日誌

榎本校長のつぶやき

ライス→ライク→ライフ→ライト

 以前にキャリア教育について、「夢なし先生の進路指導」の話や「13歳のハローワーク」の話などを書きましたが、今日は次の文を読んでみてください。


 生活の糧を得るために働くことを「ライスワーク」といいます。仕事が面白くなってきた段階を「ライクワーク」といいます。さらに心を込めていけば、好きな仕事は人生をかけてもいいと思える仕事、則ち「ライフワーク」になります。「ライフワーク」を極めていくと、多くの人に喜びを与え、社会に光を当てられるようになっていきます。その仕事を「ライトワーク」といいます。問題は、仕事そのものではなく、仕事に対する考え方なのです。


 仕事について、とてもわかりやすくきれいにまとめてくれていますが、よほどのお金持ちでない限り、皆さんは生きていくためにいずれ働いて生活費を稼がなくてはならなくなります。その時、仕事についてどう考えるかが非常に大事です。今は昔と違って、懇切丁寧に「生き方・在り方」に関する進路指導を行っており、興味関心・能力・適性などを調べ、どんな職業が向いているかアドバイスしてくれます。なんていい時代・・・と思いますか?私は天職に巡り会えるのは「運」と「縁」だと思っています。そして、その「運」と「縁」も普段の自分の行いが引き寄せるものだと思っています。最初は「ライスワーク」でもよいので、仕事に打ち込んでいるうちに「ライトワーク」になることを祈っています。

どうなる?郵便

 今日は、びっくりするニュースが飛び込んできました。最近は値上げのニュースがあっても、またかという感じでしたが、25グラム以下の封書(定形郵便物)の郵便料金の上限を現行の84円から110円に、はがきも63円から85円に改正する省令案が総務省から発表されました。来年の秋ごろに値上げする方針らしいですが、封書料金は1994年以降据え置かれており、約30年ぶりの値上げになるということで、そこに驚きました。10年ひと昔と言いますが、そんなに値上げしていなかったんだと逆に大したものだと思いました。先日、年賀状の減少について書きましたが、スマホの普及とネット広告の増加によって郵便物数は減る一方です。賃上げや輸送コストの高騰もあり、日本郵便は昨年3月期決算で郵便事業が2007年の民営化以降では初めて赤字に転落し、料金値上げを検討していたようです。日本郵便は今回の値上げで重量区分をなくして料金を110円に統一する方針です。私が郵便料金を意識したのは、小学校で年賀状を出すようになった時ですが、その時ハガキは10円でした。下の表は途中を省略していますが、ハガキは47年間で6倍にもなっています。これは果たして高いのでしょうか。日本は郵便局が減ってきているとはいえ、2万5千弱あり、セブンイレブンよりも多いです。しかも、セブンイレブンがないような過疎地までカバーしています。お年寄りにとっては、なくてはならない機関です。ただ、昔は懸賞などハガキで行っていたことが、スマホやパソコンで代替されるようになってきているので、郵便が増える明るい見通しはないようです。今後は、価格やサービスの面で宅配便との競争は進むかもしれません。紙の郵便物が普通であった昔を知っている人間からすると、手書きのハガキや封書には、デジタルにはないよさを感じますが、そうでない世代にとっては、そういう感覚はないのかもしれません。近い将来、文字を手書きすることはなくなってしまうのでしょうか。硬筆・毛筆は文化として学校教育で続けてほしいと思います。皆さんは、文字を書くよりパソコンやスマホでの入力のほうがいいですか?

みんないい!何が?

 次の文章は、ある青年の回想です。(少し語尾を変えてあります)

 広汎性発達障害で友だちができず、集団行動がとれない自分に担任が面談で言ってくれた言葉が「ひとりでも堂々としていられるお前のキャラは、この先、確実に強みになる」でした。また、一人でいることへの批判と同じくらい自分を苦しめてきたのが「強くなれ」という言葉でした。上手に話せない、人の輪には入れない。「弱い」というのは、いけないことだと刷り込まれてきました。担任の「みんなが優しくあれたのは、お前の弱さがあったからだ」という言葉に今までの人生が許された気がしました。

 上記の文章を読んで、皆さんはどう思いましたか。昔は、発達障害という言葉は現在のようにポピュラーではありませんでした。先生方が研修等で勉強し始めてから20年はたっていません。平成17年4月から「発達障害者支援法」が施行されているので、それ以降です。発達障害を簡潔に説明すると、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)など、脳機能の発達に関係する障害です。 発達障害のある人は、他人との関係づくりやコミュニケーションなどがとても苦手ですが、優れた能力が発揮されている場合もあり、周りから見てアンバランスな様子が理解されにくい障害です。

