日誌

榎本校長のつぶやき

3.14考

 今日は、皆さんご存じのホワイトデーですが、歴史はそれほど古くはありません。バレンタインデーは私が小学校6年生の時に初めて経験しましたが、業界の利益増大のために広まった記念日の最初かなと思います。1978年に全飴協の総会で「キャンデーを贈る日」として制定され、2年の準備期間を経て1980年に第1回の「ホワイトデー」が開催されました。ホワイトデーを3月14日に定めた理由については、バレンタイン司教が殉教した1ヵ月後であることや、古事記および日本書紀で日本において初めて飴が製造されたとされる日など諸説あります。今では、キャンデー、マシュマロ、マカロン、バウムクーヘンなど返すお菓子で意味が違うなどと言われていますが、誰が決めたのでしょうか。孫の日や夫婦の日、ハロウィンなど記念日に乗じて商品を売らんかなという日本人の商魂には恐れ入ります。日本人は基本的に記念日好きなんですかね。贈答文化もありますし。贈り贈られで、経済が活性化すれば「WinWin」でいいかもしれませんが、無駄な買い物が増えて資源の無駄遣いになるかもしれません。最近は義理チョコとか友チョコとかも疲れるので廃れてきた感もありますが、実態はどうなっているでしょうか。義理チョコって本当に日本人らしい文化ですよね。

 今日3月14日は、「3.14」と表記され、円周率の小数表記の上3桁に一致することから「円周率の日」「数学の日」「パイ(π)の日」などが制定されています。「数学の日」は数学を生涯学習として、子どもから大人まで楽しめるものに発展させようと制定されたそうです。また、「パイの日」は、永遠の愛を誓う日として制定され、「男の割り切れない気持ち(無理数だもんね)」「まあーるい円で円満」「エンドレスラブ」「パイをお返ししてまーるくおさめましょう」などと洒落たのがはじまりだそうです。以前に円周率について書いた記憶があるのですが、円周率がアバウトだと、ロケットなどで使う科学計算でとんでもない誤差が出てしまうので、小数点以下15桁までの数字を使います。それと、円周率暗唱世界記録保持者の原口さんの言葉を紹介した覚えがあります。それは『頑張りすぎる→苦しむ→目標に届かず挫折、という悪循環に陥ってしまいがち。「大事なのは続けることではなく、続けられること。肝心なのは、楽しくやることではなく、楽しくやれること」』というものです。円周率をそんなに覚えて何になるんだ?何かの役に立つのか?と思った人はいますか?確かにそのとおりかもしれません。ただ、役に立つか立たないかで考えると、人生はすごく貧しいものになるような気がします。自分が好きなこと、楽しいことをやるのに、人に迷惑をかけなければ文句を言われる筋合いはありません。何事も楽しくやれることを続けられるように工夫しましょう。

感謝総括

 今まで、式辞やブログの中で、「感謝」について話したり書いたりしてきましたが、私のブログも残り少なくなってきましたので、「感謝」についてまとめて書いておきたいと思います。「感謝」についての言葉は、たくさんストックがありますが、厳選して紹介します。

〇「一日一生」仏教の教え。朝、起きると自分が生きて呼吸していることに感謝する。昼は、自分が平和な世界にいることに感謝する。そして、夜は1日が無事に終わったことに感謝する。それさえできれば、1日は一生と同じくらい貴重なものになる。似た言葉に、「朝は希望に生き、昼は努力に生き、夜は感謝に眠る」があります。どちらも夜は感謝です。

〇ありがとうの反対は当たり前。当たり前と考えていれば感謝の気持ちはでてこない。

〇試合は目的ではなく、確認の場です。勝っても負けても反省することは山ほどある。同時に相手に感謝もする。勝っておごらず、負けて悔やまず。それは武士道に通ずる。

〇つらいことが多いのは感謝を知らないからだ。苦しいことが多いのは自分に甘えがあるからだ。悲しいことが多いのは自分のことしかわからないからだ。心配することが多いのは今を懸命に生きていないからだ。行き詰まりが多いのは自分が裸になれないからだ。

〇「感謝」「希望」「くよくよするな」「健康」「行動」で「かきくけこ」 この5つは仕事でも人生でも大事じゃないですかね。コシノジュンコ

〇運というのは、運をつかむために自らをコントロールしている人のもとにしかこない。コントロールするのは「言葉」「表情、態度、姿勢、身だしなみ」「感謝」「謙虚」佐々木洋(花巻東高校硬式野球部監督)

〇人生では、投げかけたものだけが返ってきます。それが宇宙の法則です。笑顔を投げかければ笑顔が返ってくる。感謝を投げかければ、感謝が返ってくる。喜びを投げかければ、あなたに戻ってくるのは喜びです。

