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2023年1月の記事一覧

読書感想文て面白い?

 以下は、ネットで偶然見つけた記事です。 あるTwitterユーザーが中学1年生の時に読書感想文に「つまらん」と一言書いて提出したところ、国語が専門の教頭先生から「何がつまらないか箇条書きにして持っておいで」と言われたそうです。箇条書きにしたものを持っていくと、教頭先生はその場で内容をつなげていき、さらに2人で新しい要素を継ぎ足す作業を繰り返したそうです。教頭先生は最終的に完成した400字詰め原稿用紙10枚ほどの作品をもって「これが評論というものなんだよ。よくがんばったね」と一言。これをきっかけに、そのTwitterユーザーは国語が大好きになったそうです。「なんだ!つまらんとは!」と怒られ、残って書かせられたら、きっと国語が嫌いになっていたんでしょうね。

 おそらく、皆さんの中には、作文や読書感想文が苦手な人が少なくないと思います。私は作文は好きでしたが、読書感想文はそれほどでもありませんでした。本音が書けなかったからです。かと言って、作文に過激なことを書いていたわけではありませんが。ですから、「つまらん」と書ける前述のTwitterユーザーさんは、うらやましいですね。優等生だと、先生に忖度して先生が評価してくれそうなことを無難に書いておくかと、子どもらしからぬことを考えてしまうかもしれません。「ストーリーのここが不自然だ」「私ならこう書く、なぜなら〇〇だから」と、理路整然と書けるなら、相当読解力と表現力があると言えるでしょう。また、作者が意図していない登場人物の心理について書けるなら、それもまたすごいことです。

 文章は、素直に読むことも批判的に読むことも、どちらも大切だと思います。でないと、すぐに騙されますからね。読書感想文は物語を読んで書くことが多いと思いますが、登場人物にどれだけ感情移入できるか、はたまたできないか、自分の人生観や価値観と照らし合わせながら読みます。そして、それで自分の人生観や価値観が変わることもあります。物語でなくても、結局は著者の考えを読むことになるので、それに対して自問自答を繰り返すことになります。教科書一つとっても漫然と読むのではなく、わからないところや疑問をもったところをチェックしながら頭をフル回転させて読むことで、得られることも段違いに多くなることでしょう。これこそ、アクティブラーニングですね。人の話を聞く時に、聞き終わったら3つ質問をしてもらいますと言われたら、ボーッとせずに頭を回転させて話を聞くでしょう。子どもに、説明の後に友達に教えてもらいますと言ったほうが、テストをしますよりも真剣に授業を聞いたそうです。インプットとアウトプットは、思考・判断・表現という車の両輪です。主体的にインプットすれば、いいアウトプットに繋がります。アウトプットをすることで、何が足りていないかが自覚でき、いいインプットができるようになります。

 読書感想文の話から、結局何が言いたいのということになりますが、読むことと書くことは、考えて繰り返すことで相乗効果がありますから、どちらかに偏らずにやってくださいねということです。読解力が特に重視されるようになった昨今の入試状況を考えると、国語の力が全ての教科に影響を与えるようになってきていますので、ぜひ面倒くさがらずに考えて読んで書く活動を地道に続けてください。

希望や目標は、声に出そう!

 車いすテニスで世界王者の国枝慎吾選手(38)が、引退を表明したニュースを見ました。もしかしたら引退するんじゃないかなと思っていたので、それほど驚きはしませんでしたが、残念には思いました。 国際テニス連盟(ITF)も、国枝選手の驚異的キャリアを紹介して“真の特別な王者”と称賛しています。彼の主な成績は、『582週間』世界ランキング1位。『50回』の4大大会タイトル獲得。(シングルス28回、ダブルス22回)。ITFワールドチャンピオン『10回』。 パラリンピックでシングルス『22勝』。『5大会連続』でパラリンピックでメダルを獲得した唯一の選手です。4大大会とパラリンピック全てで優勝するキャリア・グランドスラムを達成しました。

