日誌
榎本校長のつぶやき
二つのニュースから
今日は予想外に雪が積もっていて1日寒かったので、虫も出てこられなかったでしょうね。さて、日経株価が4万円を超えたというのは庶民にとって実感がないものの、これからの景気回復に向けて明るいニュースでした。先日と今日、驚いたニュースが他に二つあったので、それらについて書きます。
アメリカの人気歌手テイラー・スウィフトさんが、アメリカ大統領選挙の候補者選びのヤマ場となる「スーパーチューズデー」にあわせて5日、自身のインスタグラムに「みんな、自分を最も代表すると思う人に投票することを忘れないでほしい。まだ投票していないのであれば今日投票することを計画しよう」などと投稿しました。特定の候補者の名前はあげなかったものの、若い世代への影響力が大きいことから言動に注目が集まっています。スウィフトさんのインスタグラムのフォロワーは2億8200万人余りで、前回の2020年の大統領選挙ではバイデン大統領への支持を表明し、その影響力に対してトランプ元大統領が警戒心を露わにしているといニュースでした。日本でも、影響力のある芸能人が「選挙に行こう」と呼びかければ、投票者が増えるのでしょうか。テイラーさんの場合、27万人がテイラーさんの呼びかけで投票したとされています。今、日本の政治は派閥と金銭問題で揺れていますが、政治に関心を持っている有名芸能人がYouTubeなどで語りかければ、若者の政治意識は向上するのでしょうか。ある政治家が、政治に無関心な若者について「悪いことではない。政治について考えなきゃ生きられない国のほうがよほど問題」と語り、総選挙を人間の定期健診に例え、「総選挙で投票するためには普段から政治に関心を持っていないと自身で判断ができない」「幅広い情報に触れておく必要がある」とまとめました。政治に関心をもたなくてもすむことは幸せなのかもしれませんが、やがては、いいように利用され、搾取されることになるかもしれません。「もっと国民の生活はよくなるはずなのに」と考えるようにするのは、大人の責任かと思います。皆さんは、政治は一部の意識が高い人に任せておけばいいと思いますか。少しばかり損しても、面倒くさいからいいやと思いますか。
もう一つの驚いたニュースは、小学生の金銭トラブルで同級生に総額百万円弱だまし取られた事件です。なぜ小学生が百万円も持っているんだという疑問は、親のタンス預金が原資だったことが判明し、それはそれですごいと思いましたが、金銭感覚のズレに呆れました。他にも子どもの金銭感覚がずれている例は、聞いていますが、日本は豊かすぎるのかと思ってしまいます。金銭教育をしっかりするという話がありましたが、お金と労働の関係、有難さについて、知識ではなく体験を通して理解させなければ本当にはわからないと思います。アルバイトの平均時給が1200円前後となり、北海道のニセコのホテルでは、時給1800円の職種も出てきている中で、昔はアルバイトの時給と言えば600~700円くらいだったなぁと思う私は、古い人間です。本校の生徒の中にも許可を得てアルバイトをしている人が少なからずいますが、自分で働いて得たお金は、安易な使い方はしないと思います。皆さんも進学してアルバイトするなら、楽して稼げるものではなく、大変なアルバイトも一度は経験してみてください。そして、世の中で働いている人たちの大変さを想像し、感謝の心をもってください。皆さんもやがて感謝される日がきます。
合格おめでとう!
今日は、10時からWeb上で県下一斉に令和6年度の高校入学者選抜の合格者が発表されました。合格された皆さん、おめでとうございます。入学式へ向けて、準備を進めてください。合格掲示板による各高校ごとの発表はなくなり、寂しい気もしますが、掲示板を見てうつむいて帰る中学生を見るのは辛いので、学校での合格者番号の掲示がなくなってよかったかなと思います。
今日は「啓蟄」です。大地が温まり、冬眠をしていた地中の虫が春の陽気に誘われて穴から出てくるとされる日ですが、今日は寒くて明日以降にしようと虫も思っているかもしれません。明日も天気は悪そうなので、皆さん気を付けて登校してくださいね。「啓蟄」の「啓」には「ひらく、開放する」の意味があり、「蟄」には「虫が土の中に隠れる、閉じこもる」の意味があります。「啓」を使った歴史で勉強する「啓蒙」は、「無知蒙昧な人に教育を施して良い方向へ導くこと」であり、上から目線の言葉ですね。「蒙昧」は、蒙も昧も、物事の道理に暗いことをいいます。「蟄」を使った 「蟄居」という言葉も歴史で出てきます。「家に閉じこもって外出しないこと」ですが、中世から近世(特に江戸時代)の武士または公家に対して科せられた刑罰のひとつで、閉門の上、自宅の一室に謹慎させることを言います。日本史上の有名どころでは、徳川斉昭・佐久間象山・渡辺崋山らがいます。
春になると、自宅の庭で蛙やトカゲ、みみず、モンシロチョウなどが見られるようになります。ただ、桜の木を食い荒らすクビアカツヤカミキリには登場しないでもらいたいです。本校の南の桜が、咲かなくなったら本当に寂しくなりますから。
合格発表前夜
明日は、いよいよ高校の入学者選抜の合格発表ですね。全県下で多くの受検生が、ドキドキして待っていることでしょう。明日は、新たなスタートに立つ日でもあります。そんな皆さんに、次の言葉を贈ります。
