日誌

2023年1月の記事一覧

希望や目標は、声に出そう!

 車いすテニスで世界王者の国枝慎吾選手(38)が、引退を表明したニュースを見ました。もしかしたら引退するんじゃないかなと思っていたので、それほど驚きはしませんでしたが、残念には思いました。 国際テニス連盟(ITF)も、国枝選手の驚異的キャリアを紹介して“真の特別な王者”と称賛しています。彼の主な成績は、『582週間』世界ランキング1位。『50回』の4大大会タイトル獲得。(シングルス28回、ダブルス22回)。ITFワールドチャンピオン『10回』。 パラリンピックでシングルス『22勝』。『5大会連続』でパラリンピックでメダルを獲得した唯一の選手です。4大大会とパラリンピック全てで優勝するキャリア・グランドスラムを達成しました。

 国枝さんは、『9歳』の時に脊髄腫瘍を発病し車いす生活になり、11歳から車いすテニスを始めました。そして、2006年から17年間世界1の座を守ったのですから本当にすごいとしか言いようがありません。テニスをやったことがある人なら、彼のプレーを見てどれくらいすごいかはわかることでしょう。彼はコメントの中で、「最後まで世界1位での引退は、カッコつけすぎと言われるかもしれませんが、許してください。」「10回目の年間王者になって、もう十分やりきったという感情が高まり、決意した次第です」と言っています。今が自分のピークだと感じている時点で辞めるか、肉体的精神的に続けられないと思うまで続けるか、プロの選手にとっては悩みどころでしょう。後者の代表は、55歳で現役を続けるサッカーのキングカズこと三浦知良さんですね。テニス界では、若くして世界一となり燃え尽きて引退してしまった選手もいます。国枝さんは、「もう十分やりきった」と言えるくらい長い間第一線で活躍してきたのですから、「お疲れ様、少し休んだら後進の指導をお願いします」と言って今までの活躍を労いたいです。

 彼は、ラケットのスロート部分に「俺は最強だ!」と書いたテープを貼っています。テニスは、コートでは一人で戦わなければならない孤独なスポーツです。長い試合だと5時間以上になります。競った試合になれば弱気になることもあります。そんな時に「俺は最強だ!」と書かれたテープを見て、自分自身を勇気づけているわけです。この言葉は、オーストラリア人メンタルトレーナーのクイン氏から贈られたそうです。2006年1月、当時世界ランキング10位前後だった国枝さんはクイン氏から「“世界一になりたい”ではなく“世界一になる”と毎日言いなさい」と言われ、選手用の食堂で「オレは最強だ!」と叫ぶように促されたそうです。その後は毎日のように、鏡の前で「オレは最強だ!」と言い続け、約9カ月後に世界ランキング1位になったのです。希望や目標は、紙に書いて、見えるところに貼り、声に出して読むことが大事です。ぜひ、皆さんも部活や進路について実行してみてください。

春遠からじ、がんばれ受験生!

 今日は「二十四節気」の一つ、大寒ですね。2月4日は立春で、暦の上ではもう春ですね。冬休み明けから立春のころに各地で一年の最低気温が記録されることが多いそうです。2021年(令和3年)11月時点で、「日本最低気温の日」は1月25日となっています。1902年のこの日、北海道旭川市でマイナス41.0℃を記録したそうです。私が、自然の中で体験した最低気温は、マイナス18℃でした。上越国際スキー場の一番上で吹雪いていた中で、スキーウェアの外に付けるスキー用の腕時計が表示しました。本当に寒かったです。修学旅行の引率で北海道に行った時に、確か旭川の施設でマイナス20℃を体験しましたが、マイナス41.0℃は想像できませんね。                                                                      

 昔、1977年に公開された「八甲田山」という映画をテレビで見ましたが、兵隊が寒さで発狂してしまうシーンを今でも覚えています。この映画は、青森の連隊が雪中行軍の演習中に遭難し、210名中199名が死亡した事件を題材に作られました。「天は我々を見放した」は流行語になり、配給収入で1977年の日本映画第1位を記録しました。皆さんは、寒さで発狂するって想像できますか。