 国枝さんは、『9歳』の時に脊髄腫瘍を発病し車いす生活になり、11歳から車いすテニスを始めました。そして、2006年から17年間世界1の座を守ったのですから本当にすごいとしか言いようがありません。テニスをやったことがある人なら、彼のプレーを見てどれくらいすごいかはわかることでしょう。彼はコメントの中で、「最後まで世界1位での引退は、カッコつけすぎと言われるかもしれませんが、許してください。」「10回目の年間王者になって、もう十分やりきったという感情が高まり、決意した次第です」と言っています。今が自分のピークだと感じている時点で辞めるか、肉体的精神的に続けられないと思うまで続けるか、プロの選手にとっては悩みどころでしょう。後者の代表は、55歳で現役を続けるサッカーのキングカズこと三浦知良さんですね。テニス界では、若くして世界一となり燃え尽きて引退してしまった選手もいます。国枝さんは、「もう十分やりきった」と言えるくらい長い間第一線で活躍してきたのですから、「お疲れ様、少し休んだら後進の指導をお願いします」と言って今までの活躍を労いたいです。

 彼は、ラケットのスロート部分に「俺は最強だ!」と書いたテープを貼っています。テニスは、コートでは一人で戦わなければならない孤独なスポーツです。長い試合だと5時間以上になります。競った試合になれば弱気になることもあります。そんな時に「俺は最強だ!」と書かれたテープを見て、自分自身を勇気づけているわけです。この言葉は、オーストラリア人メンタルトレーナーのクイン氏から贈られたそうです。2006年1月、当時世界ランキング10位前後だった国枝さんはクイン氏から「“世界一になりたい”ではなく“世界一になる”と毎日言いなさい」と言われ、選手用の食堂で「オレは最強だ!」と叫ぶように促されたそうです。その後は毎日のように、鏡の前で「オレは最強だ!」と言い続け、約9カ月後に世界ランキング1位になったのです。希望や目標は、紙に書いて、見えるところに貼り、声に出して読むことが大事です。ぜひ、皆さんも部活や進路について実行してみてください。

春遠からじ、がんばれ受験生!

 今日は「二十四節気」の一つ、大寒ですね。2月4日は立春で、暦の上ではもう春ですね。冬休み明けから立春のころに各地で一年の最低気温が記録されることが多いそうです。2021年(令和3年)11月時点で、「日本最低気温の日」は1月25日となっています。1902年のこの日、北海道旭川市でマイナス41.0℃を記録したそうです。私が、自然の中で体験した最低気温は、マイナス18℃でした。上越国際スキー場の一番上で吹雪いていた中で、スキーウェアの外に付けるスキー用の腕時計が表示しました。本当に寒かったです。修学旅行の引率で北海道に行った時に、確か旭川の施設でマイナス20℃を体験しましたが、マイナス41.0℃は想像できませんね。                                                                      

 昔、1977年に公開された「八甲田山」という映画をテレビで見ましたが、兵隊が寒さで発狂してしまうシーンを今でも覚えています。この映画は、青森の連隊が雪中行軍の演習中に遭難し、210名中199名が死亡した事件を題材に作られました。「天は我々を見放した」は流行語になり、配給収入で1977年の日本映画第1位を記録しました。皆さんは、寒さで発狂するって想像できますか。

 私が小学生のころは、用水路の水が凍って上に乗って遊べましたが、今は氷が張っているのもほとんど見られません。霜柱も見られません。サクサク踏んで登校しましたが、今の子どもは見たことがないかもしれませんね。その反面、夏の気温は30℃くらいしかなかったのが、今や40℃になる日もでてきたわけですから、地球温暖化と言われて納得するしかありません。

 我々人間は、あるがままの自然を受け入れるしかないのかもしれません。人間の今までの行為に対するブーメランとして。しかし、海水面の上昇で国土が消失する危機に直面している国は、そんな悠長なことも言っていられません。人間の叡智をもって、各国の利害を打破できるかが、今後の地球環境を守れるかどうかのカギです。現在、環境にいいと思われているもの、ソーラー発電、電気自動車、風力発電にも色々な問題点があります。テレビや新聞等を妄信せず、多様なところから情報を収集して判断するようにしましょう。

それでは、受験生の皆さん、寒さに負けず、頭寒足熱で頑張ってください。

長い人生、そんなに急いで何を見る?

