日誌

榎本校長のつぶやき

哲学ってホント・・・

 今日は、紀元前399年に古代ギリシアの哲学者ソクラテスが、時の権力者から死刑宣告を受けて、獄中で毒を飲んで亡くなった日ということで「哲学の日」だそうです。高校の現代社会や世界史、倫理の授業で教わる人ですが、倫理の授業以外では詳しくは勉強しないので、知らない人も多いかもしれません。ソクラテスと言えば「問答法」「無知の知」「善く生きる」などがキーワードです。現在、新しい学習指導要領のもと「主体的対話的で深い学び」ができるように、学習活動が工夫されているわけですが、「対話的」とは、生徒同士を始めとして、様々な人との交流を通して学び気付く学習活動です。そこには書物を通した先人との対話も含まれます。ルーツはソクラテスの問答法ですね。ソクラテスは、対話的問答を通じて相手にその無知を自覚させようとした(無知の知)わけです。

 哲学って難しそうなので、わかりやすい説明はないかと思って探してみました。世界の根源や本質を見極めるための知的探究的な取組み、および、その知的探究を方法的に進めるための学問という説明がありました。私は、哲学とは、この世の中のあらゆる「なぜ?」について探究する学問であり、人間についていえば「どう生きるべきか」を考え続ける学問であると思います。最後に対話の大切さについて述べた文?を紹介します。自分の周りにどんなピースがあって、その中からどんな自分が浮かび上がるのでしょう?

 「結局、人はジグソーパズルの最後に残ったピースみたいなもの。周りが埋まって初めて、残った空洞の形=自分が浮かび上がってくる。つまり、周りにいる人や環境がとても大切だということです。いろいろな人と交わり刺激を受けないと、物事も自分も進化しません。」樋口直哉(小説家)

豊かさと安全

 1986年の今日、旧ソ連のウクライナ共和国のチェルノブイリ原子力発電所で、大爆発事故が発生しました。放射性物質の拡散により、周辺30kmの住民が避難を余儀なくされました。数十年間に及ぶ地球規模の汚染が心配され、事故後、欧州では放射能パニックが起こりました。国際原子力事象評価尺度によれば、レベル7で、福島の事故と同レベルです。当時は、小麦をはじめとする多くの食物が放射能に汚染されたとニュースになり、ミュージシャンは原発反対の曲を作り、漫画家は原発を風刺するマンガを発表しました。「危険な話 チェルノブイリと日本の運命(広瀬隆著)」はベストセラーとなりました。マンガの宇宙戦艦ヤマトは、ガミラスの遊星爆弾による放射能に汚染された地球を救うために、放射能除去装置(コスモクリーナー)を受け取りにイスカンダルへ旅立ちましたが、テレビ放映は1974年です。放射能を無害化する装置が発明されれば、間違いなくノーベル賞ものでしょうが、まだ発明されそうもありません。今年3月になって、核融合科学研究所(岐阜県土岐市)が米核融合スタートアップのTAEテクノロジーズ(カリフォルニア州)と共同で、水素とホウ素という新たな燃料の組み合わせによる核融合実験に成功したというニュースがありました。今回の方法は放射線である中性子が発生しない点で優れているということですが、安全なエネルギーが開発されることに期待したいと思います。原発や原爆では、核分裂エネルギーが使われますが、水素爆弾では核分裂反応を引き金に核融合反応を起こさせて、原爆よりも桁違いの爆発を起こします。安全な核融合エネルギーが実用化されれば、すごいことです。水・食糧・エネルギー問題は、人類の歴史上変わることなく続いていますが、戦争なく豊かさを世界の人々が享受できるために、科学者の方々には頑張ってもらいたいです。

もっと癒やしを!

