日誌

2023年1月の記事一覧

どうする出願、どうする進路

 2日間の大学入学共通テストが、終わりました。今日は、自己採点日です。正確に採点して、出願してほしいと思います。昔、模試の自己採点で30点以上違っている生徒がいて、ちゃんとマークしたのかと聞いたことがありました。自己採点が間違っていると、少ないほうに間違えたならともかく、多く間違えたら悲惨なことになってしまいます。皆さん、2日間落ち着いて試験を受けられたでしょうか。しっかり問題用紙の解答番号に自分の解答の〇をつけてきたでしょうか。自己採点し、業者から分析結果が返ってきたら、あとはもう結果を真摯に受け止めて、腹を据えて試験日まで勉強するしかありません。予想以上によくできた人は、舞い上がることなく、油断せずに着実に優先順位をつけて、残された時間を勉強してください。逆だった人は、1分1秒を惜しんで気持ちを切り替えて、自分を信じて最後まで頑張りましょう。サッカーワールドカップでの「三苫の1mm」じゃありませんが、試合終了のホイッスルまで、絶対入ってやるという気持ちで勉強してください。「合格~合格~」と強く念じて応援しています。それと、今日1,2年次生の皆さんは共通テストチャレンジをやりましたね。2年次生は1年後に勝負だということを自覚したと思います。「先んずれば人を制す」です。少しずつでいいので1日でも早く受験勉強を始めましょう。進路先決定で悩みながらでも勉強はできますよ。

決戦の前日金曜日(ドリカム?)

 明日、明後日と大学入試の一般受験の第一関門である大学入学共通テストが、実施されます。1979年に大学共通第1次学力試験が始まり、1990年からの大学入試センター試験、そして2021年度から現在の大学入学共通テストとなりました。私の年代は共通1次と呼ばれ、5教科7科目で1000点満点でした。今までになかったマークシート方式の試験でしたが、国立大学の受験機会が2回から1回になり、「ちゃんと学力が測れるのか」「2次試験もあり受験地獄をかえって悪化させている」「大学の序列化を不当に招いている」などの批判を各方面から受けました。全国の国立大学の序列化と、私立大学が3科目入試であったことから、負担を嫌った受験生が私大に流れ、私大の難化現象を招きました。そして、紆余曲折がありましたが、今日まで続いています。

 解説はこれくらいにして、前日となる今日の4時間目に3年次生への激励会が行われました。3年1組からリモートで各クラスへ、年次主任・各担任の先生方の激励の言葉が届けられました。私は2003年度の3年1組の担任でしたので、感慨深いものがありました。コロナ以前は、格技場に集まって激励会をやっていましたので、寂しい気がしましたが仕方がないですね。また、受験会場で3年の先生方がのぼり旗を立てて、教え子に「頑張ってこい!」と励ましていた風景も見られなくなりました。今日の激励会では、「深呼吸」と「ツキと運」の話をしました。私は、数学で頭の中が真っ白になり大失敗した経験から、とにかく落ち着いて普段通りの力を発揮するために「深呼吸」を忘れずにと助言しました。また、「勝利へのツキと運を呼ぶのは、日頃の地道な練習の積み重ねだ」という、マンガの中の野球部の監督の言葉を紹介し、「人事を尽くして天命を待つと言いますが、日頃から、地道に勉強を積み重ねてきた皆さんには、運が味方してくれるでしょう。頑張ってください」と締めました。大学受験は、競争試験ですので一見他の受験生が敵に見えますが、「最も手ごわい敵は、自分自身である」という言葉もあるとおり、自分に勝つという意識で臨めば、周りの受験生は目に入らなくなると思います。それにしても、明日は雪にならなくてよかったです。3年次生の健闘を祈って今夜は写経をします。(笑)

新教科「情報」の大切さ

 今日は、5時間目に1年4組の情報の授業にお邪魔して、生徒が作成したアプリケーションの発表を見てきました。全員がお互いに見合って、デザインとアルゴリズムの2部門で、最もよいと思った作品に投票しました。すぐに投票結果が集計され、最優秀賞者が発表され、拍手で讃えられていました。それぞれが、思い思いのキャラクターや背景をデザインし、キーボードや画面上のコマンドで動くようにプログラミングできていました。クラスメイトの作品から自分とは違うよさに気付くことも多く、よい学び合いになったと思います。楽しく授業での活動に取り組めることが、学習効果をあげることに繋がりますので、生徒にどんな学習活動をさせれば、学習内容がよりよく身につくのかについて、先生方は腐心しているわけです。2025年の大学入学共通テストから、国立大入試では原則として新教科「情報」を課すと正式に決められました。今の1年次生から受験科目になるわけですが、コロナで一気に1人1台端末が進み、情報処理能力があらゆるところで重視される世の中になっていきますので、皆さん、楽しんで情報処理能力をつけていきましょう。

