日誌

2022年10月の記事一覧

変身願望ありますか?

 早いもので、今年もあと2か月となりました。今日は、ハロウィンですね。皆さん、「Trick or Treat!」という言葉を言い合っていたのでしょうか。「Trick or Treat!」は、「お菓子をくれないと、いたずらしちゃうぞ」ととらえていましたが、分かりやすく語を補うと「Treat me, or we'll trick you」らしく、日本語にすると「もてなせ、さもなければ悪事を働くぞ」という意味になるみたいです。バレンタインデーやホワイトデーのようにお菓子業界の仕掛けにまんまとはまったのかもしれませんが、日本の子供たちにとっては、お楽しみ会が一つ増えてうれしいのかもしれません。朝のテレビで外国人観光客が「日本のハロウィンが世界で一番クレイジーだ」と話していました。日本のハロウィンは、単に仮装して(コスプレですね)騒ぐお祭りになってしまっています。渋谷での様子を見ていると、コロナは収束したわけではないのにマスクもせず、密になっていて、また感染者が増えるのではと心配になります。学校行事や部活、もちろん授業ができなくなるのは、もう勘弁してほしいです。

 日本では、コスプレも、十分市民権を得ているように思いますが、まだオタクのイメージが強いのでしょうか。顔までバッチリとメイクして本格的な衣装を着れば、誰かはわからなくなります。非日常性と自分以外の好きなキャラになる楽しさがあるのでしょう。パーソナリティ(人格)の語源は、ペルソナ(仮面)です。みんな人やTPOに応じて仮面を使い分けているとも言えます。パーソナリティとは、気質と性格を合わせたもので「その人らしさ」と言い換えてもいいかもしれませんが、今とは違う自分になりたいという願望を、みんな多かれ少なかれもっているのではないでしょうか。その願望を叶える場所の一つが、渋谷のハロウィンなのかもしれません。皆さんは、変身願望がありますか?

ぐんまハッピーDay!

 今日は、群馬県民の日で学校は休みですが、部活動を頑張っている生徒もたくさんいると思います。顧問の先生方、ありがとうございます。3年生は、勉強を頑張っていると思います。お疲れ様。昔、都道府県民の日について調べたことがあって、少し驚いた記憶があります。それは、そういう日がない府県が10、公立学校などが休日となるのは茨城県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・山梨県くらいということです。都道府県民の日が制定された由来は、廃藩置県だったり、名称が現在のものになったり、県域が定まったりというのが大半です。群馬県は、廃藩置県で1871年10月28日に初めて群馬県という名称が使われたことが由来です。

 ディズニーランドが、県民の日は、そこの県民で混むというのは、よく知られていますが、みんな関東ですよね。学校が休みになる都県では、郷土愛を育み地域の魅力に触れる機会とすることを目的に休校措置をとっているのだそうですが、皆さん郷土愛を育んでいますか。私は埼玉県民であり、群馬県の高校出身で就職も群馬県なので、県歌は、両方歌えます(*´∀`*)。特に埼玉県民の日はJR東日本を除く県内の鉄道が乗り放題となる一日乗車券が発売され、遊園地・動物園・水族館・博物館・映画館等の入園料が無料や割引になるそうで、他県からするとうらやましいですね。ただ、私はというと群馬県で働いているため仕事を休めず、子どもが小さい頃に県民の日に家族で出かけられなかったので、そんな埼玉県民の恩恵をほとんど受けたことがありません。埼玉と群馬の県境に住んでいる人で、同じ境遇の人は結構いるかもしれません。県民の日が学校休みというだけでも恵まれていると思いますので、有効に過ごしましょう。

