日誌

2024年3月の記事一覧

火の用心!

 今日3月7日は「消防記念日」だそうです。広く消防関係職員及び住民の人々に「自らの地域を自らの手で火災その他の災害から守る」ということへの理解と認識を深めてもらうことを目的としているそうです。1948年に「消防組織法」の施行により警察の所管から市町村長が消防を管理する「自治体消防制度」となり、各市町村に消防本部・消防署・消防団の全部または一部を設置することが義務付けられました。皆さんの住む地域にも消防団があると思います。「春季全国火災予防運動」が3月1日~7日にかけて行われていますが、最終日の今日は全国の消防本部などにおいて、消防訓練や記念式典、消防防災功労者に対する表彰、消防のPR活動など、様々な消防関係行事が行われています。小学生が描いたポスターが貼ってあるのを見たことがあると思います。皆さんの住む市町村のホームページに入選者のポスターが掲載されていますので、見てみてください。太田市の最優秀賞は消防車をバックに消防士の後ろ姿を描いたもので、コピーは「俺らの出番がなくなるその日まで」でした。小学校6年生女子の作品ですが、なかなか味がある大人の感覚のポスターだなと思いました。

 江戸時代を起源として、昔は消防団の人が輪番で拍子木を鳴らしながら「火の用心!マッチ1本家事の元~」と言って地域を回っていました。今は消防車で鐘を鳴らしながら走っていますね。豆腐屋さんや納豆売りの方を見たことがないのと同じで、生徒の皆さんは見たこともなければ聞いたこともない人がほとんどでしょう。マッチも擦ったことがない人がほとんどかもしれません。今はチャッカ(着火)マンが主流でしょうから。私は、火災現場を何度か見たことがありますが、やはり悲惨です。焼け死んだ方が運び出されるところも見たことがあります。日本の家屋は、その材質から燃えやすいことと、密集している場所も多く延焼しやすいことから、火災の被害が広がりやすいです。2月22日のブログで、消防署の地図記号が「さすまた」なのはなぜか調べてみましょうと書きましたが、現在のように消防車が放水できる時代ではなかった江戸時代は延焼を防ぐために家屋を壊すことが行われましたが、その時使われたのが「さすまた」です。「さすまた」は、火事を食い止める象徴だったのです。皆さん、火災防止意識を高めることと、起こってしまった場合の正しく迅速な対処を学んでください。

二つのニュースから

 今日は予想外に雪が積もっていて1日寒かったので、虫も出てこられなかったでしょうね。さて、日経株価が4万円を超えたというのは庶民にとって実感がないものの、これからの景気回復に向けて明るいニュースでした。先日と今日、驚いたニュースが他に二つあったので、それらについて書きます。

 アメリカの人気歌手テイラー・スウィフトさんが、アメリカ大統領選挙の候補者選びのヤマ場となる「スーパーチューズデー」にあわせて5日、自身のインスタグラムに「みんな、自分を最も代表すると思う人に投票することを忘れないでほしい。まだ投票していないのであれば今日投票することを計画しよう」などと投稿しました。特定の候補者の名前はあげなかったものの、若い世代への影響力が大きいことから言動に注目が集まっています。スウィフトさんのインスタグラムのフォロワーは2億8200万人余りで、前回の2020年の大統領選挙ではバイデン大統領への支持を表明し、その影響力に対してトランプ元大統領が警戒心を露わにしているといニュースでした。日本でも、影響力のある芸能人が「選挙に行こう」と呼びかければ、投票者が増えるのでしょうか。テイラーさんの場合、27万人がテイラーさんの呼びかけで投票したとされています。今、日本の政治は派閥と金銭問題で揺れていますが、政治に関心を持っている有名芸能人がYouTubeなどで語りかければ、若者の政治意識は向上するのでしょうか。ある政治家が、政治に無関心な若者について「悪いことではない。政治について考えなきゃ生きられない国のほうがよほど問題」と語り、総選挙を人間の定期健診に例え、「総選挙で投票するためには普段から政治に関心を持っていないと自身で判断ができない」「幅広い情報に触れておく必要がある」とまとめました。政治に関心をもたなくてもすむことは幸せなのかもしれませんが、やがては、いいように利用され、搾取されることになるかもしれません。「もっと国民の生活はよくなるはずなのに」と考えるようにするのは、大人の責任かと思います。皆さんは、政治は一部の意識が高い人に任せておけばいいと思いますか。少しばかり損しても、面倒くさいからいいやと思いますか。

 もう一つの驚いたニュースは、小学生の金銭トラブルで同級生に総額百万円弱だまし取られた事件です。なぜ小学生が百万円も持っているんだという疑問は、親のタンス預金が原資だったことが判明し、それはそれですごいと思いましたが、金銭感覚のズレに呆れました。他にも子どもの金銭感覚がずれている例は、聞いていますが、日本は豊かすぎるのかと思ってしまいます。金銭教育をしっかりするという話がありましたが、お金と労働の関係、有難さについて、知識ではなく体験を通して理解させなければ本当にはわからないと思います。アルバイトの平均時給が1200円前後となり、北海道のニセコのホテルでは、時給1800円の職種も出てきている中で、昔はアルバイトの時給と言えば600~700円くらいだったなぁと思う私は、古い人間です。本校の生徒の中にも許可を得てアルバイトをしている人が少なからずいますが、自分で働いて得たお金は、安易な使い方はしないと思います。皆さんも進学してアルバイトするなら、楽して稼げるものではなく、大変なアルバイトも一度は経験してみてください。そして、世の中で働いている人たちの大変さを想像し、感謝の心をもってください。皆さんもやがて感謝される日がきます。

合格おめでとう!