 私が小学生のころは、用水路の水が凍って上に乗って遊べましたが、今は氷が張っているのもほとんど見られません。霜柱も見られません。サクサク踏んで登校しましたが、今の子どもは見たことがないかもしれませんね。その反面、夏の気温は30℃くらいしかなかったのが、今や40℃になる日もでてきたわけですから、地球温暖化と言われて納得するしかありません。

 我々人間は、あるがままの自然を受け入れるしかないのかもしれません。人間の今までの行為に対するブーメランとして。しかし、海水面の上昇で国土が消失する危機に直面している国は、そんな悠長なことも言っていられません。人間の叡智をもって、各国の利害を打破できるかが、今後の地球環境を守れるかどうかのカギです。現在、環境にいいと思われているもの、ソーラー発電、電気自動車、風力発電にも色々な問題点があります。テレビや新聞等を妄信せず、多様なところから情報を収集して判断するようにしましょう。

それでは、受験生の皆さん、寒さに負けず、頭寒足熱で頑張ってください。

長い人生、そんなに急いで何を見る?

 以前に、動画を1.5倍速で見る若者のことを書きました。私も必要に応じて1.5倍速で動画を見ていますが、映画や音楽作品は、通常速度で見ます。映像作品を倍速で鑑賞する若者は多いのだそうですが、それは、効率を求めているわけではなく、「結論がでていない状態が長く続くのが耐えられない」からだと考える専門家もいます。すぐに答えが出てくる環境で育っているため「自分にとっておもしろい作品かどうか」という答えに1秒でも早くたどり着きたいのだそうです。これが本当なら、悲しいですね。じっくり考えることや味わうことが苦痛だとすると、考える喜びというのは感じられないということですから。数学の問題で、すぐ答えを見たがるのも同じ心情からでしょう。

 コロナのせいで(おかげで?)、学校や職場の環境は大きく変わりました。学校では、一人1台情報端末の普及が一気に進み、職場では在宅勤務が余儀なくされ、オンライン会議が行われるようになりました。リアル対面が基本であった学習に、オンデマンド(非同期遠隔)、オンライン(同期遠隔)といった方式が加わり、学習方法は多様化しました。内外教育の記事によれば、学習方式に関する近畿大学の令和4年の調査によると、前期授業では、78.7%の学生がオンデマンドを希望しており、48.5%が1.25倍速や1.5倍速で受講しているが、速度の違いと成績には相関が見られないそうです。今回の大学設置規準改正で遠隔授業修得単位数の上限の緩和が可能になったことでオンデマンド化は更に進むのだろうかと疑問をなげかけています。

 皆さんは、教室で友達と一緒に授業を受けたいですか。それとも、自宅でパソコン画面で受けるほうがいいですか。学校は単に知識を身に付ける場所ではなく、バランスよく体力や技能、社会性を身に付ける場でもあります。あたかもそこに本当に人が存在するかのようなホログラム技術が発明されれば、それで代替できることも増えるでしょうが、実用化にはまだ時間がかかることと思います。オンデマンドやオンラインでできる仕事は、全体の仕事から見れば少数派です。生身の人間同士の関わりは、まだまだなくならないはずですので、大事にしていきましょう。

