令和7年度 入学式 式 辞
桜の花も満開となり、光り輝く本格的な春の到来を感じるようになりました。このよき日に、ご来賓並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、群馬県立太田東高等学校 第四十三回 入学式を挙行できますことは大きな喜びであり、職員を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。
ただ今、入学を許可した二百四十一名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。心より歓迎いたします。これから始まる高校生活に対して、期待をふくらませながらも、同時に不安も感じているのではないでしょうか。それは決して自分一人だけではないのです。誰もが感じることであり、だからこそ、クラスメイト、横のつながりを大事にしていってください。本校の職員も一同、皆さんに寄り添いながら全力でサポートをしていきますので、一緒に頑張って乗り越えていきましょう。
さて、これからの高校生活が充実したものとなって欲しいという願いから、世界的な大企業となったアマゾンドットコムの成長の秘密を紹介しながら、一つ話をしたいと思います。アマゾンは、一九九四年、家のガレージ、車庫をオフィスとして事業をスタートさせました。インターネットでモノを販売する構想を思いつき、最初は書籍を扱っていましたが、その後、次々と取扱う商品項目を増やし、電子書籍サービスも始め、世界最大の通販サイトにまで成長しました。そして、近年は宇宙事業にも参入する等、その進化はとどまることを知りません。現在の売上高は、日本円で八十兆円を超えています。
桜の花も満開となり、光り輝く本格的な春の到来を感じるようになりました。このよき日に、ご来賓並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、群馬県立太田東高等学校 第四十三回 入学式を挙行できますことは大きな喜びであり、職員を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。
ただ今、入学を許可した二百四十一名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。心より歓迎いたします。これから始まる高校生活に対して、期待をふくらませながらも、同時に不安も感じているのではないでしょうか。それは決して自分一人だけではないのです。誰もが感じることであり、だからこそ、クラスメイト、横のつながりを大事にしていってください。本校の職員も一同、皆さんに寄り添いながら全力でサポートをしていきますので、一緒に頑張って乗り越えていきましょう。
さて、これからの高校生活が充実したものとなって欲しいという願いから、世界的な大企業となったアマゾンドットコムの成長の秘密を紹介しながら、一つ話をしたいと思います。アマゾンは、一九九四年、家のガレージ、車庫をオフィスとして事業をスタートさせました。インターネットでモノを販売する構想を思いつき、最初は書籍を扱っていましたが、その後、次々と取扱う商品項目を増やし、電子書籍サービスも始め、世界最大の通販サイトにまで成長しました。そして、近年は宇宙事業にも参入する等、その進化はとどまることを知りません。現在の売上高は、日本円で八十兆円を超えています。
このように、アマゾンの事業が急速に成長・発展した背景には、「デイ・ワン」「リーダーシップ・プリンシプル」という二つの企業文化があるからではないかと言われています。「デイ・ワン」は、「毎日が始まりの日」と考え、アマゾンの掲げるミッションである「地球上で最もお客様を大切にする企業になること」を実現するために、チャレンジ精神を持ってイノベーション=技術革新を続けていくということです。アマゾンは、成功をおさめても、なおも創業一日目のエネルギー、意欲を持ち続け、進化しているのです。新入生の皆さんも、高校入学にあたって、自分自身の目標をしっかりと持ち、その意欲と決心をいつも胸に刻みながら、日々、充実した高校生活を送り続けていって欲しいと思います。
もう一つのアマゾンの企業文化は、「リーダーシップ・プリンシプル」です。これは仕事に取り組むうえでの行動指針を示したものですが、経営者やマネージャーだけでなく、すべての社員がリーダーであるとしているところが、着目すべき点です。その指針の中には、「リーダーは自分のチームだけでなく、会社全体のために行動します」「リーダーは誰にでも敬意をもって接します」「リーダーは誰もが仕事を楽しめるようにします」等があり、すべての社員がリーダーシップを発揮することを心掛けています。
新入生の皆さん、リーダーシップを発揮するのは組織の中で上に立つ者、リーダー格の者だと思ってはいませんか?メンバー全員がリーダーシップを発揮する組織は良い成果を生み出します。自分はリーダーシップをとれるような器ではなく、その力を持っていないと思ってはいませんか?誰もがその力を持ち、発揮することができます。そして、仲間をぐいぐいと引っ張ったり、まとめたりするだけがリーダーシップではありません。「自分から進んで動く」「メンバーと積極的にコミュニケーションを取る」「メンバーを支える」「問題意識を常に持つ」等、たくさんあります。組織、チームを目標達成やよりよい方向に導く力、影響力がリーダーシップなのです。皆さん、全員が発揮していってくれることを期待しています。
