日誌

2022年10月の記事一覧

うまい話と断る力

 今日は、群馬県高等学校PTA連合会東毛地区指導者研究集会(長い!)というものがあり、出かけてきました。その後半で「成年年齢引き下げと若者の消費者トラブル ~親として知っておきたいこと~」という講演がありました。高校3年生は、未成年ではなくなるので、金銭トラブルに巻き込まれる人が増えます。結論から言うと、「うまい金儲けの話には絶対のるな」です。欲をかいて楽して儲けようと思えば、大体失敗します。最悪の場合、失敗するだけでなく友達も失います。それと、話の中で一番印象的だったのが、強く勧誘されると断れない人の割合が、全世代の中で10代、20代の人が大変多かったということです。あなたは、はっきり断ると悪いんじゃないかと思って、答えをにごして曖昧に答えてしまうほうですか?1989年に「NOと言える日本」という本がベストセラーになりましたが、日本人は自己主張が下手と言われます。よくとれば謙虚で奥ゆかしい、ことを荒立てるようなことは避ける、とでも言えるのでしょうか。「結構です」「いいです」という言葉は、「YES」「NO」どちらにもとれます。日本語には、曖昧でぼかす表現が多く、直接的な表現を避けて言葉と態度から察する文化があります。講演の中で、「先輩から誘われた時のセリフを考えよう」という質問がありました。先輩は「簡単に儲かる話があるんだ。この後、ご飯でも食べながら、一緒に話を聞かない?」と言っています。あなたなら、どんな言葉で断りますか?100%の正解というものはありません。ぜひ皆さんの断るセリフを教えてください。

趣味と仕事

 皆さんには、趣味がありますか?自己紹介で話したり、面接で聞かれたりしますよね。何か趣味がないと、つまらない人間みたいに思われるのが嫌で、とりあえず無難に「音楽鑑賞」とでもしとけ、みたいな人もいるかもしれません。私は、趣味って自分が好きでやっていることで、人に自慢したり、ひけらかしたりするものではないと思うので、「昼寝」とか「ボーっとしてすごすこと」だって全然いいのではないかと思います。若い芸能人が、似たようなことを言っていたので、同じことを考えている人も多いのではと思いました。ただ、趣味はある程度継続的にやっているものというニュアンスがあるので、「単に好きなもの」と「趣味」の分かれ目は、そこかなと思います。一番幸せなのは、趣味が仕事になることかもしれませんが、仕事になると辛くなることもあるので、趣味は趣味のままにしておきたいという人もいることでしょう。仕事がおもしろいので、ほかに趣味などいらないという人もいます。結局、仕事と趣味は、その人の生き方に関わってくることなので、何でもありなのかなと思います。ただ、自分の世界を広げるという意味で、いろいろなことにチャレンジして、それが趣味になったり、仕事になったりして誰かの役にたてたらいいなと思います。皆さんも、若くてエネルギーがあるうちに、いろいろなものに興味をもってチャレンジしてください。そして、趣味の合う友達を見つけてください。

真実はいつも・・・

 私は、専門が歴史なので歴史的に重要な出来事があった日は、記憶しているものも少なくありません。皆さんは、10月12日が歴史上どんな日か知っていますか? 1492年のこの日、イタリアの探検家・航海者クリストファー・コロンブスが率いるスペイン船隊が新大陸アメリカに到達したので、これを記念して10月12日は「コロンブス・デー」と呼ばれます。ただ、実際には最初に上陸したのはアメリカ大陸ではなく、西インド諸島でした。この日はアメリカの多くの州で祝日となっており、1970年より月曜休日統一法によって10月の第2月曜日となりました。現在、「コロンブス・デー」は、アメリカで多くの公共施設が定休日となり、企業や学校も休みとなる場合があるそうです。また、コロンブスの新大陸発見はスペイン王室の支援により達成され、スペインにとって中南米への植民地建設への第一歩を記した記念日でもあるため、10月12日はスペインでは「イスパニア・デー」という国民の祝日になっており、首都マドリードでは伝統的な軍事パレードが毎年行われているそうです。さて、私が、「コロンブス・デー」について書いたのは、別にコロンブスを讃えるためではなく、この象徴的な日を通して歴史の見方について考えてほしいと思ったからです。コロンブスの新大陸発見は、大西洋を横断する貿易の航路を見出すのには役立ちましたが、スペインの植民地化を進めるきっかけにもなり多くのアメリカン・インディアンの命を奪ってしまうことにもつながりました。アメリカにはコロンブス・デーに反対する人たちもいて、代わりにアメリカ先住民の日としてお祝いする州もあります。中南米全体の傾向として、スペインによる侵略と殺戮、略奪が始まった日として、特に先住民系の人たちによる抗議デモも行われています。歴史は、勝者によって書かれます。味方を変えると、コナンみたいに「真実はいつも一つ!」なんて言えないのです。歴史を勉強するときは、事実とされることを鵜呑みにせず、陽の当たらない裏にまで目を光らせることが大事です。色々な面で、プロパガンダに騙されないようにしましょう。