『やる気がなくなったのではない「やる気をなくす」という決断を自分でしただけだ。「変われない」のではない。「変わらない」という決断を自分でしているだけだ。』
上記の言葉は、心理学者のアドラーのものですが、何をするにも自分が前進するためには「やる気」、つまり主体性が必要です。ただ、その「やる気」も出て来るまで待っているのではなく、動き出すことで生み出すものです。ぜひ、春に向けて新たな気持ちで主体的に動き出してください。
うるう年と卒業式の涙と校歌
今年はうるう年で、今日は4年に一度の2月29日です。今日が誕生日の人は、「年齢計算ニ関スル法律」により、誕生日前日の終了時(午後12時)をもって加齢するため、平年・閏年を問わず、毎年2月28日午後12時に年をとります。誕生日に年を一つとると思っている人が多いと思いますが、実際には誕生日前日に年を取ります。ですから、学年で一番誕生日が早い人は4月1日ではなく2日になります。余談ですが、1288年、スコットランドのマーガレット女王が「未婚の女性はうるう年ごとに、好きな男性に対してプロポーズすることができる。男性がプロポーズを拒むには、罰金を払うか、絹のドレスを与えなければならない」という法律を制定しました!うるう年の一年間はプロポーズを拒めないとは、男性も大変です。その後、うるう日のみに改正されたそうですが。フランスにも同じような法律があり、15世紀のイタリアでも慣習になっていたそうです。それだけ男性優位の階級社会だったということでもあるようです。第二次世界大戦中まではその習慣が正式に行われていたそうです。さて、皆さんは、この話を信じましたか。私は「へぇ~」と思いつつ、本当か疑わしかったので調べてみると、スコットランドの国立公文書館が、2000年にこの件に関して調査をし、そういう事実はないと結論付けられました。ただ、こんな話がまことしやかに広まったことには何かしら意味があると思いますので、興味をもった人は調べてみてください。
もう2月も終わりで、本当に今年は月日が経つのが早く感じます。高校入試の前期後期が一本化されて例年とスケジュールが変わったこともあり、感慨に浸る間もなく慌ただしく卒業式前日を迎えてしまいました。昨年の2月28日のブログでは、卒業式予行と卒業式の意義について書きつつ、卒業式で泣くことについて書きました。「♪卒業式で泣かないと~冷たい人と言われそう~♪」と80年代アイドルの斉藤由貴の「卒業」の歌詞にあります。涙腺の強い弱いがありますので、泣かないから冷たいというわけではないと思いますが、退場時に男子生徒が泣いているのを見るともらい泣きしてしまいますね。それ以前に壇上に座っていると、目立つ動きはできないので泣かないように我慢しているのが辛いです。元々涙腺が弱いのに、年を取ってさらに弱くなったので困りものです。今日の予行では、校歌を少し練習してもらいましたが、効果はあったでしょうか。卒業生は、太東で歌う最後の校歌であり、在校生は卒業生と一緒に歌う最後の校歌です。大きな声で歌って、卒業生を送り出してくれると、ハンカチの出番になります。明日は、よろしくお願いします。
運送業の未来は?
今朝のニュースで「物流の2024年問題」に対する佐川急便の取組を見ました。2024年問題について簡単に説明すると、今年の4月から働き方改革関連法により、ドライバーの時間外労働時間の上限規制(960時間)が設けられることによって輸送能力が不足して輸送に支障が出る可能性があるという問題のことです。ドライバーの労働時間が減ることによって、人件費の高騰、運賃アップなどにより企業の売上減少と様々な影響が考えられます。そのため関連企業は、人材確保や業務効率化などの対策に取り組んでいます。2024年問題の発生によって最も大きな影響を受けるのは長時間労働になりやすい長距離トラックであり、宅配業界ではないようです。トラックの輸送量に占める宅配の割合は「1~2%」にすぎないということで驚きですね。我が家では、1か月に何個の荷物が届くのかというくらいアマゾンやメルカリなどで宅配を利用しています。特に配送料が無料なら、ガソリン代と時間を使って買いにいくよりも得なので、買うものが明確な場合は通販を選んでしまいます。店舗ではなかなか見つけられないものがネット上にはあるのも魅力です。そんな便利な宅配を利用している人は多いと思いますが、ヒト・モノを輸送する仕事は、滞れば経済が麻痺することになります。人間の血管が詰まるようなものです。ドローンによる輸送も将来は行われるようになるのでしょうが、大量の荷物を運べないのと空の交通整理の問題があるので根本的な輸送問題の解決にはならないでしょう。高校生の頃に読んだSF小説に、モニターを通して買ったものが瞬間移動装置で家に届くというのがありました。果たして未来に実現するのでしょうか。現在、人手不足に悩む業界は多く、アルバイトの時給も高騰しています。これから、どのような技術革新が起こり、業務の効率化が進み、働く人に優しい社会になるのでしょうか。皆さんの多くが、これから高校や大学でアルバイトを経験し、就職することになると思いますが、ブラックバイトやブラック企業にひっかからないように気を付けてください。