日誌

2023年10月の記事一覧

♪よ~く考えよ~♪ 仕事は大事だよ~♪

 以前にパワハラ・セクハラなどハラスメントについて書いた記憶がありますが、ハラスメントとは、相手の意に反する行為によって不快にさせたり、相手の人間としての尊厳を傷づけたり、脅したりすることを言います。

 プレジデントという雑誌で文学者の内田樹さんが、次のように書いています。『高部大問さんの「ドリーム・ハラスメント」には、中学三年生の夏休み前に「2学期までに人生の夢を具体的に決めてきなさい」という宿題が出され、子どもたちが暗い顔をするという実体験が書かれています。どの大学のどの学部に入学し、どんな資格やスキルを身に付け、どんな企業に就職したいのかの決定を、10代半ばの子どもたちに求めてくる。これは高部さんが言う通り、子どもたちに対する「ハラスメント」だと思います。』というものでした。この意見に対して、皆さんは共感しますか?自分の生き方について考えてもらうことはハラスメントなのでしょうか。もちろん、何の事前学習もせずに考えさせても無理に決まっています。小・中・高の発達段階に合わせて、少しずつ考えを深めてもらえばいいことかと思います。

 2003年に「13歳のハローワーク」という本が出版され、2010年には改訂版『新 13歳のハローワーク』が出版され、600以上の職業が紹介されています。13歳のハローワーク公式サイトもあります。キッザニアという子どもが職業体験できるアクティビティも全国に3か所あります。キャリア教育が出てきた背景には、中・高等学校の進路指導が学業成績に基づく「出口指導」に矮小化されたことや、職業につかない若者が増加して社会問題になっていたことがありました。高校受験で、普通科・職業科を選ぶには厳密でなくとも将来どんな職業に就きたいか、どんな仕事をしたいか考える必要があります。大学受験では、さらに細かく学部・学科が分かれているので資格が必要な職業に就きたいなら、ここで選択しなければなりません。好むと好まざるとに関わらず、いずれ社会人となって自立することがほとんどの人に求められている以上は、自分が何をして生計を立てていくかについて考えなければなりません。その場合、世の中にはざっと3万種類の職業があると言われ、AIの進化やロボットの開発で、なくなる職業も増える一方で、新しい職業も生まれてきて、それらの中から自分に合ったやりたい職業を見つけなければならないのですから、大変と言えば大変です。選ばなくても収入が得られる仕事を作ってしまってもいいわけです。「自分のことは自分が一番よくわかっている」という言葉は一面では真理でも、「自分がどんな人間かは、自分でなく自分の周りの人が判断する」という言葉もあるので、自分とはどんな人間かをよくよく考える必要があるようです。決断するのは皆さん自身です。やる気があればやり直しはききます。でも、その前によ~く考えましょう。

 最後に仕事についての言葉を一つ紹介します。「思い通りにうまくいく仕事なんて世の中にはひとつもない」(絶対悲観主義) 仕事とは、100%自分以外の誰かの役に立つためにすること。自分のためにすることは趣味です。仕事は自分以外の他者=お客様に価値を提供して喜んでいただくことです。

フリース¥980~ 何年着ますか?

 今日はリサイクルの日だそうです。「ひとまわり(10)、ふたまわり(20)」と読む語呂合わせから日本リサイクルネットワーク会議と地域交流センターが1990年に制定しました。通商産業省(現:経済産業省)ほか8省庁が10月を「リサイクル推進月間」とし、その後に現在の「リデュース・リユース・リサイクル推進月間」(略称:3R推進月間)となりました。皆さんも公民や家庭科の授業で勉強しましたよね。食については、世界食料デーや食育の日その他で取り上げましたが、今日は「衣」についてとりあげようと思います。以下の文は、「倫風」という雑誌からの引用です。