 今日は、10時からWeb上で県下一斉に令和6年度の高校入学者選抜の合格者が発表されました。合格された皆さん、おめでとうございます。入学式へ向けて、準備を進めてください。合格掲示板による各高校ごとの発表はなくなり、寂しい気もしますが、掲示板を見てうつむいて帰る中学生を見るのは辛いので、学校での合格者番号の掲示がなくなってよかったかなと思います。

 今日は「啓蟄」です。大地が温まり、冬眠をしていた地中の虫が春の陽気に誘われて穴から出てくるとされる日ですが、今日は寒くて明日以降にしようと虫も思っているかもしれません。明日も天気は悪そうなので、皆さん気を付けて登校してくださいね。「啓蟄」の「啓」には「ひらく、開放する」の意味があり、「蟄」には「虫が土の中に隠れる、閉じこもる」の意味があります。「啓」を使った歴史で勉強する「啓蒙」は、「無知蒙昧な人に教育を施して良い方向へ導くこと」であり、上から目線の言葉ですね。「蒙昧」は、蒙も昧も、物事の道理に暗いことをいいます。「蟄」を使った 「蟄居」という言葉も歴史で出てきます。「家に閉じこもって外出しないこと」ですが、中世から近世(特に江戸時代)の武士または公家に対して科せられた刑罰のひとつで、閉門の上、自宅の一室に謹慎させることを言います。日本史上の有名どころでは、徳川斉昭・佐久間象山・渡辺崋山らがいます。

 春になると、自宅の庭で蛙やトカゲ、みみず、モンシロチョウなどが見られるようになります。ただ、桜の木を食い荒らすクビアカツヤカミキリには登場しないでもらいたいです。本校の南の桜が、咲かなくなったら本当に寂しくなりますから。

合格発表前夜

 明日は、いよいよ高校の入学者選抜の合格発表ですね。全県下で多くの受検生が、ドキドキして待っていることでしょう。明日は、新たなスタートに立つ日でもあります。そんな皆さんに、次の言葉を贈ります。

『やる気がなくなったのではない「やる気をなくす」という決断を自分でしただけだ。「変われない」のではない。「変わらない」という決断を自分でしているだけだ。』

上記の言葉は、心理学者のアドラーのものですが、何をするにも自分が前進するためには「やる気」、つまり主体性が必要です。ただ、その「やる気」も出て来るまで待っているのではなく、動き出すことで生み出すものです。ぜひ、春に向けて新たな気持ちで主体的に動き出してください。

涙の卒業式

 御蔭様で、無事卒業式を終えることができました。御列席いただきました皆様に感謝申し上げます。心配していた天候も、保護者の受付時間の前に雨が止み、陽がさしてきて卒業生の皆さんを祝福してくれているように感じました。終了する頃には本当に晴天になり、よい卒業式になったと思います。ただ、強風になってしまったのは残念ですが。昨年は、サッカー部が正面玄関前で集まって歌っていましたが、雨が降っていてはなかなか外でそんなこともできませんし、写真を撮っても映えません。また、昨年は1、2年次生は卒業式に出席できず、卒業式中継のYouTubeを自宅で見てもらうことになってしまいましたが、今年は久しぶりに全校生徒が揃っての卒業式ができました。卒業式の空気は入学式と違い、また独特で、その場にいないと味わえないものがあります。2年次生は、卒業まであと1年と自覚したと思います。晴れやかな顔で卒業式を迎えられるように、時間を大切にして残りの太東での生活を送ってください。1年次生は、「あと2年ある」ではなく、「あと2年しかない」と思って、様々な場面で学校の中心となって活躍を期待される2年次を過ごしてください。今年は青藍祭がありますので、力を合わせて素晴らしい青藍祭を創り上げてください。

 さて、卒業式で校歌はしっかり歌えたでしょうか。予行よりも声が出ていてよかったです。私は、最後で詰まってしまって「太田東高校」で声が出ず、「ハンカチの出番」になったのですが、ハンカチを忘れてしまい両頬に流れた涙を拭くことができず、しばらくそのままで立ち尽くすことになりました。今年は泣かずに終えられると油断していたら、最後に落とし穴がありました。卒業祝賀会で、担任の先生の一人から生徒が私が泣いているのを見てもらい泣きしたと日誌に書いていましたと言われ、もらい泣きする側がもらい泣きされていたとは、と驚きました。今まで、ブログが翌日に持ち越されることはなかったのですが、3月1日分は1日遅くなってしまいました。改めて、3年次生の皆さん、御卒業おめでとうございます。元気で4月からの新しい生活をスタートしてください。

※日の丸の旗は、ボロボロになっていたので卒業式に合わせて新調してもらったものです。