 現在、発達障害に関する本が書店でたくさん並んでいます。それほど、悩んでいる大人や子どもをもつ保護者が多いということでしょうか。私が過去に担任した生徒の中にも、発達障害ではないかと思う生徒は少なからずいました。うまくコミュニケーションがとれないことで悩んでいた生徒も多かったと思います。黒柳徹子さんが発達障害であることをカミングアウトしていることや、「みんなちがって、みんないい」という金子みすゞさんの言葉は、発達障害の子を勇気づける言葉でありました。長所も短所もありのままの自分を肯定する。ただ、発達障害だから全部仕方ないと思ってしまうと進歩はありません。自分にどんな特性があるのかを理解した上で、対策を考えることはできます。人間は社会的動物と言われるように社会と全く没交渉で生きることはできません。個別の色々な特性を理解して、寛容になれることが社会でみんなが幸せに暮らす上で必要なことではないでしょうか。昨今は、SNSの発達で寛容性が失われているような気もしますが、皆さんはどう思いますか。

難局物語

 今日は、赤穂浪士47人が江戸・本所松坂町の吉良邸に討ち入りし、主君の仇討ちをした日であり、ノルウェーの探検家ロアール・アムンセンと4人の隊員が世界で初めて南極点に到達した日でもあります。毎年、この時期になるとテレビでも赤穂浪士討ち入りの番組が組まれるので、知っている人も多いと思います。南極には1957年に日本の昭和基地が開設され、現在は、世界の気象観測網の拠点にもなっています。約30名の隊員が1年間観測活動を行っています。その南極大陸での南極観測隊の苦難とそり犬たちの悲劇を描いた映画があります。1983年の「南極物語」です。南極大陸に残された兄弟犬タロとジロと越冬隊員が1年後に再会する実話を元に創作を交え、北極と南極でロケを実施し、撮影期間3年余をかけ描いた大作映画です。私が大学生の時の映画で、大変話題になりました。キャストも高倉健さんや夏目雅子さんなど豪華でした。

 現在、地球温暖化の影響で両極の氷が解け始めています。南極の氷の厚さは最も厚い所で4,500m、平均2,450mです。 南極の氷が溶けてなくなると、現在より海面が40〜70m上昇すると考えられています。関東平野がほとんど水没するかもしれません。ただ、日本史で勉強したと思いますが、地球が誕生してから46億年の歴史をさらに長い目で見ると、地球は約10万年ごとに暖かくなったり(間氷期)寒くなったり(氷期)を繰り返してきたことが分かっています。東京の内陸から貝塚が発見されるのは、海岸が現在より内側にまできていたことを示しています。地球温暖化は、二酸化炭素の増加が原因と考えられ、太陽光発電の推進や脱原発、ガソリン車からEV車へのシフトなどの対策が進められてきましたが、二酸化炭素が原因ではないとする科学者グループの声が大きくなり、EVの問題点もクローズアップされ、EV離れが進んでいます。二酸化炭素とは関係なく、温暖化は進んでいるというのです。これが本当なら、今までの対策は何だったのでしょうね。人間の力の及ばないところで、宇宙は動いており、人類は地球が沸騰するのを指をくわえて見ていることしかできないのでしょうか。 皆さんも今後の地球温暖化と二酸化炭素の問題を注視してください。

女の子のなりたい職業は?

 今日は美容室の日らしいですが、理由が笑えました。12月は美容室に多くの客が訪れる月だからというのはいいとして、13日は「13」をくっつけると「Beauty」の頭文字「B」になることからだそうです。                                                          

 皆さんは、美容院と床屋のどちらに行っているでしょうか。女生徒は、ほぼ美容院かと思いますが、男子はまだ床屋が多いのでしょうか。私は、高校までは小さい時から行っている近所の床屋に行っていて、美容院に行くようになったのは大学生になってからでした。今通っている美容院は、もう24年の付き合いです。皆さんは、理容師と美容師の違いはわかりますか。端的に言うと、理容師は「髭剃り、顏剃り」ができるが、美容師はできないということです。私は床屋さんで、顔をそってもらうとともに耳掃除もしてもらっていました。美容院に行くようになって、「あっ、美容院はやってくれないんだ」と知りました。顔剃りと耳掃除は気持ちよかったんですよ。    

 私が最後に担任した生徒の中に、美容師になって原宿で店長をしており、テレビにもでるくらい成功している子がいます。3年次の成績はクラスで1、2位を争うほどで部活も頑張っていて、昔から美容師になりたいという夢を忘れずに努力しました。夢を叶えて成功できてよかったと思います。小学生の女の子のなりたい職業で美容師とパティシエが10位内に入っていますが、女の子が手に職をつけるといった場合、この二つが双璧なのでしょうね。今はイラストレーターも入っています。医師・看護士が1位、2位で、薬剤師が6位、獣医が9位と医療関係は人気ですね。本校の生徒も看護士と薬剤師を目指している人は多いようです。ぜひ、頑張って夢を叶え、人の役に立てるようになってください。