保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。高校時代は、とても多感で悩みながら、大人になるための「自立」を獲得する時期であります。お子様の心に寄り添いながら、お子様を一歩、前に出して、「自立」への後押しをしていただければと思います。私たち教職員一同も、愛情を込めて全力で指導・支援していくことをお約束いたします。そして、家庭、学校が連携し合い、一体となって教育活動を進めてまいりたいと思いますので、どうか、ご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、新入生の皆さんが、本校で学ぶことに誇りをもち、健康で充実した高校生活を送り、大きく成長していきますことを心から願い、式辞といたします。
新入生の皆さん、リーダーシップを発揮するのは組織の中で上に立つ者、リーダー格の者だと思ってはいませんか?メンバー全員がリーダーシップを発揮する組織は良い成果を生み出します。自分はリーダーシップをとれるような器ではなく、その力を持っていないと思ってはいませんか?誰もがその力を持ち、発揮することができます。そして、仲間をぐいぐいと引っ張ったり、まとめたりするだけがリーダーシップではありません。「自分から進んで動く」「メンバーと積極的にコミュニケーションを取る」「メンバーを支える」「問題意識を常に持つ」等、たくさんあります。組織、チームを目標達成やよりよい方向に導く力、影響力がリーダーシップなのです。皆さん、全員が発揮していってくれることを期待しています。
保護者の皆様、お子様のご入学、誠におめでとうございます。高校時代は、とても多感で悩みながら、大人になるための「自立」を獲得する時期であります。お子様の心に寄り添いながら、お子様を一歩、前に出して、「自立」への後押しをしていただければと思います。私たち教職員一同も、愛情を込めて全力で指導・支援していくことをお約束いたします。そして、家庭、学校が連携し合い、一体となって教育活動を進めてまいりたいと思いますので、どうか、ご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、新入生の皆さんが、本校で学ぶことに誇りをもち、健康で充実した高校生活を送り、大きく成長していきますことを心から願い、式辞といたします。
令和7年度 創立四十三周年開講記念式典 式 辞
日に日に木々の葉も色づき始め、秋の深まりを感じるようになりました。
今日ここに、青藍同窓会 会長 半田幸弘様をはじめ、同窓会の皆様方のご臨席を賜り、群馬県立太田東高等学校 創立四十三周年開校記念式典及び記念講演会を挙行できますことは、大きな喜びであり、厚く感謝申し上げます。
さて、ある会社がその年ごとに、誕生した子どもに名付けられた名前の数を調査しています。一九一二年、大正元年以降、男の子の名前で一位を獲得した回数が一番多い名前は何だと思いますか?ヒントは本校の教育理念や指針にもなっています。三年次生は入試の面接試験で聞かれるかもしれません。
答えは「誠(まこと)」、校訓「誠・明・健」の誠(せい)です。一九五七年から一九七八年までの間に、十八回、一位をとりました。三位以内に入った回数も三十回と、まさに昭和後期を代表する名前だったようです。
今日ここに、青藍同窓会 会長 半田幸弘様をはじめ、同窓会の皆様方のご臨席を賜り、群馬県立太田東高等学校 創立四十三周年開校記念式典及び記念講演会を挙行できますことは、大きな喜びであり、厚く感謝申し上げます。
さて、ある会社がその年ごとに、誕生した子どもに名付けられた名前の数を調査しています。一九一二年、大正元年以降、男の子の名前で一位を獲得した回数が一番多い名前は何だと思いますか?ヒントは本校の教育理念や指針にもなっています。三年次生は入試の面接試験で聞かれるかもしれません。
答えは「誠(まこと)」、校訓「誠・明・健」の誠(せい)です。一九五七年から一九七八年までの間に、十八回、一位をとりました。三位以内に入った回数も三十回と、まさに昭和後期を代表する名前だったようです。
誠(せい、まこと)の観念の源流は、古代日本人が尊んだ「清き明き心」です。裏表がなく、邪心のない心を指し、「清らかであること」は、自然に対してだけではなく、人格にも用いられたのです。その精神は中世以降の私心(ししん)私欲(しよく)を抑えた徳となった「正直(せいちょく、しょうじき)」、そして純粋であることを含んだ「誠実」へと引き継がれ、今日の日本人の望ましい人間性の一つとなっています。嘘偽りなく真心をもち、誠実なる姿勢とは、他者に対しては、嘘やごまかしをせず、約束をきちんと守り、誰に対しても公平に接するということです。そしてこれには相手の立場に立ち、他者への思いやりや誠意を持った言動をとることも含んでいます。
また自分に対しては、どうでしょうか。他者からの評価を気にしすぎたり、他者に合わせすぎたりした言動をとると、心に強く負担がかかり、結果的に他者との関係性もうまくいかなくなってしまいます。自分の考えや感情を隠さず素直に表現したり、それをもとに行動したりすることが、自分に対して誠実に生きることです。本当は何を望んでいるのか、何を感じているのか、自分自身を深く知ることがその第一歩です。生徒の皆さんは、自分自身の人間形成とともにそれを見出していってください。