 『食品リサイクル法や建設リサイクル法が施行されている「食」・「住」の業界に比べると、「衣」は法制度の整備も進んでいません。さらに、日本の衣類は海外への依存度がかなり高く、小売市場で売られている衣料品の約98%が海外からの輸入です。現状では衣類の7割近くがごみとして廃棄され、その中で再資源化されるのは5%ほどです。服一着を作るのに、二酸化炭素約25.5キロ(500mlのペットボトル255本分)を排出します。石油由来の合成繊維を材料とした製品製造にかかる温室効果ガス排出量は、世界全体で12億トンの二酸化炭素に相当し、国際航空業界と海運業界を足した量よりも多い。また、服一着あたり約2300リットル(浴槽約11杯分)の水を消費する。綿花生産を含む繊維生産には1年で93兆リットルの水を消費し、これは500万人の1年間の需要を満たす量にあたる。本来であれば、企業が価格は高めでも長く着用できる質の高い製品を提供し、消費者もそうした服を長く使うことが環境への負荷低減に繋がります。しかし、国内における衣類の供給量は1990年の約20億着から2019年には約40億着とほぼ2倍になっています。その一方で一着あたりの価格は安くなり、大量生産・大量消費が進んでいるのです。』

 皆さんは上記の文章を読んで、どう思いましたか?また、自分が着る衣類について、どんな考えをもっていますか?ユニクロやGUなどをよく利用しますか?買ったものは長く着ますか、それとも数回着て新しいものを買うほうですか?私は気に入ったものを長く着るほうなので、季節によって週末はほぼ同じような恰好をしていることが多いです。スーツやワイシャツ、ネクタイなどは本当に気に入ったものしか買わないし、迷ったら何日か待って、それでも欲しかったら買うようにしているので、タンスの肥やしになることは少ないと思います。それでも、1年に1回も着ないものが出てくるので、断捨離することになります。「あ~っ失敗した。次からはもっとよく考えて買おう。」と思いながら。確かに昔みたいに「安かろう悪かろう」という製品は減っていて「安くて品質もよい」製品も増えています。ただ、衣料品店に行って大量の衣料品を見ると、どれくらい売れ残るのだろうと思ってしまいます。それは食料品店へ行っても本屋へ行ってもそうです。資本主義社会での競争によって、そうした光景が当たり前になってしまい感覚が麻痺してしまっているようです。今年は、地球温暖化ではなく「地球沸騰」という過激なキーワードが出てきましたが、国際社会は制御できずに行き着くところまでいってしまうのでしょうか。生産量を法律で割り当てしなければならない時代が来るのでしょうか。そして資源の無駄遣いを減らすためにオーダーメイドが増えるのでしょうか。

※リデュース(Reduce)は、製品を作る時に使う資源の量を少なくすることや、マイバックの使用や簡易包装により廃棄物の発生を少なくすること。リユース(Reuse)は、使用済製品やその部品などを繰り返し使用すること。リサイクル(Recycle)は、廃棄物などを原材料やエネルギー源として有効利用すること。

♫人生はワン・ツー・パンチ♪♬

 人生について考えさせられる説として「人生無意味説」と「人生ペルシャ絨毯説」というものがあります。「人生無意味説」は、『人は生まれ、苦しみ、死ぬ。人生に意味はなく、人は生きることで何かの役に立つことはない。生まれようが生まれまいが、生きようが死のうが、どうでもいいのだ。生きることにも死ぬことにも意味はない。』という、ニヒリズム(虚無主義)の極致みたいな説です。一方、「人生ペルシャ絨毯説」は、『過去に生じた不幸や苦悩、惨めさなどは、念入りに織り上げられた美しい装飾の一部でしかない。美しい絨毯には、光沢だけでなく、陰影も必要であることを思い出そう。それは、ネガティブな出来事であってもそのすべてを喜んで受け入れる態度と相通ずる。』です。前者はネガティブ思考、後者はポジティブ思考と言えるかもしれませんが、前者は「どうでもいいのならどうにでも自由に生きられる」と捉えることもできます。「人生ペルシャ絨毯説」は中国の故事「人間万事塞翁が馬」と同質のものだと思います。

