日誌
2023年1月の記事一覧
ボランティアとおむすび
今日は、防災とボランティアの日です。1995年1月17日(火)に発生した阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)から今日で28年が経ちました。震災の際、学生を中心とした多くのボランティアが活躍したことから、1995年は日本の「ボランティア元年」とも呼ばれています。東日本大震災など、自然災害が起こると全国からボランティアが被災地に集まるようになりました。ただ、コロナの蔓延によって活動が制限されるようになってしまいました。特定非営利活動促進法(NPO法)が成立して今年3月で25年になりますが、震災を機に設立されたNPO法人の半数超が、活動資金の不足や、新たな人材確保が困難、世代交代が進まないなどの課題を抱えています。景気の悪化や高齢化、コロナ禍の継続などボランティア活動を阻害する要因が立ち塞がっていますが、特別なことではなく、自分に無理なくできることをやれればいいのではないかと思います。大変な時に、日本人は落ち着いて助け合える民族性があるようですので。
さて、阪神・淡路大震災で、被災地に「おむすび」が届けられた温かい心の象徴として今日は「おむすびの日」でもあります。ごはんの「おむすび」だけでなく、人と人との心を結ぶ「おむすび」の意味があります。また、6月18日は「おにぎりの日」です。弥生時代の遺跡から「日本最古のおにぎり」の化石が発見された日だそうです。「おにぎり」と「おむすび」の違いについては諸説あり、明確な違いというのは難しいようです。2013年の調査によると、日本全国で「おにぎり」と呼ぶ人が89%、「おむすび」が10%で、現在では多くの人が「おにぎり」と呼ぶ傾向にあるそうです。皆さんはどちらですか?私は、個人的には「おむすび」の語感のほうが好きです。昔話の「おむすびころりん」は、「おにぎりころりん」だと、しっくりきませんね。おむすびは遠足、おにぎりは運動会のイメージです。おむすびは優しいイメージ、おにぎりは力がでるイメージです。ひと昔前には家庭で作るのが当たり前だったおにぎりは、コンビニやスーパーなどで買うのが珍しくなくなっています。時代は変わったなあと思いますが、生徒の皆さんには、わからないでしょうね。おむすびは、日本人のソウルフードだと思います。パンや麺類もいいですが、お米もたくさん食べて、日本の伝統的食文化を守っていきましょう。
どうする出願、どうする進路
2日間の大学入学共通テストが、終わりました。今日は、自己採点日です。正確に採点して、出願してほしいと思います。昔、模試の自己採点で30点以上違っている生徒がいて、ちゃんとマークしたのかと聞いたことがありました。自己採点が間違っていると、少ないほうに間違えたならともかく、多く間違えたら悲惨なことになってしまいます。皆さん、2日間落ち着いて試験を受けられたでしょうか。しっかり問題用紙の解答番号に自分の解答の〇をつけてきたでしょうか。自己採点し、業者から分析結果が返ってきたら、あとはもう結果を真摯に受け止めて、腹を据えて試験日まで勉強するしかありません。予想以上によくできた人は、舞い上がることなく、油断せずに着実に優先順位をつけて、残された時間を勉強してください。逆だった人は、1分1秒を惜しんで気持ちを切り替えて、自分を信じて最後まで頑張りましょう。サッカーワールドカップでの「三苫の1mm」じゃありませんが、試合終了のホイッスルまで、絶対入ってやるという気持ちで勉強してください。「合格~合格~」と強く念じて応援しています。それと、今日1,2年次生の皆さんは共通テストチャレンジをやりましたね。2年次生は1年後に勝負だということを自覚したと思います。「先んずれば人を制す」です。少しずつでいいので1日でも早く受験勉強を始めましょう。進路先決定で悩みながらでも勉強はできますよ。
決戦の前日金曜日(ドリカム?)
