思い出されました。「学ぶことにおいて、その知識を知っているだけの人間は、勉強を好きな人間には及ばない。勉強を好きな人間は、勉強を楽しんでいる人間には、及ばない。」何かをできるようになりたかったら、楽しんでやるのが1番!ということですね。「楽してやる」ということではなく、「真剣に、でも、楽しんでやれる」ということだと思います。何事も楽しんでやれる工夫ができるかどうかですね。