〇「さまざまな人生相談を受ける中で、人生がうまくいく人となかなかうまくいかない人の差はここではないか。『自分ばかり損をしている』と思った瞬間から、被害者意識で周りへの感謝を失い、本当に自分ばかり損をするようになるという悪循環があると考えました」「一方、『自分はいつも人生から新しいことを習っている』と考える人は、常に周りへの感謝の念を忘れません。不運なこと辛いことがあったとしても、そこから自分にとっての幸運の種を見つけることができているのです。」

〇老子は「足るを知る」と言いましたが、これは今あるもので我慢しておこうという意味ではなく、むしろ、今あるものにこそ感謝しようということ。

〇ユダヤ人のジョークに「ユダヤ人は足を折っても、片足でよかったと思い、両足を折っても、首でなくてよかったと思う。首を折れば、もう何も心配することはない」失ったものを数えるな。残っているものを数えよ。そして、残っているものがあることに感謝し、それを最大限に生かそう。これは真実である。

〇「よくできたね」と褒める必要はない。ただ「ありがとう」と感謝を伝えるだけでいい。感謝される喜びを知れば自ら進んで周囲に貢献しようとする人間になる。アドラー

 いかがでしたか。何か心に刺さる言葉はありましたか。「実るほど 頭を垂れる 稲穂かな」という俳句があるとおり、人間は歳をとるほど、感謝の心をもち、謙虚になるものです。人間は生まれる時は裸で、何も持っていません。若いうちから感謝の心を持てるようになれば、きっと人間関係もうまくいき、幸せを感じられる人生になることでしょう。皆さんが高校生活が「幸せ」だったと思えるように、感謝の心を持てるようになることを願っています。

ヘルメット着用推進!

 今日から「自転車ヘルメット着用推進強化週間」が始まりました。まだ、自転車のヘルメット着用は努力義務であり罰金等もありませんが、全県下で自転車通学の生徒のヘルメット着用の推進がなされています。今朝8時から15分間、昇降口で見ていた限りでは、ヘルメットを着用していない生徒はいませんでしたが、SHRが終わってから係の先生に聞いたところ、全体でも7人でした。多くの生徒の皆さんが、指導に従ってくれて感動しました。ヘルメットの購入が間に合わなかった人も今後は着用してくれることを期待しています。自分を守るためのものですから、他人事と思わずに着用してくれることを望みます。私は高校生の時に自転車で片道11キロの道を通っていましたが、パンクは7回、事故に遭ったのが2回でした。1回目は自分は無事でしたが自転車が廃車になってしまい、2回目は軽傷でしたがぶつかった車の側面は大きくへこみ、自転車もフレームが歪みました。両方とも雨天で、私に非はなかったものの、嫌な思いをしました。私は、運よく頭を打つようなことはありませんでしたが、頭を車や地面にぶつけるようなことがあれば無事ではすみません。昔と比べて今のヘルメットはデザインもよく通気性に優れているので、ぜひ着用してください。そのうち義務化されると思いますが、義務だからではなく自分のために着用してください。強化週間が終わったら着用しなくなっては意味がありませんし、学校の近辺だけしているのでも意味がありません。万が一の事故に遭った時に頭部を守るのが目的ですから、する振りをしていても自分は守れません。また、しっかり装着することが大事で、ただヘルメットを頭に載せているだけでは頭部は守れません。自転車に乗る時は、正しくヘルメットを着用してください。校長からのお願いでした。

いのちの日

 今日で、東日本大震災が起こってから13年が経過しました。屋上の日の丸が半旗となっていることに気付いた人はいたでしょうか。生徒の皆さんは、当時3~5歳だったでしょうから地震のことをよく覚えていない人も多いかもしれません。私は震災時、総合教育センターで働いており、8階建てのセンターは上の階ほど被害が出て、家庭科室や理科室で食器や実験機器が壊れ、水槽の水が揺れで飛び出て水浸しになりました。全員が外に避難して建物を見上げると、揺れのためほとんどの窓が全開しており、揺れの大きさを物語っていました。その後は計画停電で信号機が点いていない道路を恐る恐る通勤し、石油ストーブで暖をとり、カセットコンロで料理するといった日々が続きました。当時の津波の動画や被害状況を伝えるニュースなど、まだ記憶に生々しく残っています。