明日、明後日と大学入試の一般受験の第一関門である大学入学共通テストが、実施されます。1979年に大学共通第1次学力試験が始まり、1990年からの大学入試センター試験、そして2021年度から現在の大学入学共通テストとなりました。私の年代は共通1次と呼ばれ、5教科7科目で1000点満点でした。今までになかったマークシート方式の試験でしたが、国立大学の受験機会が2回から1回になり、「ちゃんと学力が測れるのか」「2次試験もあり受験地獄をかえって悪化させている」「大学の序列化を不当に招いている」などの批判を各方面から受けました。全国の国立大学の序列化と、私立大学が3科目入試であったことから、負担を嫌った受験生が私大に流れ、私大の難化現象を招きました。そして、紆余曲折がありましたが、今日まで続いています。
解説はこれくらいにして、前日となる今日の4時間目に3年次生への激励会が行われました。3年1組からリモートで各クラスへ、年次主任・各担任の先生方の激励の言葉が届けられました。私は2003年度の3年1組の担任でしたので、感慨深いものがありました。コロナ以前は、格技場に集まって激励会をやっていましたので、寂しい気がしましたが仕方がないですね。また、受験会場で3年の先生方がのぼり旗を立てて、教え子に「頑張ってこい!」と励ましていた風景も見られなくなりました。今日の激励会では、「深呼吸」と「ツキと運」の話をしました。私は、数学で頭の中が真っ白になり大失敗した経験から、とにかく落ち着いて普段通りの力を発揮するために「深呼吸」を忘れずにと助言しました。また、「勝利へのツキと運を呼ぶのは、日頃の地道な練習の積み重ねだ」という、マンガの中の野球部の監督の言葉を紹介し、「人事を尽くして天命を待つと言いますが、日頃から、地道に勉強を積み重ねてきた皆さんには、運が味方してくれるでしょう。頑張ってください」と締めました。大学受験は、競争試験ですので一見他の受験生が敵に見えますが、「最も手ごわい敵は、自分自身である」という言葉もあるとおり、自分に勝つという意識で臨めば、周りの受験生は目に入らなくなると思います。それにしても、明日は雪にならなくてよかったです。3年次生の健闘を祈って今夜は写経をします。(笑)
新教科「情報」の大切さ
今日は、5時間目に1年4組の情報の授業にお邪魔して、生徒が作成したアプリケーションの発表を見てきました。全員がお互いに見合って、デザインとアルゴリズムの2部門で、最もよいと思った作品に投票しました。すぐに投票結果が集計され、最優秀賞者が発表され、拍手で讃えられていました。それぞれが、思い思いのキャラクターや背景をデザインし、キーボードや画面上のコマンドで動くようにプログラミングできていました。クラスメイトの作品から自分とは違うよさに気付くことも多く、よい学び合いになったと思います。楽しく授業での活動に取り組めることが、学習効果をあげることに繋がりますので、生徒にどんな学習活動をさせれば、学習内容がよりよく身につくのかについて、先生方は腐心しているわけです。2025年の大学入学共通テストから、国立大入試では原則として新教科「情報」を課すと正式に決められました。今の1年次生から受験科目になるわけですが、コロナで一気に1人1台端末が進み、情報処理能力があらゆるところで重視される世の中になっていきますので、皆さん、楽しんで情報処理能力をつけていきましょう。
希望の轍
今日の午後は、前橋で校長会があって出かけてきましたが、その後半に今年度で退職される教育次長の講話がありました。テーマは「学校教育はキャリア教育」です。詳しくは書けませんが、堅苦しい内容にならず大変おもしろく拝聴しました。
キャリア教育という聞き慣れない教育が学校現場に入ってきたのは、もう20年近く前です。本校では、平成19年度に進路指導部からキャリア教育部に名称を変更し、総合的な学習の時間とキャリア教育に関連する学校行事の企画・運営を中心に行ってきました。そして、平成25年度から平成27年度まで文部科学省から研究指定され、各教科・科目等においてもキャリア教育の実践を意識した研究を実施しました。その際命名した研究名が、「EAST(Embark on Adventures and Seek Treasures!)プロジェクト」ですね。本校の生徒なら全員知っていますよね。本校を受験する中学3年生もみんな知っていると思います。
キャリア教育は、横文字など使わずに生き方教育と言ったほうが私はわかりやすいと思うのですが、「これからの変化の激しい世の中を自分らしく後悔しないで生きていくためには、どんな力をつけたらよいのか」を考え、実践していくのがキャリア教育だと思います。別に新しいことではなく、昔からやっていることだと思いますけどね。「今でしょ!」の林修先生は、「好きなことと、得意なことのどちらを仕事にしますか?」と言ったそうです。MIT(マサチューセッツ工科大学)の名誉教授のエドガー・シャインは、キャリアを歩む上でビジネスマンが必ず直面する3つの問いを、①自分のできることは何か(CAN)、②自分がすべきことは何か(MUST)、③自分がしたいことは何か (WILL)としました。生き方は、一つではありません。死ぬまで生き方に悩み、選択をしていくのが人間だと思います。生徒の皆さんには、そのために必要な認知スキルと非認知スキルを本校の教育活動を通して、バランスよく身に付けられることを願っています。