朝日耀う通勤路

 私は、現在、通勤路の3分の1くらいを東に向かって車を走らせていますが、冬が近づくにつれて通勤時間帯の太陽の高度が低くなるので、眩しい朝日が目に入るようになってきます。本校の校歌の3番に「わが学び舎に 朝日耀(かがよ)う」とありますが、冬は、まさにそれを実感する季節です。東に向かって走るのは、トータルで13年目です。西に向かって走ったのは14年間で、朝日が信号に反射してしまい、何色かがわかりづらく恐い思いをしていました。あとは、北での勤務が5年です。館林にアパート住まいしていた時に南に向かって2年走りました。私が高校生の時は、北へ向かって「からっ風」に逆らいながら40分の自転車通学でした。通学だけで体が鍛えられたような気がします。生徒の皆さんの中には、通学に1時間以上かかる人も少なからずいると思いますが、ぜひ通学時間を有効に使うように工夫してみてください。メジャーリーグで活躍した松井秀喜さんは、「日本一のバッターを目指すなら心も日本一になれ」と山下智茂(星陵高校野球部監督) に言われ、往復2時間の通学時間に色々な本を読んでいたそうです。時間は、すべての人に平等に与えられています。どう使うかは、あなた次第です。

エネルギーって本当に大事

 今日は、原子力の日だそうです。(また、今日は何の日を使ってしまいました・・・) 1956年のこの日に日本が国際原子力機関(IAEA)に加盟したこと、また、1963年のこの日に茨城県東海村の日本原子力研究所の動力試験炉で、日本初の原子力発電が行われたことを記念して、日本政府が1964年に制定したそうです。原子力というと、福島の原発事故や原子爆弾など、あまりいいイメージがないかもしれませんが、どんなものでも人間の使い方次第で良くも悪くもなります。薬は毒になるし、科学で人の役に立つように開発されたものも軍事転用されれば、人を殺す兵器になります。

 私は、原子力というと手塚治虫先生の「鉄腕アトム」が思い浮かびます。妹の「ウランちゃん」や敵のロボット「プルートゥ」など、多くのロボットが登場しますが、ロボットを通して人間の心や行いについて考えてもらおうとしていたのかなと思いました。これからAIとロボット技術の発達によって、マンガのアトムの世界が出現するのでしょう。人間とロボットの共存する世界とはどんな世界になるのでしょうか。映画「ターミネーター」のように対立するようになるのでしょうか。それと、業田良家さんの「ゴーダ君」という4コマ漫画にでてくる「原子力のPRおじさん」が印象に強く残っています。原子力は危ないということを風刺しているのですが、それが非常に面白かったので、昔、政治経済の教材で使わせてもらいました。ゴミが捨てられずに掃除機ごとコンクリートで固めて捨てる原子力掃除機や、1度つけると1万年消えない原子力灯、お米を炊くと大きくなってしまう原子力炊飯器など、原子力の危険性や解決されていない問題などを風刺したものがたくさんありました。日本で非常に小型の原発が開発されましたが、今後の日本のエネルギー政策に注目です。

 現在、エネルギー問題は非常に混沌としています。エネルギーには、化石燃料やガスによる火力、原子力、水力、風力、太陽光、地熱、波力などたくさんあります。地球温暖化ガスの削減を目指して国際的合意もなされましたが、電気自動車の問題点が明らかになり、世界のエネルギー政策は現実の厳しさによって方針が大きく変わるかもしれません。これからガソリン代や電気代など光熱費が、どこまであがるかわかりませんが、世界情勢に注目してエネルギー問題について考えていきましょう。

主体的に学習に取り組むって?

 今日は、放課後に授業改善推進委員会というものがありました。学校は授業が命です。学校行事や部活動は、命を育む栄養となります。ですから、教師にとって授業改善は最重要課題です。先生方は、それぞれ自分が教える教科をおもしろくしたい、生徒に力をつけたいと考えて、授業改善の努力をしています。そして、授業をした後は生徒の皆さんの力を伸ばせたかどうかを確かめる必要があります。評価には観点別評価というものがあります。以前は、「関心・意欲・態度」「思考力・判断力・表現力」「技能」「知識・理解」の4観点でした。(ただし、5観点だったり3観点だったりするものもありました。教科によってバラバラだった評価の観点が、全教科で新しい3観点に統一されたのです)以前も「関心・意欲・態度」をどのように評価するかで、全国の先生方が悩んだものでしたが、学習指導要領が新しくなって3観点になり、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学習に取り組む態度」になりました。育てたい資質としての3要素のうち「学びに向かう力、人間性など」が、評価する観点として「主体的に学習に取り組む態度」になりました。そして、今度は「主体的に学習に取り組む態度」の評価で先生方は悩むことになったのです。生徒の皆さんは、「主体的に学習に取り組む態度」について何をどのように評価してほしいと思いますか。そもそも「主体的に学習に取り組む態度」って、どんな態度なんでしょう。具体的に説明できますか。ぜひ、皆さんの意見を聞かせてもらいたいものです。
 今から50年ほど前、京都大学の入学式の祝辞で総長が「京都大学は、諸君に何も教えません」と言ったそうです。あとに続く言葉は、これを書いた人の記憶が確かならば「諸君が自分で求めようとしなければ、大学では何も得られない」のようです。似たような話は、他の大学でもあります。AIの普及やネット社会の発展で、さらに社会の変化のスピードが増し、曖昧で不確実な時代が到来します。そんな時代を生きるためには、変化を前向きに受け止め、人生をより豊かにしていくためにどうすべきか主体的に考え出すことができる力、文科省のいう「生きる力」を育てることが重要となります。自分の頭で考えて主体的に動くことは、これからの社会に出て求められることです。高校生の時から、主体的に考え行動する態度を身に付けようとする心構えが大事です。ぜひ、そのことを意識して、高校生活を過ごしてください。