本日は本校の創立時の精神を思い出し、未来に向かって新たな歴史をつくっていく決意を胸に刻む日ですので、「誠実」を盛り込んだ校訓制定について述べたいと思います。『太田東高校十年史』によれば、初代校長 飯田惣先生が、開設準備にあたった先生方との討議を経て、「誠実」「明知」「健康」を提案されました。その際、「教育では真心が大切である。それは知にまさるので、あえて誠実を冒頭にしたい」と述べたそうです。その後、「誠(せい まこと)」について、「『まこと』とは真理であり、嘘偽りのない本当のこと、真事(しんじ)、真言(しんごん)である。人間も真心をもって人と接し、誠意をもって事に処して、はじめて人を動かし感化することができる。身近な家族の和合から国際間の理解に到るまで、お互いに誠(まこと)をつくす努力がなければならぬ、誠(まこと)は人の道である。」そして、「これからの新しい世紀が、科学の時代、情報化・国際化の時代、激動の時代なるが故に『誠・明・健』の人こそ、求められなければならぬ理想の人間像であると信じて疑わない。この校訓のもとに、よき校風が培われていくことを願ってやまない。」と語っています。
今、あらためて社会に目を向けてみると、政治や企業活動における虚偽や不正、不祥事が後を絶たず、「誠実」という美徳はどこにいってしまったのだろうかと思ってしまいます。企業の不祥事が起こると法令や社会的規範を遵守するコンプライアンスが強く叫ばれます。最近では、不正をしないというリスク回避的なコンプライアンスに対して、インテグリティという概念が広まりつつあります。インテグリティは「誠実」「真摯」「高潔」を意味し、その倫理観を自律的、積極的に取り入れて行動していくということです。「誠実さ」と「利益追求」の関係性をみたとき、「誠実さ」は手間や費用を必要とし、利益を低下させると考えられています。しかし、長い目でみれば誠実さは消費者や社会から信頼をかちえて、大きな利益を生み出していくことになっていきます。
このことは、人についても同じだと思います。人は能力だけで評価はされません。誠実な言動は、信頼を得て、自己の可能性を拡げるとともに、成果をあげることにつながっていきます。もちろん、企業社会だけではなく、人と人とが関係しあう、あらゆる場面、組織、社会で誠実であることはとても大事なことで、幸せをもたらすものだと確信しています。
結びなりますが、私たちは「誠実」を第一に掲げた、とても誇れる校訓をもっています。生徒の皆さん、今一度、意識して行動し、将来は社会の中で有為な人材として活躍できるよう成長していきましょう。
また自分に対しては、どうでしょうか。他者からの評価を気にしすぎたり、他者に合わせすぎたりした言動をとると、心に強く負担がかかり、結果的に他者との関係性もうまくいかなくなってしまいます。自分の考えや感情を隠さず素直に表現したり、それをもとに行動したりすることが、自分に対して誠実に生きることです。本当は何を望んでいるのか、何を感じているのか、自分自身を深く知ることがその第一歩です。生徒の皆さんは、自分自身の人間形成とともにそれを見出していってください。
本日は本校の創立時の精神を思い出し、未来に向かって新たな歴史をつくっていく決意を胸に刻む日ですので、「誠実」を盛り込んだ校訓制定について述べたいと思います。『太田東高校十年史』によれば、初代校長 飯田惣先生が、開設準備にあたった先生方との討議を経て、「誠実」「明知」「健康」を提案されました。その際、「教育では真心が大切である。それは知にまさるので、あえて誠実を冒頭にしたい」と述べたそうです。その後、「誠(せい まこと)」について、「『まこと』とは真理であり、嘘偽りのない本当のこと、真事(しんじ)、真言(しんごん)である。人間も真心をもって人と接し、誠意をもって事に処して、はじめて人を動かし感化することができる。身近な家族の和合から国際間の理解に到るまで、お互いに誠(まこと)をつくす努力がなければならぬ、誠(まこと)は人の道である。」そして、「これからの新しい世紀が、科学の時代、情報化・国際化の時代、激動の時代なるが故に『誠・明・健』の人こそ、求められなければならぬ理想の人間像であると信じて疑わない。この校訓のもとに、よき校風が培われていくことを願ってやまない。」と語っています。
今、あらためて社会に目を向けてみると、政治や企業活動における虚偽や不正、不祥事が後を絶たず、「誠実」という美徳はどこにいってしまったのだろうかと思ってしまいます。企業の不祥事が起こると法令や社会的規範を遵守するコンプライアンスが強く叫ばれます。最近では、不正をしないというリスク回避的なコンプライアンスに対して、インテグリティという概念が広まりつつあります。インテグリティは「誠実」「真摯」「高潔」を意味し、その倫理観を自律的、積極的に取り入れて行動していくということです。「誠実さ」と「利益追求」の関係性をみたとき、「誠実さ」は手間や費用を必要とし、利益を低下させると考えられています。しかし、長い目でみれば誠実さは消費者や社会から信頼をかちえて、大きな利益を生み出していくことになっていきます。
このことは、人についても同じだと思います。人は能力だけで評価はされません。誠実な言動は、信頼を得て、自己の可能性を拡げるとともに、成果をあげることにつながっていきます。もちろん、企業社会だけではなく、人と人とが関係しあう、あらゆる場面、組織、社会で誠実であることはとても大事なことで、幸せをもたらすものだと確信しています。
結びなりますが、私たちは「誠実」を第一に掲げた、とても誇れる校訓をもっています。生徒の皆さん、今一度、意識して行動し、将来は社会の中で有為な人材として活躍できるよう成長していきましょう。