 今、受験勉強真っ只中の3年次の皆さんだけでなく、1、2年次の皆さんも多かれ少なかれ勉強や部活、その他の悩み(恋?)をかかえていると思います。『人は努力する限り悩むものだ』という言葉があります。アナウンサーの古舘伊知郎さんは、『本来ならウジウジする時間こそ大切にすべきなんです。僕が自由闊達に話せているとしたら、そうした時間をたくさん費やしたからに他なりません。悩む時間は、自信の源になります。自信がつけば、どんなことも思い切って言える胆力がつく。悩む時間こそが説得力を生むんです。』と言っています。悩みが陰影ならば、その隣には光沢の幸せがあるはずです。『たいした苦労もない代わりに、たいした喜びもない、ぬるま湯につかっている人がなんと多いことか』というセリフが出て来る漫画がありましたが、苦労したからこそ喜びもそれに比例して大きくなるのではないでしょうか。もちろん苦労すれば成功するという訳ではありませんが、自分がした努力と、それによって自分がどれくらい成長したかは自分が一番よくわかっているはずです。その努力を無駄とは考えられません。ここに生きているという事実がある限り、「人生に意味がないと諦めたら、そこで人生終了ですよ」とスラムダンクの安西先生なら言うでしょう。皆さんは「人生に意味はあるのか?」という問いについて考えることは無意味だと思いますか?

心の可視化は是か非か

内外教育という教育冊子の巻頭に長崎県立大学長の浅田和伸さんのコラムが掲載されていました。皆さんにも考えてほしい内容と思ったので以下に引用します。

 『ある中学校では、生徒が手首に着けたリストバンド型端末で脈拍を測り、授業中の「集中度」を測定する実証研究を、企業の費用負担で行っているという。狙いは授業の改善や、生徒が「自分のデータを見て、次はもっと集中してみようかなと思ってくれるといいですね」ということだそうだ。別の小学校では昨年度まで端末のカメラで顔を映し、額の血流や体の動きを測定して、今の感情を「わくわく」「たいくつ」など4種類に分類するという実証実験をしていたらしい。企業やどこかの役所から頼まれたのかもしれないが、学校関係者はこれらを「気持ち悪い」と感じないのだろうか。私が生徒なら心の内など人に知られたくないし、まずは大人が職員室で使ったらどうですか、教育委員会や議会でも使って、次はもっと集中してみようかなと思ってくれるようになるといいですね、と言うのだろうか。』 

 俗にいうところのウソ発見器は、皮膚電気活動や呼吸,心拍などを測定して、その乱れから知っていることを隠しているかどうかを判定する機械ですが、授業をまじめに集中しているかどうかを測定する端末実験が行われているなんて知りませんでした。小学校での顔をカメラで分析して感情を4分類する実験は怖いですね。以前に観点別評価の一つである「関心・意欲・態度」を本当に適正に評価できるのかという議論がありましたが、心の中(頭の中)を調べようとするのは、人権侵害ではないかと思います。「人間に与えられた真の自由は、頭の中の考えるという行為だけである」と言った人がいました。言動となって表出すると社会では制限の対象になります。科学が進むと人類は未来にすべての自由を奪われるのでしょうか。以下の文章を読んでください。(たしか茂木健一郎さんのものだと思います)

 『脳が一つのことに集中できる時間は、4分半しかありません。それ以上考えると、脳は別の考えが出てくるようになっています。その時はいったんほかの作業をしましょう。その間、脳内では関連情報と結びつける作業が始まっているので、再び同じことを考えたら答えが出ていることが多いのです。また、人間は、約16分に一度、今考えていることと違うことを考えてしまいます。「マインド・ワンダリング」と呼ばれる状態です。これを防ぐために、一つの作業は15分までとし、15分たったら別の作業をすることです。たとえ理想的な姿勢であっても30分で血流は滞ります。脳に血を巡らすために、30分に1度立ち上がったり、少し歩いたりするなどちょっとした運動をしましょう。最後に知的作業を集中して続けられる限界は90分だと言われています。大学の講義が90分で区切られているのも、この理由からです。』