電球のぬくもり

 最近、めっきり秋めいてきましたね。毛布やこたつを出した家も多いと思います。今日も寒かったですが、明日も寒いみたいですね。受験生の皆さん、風邪をひかないように気をつけてください。今年は、インフルエンザも流行ると言われていますが、まだ、コロナが終息したわけではなく、みんなマスクをして気を付けているのにどうやったら流行るのでしょうかね?

 さて、肌寒い季節になると、思い出す歌があります。石川啄木の「秋近し! 電燈の球(たま)のぬくもりの さはれば指の皮膚に親しき」です。この歌に共感する人は、どのくらいいるでしょうか。実際に電球に触って、温かいと思ったことがありますか。実際には熱いです。よほど指先が冷えていれば別でしょうが。寒くなってくると、電気やガス、灯油といったエネルギーの有難さを実感しますね。東日本大震災の時、カセットコンロで暖をとったのを思い出します。ある日突然、当たり前のことが当たり前でなくなりますので、暖のとれる生活ができることに感謝しつつ、勉強を頑張ってください。

対話が大事!

 まず、次の文を読んでください。

 あまり成績のよくない学生がゼミに入れてほしいとやってきた。成績を理由に断ったのだが学生は、「今まで何をやっても中途半端だった。根性をたたき直すために入れてほしい。」と粘る。面白い。ゼミの内容を毎週家に持ち帰り、食事の時に両親に説明し、その結果を毎週リポートで提出するという条件をつけた。最初のリポートが面白かった。いつもはお笑い番組などを見ながら食事をする息子が突然「冷戦の崩壊」などと話し始めたから、親は笑ってまじめに取り合わなかったという。しかし、息子は真剣だ。毎週報告しなければゼミから放り出される。息子の熱意に親が引き込まれ、親子で話し合う様子が生き生きとリポートに表れるようになった。学生の成長はめざましかった。1年半のゼミの後、学生は就職試験を受けた。成長ぶりを見ている私には企業はこんな若者を見逃さないだろうと確信があった。学生は希望の企業に合格した。報告にきた学生に、最終面接の朝、両親はどんな言葉で励ましたかと尋ねた。頑張れでも落ち着けでもなかった。「今までやってきたことを全部発揮してこい!」だったという。親子が対話を続けていたからこそ出た言葉だと思う。作新学院大学特任教授小林和男 内外教育「ひとこと」より

 今の若者は、ネット中心でテレビはあまり見ないようですが、家ではどんな話をしているのでしょうか。対話的学習が重視されている現在、授業ではペアやグループでの学習が当たり前のように行われています。質のよい対話的な学びを積み上げていけば、次第に「知識とは、自分たちの手によってどんどんと良くなっていくものだ」という知識観を形成していけるのです。世界の教育現場では対話型、討論型が主流です。自分の考えを述べる、それに質問を受ける、それによって考えが深まり、当初考えていたより以上の多面的多角的な考え方ができるようになります。対話は、別に友達や先生、親などの大人だけが相手ではありません。偉大な先人たちの言葉がたくさん残されています。「自分ならどう考えるか」というときに、それまでに先人たちがどのように考えてきたかを学ぶことは、具体的に何かの役に立てるという勉強以上に重要な意味をもっているのです。太東の生徒の皆さんは、男女の仲が良いので、対話的学習や学び合いといった活動が、よくできています。今後も切磋琢磨して太東全体で力を伸ばしていけるように頑張っていきましょう。

ヒヤリ ハッと!