希望の轍

 今日の午後は、前橋で校長会があって出かけてきましたが、その後半に今年度で退職される教育次長の講話がありました。テーマは「学校教育はキャリア教育」です。詳しくは書けませんが、堅苦しい内容にならず大変おもしろく拝聴しました。                                         

 キャリア教育という聞き慣れない教育が学校現場に入ってきたのは、もう20年近く前です。本校では、平成19年度に進路指導部からキャリア教育部に名称を変更し、総合的な学習の時間とキャリア教育に関連する学校行事の企画・運営を中心に行ってきました。そして、平成25年度から平成27年度まで文部科学省から研究指定され、各教科・科目等においてもキャリア教育の実践を意識した研究を実施しました。その際命名した研究名が、「EAST(Embark on Adventures and Seek Treasures!)プロジェクト」ですね。本校の生徒なら全員知っていますよね。本校を受験する中学3年生もみんな知っていると思います。

 キャリア教育は、横文字など使わずに生き方教育と言ったほうが私はわかりやすいと思うのですが、「これからの変化の激しい世の中を自分らしく後悔しないで生きていくためには、どんな力をつけたらよいのか」を考え、実践していくのがキャリア教育だと思います。別に新しいことではなく、昔からやっていることだと思いますけどね。「今でしょ!」の林修先生は、「好きなことと、得意なことのどちらを仕事にしますか?」と言ったそうです。MIT(マサチューセッツ工科大学)の名誉教授のエドガー・シャインは、キャリアを歩む上でビジネスマンが必ず直面する3つの問いを、①自分のできることは何か(CAN)、②自分がすべきことは何か(MUST)、③自分がしたいことは何か (WILL)としました。生き方は、一つではありません。死ぬまで生き方に悩み、選択をしていくのが人間だと思います。生徒の皆さんには、そのために必要な認知スキルと非認知スキルを本校の教育活動を通して、バランスよく身に付けられることを願っています。

今日の風を大切に

 昨晩から今日にかけて、風が非常に強かったですね。群馬は、冬になると「からっ風」が吹くことが多いので、登下校、体育の授業、部活動で苦労します。前橋の某高校では、一冬に校庭からダンプカー1台分の土が飛ばされると言われています。そんなわけですから、学校の近隣からは洗濯物が土埃で汚れるので土埃避けのネットを張って欲しいという要望が出て、対処しているところも多いようです。

 私は、高校は片道10㎞を超える通学路を自転車で通っていましたので、この時期の自転車通学の生徒の皆さんの苦労は、よくわかります。強い向かい風で、自転車が進まないのも辛いですが、自転車が横風でふらつくので車が側を通る道路では非常に危険でした。体育は、冬場はラグビーかサッカーでしたので、寒く土埃がひどい中の授業はキツかったですね。そんな「からっ風」の中でも、外の部活動はやっていましたので高校生は元気よかったなあと思います(今もそうですが)。
 台風や季節風の強風は、あまり有難くないですが、風が吹かないとどんな不都合があるでしょうか?昔なら、帆船が動かなくて世界の歴史は変わっていたでしょうね。風力発電もできません。凧をあげることもできません。フランクリンが、凧を使って雷が電気であることを証明した実験もできませんでしたね。それよりも、全然風が吹かない世界というのを、皆さんは想像できますか。川や水田の上を吹き渡る風が、涼しさを運んでくれることもありません。汗をかいた体から、風が気化熱を奪ってくれて涼しくなることもありません。世界の自然環境は今とは全く違うものになってしまい、人間は生きられないでしょう。雨が降り、風が吹く原理から考えれば、風が吹かないということは、地球上から水がなくなることを意味しているのでしょうから。「風が吹けば桶屋が儲かる」という因果関係を極端に誇張した言葉がありますが、桶屋は単なる桶屋ではなく棺桶屋を指すという説もあります。群馬県民だとよく実感できると思いますが、強風で砂埃が舞い、目に入って目を悪くする人が増え、目が悪い人は三味線弾きになり、三味線の材料として猫の皮が使われるので、猫が減り、ねずみが増える。ねずみは米など人間の食べ物を食い荒らし、飢饉が起こって死人がたくさん出る。すると棺桶屋が儲かる。これに倣うと、「風が吹かないと、桶屋が儲かる」とも言えるのでしょうか。
 風は、いい意味でも悪い意味でも使われますが、凧が一番高く上がるのは、風に向かっているときですし、ヨットは、向かい風でも前進することができます。スキージャンパーは向かい風を受けて飛距離を伸ばします。逆風は、自分が向きを変えれば追い風になります。逆風に吹かれたら、否定的なエネルギーをも前進する力に変えてみましょう。「明日は明日の風が吹く」「だから今日はくよくよしないで 今日の風に吹かれましょう」ですよ。