日誌

2023年12月の記事一覧

今年最後のつぶやきは・・・

 今日は、2学期の終業式と表彰伝達式を実施しました。午前中だったため昨日の予餞会よりも寒く、防寒着を着用してもいいとはいえ、寒がりの人はきつかったかなと申し訳なく思います。ただ、リモートで会議室から行う式は、学校としての一体感に欠けるところがあるので、なるべくなら避けたいという気持ちがあります。特に表彰伝達は全校生徒の前で祝ってあげたい気持ちが強いです。校長式辞だけならリモートでもかまいませんが(正直言ってパソコンの画面の前で話をするのは味気なくて嫌ですけどね)。

 式辞の前に校歌斉唱があり、私も息切れするくらい声を出して歌いました。しかし、残念ながら吹奏楽の音ばかりが響いて生徒の声が聞こえてこなかったので、式辞の最初に予定を変えて校歌の話をすることにしました。3年次生は、コロナ禍で校歌を歌う機会が大幅に減ったこともあるので気の毒ですが、現在はそれを理由にはできませんので、卒業式までには大きな声で歌えるようにしてくださいとお願いしました。本校の校歌は「清きいのち」という名前がついており、非常に珍しいものです。前奏が長いことと全部歌うと7分を超えるのも、特徴的です。校歌を全校生徒で大きな声で歌うというのは、太田東高校生としての一体感を得るためです。愛校心は、強制されるものではなく、自然と湧きあがるものですが、校歌については強制とは言わないまでも、できれば歌ってほしいですね。私は小中高の校歌を今でも歌えますし、異動先の学校の校歌もすぐ覚えるようにしています(通勤の車の中で聞きながら)。母校の校歌は、ぜひしっかり覚えてほしいです。

 式辞では、次のような話をしました。2、3年次生に、昨年の2学期の終業式で、私が何を話したか覚えていますかと問いかけました。「吐く」という漢字について3度目の話をしたことと、新入生への部活紹介で男子テニス部が私が式辞のために作った「吐」の漢字のボードを使ったことを話し、思い出してもらうようにしました。授業でも本当に覚えてほしいことは導入・展開・まとめで3回繰り返す必要があり、1年間の授業では最低30数時間、多ければ120時間以上、話せる機会がありますが、校長式辞は一発勝負ですので、皆さんの心に残すにはどうしたらよいだろうかと考えますということを話しました。私も今まで色々な方の話を聴いてきましたが、その人の話ぶりはすごかったという記憶はあっても残念ながら細かい内容はほとんど覚えていません。覚えているのは、話す人の迫力やエネルギーです。エネルギッシュに話す人、淡々と穏やかに話す人、タイプは違っても真剣さは伝わってきます。ただ、言葉を心に残そうとすれば、そしてそれを自分の中で消化して生かそうとすれば、メモして繰り返し見たり読んだりする必要があります。私は、昔二人の上司から正反対のことを言われて悩みました。それは「人の話はメモしながら聞くものだ」「メモなんかしないで、真剣に聞いてその場で頭に入れろ」というものです。私は、人間は忘れてしまうものなので、やはりメモしながら聞き、見返すことが大事だという結論に達しました。

 習得・活用・探究という過程を経て、学習したことは真に身に付きます。スマホですぐに検索できるから、AIに聞けば、すぐ答えてくれるからと、知識の習得を怠れば、頭の中での活用・探究に支障が出ます。多くの知識と経験があって、頭の中で関連付けが行われ新たなアイデアが生まれます。ただ、一問一答式のクイズの知識ではなく、それがなぜ重要なのかがわかる知識がリンクされないと、生きた知識にはなりません。活用・探究を通して生きた知識を身に付けてください。暗記すればいいという考えは、長い目で見て役に立たないということになりかねません。よく覚えておいて、今後の学習で気を付けてください。

 さて、令和5年度は、まだ3か月ありますが、令和5年は、あと少しで終わります。今年のお正月に立てた目標、もしくは4月に立てた目標は達成できたでしょうか。振り返って来年の目標に生かしてください。