 最近、暗くなるのが早くなってきて、自転車通学の人は下校時に「こわいな」と感じることも増えてきたかなと思います。でも、車を運転しているほうもこわいんですよ。無灯火の自転車や上下黒のウェアでウォーキングしている人がいると、「事故にあいたいんか~い?」と突っ込みたくなります。私は、目の前で車の衝突事故を2回目撃しています。あと少しタイミングがずれていれば、巻き込まれていました。「あ~っ、ぶつかる、ぶつかる、ドーン」という感じで「全然、前を見てないだろ」というぶつかり方でした。時間に余裕がないと、どうしてもスピードを出したいと思ってしまいますが、急いでいる時ほど冷静にならないといけません。雨の日は特に自転車通学の人は気をつけましょう。自転車のタイヤを滑らすものはたくさんあります。学校の敷地内でも道路同様スピードを出して運転しないでくださいね。自分の安全は自分で守るしかありません。自爆事故はもちろん、もらい事故がないように周りに注意して登下校してくださいね。あと、ヘルメットをかぶりましょう。「つけててよかった」ですよ。

挨拶を進化させよう!

 今日は、県教育委員会から指導主事に来校いただきました。学校訪問と呼ばれるもので、学校の教育活動改善のための指導・助言をしていただくためのものです。生徒の皆さんの授業への取組や挨拶について、お褒めの言葉をいただきました。以前に学校評議員の方からも、挨拶についてお褒めの言葉をいただきましたが、さらに気持ちの良い挨拶が条件反射でできるように、意識してください。きっと、その習慣は今後の皆さんの財産になるはずです。それと、学校のウェブページの発信力について高評価をいただきました。生徒の充実した楽しそうな学校生活の様子が、学校行事や部活動の記事からよくわかるとのことです。先生方は、生徒の皆さんに色々な力をつけてもらうために、授業に学校行事に部活動にと日々頑張ってくれています。これからも、みんなで力を合わせて、太東をより楽しく充実した学校生活が送れる場所にしていきましょう。

過去と他人は変えられない?

 「過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる」エリック・バーン(カナダ精神科医・心理学者) 

 有名な言葉なので聞いたことがある人も多いと思います。皆さんは、この言葉を読んだ時、「そのとおり!」と同意しましたか?それとも、「いや、違う」と否定しましたか。普通は、タイムマシンでもない限り過去は絶対変えられないと思いますよね。過去を変えるのと同じくらい他人を変えるのは難しいということを言っています。だから他人を変えようとして思い通りにいかずイライラするくらいなら、自分を変えたほうが精神的にいいよということですね。「いやなことは、その日のうちに忘れろ。自分でどうにもならんのにクヨクヨするのは阿呆だ。」と田中角栄は言っていますが、似たようなことを言っている人は他にもいます。過去のことをいくら悔やんだところで、過去は変わりませんからね。

 では、過去と他人を変えられると思った人は、なぜ、そう思ったのでしょうか。仏教学者の柴田泰山に次のような言葉があります。「こうありたい」という未来を決めれば、今ここですべきことが見えてくる。すると、過去に向き合う自分も変わり、やがて過去の様々な出来事の意味も変わる。だから過去は変えられる。

 事実は事実として存在しますが、それに対して幸・不幸などの価値付けをするのは人間です。自分の意識を変えれば、過去を変えることができるのです。他人にたいする意識も、変えることができれば変わるということです。すべては、自分次第ということですね。他人も過去も変えて、未来も変えられるように自分の意識を変えられるようになるといいですね。

