日誌
榎本校長のつぶやき
働いている人みんなに感謝!
昨日は、国民の祝日である「勤労感謝の日」でしたが、皆さんは働いている保護者の方、そして働いている全ての人に対して感謝の気持ちをもちましたか。皆さんは、お父さんやお母さんの職場見学をして実際に働いているところを見たことがありますか。夏休みに「こども参観」を実施している企業や自治体もありました。アインシュタインは「私は一日100回は、自分に言い聞かせます。私の精神的ならびに物質的生活は、他者の労働の上に成り立っているということを。」と言っています。また、レーニンは「働かざる者、食うべからず」と言っていますが、これは労働者から搾取して不労所得でラクな生活を享受する資産家たちを戒めるための言葉であり、資本主義体制を批判する言葉でした。
皆さんは、国民の三大義務と権利を答えられますか。三大義務は「教育・勤労・納税」ですね。誤解されやすいですが、教育の義務は、皆さんが小中学校に行って教育を受けなければならない義務ではなく、保護者が子供に教育を受けさせなければならない義務です。面白いのは勤労の義務で、「すべての国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」(日本国憲法第27条1項)と勤労の権利とセットになっています。これはどういう意味でしょうね。「権利を主張するなら義務を果たせ」なんてことが言われますが、そうした裏表の関係ではないです。勤労の権利とは、仕事をしたい人に対して、国が仕事をさせないと言うことができないということです。また、勤労の義務とは、国が働くことを強制しているのではなく、保険など国の保護をうける場合には、仕事をする必要があるというくらいの意味らしいです。義務が最も似合うのは「納税」でしょう。普通の人は働かなくては税金は払えませんから、勤労と納税はセットでおかしくありません。みんなが助け合って生きるのが社会ですから、お互いに働いて税金を払って暮らしやすい社会をみんなで作っていく。だから働いてくれる人に感謝するということですね。皆さんも自分の好きな仕事、やりたい仕事で感謝されるようになってください。
ちなみに国民の三大権利は、「生存権(健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)、教育を受ける権利、参政権」です。公民の授業では、他にもたくさん人権を勉強したと思います。皆さんにとっては「自由権」が一番記憶にあるかもしれません。「職業選択の自由」もその中にありましたね。自由はいいものですが、厳しくもあります。これから職業選択に大いに悩んでください。
※勤労感謝の日は、戦前は宮中行事の新嘗祭で、その年に収穫された新穀を神に捧げ、収穫を感謝する日です。具体的には、天皇陛下が新穀の収穫を天照大神(あまてらすおおみかみ)をはじめとした神に感謝し、自らも新穀を食べる宮中行事で、現在も皇室に受け継がれている重要な祭祀の一つです。新嘗祭は、明治6(1873)年に祝日として11月23日に制定されました。