協働>競争

 「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本が、2009年に刊行され、大変話題になりました。ベストセラーとなり、その後、アニメ化・漫画化・映画化もされました。ドラッカーは、マネジメントの大家であり、ビジネスマンなら彼の本を読んだことのある人は、多いと思います。マネジメントについては、たくさんの本が出ており、本質は同じですが、その方法は色々あります。マネジメントとは、「経営管理」や「組織運営」といった意味で、ヒト・モノ・カネを効率的に活用し、「目標」や「ミッション」の達成を目指すことです。日本型経営の特徴として、「年功序列型賃金」と「終身雇用」がありますが、経済のグローバル化によって「成果主義」が取り入れられるようになり、日本の職場も変わってきているかも?しれません。?と書いたのは、なかなかうまくいかなかったという記事を読んだことがあるからです。仕事の種類や業務内容が多岐にわたっているため、評価が難しいことや、短期で成果をださなければならず、長期的取組に支障がでるなどのデメリットがあげられました。社内の同僚との競争も激しくなり、職場の雰囲気が悪くなったということも言われました。この組織マネジメントが、学校に取り入れられるようになってからもう20年近く経ちます。

 新しい学習指導要領では、「協働」が重視されていますが、社会的活動というのは「協働」であって「競争」ではありません。集団で作業し、それぞれがその専門的知識や技術を提供しあい、その協働の成果はみんなで分かち合うのが理想です。

 こんな例え話がありました。Aくんはある教科でいつも100点をとる。Bくんは80点しかとれない。でも0点ばかりとっているCくんを気の毒に思って勉強の仕方を教えたので、Cくんは30点とれるようになった。受験の場ではAくんの評価が高いが、労働の場ではBくんの点数にCくんの点数が足されるのでBくんの評価が高くなる。

 この話を読んで、あなたはどう思いましたか?勉強でも、部活でも、学校行事でも「協働」が大事だと思いませんか?社会では、損得だけで動いていたら、「協働」なんてできませんし、大きな仕事なんてできませんね。

頼られるって嬉しい?

 中間考査が終わり、皆さん解放感に満ち溢れていることでしょう。ただ、これから新人戦がある部活の人は、早く練習したいのではないかと思います。ここのところ寒い日が続いていますので、受験勉強を頑張っている3年生、部活を頑張っている1、2年生、体調に気を付けてくださいね。

 今日は、午後から太田市立北の杜学園で太田地区中高生徒指導対策協議会があり、出かけてきました。北の杜学園は、太田北中が太田東小学校、韮川西小学校と統合して令和3年4月に開校した小中一貫校です。皆さんは、小学校1年生から中学校3年生までが同じ敷地内で、いろいろと関わりながら学校生活を送っている姿が想像できますか。学年が上の児童・生徒が、お兄さん・お姉さんになって頼られることで、自己有用感が育まれていきます。本校のサブリーダー制が、広い範囲で有効に機能している印象でした。説明を聞き、見学させていただき、子ども達の様子が非常にほほえましく感じました。本校には、リーダーシップがとれ、面倒見がよい生徒がたくさんいると思います。今後も、上級生の下級生への面倒見のよさを本校のよき伝統として伝えていってほしいと思います。この伝統は、卒業生が後輩のために非常に協力的であるということにもよく表れています。在校生の皆さんも、卒業後に後輩達への支援について頼られた際には、よろしくお願いしますね。