日本の文化カラオケ

 生徒の皆さんの中で、カラオケをしたことがない人はどれくらいいるでしょうか。友達や家族、恋人と行くだけでなく、一人カラオケだってありです。今日10月17日は、「カラオケ文化の日」だそうです。「カラオケは我が国が生んだ最大の娯楽文化」との認識から、カラオケを通じた文化活動の支援や文化交流を行い、その普及を図ることを目的として一般社団法人・全国カラオケ事業者協会(JKA)が1994年に制定したそうです。カラオケは、スキヤキ、スシ、ゲイシャなどと同様、海外で通用する日本語です。カラオケボックスが普及していなかった昔は、飲食店で1曲100円払って歌っていたものです。近年のカラオケの進化には、すさまじいものがありますね。近いうちに好きな歌手の声で歌うことができるようになりそうです。コロナ禍で、私はもう2年半カラオケに行っていませんが、気にせず行っている人は行っているのでしょうね。私は、まだ立場上行き辛いのですが、2年生の皆さんも、修学旅行前にコロナに感染しないように自重してくださいね。コロナを気にせず、みんなが大きな声で歌を歌える日が1日も早くくることを願っています。

うまい話と断る力

 今日は、群馬県高等学校PTA連合会東毛地区指導者研究集会(長い!)というものがあり、出かけてきました。その後半で「成年年齢引き下げと若者の消費者トラブル ~親として知っておきたいこと~」という講演がありました。高校3年生は、未成年ではなくなるので、金銭トラブルに巻き込まれる人が増えます。結論から言うと、「うまい金儲けの話には絶対のるな」です。欲をかいて楽して儲けようと思えば、大体失敗します。最悪の場合、失敗するだけでなく友達も失います。それと、話の中で一番印象的だったのが、強く勧誘されると断れない人の割合が、全世代の中で10代、20代の人が大変多かったということです。あなたは、はっきり断ると悪いんじゃないかと思って、答えをにごして曖昧に答えてしまうほうですか?1989年に「NOと言える日本」という本がベストセラーになりましたが、日本人は自己主張が下手と言われます。よくとれば謙虚で奥ゆかしい、ことを荒立てるようなことは避ける、とでも言えるのでしょうか。「結構です」「いいです」という言葉は、「YES」「NO」どちらにもとれます。日本語には、曖昧でぼかす表現が多く、直接的な表現を避けて言葉と態度から察する文化があります。講演の中で、「先輩から誘われた時のセリフを考えよう」という質問がありました。先輩は「簡単に儲かる話があるんだ。この後、ご飯でも食べながら、一緒に話を聞かない?」と言っています。あなたなら、どんな言葉で断りますか?100%の正解というものはありません。ぜひ皆さんの断るセリフを教えてください。

趣味と仕事

 皆さんには、趣味がありますか?自己紹介で話したり、面接で聞かれたりしますよね。何か趣味がないと、つまらない人間みたいに思われるのが嫌で、とりあえず無難に「音楽鑑賞」とでもしとけ、みたいな人もいるかもしれません。私は、趣味って自分が好きでやっていることで、人に自慢したり、ひけらかしたりするものではないと思うので、「昼寝」とか「ボーっとしてすごすこと」だって全然いいのではないかと思います。若い芸能人が、似たようなことを言っていたので、同じことを考えている人も多いのではと思いました。ただ、趣味はある程度継続的にやっているものというニュアンスがあるので、「単に好きなもの」と「趣味」の分かれ目は、そこかなと思います。一番幸せなのは、趣味が仕事になることかもしれませんが、仕事になると辛くなることもあるので、趣味は趣味のままにしておきたいという人もいることでしょう。仕事がおもしろいので、ほかに趣味などいらないという人もいます。結局、仕事と趣味は、その人の生き方に関わってくることなので、何でもありなのかなと思います。ただ、自分の世界を広げるという意味で、いろいろなことにチャレンジして、それが趣味になったり、仕事になったりして誰かの役にたてたらいいなと思います。皆さんも、若くてエネルギーがあるうちに、いろいろなものに興味をもってチャレンジしてください。そして、趣味の合う友達を見つけてください。