 本当に色々な問題が今年も地球上で起きました。戦争がその最たるものですね。テレビやインターネットを通して多様な情報が毎日届けられます。それらの情報について考え、判断し、どう自分が生かしていくのかを考えることが大切です。「なるようにしかならない」「なるようになる」は精一杯努力した後に思うことなので、「なせばなる」の精神で、自分の道を切り拓いていきましょう。それでは、よい年を迎えてください。

美しき予餞会

 今日は、4年ぶりに全校生徒が体育館に集まっての予餞会が実施できました。昨年は残念ながら、1、2年次生は教室で中継された映像を見ることになってしまいましたが、今年は全校生徒一体となった予餞会ができました。一言で言えば、「素晴らしい予餞会」でした。予餞会の企画準備に携わってくれた生徒会の皆さん、動画の中や壇上でパフォーマンスをしてくれた1、2年次生の皆さん、御指導と御援助をいただいた先生方に感謝いたします。ありがとうございました。吊り看板や壁の飾りつけなども素晴らしいものでした。挨拶で「私は学校行事の中でも、この予餞会が最も美しい行事ではないかと思います。それは送る側も送られる側も感謝の気持ちが詰まった行事だからです。」と話しました。それと、「恩送り」の話をしました。恩返しと違って、「恩送り」は、別の人に返します。典型的な「恩送り」は、親から子へのものです。親に育ててもらった恩は大きすぎて返せないので、自分の子どもに返していきます。1、2年次生の皆さんが3年生から受けた恩は、それより多くして下級生に返してあげてください。それによって太東がさらによくなっていくことでしょう。私は、不覚にも最初の1年次生の合唱でほろりときてしまいました。その後は吹奏楽部の演奏や部活動・クラスの有志による動画、ステージ上でのパフォーマンスなど盛りだくさんで、色々な工夫と趣向が見られ、素晴らしいものでした。3年次生に楽しんでもらって激励しようという心意気が伝わってきました。時間をかけて練習したり、動画を撮って編集したりした努力を3年次生も感じ取ってくれたと思います。異動された先生方からの温かい激励の言葉が入ったビデオレターで先生方が画面に現れると大きな歓声が上がっていました。最後の3年次担任団の動画とパフォーマンスは笑いあり感動ありの素晴らしいものでした。鈴木年次主任の応援団の経験を生かしたエールは、生徒たちの心に強く届いたことでしょう。はなむけを3年次生に贈ってくれた皆さん、お疲れ様でした。

 

メシアらっきょう

 昨年の12月12日のブログで「今年の漢字」に選ばれた「戦」を取り上げましたが、今年は「税」が選ばれ、昨年も今年も明るい意味の漢字ではなかったのが残念です。10位に「楽」が入っています。日本教育新聞の記事によれば、ニフティのアンケートで、小中学生、高校生による今年の漢字に「楽」が選ばれたそうです。3年連続の1位で、2位は「推」、3位は「恋」でした。子どもたちの方が明るさを求めているのでしょうか。1か月間の調査で1192人が回答し、小学校5、6年生の回答が多かったそうです。「楽」はコロナの収束で学校生活が戻り「楽しい」と感じた子どもたちが多かったようで、「推」は「推し活」の「推」らしいですね。マンガ「推しの子」の影響も大きいのでしょう。「楽」は、大きく「らく」「たのしい」の二つの意味がありますが、今から45年前、漫画家のこばやしよしのりさんの作品に「救世主ラッキョウ」というハチャメチャなマンガがありました。彼のマンガは「東大一直線」「おぼっちゃまくん」などハチャメチャなマンガが多いですが「救世主らっきょう」はなんと新興宗教をテーマにしたマンガです。神と仏とキリストの血を引くという少年・中華楽狂が、自ら考案した宗教「ラッ教」(楽教)を世に広めるため、地道かつ破天荒な活動を続けていくギャグマンガです。現実世界の教祖は作者であったため、マンガであるにもかかわらず、入信希望のハガキが殺到し、会員制にしたところ会員証の印刷代が原稿料よりもかかるようになってしまい、ファンの会員とのトラブルもあって作者のこばやしさんは嫌気がさし、急遽連載は終了してしまったといういわくつきのマンガです。「人は楽しく生きねばならぬ、人は楽に生きねばならぬ」という主人公の言葉に共感した若い人が多かったのでしょうか。仏教では「一切皆苦」「四苦八苦」という言葉があるとおり、現世では「苦」を避けて生きることは不可能でしょう。そして「苦あれば楽あり」という言葉があるように、楽だけ存在するということもありません。(苦を全部楽と捉えれば別ですが) なぜなら「楽」は「苦」があってこそ実感できるからです。「楽しく勉強(部活)する」「楽して勉強(部活)する」皆さんは、どちらですか。「楽しく勉強する」のは皆さんの工夫次第です。(先生方の力添えもありますが)「楽して勉強して身につけることは、一見効率的でよさそうですが、しょせん楽して身に付けられることは程度がしれています。そこに真の喜びや満足はないですよ。」ではないでしょうか。楽しく学校生活を送ることは大切だと思いますが、楽して学校生活を送るのは貴重な青春時代を無駄にしているような気がします。皆さんは、どう思いますか。楽な生活がいいですか。

