日誌
2023年1月の記事一覧
今日の風を大切に
昨晩から今日にかけて、風が非常に強かったですね。群馬は、冬になると「からっ風」が吹くことが多いので、登下校、体育の授業、部活動で苦労します。前橋の某高校では、一冬に校庭からダンプカー1台分の土が飛ばされると言われています。そんなわけですから、学校の近隣からは洗濯物が土埃で汚れるので土埃避けのネットを張って欲しいという要望が出て、対処しているところも多いようです。
私は、高校は片道10㎞を超える通学路を自転車で通っていましたので、この時期の自転車通学の生徒の皆さんの苦労は、よくわかります。強い向かい風で、自転車が進まないのも辛いですが、自転車が横風でふらつくので車が側を通る道路では非常に危険でした。体育は、冬場はラグビーかサッカーでしたので、寒く土埃がひどい中の授業はキツかったですね。そんな「からっ風」の中でも、外の部活動はやっていましたので高校生は元気よかったなあと思います(今もそうですが)。
台風や季節風の強風は、あまり有難くないですが、風が吹かないとどんな不都合があるでしょうか?昔なら、帆船が動かなくて世界の歴史は変わっていたでしょうね。風力発電もできません。凧をあげることもできません。フランクリンが、凧を使って雷が電気であることを証明した実験もできませんでしたね。それよりも、全然風が吹かない世界というのを、皆さんは想像できますか。川や水田の上を吹き渡る風が、涼しさを運んでくれることもありません。汗をかいた体から、風が気化熱を奪ってくれて涼しくなることもありません。世界の自然環境は今とは全く違うものになってしまい、人間は生きられないでしょう。雨が降り、風が吹く原理から考えれば、風が吹かないということは、地球上から水がなくなることを意味しているのでしょうから。「風が吹けば桶屋が儲かる」という因果関係を極端に誇張した言葉がありますが、桶屋は単なる桶屋ではなく棺桶屋を指すという説もあります。群馬県民だとよく実感できると思いますが、強風で砂埃が舞い、目に入って目を悪くする人が増え、目が悪い人は三味線弾きになり、三味線の材料として猫の皮が使われるので、猫が減り、ねずみが増える。ねずみは米など人間の食べ物を食い荒らし、飢饉が起こって死人がたくさん出る。すると棺桶屋が儲かる。これに倣うと、「風が吹かないと、桶屋が儲かる」とも言えるのでしょうか。
風は、いい意味でも悪い意味でも使われますが、凧が一番高く上がるのは、風に向かっているときですし、ヨットは、向かい風でも前進することができます。スキージャンパーは向かい風を受けて飛距離を伸ばします。逆風は、自分が向きを変えれば追い風になります。逆風に吹かれたら、否定的なエネルギーをも前進する力に変えてみましょう。「明日は明日の風が吹く」「だから今日はくよくよしないで 今日の風に吹かれましょう」ですよ。
こころの駒に鞭打とう!
1年の締めくくりの3学期が今日から始まりました。昨日、群馬県のコロナ感染者数が4000人を超えて過去最悪になりましたが、本校も47人欠席中33人が出席停止で、1年の始めとしては、寂しく残念なスタートとなりました。今日登校できなかった生徒の皆さんの元気な顔が早く見られるよう祈っています。
今日の始業式の式辞では、よく「1年の計は元旦にあり」とは言うけれども、日本は4月から新しい生活が始まるので実情に合っていないですね、という話から始まって、1月から3月の期間に実現可能な目標と具体的手段を考えて、4月に「やった」という実感をもって桜の花を眺めてくださいと言いました。そして、「最初が肝心」「終わりよければすべてよし」という言葉を取り上げ、落ち着いて物事を進めるためには、十分準備をして余裕をもつことが大切であり、いいスタートができないと、それを挽回するために心も体力も消耗してしまうので、4月までに十分な準備、ウォーミングアップをしてくださいと話しました。また、昨年の自分に満足できていない人は、あと3ヶ月で挽回して「最後はよく頑張った」と自分をほめて、4月を迎えましょうと言いました。すべてがうまくいくなんてことはありませんので、「終わりよければ」ということが、事実としての結果だけでなく、自分の心の持ちようを意味しているということを自覚してほしいです。
令和4年度も、あと3ヶ月。3年次生はあと27日、1、2年次生もあと42日しか登校日はありません。校歌にあるように、こころの駒に鞭打って、「最初が肝心」「終わりよければすべてよし」の二つを満足させられるように、3学期を皆さんが過ごしてくれることを期待し、皆さんの心と身体が健康であることを願っています。