榎本校長のつぶやき
♪どうしておなかがへるのかな♪
今日は、1988年10月3日にテレビアニメ「それいけ!アンパンマン」(原作:やなせたかし)が日本テレビ系列で放送が始まった日で2016年に一般社団法人・日本記念日協会により「アンパンマンの日」として認定・登録されました。作者のやなせたかしさんは、2013年の10月13日に亡くなっていますが、私はもう10年もたったのかと驚いています。今、親子で見られる国民的アニメと言われて思い浮かぶのは、「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」「それいけ!アンパンマン」「ドラえもん」などでしょうか。この中で小さい子と一緒に見るのは、やはり「それいけ!アンパンマン」でしょう。私も娘と一緒にビデオを何回見たかわかりません。主題歌の「アンパンマンのマーチ」を歌える人は、たくさんいるのではないでしょうか。ちなみに皆さんが知っている『手のひらを太陽に』を作詞したのは、やなせさんです。
Wikipediaの「アンパンマン」の記述の中に、ヒーローとしてのアンパンマンが誕生した背景に触れた箇所があります。やなせさんは従軍経験の中で、戦中はプロパガンダ製作に関わっていたこともあり、とくに戦いのなかで「正義」というものがいかに信用しがたいものかを痛感していました。しかし、これまでのヒーローは「正義」こそ口にするが飢えや空腹に苦しむ人間へ手をさしのべることはしませんでした。戦中、戦後の深刻な食糧事情もあり、当時からやなせさんは「人生で一番つらいことは食べられないこと」という考えをもっていたということです。自分の身体を食べさせて、おなかが空いている人を救うという異色の正義のヒーローはこうして生まれたんですね。ネガティブな考えにとらわれた時、「おいしいものを食べて、あったかくするんだ」と言われます。空腹や寒さは、マイナス思考を増幅させるということです。昔はおなかが空いたことを大げさに言う「おなかと背中がくっつくぞ」という歌詞がある歌がありましたが、皆さんはそんな経験をしたことがありますか。ACジャパンのCMに、きれいなお皿が映され、「最後の一粒までちゃんと食べたのではありません。最初の一粒もない子がいます。」というものがあります。アンパンマンに救ってほしいのは、こんな子供たちです。日本にも満足にごはんが食べられていない子どもたちがいます。みなさん、感謝してごはんを食べましょう。残さずに。