 今日3月11日は、「災害時医療を考える会」によって「いのちの日」として記念日に制定されています。東日本大震災では多くの命が失われたことから、命の尊さを思い、命の大切さを考え、震災で学んだことを風化させることなく災害に備えることが目的だそうです。9月1日が関東大震災発生に関連して「防災の日・防災用品点検の日」として防災訓練が行われるように、3月11日には健康、医療、災害時の体制などを考える機会を設けたいとの思いから記念日としたそうです。12月1日も「いのちの日」ですが、こちらは厚生労働省が自殺予防活動の一環として制定した記念日です。

 今日のブログの内容に関わるものとして、私がストックしてある言葉から一つ紹介します。

『なにか嫌なこと、困難なことに出くわした時、その最良の解決方法は、それらに「向き合う」ことしかありません。良寛さんの言葉に「災難に逢ふ時節には災難に逢ふがよく候、死ぬ時節には死ぬがよく候、是はこれ災難をのがるる妙法にて候」というのがあります。災難に逢うときは災難に遭い、死ぬときには死ぬしかない。私たちがどんなに手を尽くしてもそれは変えられません。だとしたら、それらを受け入れて生きるしかないという意味の言葉です。どんなに不運が続き、大災害に逢おうとも、それは紛れもない命の現実の姿でしかなく、そのことを「災難」としてしか捉えることができないならば、どこまでもその不運を嘆いて生きて行くしかありません。子供を亡くし悲嘆にくれる友人に対しそのことに一切触れることなく、「人として生まれたからには生老病死からは逃れることはできず、あるがままを受け入れ、その時自分ができることを一生懸命やるしかない」という仏教の教えを語ることで励ましました。』

 皆さんは、テレビで災害時に外国の人は泣き叫んでいる人が多いのに対して、日本人は取り乱さずにいる人が多いのを見たことがありますか。この理由として、自然災害が多い日本で、日本人は理不尽にも降りかかる災害を人間の力では対抗できないもの、仕方ないものとして納得しようとしてきたことが考えられます。仏教の影響で日本人には「すべてのものは変化し消滅し、永遠のものはない」という無常観が備わっています。人間の力ではどうにもならないことに対して順応して逆らわず生きていこうという意識と無常観とが結びついて,日本人独特の諦観が生まれたのではないでしょうか。心の安定を図る防衛機制なのかもしれません。いずれにせよ、平和に暮らすために自分たちにできることはやっていきましょう。

蜜蜂で蜜を集めるのは全部メス!

 今日3月8日は、「みつ(3)ばち(8)」と読む語呂合わせから「みつばちの日」だそうです。全日本はちみつ協同組合と日本養蜂はちみつ協会が制定しました。ちなみに8月3日は「はちみつの日」です。我が家では毎朝、バナナ・キュウイ・みかん・ブルーベリーなどにヨーグルトをかけ、それから蜂蜜をかけて食べているので、蜂蜜の消費量が多いです。ネットで色々な店を調べて、国産のものを通販で購入しています。ミツバチというと、小学生のころ指先を刺されて痛い思いをしたことや、「みなしごハッチ」というミツバチの男の子が女王バチの母親を探して旅するアニメが思い出されます。

 日本ではニホンミツバチ、セイヨウミツバチの2種が飼育(養蜂)され蜜の採取が行われていますが、セイヨウミツバチの方が蜂蜜を大量に生産することができるため安価であり、スーパーなどで販売されている蜂蜜はほとんど全てセイヨウミツバチから得られたものだそうです。一方、二ホンミツバチの蜂蜜は小量しか取れず高価ではあるが、コクと深みがあるそうです。私も初めて知ったのですが、ミツバチの働きバチは全てメスだそうで、働きバチの頭部から分泌されるローヤルゼリーのみで育てられたメスは交尾産卵能力を有する女王バチになるのだそうです。オスは、巣の中では働き蜂に餌をもらう以外特に何もしないので、オスバチを指す英語「drone」は「なまけもの」という意味があるそうです。リモコン操作で空中を飛ぶドローンは、飛行音が蜂の羽音に似ていることから結び付けられたと言われています。蟻の世界でも、2割は働かないと言われていますが、その理由として環境変動があったときにすぐ対応できるように、働いていないアリという「余力」を残していると言われています。ミツバチの方は、ちょっと悲惨なので、興味をもったら調べてみてください。私は、小学生のころから「ファーブル昆虫記」「シートン動物記」などを読み、特に昆虫に興味をもっていましたが、知らないことやまだわかっていないことは多いですね。命の不思議さを昆虫を見ていると感じます。皆さんはどうですか。 

※『ドラゴンボール』『Dr.スランプ』の作者として有名な漫画家の鳥山明先生が、先日の3月1日に急性硬膜下血腫により68歳で亡くなっていたニユースが流れました。私は、高校・大学と鳥山先生の漫画を愛読していました。今読んでも面白いです。鳥山先生の御冥福をお祈りします。