ライス→ライク→ライフ→ライト

 以前にキャリア教育について、「夢なし先生の進路指導」の話や「13歳のハローワーク」の話などを書きましたが、今日は次の文を読んでみてください。


 生活の糧を得るために働くことを「ライスワーク」といいます。仕事が面白くなってきた段階を「ライクワーク」といいます。さらに心を込めていけば、好きな仕事は人生をかけてもいいと思える仕事、則ち「ライフワーク」になります。「ライフワーク」を極めていくと、多くの人に喜びを与え、社会に光を当てられるようになっていきます。その仕事を「ライトワーク」といいます。問題は、仕事そのものではなく、仕事に対する考え方なのです。


 仕事について、とてもわかりやすくきれいにまとめてくれていますが、よほどのお金持ちでない限り、皆さんは生きていくためにいずれ働いて生活費を稼がなくてはならなくなります。その時、仕事についてどう考えるかが非常に大事です。今は昔と違って、懇切丁寧に「生き方・在り方」に関する進路指導を行っており、興味関心・能力・適性などを調べ、どんな職業が向いているかアドバイスしてくれます。なんていい時代・・・と思いますか?私は天職に巡り会えるのは「運」と「縁」だと思っています。そして、その「運」と「縁」も普段の自分の行いが引き寄せるものだと思っています。最初は「ライスワーク」でもよいので、仕事に打ち込んでいるうちに「ライトワーク」になることを祈っています。

どうなる?郵便

 今日は、びっくりするニュースが飛び込んできました。最近は値上げのニュースがあっても、またかという感じでしたが、25グラム以下の封書(定形郵便物)の郵便料金の上限を現行の84円から110円に、はがきも63円から85円に改正する省令案が総務省から発表されました。来年の秋ごろに値上げする方針らしいですが、封書料金は1994年以降据え置かれており、約30年ぶりの値上げになるということで、そこに驚きました。10年ひと昔と言いますが、そんなに値上げしていなかったんだと逆に大したものだと思いました。先日、年賀状の減少について書きましたが、スマホの普及とネット広告の増加によって郵便物数は減る一方です。賃上げや輸送コストの高騰もあり、日本郵便は昨年3月期決算で郵便事業が2007年の民営化以降では初めて赤字に転落し、料金値上げを検討していたようです。日本郵便は今回の値上げで重量区分をなくして料金を110円に統一する方針です。私が郵便料金を意識したのは、小学校で年賀状を出すようになった時ですが、その時ハガキは10円でした。下の表は途中を省略していますが、ハガキは47年間で6倍にもなっています。これは果たして高いのでしょうか。日本は郵便局が減ってきているとはいえ、2万5千弱あり、セブンイレブンよりも多いです。しかも、セブンイレブンがないような過疎地までカバーしています。お年寄りにとっては、なくてはならない機関です。ただ、昔は懸賞などハガキで行っていたことが、スマホやパソコンで代替されるようになってきているので、郵便が増える明るい見通しはないようです。今後は、価格やサービスの面で宅配便との競争は進むかもしれません。紙の郵便物が普通であった昔を知っている人間からすると、手書きのハガキや封書には、デジタルにはないよさを感じますが、そうでない世代にとっては、そういう感覚はないのかもしれません。近い将来、文字を手書きすることはなくなってしまうのでしょうか。硬筆・毛筆は文化として学校教育で続けてほしいと思います。皆さんは、文字を書くよりパソコンやスマホでの入力のほうがいいですか?