 ちなみにタイトルは、1973年の交通標語「狭いニッポン、そんなに急いでどこへ行く」のパロディーです。

GUNMAリベンジャーズ

 累計部数7000万部の『東京卍リベンジャーズ』完結コミックス31巻が発売され、地域限定で7種類の新聞広告が掲載されたというニュースを今朝見ました。キャチコピーが「その手で、運命をひっくり返せ!」でした。 最愛の人を救うため、ダメフリーター・花垣タケミチが中学時代に戻り、関東最凶不良集団の頂点を目指す姿を描いたタイムリープ・サスペンスだそうです。本校の生徒で読んだ人は、どれくらいいるでしょうか。
 私は、売れている漫画のタイトルは情報として知ってはいますが、多すぎて全部読めるわけではありませんので,食指(読指?)が動かないと手にとりません。いわゆる不良が主人公の漫画は、今までたくさん読んできましたが、歳をとったせいか、エネルギーがなくなっているせいか、今はあまり読みたいという気が起こりません。現実的でなく、突き抜けているほうが漫画としては面白いので、不良ものも「こんなのありえねーだろ!」くらいのほうが売れると思います。私の中で、最も記憶に残っているのは、『疾風伝説 特攻の拓』という1991年から1997年まで、『週刊少年マガジン』で連載されていた暴走族の少年少女を描いた漫画です。不良ものは、どちらかといえば最初から強い主人公ではなく、気弱な少年が成長していくストーリーが多いですね。そのほうが、意外性があって多くの普通の読者に支持されるのでしょう。ただ、現実には、私の身近な人が3人バイクで命を落としています。高1の時に私の友達はノーヘルでうちの近くで、私の初任校では教え子が2人、亡くなっています。ですから、危険な行為はフィクションで楽しむに留めて、現実にはやってほしくないですね。

 群馬県は、1万人当たりの事故件数で高校生の自転車事故の割合が全国ワースト1位です。高校生は調査が始まった14年から9年連続という不名誉な記録を更新しています。今、命を守るために自転車においてもヘルメットの着用が推奨されていますが、なかなか着用率は高まりません。着用率が高いところでも、校外へ出ると脱いでしまう生徒が少なくないという話も聞きます。事故は「自分だけは大丈夫」という根拠のない自信は通用しません。今は昔と違ってカッコいいヘルメットがたくさんあるので、ぜひ自転車通学の人はヘルメットを着用してください。不良漫画から始まった話の落ちが、「ヘルメットを着用しよう?」と非難しないでくださいね。校長からのお願いでした。

ボランティアとおむすび

 今日は、防災とボランティアの日です。1995年1月17日(火)に発生した阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)から今日で28年が経ちました。震災の際、学生を中心とした多くのボランティアが活躍したことから、1995年は日本の「ボランティア元年」とも呼ばれています。東日本大震災など、自然災害が起こると全国からボランティアが被災地に集まるようになりました。ただ、コロナの蔓延によって活動が制限されるようになってしまいました。特定非営利活動促進法(NPO法)が成立して今年3月で25年になりますが、震災を機に設立されたNPO法人の半数超が、活動資金の不足や、新たな人材確保が困難、世代交代が進まないなどの課題を抱えています。景気の悪化や高齢化、コロナ禍の継続などボランティア活動を阻害する要因が立ち塞がっていますが、特別なことではなく、自分に無理なくできることをやれればいいのではないかと思います。大変な時に、日本人は落ち着いて助け合える民族性があるようですので。

 さて、阪神・淡路大震災で、被災地に「おむすび」が届けられた温かい心の象徴として今日は「おむすびの日」でもあります。ごはんの「おむすび」だけでなく、人と人との心を結ぶ「おむすび」の意味があります。また、6月18日は「おにぎりの日」です。弥生時代の遺跡から「日本最古のおにぎり」の化石が発見された日だそうです。「おにぎり」と「おむすび」の違いについては諸説あり、明確な違いというのは難しいようです。2013年の調査によると、日本全国で「おにぎり」と呼ぶ人が89%、「おむすび」が10%で、現在では多くの人が「おにぎり」と呼ぶ傾向にあるそうです。皆さんはどちらですか?私は、個人的には「おむすび」の語感のほうが好きです。昔話の「おむすびころりん」は、「おにぎりころりん」だと、しっくりきませんね。おむすびは遠足、おにぎりは運動会のイメージです。おむすびは優しいイメージ、おにぎりは力がでるイメージです。ひと昔前には家庭で作るのが当たり前だったおにぎりは、コンビニやスーパーなどで買うのが珍しくなくなっています。時代は変わったなあと思いますが、生徒の皆さんには、わからないでしょうね。おむすびは、日本人のソウルフードだと思います。パンや麺類もいいですが、お米もたくさん食べて、日本の伝統的食文化を守っていきましょう。