真実はいつも・・・

 私は、専門が歴史なので歴史的に重要な出来事があった日は、記憶しているものも少なくありません。皆さんは、10月12日が歴史上どんな日か知っていますか? 1492年のこの日、イタリアの探検家・航海者クリストファー・コロンブスが率いるスペイン船隊が新大陸アメリカに到達したので、これを記念して10月12日は「コロンブス・デー」と呼ばれます。ただ、実際には最初に上陸したのはアメリカ大陸ではなく、西インド諸島でした。この日はアメリカの多くの州で祝日となっており、1970年より月曜休日統一法によって10月の第2月曜日となりました。現在、「コロンブス・デー」は、アメリカで多くの公共施設が定休日となり、企業や学校も休みとなる場合があるそうです。また、コロンブスの新大陸発見はスペイン王室の支援により達成され、スペインにとって中南米への植民地建設への第一歩を記した記念日でもあるため、10月12日はスペインでは「イスパニア・デー」という国民の祝日になっており、首都マドリードでは伝統的な軍事パレードが毎年行われているそうです。さて、私が、「コロンブス・デー」について書いたのは、別にコロンブスを讃えるためではなく、この象徴的な日を通して歴史の見方について考えてほしいと思ったからです。コロンブスの新大陸発見は、大西洋を横断する貿易の航路を見出すのには役立ちましたが、スペインの植民地化を進めるきっかけにもなり多くのアメリカン・インディアンの命を奪ってしまうことにもつながりました。アメリカにはコロンブス・デーに反対する人たちもいて、代わりにアメリカ先住民の日としてお祝いする州もあります。中南米全体の傾向として、スペインによる侵略と殺戮、略奪が始まった日として、特に先住民系の人たちによる抗議デモも行われています。歴史は、勝者によって書かれます。味方を変えると、コナンみたいに「真実はいつも一つ!」なんて言えないのです。歴史を勉強するときは、事実とされることを鵜呑みにせず、陽の当たらない裏にまで目を光らせることが大事です。色々な面で、プロパガンダに騙されないようにしましょう。

協働>競争

 「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本が、2009年に刊行され、大変話題になりました。ベストセラーとなり、その後、アニメ化・漫画化・映画化もされました。ドラッカーは、マネジメントの大家であり、ビジネスマンなら彼の本を読んだことのある人は、多いと思います。マネジメントについては、たくさんの本が出ており、本質は同じですが、その方法は色々あります。マネジメントとは、「経営管理」や「組織運営」といった意味で、ヒト・モノ・カネを効率的に活用し、「目標」や「ミッション」の達成を目指すことです。日本型経営の特徴として、「年功序列型賃金」と「終身雇用」がありますが、経済のグローバル化によって「成果主義」が取り入れられるようになり、日本の職場も変わってきているかも?しれません。?と書いたのは、なかなかうまくいかなかったという記事を読んだことがあるからです。仕事の種類や業務内容が多岐にわたっているため、評価が難しいことや、短期で成果をださなければならず、長期的取組に支障がでるなどのデメリットがあげられました。社内の同僚との競争も激しくなり、職場の雰囲気が悪くなったということも言われました。この組織マネジメントが、学校に取り入れられるようになってからもう20年近く経ちます。

 新しい学習指導要領では、「協働」が重視されていますが、社会的活動というのは「協働」であって「競争」ではありません。集団で作業し、それぞれがその専門的知識や技術を提供しあい、その協働の成果はみんなで分かち合うのが理想です。

 こんな例え話がありました。Aくんはある教科でいつも100点をとる。Bくんは80点しかとれない。でも0点ばかりとっているCくんを気の毒に思って勉強の仕方を教えたので、Cくんは30点とれるようになった。受験の場ではAくんの評価が高いが、労働の場ではBくんの点数にCくんの点数が足されるのでBくんの評価が高くなる。

 この話を読んで、あなたはどう思いましたか?勉強でも、部活でも、学校行事でも「協働」が大事だと思いませんか?社会では、損得だけで動いていたら、「協働」なんてできませんし、大きな仕事なんてできませんね。

頼られるって嬉しい?