 45~50分の授業を、15分から20分のユニットで分けて異なる学習活動を児童・生徒にさせるのは理にかなっていると言えます。「読む・話す・聴く・考える・書く」などの活動を授業の中に計画的に組み込むのは、一つの活動を長時間続けると学習効果が低下するからです。前述の実験は、生徒一人一人について集中しているかどうかをパソコンで教師が見られるようにでもするつもりなのでしょうか。今や世界中に監視カメラがあり、偵察衛星には自動車のナンバープレートが読み取れる直前まで性能が進んでいるものがあります。歩き方の特徴から人物を特定できるソフトもあります。顔認証は、はるか宇宙からされてしまう時代がすぐそこまできています。もしかしたら、コナンの眼鏡が進化して、見えるものすべてが解析されてしまう時代がくるのかもしれません。そうしたらそれをプロテクトするマシンや仮面が売れるようになるのかもしれませんね。顔を完全にゴーグルとマスクで隠して声も変えられるようになった未来のコミユニケーションとは一体どんなものなのでしょう。過去に人間が想像したことは、現実化していますが、結婚してから死ぬまで素顔を見たことがないというSF小説がありました。さて、今日のブログは過去最長となってしまったようです。皆さんは、今日の内容から何を考えましたか。答えは出ないと思いますが、頭の中で温めていてください。

さらば青春の時

 昨年の 10 月3日のブログにプロレスラーのアントニオ猪木さんが亡くなったことについて書きましたが、今日は、昨日訃報が報道された歌手の谷村新司さんのことについて書きたいと思います。谷村さんと言えば、今の高校生に認知されているのは24時間テレビの「サライ」でしょうね。私は、中学高校時代が、フォーク・ニューミュージック全盛時代であり、YMOなどテクノポップが流行った時代でもありました。谷村さんがリーダーを務めていたアリスがブレイクしたのが中3の時で、「チャンピオン」のヒットでたくさんの人に認知されるようになりました。アリスのデビューは1972年なので売れるまで時間がかかりました。私がギターを始めた高1の時に、アリスや松山千春、さだまさし、中島みゆきなどの曲をコピーしていましたので、思い出深いものがあります。多くの歌に勇気付けられたり、癒されたりしました。皆さんにもそんな歌があると思います。谷村さんの歌はキーが低いので歌いやすく、今でも山口百恵がJRのCMソングとして歌いヒットした「いい日旅立ち」はカラオケで歌うことがあります。アリスの曲はほとんど歌えますが、カラオケではなかなか歌う機会はありませんね。話がそれましたが、谷村さんは文化放送の「セイヤング」やニッポン放送の「オールナイトニッポン」など多くの番組でラジオのパーソナリティーもしていました。最近の若者でラジオを聴く人が増えているという話も聞きますが、私の中高校生時代は、深夜ラジオを聴きながら勉強している人が多かったんですよ。セイヤングの「天才・秀才・バカ」のコーナーは人気があり、本にもなりました。

 自分が若かったころに活躍していた人が年を取った姿を見たり、訃報を聞いたりすると、時代が終わったような寂しい感覚にとらわれます。あと4、50年後に皆さんも、こんな気持ちを味わうと思いますよ。ただ、アイドルが40、50歳になっても活躍している時代です。郷ひろみは明日68歳になります。アンチエイジングが進んで、アイドルの寿命もどんどん長くなっていくのでしょうね。日本だけでなく、海外でも年をとっても活躍しているミュージシャンはたくさんいます。好きなことができる幸せを忘れずにファンを喜ばせられるように頑張ってほしいです。谷村さんの御冥福をお祈りします。