日誌

榎本校長のつぶやき

そのウソ、ホント?②

 ①の続きです。最新の「世界価値観調査」によれば、他の先進国が「新聞・雑誌・テレビを信頼できる」とした率は5割以下だったが、日本だけ7割近くと非常に高かったそうです。なぜ、日本人はマスコミをそんなに信頼するのかは、置いておいて、考えて欲しいのは、「その情報は、誰の得になるのか?」ということと「他国では報道されていることが日本で報道されていないのはなぜか?」です。太平洋戦争では「大本営発表」はウソの代名詞でしたが、お上(国家権力)に逆らえない、自社の利益を第一に考えるマスコミの黒歴史です。マスコミに対する一般的批判としては、「マスコミ同士の競争で視聴率や販売部数を伸ばすための報道になってしまっている」があります。特にここ2年間はコロナ報道に見られるように国民の不安感を必要以上に煽ったり、過度に政権を批判して世論を誤誘導したりしていると言われます。昨今のウクライナや中国に関する報道は適正でしょうか?そんなわけで、ネットの中の情報との乖離が進み、テレビや新聞が報道してほしいことを報道していないという不満が若年層を中心に高まっています。一方で高齢者は情報を得る手段が、まだまだテレビと新聞に偏っているため、誤誘導されやすいと言えます。報道すべきことを報道しない理由を端的に言えば、スポンサーやマスコミ各社にとって都合が悪いからです。ただ、それではネット情報なら利害関係が大手マスコミほどではないからいいかと言えば、内容は玉石混淆であり、信じていいわけではありません。要は、新聞・雑誌・テレビ・ネットの違いにかかわらず、報道を鵜呑みにして無批判的に受け入れずに、多くの情報を比較して自分の頭で考え判断することが大切だということです。2020年の某雑誌の「新聞やテレビを信じすぎる日本人の低い読解力」という記事では、OECDの学力テスト(PISA調査)が、新たにネット記事などに対して合理的な疑いを抱く能力を読解力の一部と評価することになった影響もあり、日本人生徒の成績低下にむすびついたという点を指摘しています。高校で今年度から「情報」が必修になり、情報活用能力の育成が急務になっていますが、ちまたにあふれているウソに騙されないためにも、情報を収集・選択・整理できるように思考・判断力を磨きましょう。ところで、ここに書いたことはホントでしょうか?