 中間考査が終わり、皆さん解放感に満ち溢れていることでしょう。ただ、これから新人戦がある部活の人は、早く練習したいのではないかと思います。ここのところ寒い日が続いていますので、受験勉強を頑張っている3年生、部活を頑張っている1、2年生、体調に気を付けてくださいね。

 今日は、午後から太田市立北の杜学園で太田地区中高生徒指導対策協議会があり、出かけてきました。北の杜学園は、太田北中が太田東小学校、韮川西小学校と統合して令和3年4月に開校した小中一貫校です。皆さんは、小学校1年生から中学校3年生までが同じ敷地内で、いろいろと関わりながら学校生活を送っている姿が想像できますか。学年が上の児童・生徒が、お兄さん・お姉さんになって頼られることで、自己有用感が育まれていきます。本校のサブリーダー制が、広い範囲で有効に機能している印象でした。説明を聞き、見学させていただき、子ども達の様子が非常にほほえましく感じました。本校には、リーダーシップがとれ、面倒見がよい生徒がたくさんいると思います。今後も、上級生の下級生への面倒見のよさを本校のよき伝統として伝えていってほしいと思います。この伝統は、卒業生が後輩のために非常に協力的であるということにもよく表れています。在校生の皆さんも、卒業後に後輩達への支援について頼られた際には、よろしくお願いしますね。

AIが止まらない

 先日届いた「月刊日本教育10月号」に、熊本市教育長の連載記事があるのですが、その中に完成度の高い絵を描くAI(人工知能)のサービスの話がありました。私も「AIが描く絵」で検索してみましたが、驚くほどの出来栄えで、短時間でできるみたいです。ただ、誰でもすごい絵が描けるわけではなく、ソフトウェアを使いこなす技術のほかに絵の才能もある程度必要なようですね。

 私が中3のときに読んだ筒井康隆の短編SF小説に「暗いピンクの未来」というのがありました。未来では、画家という職業はなくなってしまい、コンピュータが絵を描くようになり、デザインにも進出してきます。プログラマーの天下になるわけです。ただ、漫画家は生き残っています。40年以上前に、予言していたわけですね。パソコンを初めて買ったころ、ペイントソフトで、元絵を「印象派風」「水墨画風」「点描風」「水彩画風」「油彩風」などと、変えられるものが既にありました。AIを使って絵を描くようになっても、驚くほどのことではないのかもしれません。そのうち、AIを使ってヒット曲を生み出すのが、普通になってしまうかもしれません。よく考えたら、AIは、Artificial Intelligenceの略でart(芸術)が入ってるんですよね。

 これから、さらにAIが進化していくと、ロボットの開発と歩調を合わせて現在ある人間の仕事を徐々に奪っていくことでしょう。AIに代替できない人間の能力とは何か。これから皆さんに、身に付けることが求められる力とは何なのか。すぐ身につくことは、すぐ役立たなくなります。じっくり腰を落ち着けて、汎用的能力を育てていきましょう。

学問の本質

 今日から2学期の中間考査が始まりましたが、皆さん、勉強は計画的にできたでしょうか。今日は、高校で勉強している内容が人生で役に立つのかと、悶々としている人に少し例をあげてつぶやき?ましょう。
 一つ目は、1868年から1894年にかけて4回英国首相を務めたウィリアム・グラッドストンの逸話です。彼は、オックスフォード大学で数学の天才と呼ばれていましたが、大学に入る前は最も嫌いな教科が数学であり、そのせいで進級も危ぶまれていました。「数学のない学校に転校させてほしい」と父親に手紙を書いたくらいです。父親は「おまえは数学が嫌いだというが、本当に身を入れて数学を勉強したことがあるのか。(中略)不得意なものに挑戦してそれを克服することは、将来社会に出て、おまえが出会うかもしれない大きな困難をも克服することになる。転校を口にする前に、私の言うことをかみしめてほしい。」この言葉を聞いて、彼は数学に挑戦しました。どんな分野でも天才と呼ばれる人が生まれたときからそうだったわけではありません。自分のもっている能力や体力を十分出すために努力することの大切さをグラッドストンの逸話は教えています。
 二つ目は、企業が文系人材の採用で重視していることと、その理由です。重視するのは、「大学入試をきちんと突破した」ことなのです。言い換えると「受験勉強を最後までがんばれたか」なのです。三角関数や微分・積分は、一部の専門的職業を除き仕事で直接使うことや、日常生活で使うこともありませんが、それを理解できる能力や、理解はできないまでも公式を覚えて問題を解ける能力は、仕事でも有効で汎用性があります。勉強していることで、生活に直接役立たなくても、汎用的な能力育成に役立っていることがたくさんあるのです。私は、選択教科を極力少なくして昔のようにほぼ全てを必修にしたほうがよいと考えている人間です。地歴公民、物化生地、美術など、高校では全員が履修するべきです。文系理系分けもそうすれば、3年からで十分です。
 今、注目されているのは、数値で測ることが困難な非認知能力です。協調性、コミュニケーション力、主体性、自己管理能力、統率力、創造性、探究心などです。これらの能力は、学校での全ての教育活動を通して育まれていきます。文系理系は関係ありません。高校の時点で、全国一律に生徒を文系理系なんて画一的に分けるのは、世界でもおそらく日本だけのようです。(間違っていたら教えてください) 自分から興味をもって勉強することだけでなく、興味をもてなくても、やっているうちに面白さがわかるものもあります。若いうちは偏らずに幅広く勉強したほうがいいと思います。長いつぶやきになってしまいました。残りの定期考査、頑張ってください。