 以前に、動画を1.5倍速で見る若者のことを書きました。私も必要に応じて1.5倍速で動画を見ていますが、映画や音楽作品は、通常速度で見ます。映像作品を倍速で鑑賞する若者は多いのだそうですが、それは、効率を求めているわけではなく、「結論がでていない状態が長く続くのが耐えられない」からだと考える専門家もいます。すぐに答えが出てくる環境で育っているため「自分にとっておもしろい作品かどうか」という答えに1秒でも早くたどり着きたいのだそうです。これが本当なら、悲しいですね。じっくり考えることや味わうことが苦痛だとすると、考える喜びというのは感じられないということですから。数学の問題で、すぐ答えを見たがるのも同じ心情からでしょう。

 コロナのせいで(おかげで?)、学校や職場の環境は大きく変わりました。学校では、一人1台情報端末の普及が一気に進み、職場では在宅勤務が余儀なくされ、オンライン会議が行われるようになりました。リアル対面が基本であった学習に、オンデマンド(非同期遠隔)、オンライン(同期遠隔)といった方式が加わり、学習方法は多様化しました。内外教育の記事によれば、学習方式に関する近畿大学の令和4年の調査によると、前期授業では、78.7%の学生がオンデマンドを希望しており、48.5%が1.25倍速や1.5倍速で受講しているが、速度の違いと成績には相関が見られないそうです。今回の大学設置規準改正で遠隔授業修得単位数の上限の緩和が可能になったことでオンデマンド化は更に進むのだろうかと疑問をなげかけています。

 皆さんは、教室で友達と一緒に授業を受けたいですか。それとも、自宅でパソコン画面で受けるほうがいいですか。学校は単に知識を身に付ける場所ではなく、バランスよく体力や技能、社会性を身に付ける場でもあります。あたかもそこに本当に人が存在するかのようなホログラム技術が発明されれば、それで代替できることも増えるでしょうが、実用化にはまだ時間がかかることと思います。オンデマンドやオンラインでできる仕事は、全体の仕事から見れば少数派です。生身の人間同士の関わりは、まだまだなくならないはずですので、大事にしていきましょう。

 ちなみにタイトルは、1973年の交通標語「狭いニッポン、そんなに急いでどこへ行く」のパロディーです。

GUNMAリベンジャーズ

 累計部数7000万部の『東京卍リベンジャーズ』完結コミックス31巻が発売され、地域限定で7種類の新聞広告が掲載されたというニュースを今朝見ました。キャチコピーが「その手で、運命をひっくり返せ!」でした。 最愛の人を救うため、ダメフリーター・花垣タケミチが中学時代に戻り、関東最凶不良集団の頂点を目指す姿を描いたタイムリープ・サスペンスだそうです。本校の生徒で読んだ人は、どれくらいいるでしょうか。
 私は、売れている漫画のタイトルは情報として知ってはいますが、多すぎて全部読めるわけではありませんので,食指(読指?)が動かないと手にとりません。いわゆる不良が主人公の漫画は、今までたくさん読んできましたが、歳をとったせいか、エネルギーがなくなっているせいか、今はあまり読みたいという気が起こりません。現実的でなく、突き抜けているほうが漫画としては面白いので、不良ものも「こんなのありえねーだろ!」くらいのほうが売れると思います。私の中で、最も記憶に残っているのは、『疾風伝説 特攻の拓』という1991年から1997年まで、『週刊少年マガジン』で連載されていた暴走族の少年少女を描いた漫画です。不良ものは、どちらかといえば最初から強い主人公ではなく、気弱な少年が成長していくストーリーが多いですね。そのほうが、意外性があって多くの普通の読者に支持されるのでしょう。ただ、現実には、私の身近な人が3人バイクで命を落としています。高1の時に私の友達はノーヘルでうちの近くで、私の初任校では教え子が2人、亡くなっています。ですから、危険な行為はフィクションで楽しむに留めて、現実にはやってほしくないですね。

 群馬県は、1万人当たりの事故件数で高校生の自転車事故の割合が全国ワースト1位です。高校生は調査が始まった14年から9年連続という不名誉な記録を更新しています。今、命を守るために自転車においてもヘルメットの着用が推奨されていますが、なかなか着用率は高まりません。着用率が高いところでも、校外へ出ると脱いでしまう生徒が少なくないという話も聞きます。事故は「自分だけは大丈夫」という根拠のない自信は通用しません。今は昔と違ってカッコいいヘルメットがたくさんあるので、ぜひ自転車通学の人はヘルメットを着用してください。不良漫画から始まった話の落ちが、「ヘルメットを着用しよう?」と非難しないでくださいね。校長からのお願いでした。