「あなたの長所は?」

 9月30日に、3年次生のLHRで、「心の教育」が行われました。 ストレスを感じた時に生じるストレス反応への対処法であるコーピングについてスクールカウンセラーの先生に講義・演習をしてもらいました。その中に「自分が短所だと思っているところが、見方を変えると長所になることを知る」という演習がありました。面接のマニュアル本は、たくさん出ていますが、短所を聞かれたときに馬鹿正直に答えるのではなく、長所にとれるように言い換えるというのは昔からありました。

 たとえば、「優柔不断」は「慎重すぎるところがある」、「あきっぽい」は「好奇心が旺盛なので、新しいものに気が移りやすい」などです。長所と短所は、背中合わせなので他人から見れば、その人に好意的かどうかで逆転すると思います。実は、多くの人は気付いていないかしれませんが、自分をよく知っているのは自分ではなく、周りの家族・友人・同僚です。人は、社会の中で生きているので、生きる行為が自己完結していない限り、自己評価でなく、他者評価によってその存在が認識されています。ですから、「自分は優しい」と自己評価していても、他者からそう評価されていなかったら、自分を客観的に見られていない、メタ認知ができていないということになります。イギリスの名門校の卒業までの目標に、「自己評価と教師の評価が一致すること」というのがあります。自分を客観的に見つめるということ、自己理解が、いかに難しいかがわかりますね。日本の小学校で、児童の長所について質問したとき、児童だけでなく保護者もあまり答えられなかったという笑えない話がありました。人は、お互いに評価しあって尊重しあって生きているので、必要以上に自分を低く評価することはありません。自分にも他者にも、マイナスをプラスに変えて評価できるようになるといいですね。

元気ですか!

 アントニオ猪木さんが、79歳で亡くなったというニュースが、連日報道されています。皆さんのような若い人でも「元気ですか~!」「元気があれば、何でもできる!」「1、2、3、ダ~ッ!」は、見たり聞いたりしたことがあると思います。ただプロレスラーとしての全盛期にタイムリーで見ていた人は、私と同年代以上でしょう。1970~80年代にプロレスブームがあり、個性的な外国人レスラーも多数参戦し、漫画の「タイガーマスク」が現実の選手として出てきたりしました。

 小学生の時に、プロレス技を休み時間に掛け合うことが流行りました。四の字固め、コブラツイスト、卍固めなどでしたが、足の骨を折る事故が起こり、禁止になりました。(笑) 仮面ライダーのライダーキックが禁止になったのと同じですね。プロレス漫画も多く、描かれました。「1・2の三四郎」「プロレススーパースター列伝」が、最も記憶に残っています。アニメは、「タイガーマスク」が正統的プロレスでは最初で最後かと思います。

 プロボクシングファンとプロレスファンは、真剣勝負か筋書きのあるショーかで喧嘩になることも多かったと聞いています。ただ、強靭な肉体がないとやっていけないのがプロレスラーであることは間違いありません。一般の人がやったら、すぐ病院送りになってしまうでしょう。

 ですから、アントニオ猪木さんが、55歳まで現役で活躍されたのは、すごいとしか言いようがありません。皆さんも、自分が元気であることは、もちろんですが、周りに元気を伝染させられる人になってほしいです。できる範囲で。

アントニオ猪木さんの御冥福をお祈りいたします。