 今日は、「ギロチンの日」「世界ペンギンの日」というのが目を引きました。1792年の4月25日、フランス議会でギロチンが正式に処刑道具として認められたことから、「ギロチンの日」となりました。ギロチンは発明した人の名前からきていますが、もともとは残酷な処刑道具ではなく人道的な処刑道具として開発されました。フランス革命で教わりますが、知らない人は調べてみてください。

 さて、ギロチンで話を広げると、処刑道具や処刑方法の話に発展してしまい物騒なのでやめて、ペンギンについて書きたいと思います。私は、ペンギンが好きなので、書斎にペンギンのぬいぐるみやフィギュアがあります。特にイワトビペンギンが好きです。池袋のサンシャインシティ水族館の空飛ぶペンギンを観に行きたいと常々思っているのですが、行けそうで行けないでいます。水族館で、魚たちをぼーっと眺めていると癒やされますね。特にクラゲやマンタやジンベエザメなど、ゆったりとした動きのものがいいです。昔、パソコンのスクリーンセーバーで水槽で泳ぐ熱帯魚を使っていましたが、疲れた目に心地よかったです。皆さんが疲れた時に癒やしてくれるものは何ですか。

※本日、コロナから復帰し部活動編成はどうなったかなと、各部の入部者名簿を覗いてみました。まだ入力されていない部もありましたが、それでも1年次生の入部者数の合計が200名ほどになっていたので、大変嬉しく思いました。これで入部を締め切ったというわけではありませんので、これからも友達を誘ったり誘われたりしながら、楽しく活動できる部活動を見つけてください。

世界で一番美しい花は?

 昨日4月23日は「ぐんま花の日」だったのですが、皆さんはご存じでしたか?群馬県と、県内の花と緑に関する26団体が2002年(平成14年)に制定したそうです。4月23日~29日が「ぐんま花と緑の週間」であり、これらの日を中心に、群馬県前橋市にある「ぐんまフラワーパーク」を主会場として「ぐんま花の日 県民フェスティバル」などのイベントが開催されているそうです。皆さんは、「ぐんまフラワーパーク」に行ったことはありますか?私は、数回行ったことがありますが、最後に行ったのは2015年でした。そのフラワーパークも1992年4月に開園してから30年たつため、3月から休園になり、リニューアルして2025年4月にオープン予定です。どんなふうにリニューアルされて、また様々な花を見せてもらえるのか楽しみです。
 先日は桜とハナミズキのことを書きましたが、皆さんは花と言えば何を思い浮かべますか。本校でもたくさんの花が見られますが、じっくりと見たことはありますか?人間、余裕がないと道端の花にも気付きませんよね。作家の加藤周一さんのコラムに「小さな花」というのがあります。その冒頭は「どんな花が世界でいちばん美しいだろうか」です。加藤さんは、1960年代の後半にヴェトナム戦争に抗議してワシントンに集まった人たちが、武装した兵士達と相対して地面に座り込み、その中の一人の若い女性が眼の前の無表情な兵士に向かって差し出した一輪の小さな花ほど美しい花は、地上のどこにもなかったろうと書いています。それは、星の王子様が愛した薔薇や、聖書に書かれた野の百合と同じくらい美しいと例えています。彼は、なぜ一輪の小さな花を美しいと感じたのでしょうか。小さな花は、何を表しているのでしょうか。この花から私が連想した曲は、SMAP.の「世界に一つだけの花」やORANGE RANGEの「花」ですが、皆さんは「どんな花が世界でいちばん美しいだろうか」で思い浮かぶ曲は何ですか?これから「世界で一番美しいと自分が感じる花」を探していきましょう。

「やる気」はどこから?

 私は、「やる気」について1学期の始業式の式辞と新入生のオリエンテーションの講話で昨年に引き続き、皆さんに話をしました。某学習塾のCMで「やる気スイッチ」が使われるようになったのは、2009年のことで、まだ皆さんが幼稚園に行っていた頃のことでしたが、まだ続いているようですね。このCMを親子で見ていて、どんな会話がされているか興味がありますが、「〇〇のやる気スイッチは、どこにあるんだろうねぇ」などと言われて、嫌な気持ちになった子どもも少なからずいたことと思います。「やる気」は、大人になると「モチベーション」という言葉に変わり、「社員のモチベーションを高めるには、どうしたらよいか」がテーマになってきます。

 やる気は、同じ人ならすべての活動に同じように出るものではありませんし、それを測る物差しを誰も持っていません。好きなものや興味のあるものならまだしも、そうでないものに「やる気」を出すのは、口で言うほど簡単なことではありません。ただ、「やる気がでないからできない」は間違いで、「やる気スイッチ」は誰かに入れてもらうものでも、自分で入れるものでもなく勝手に入るものだと私は思っています。勝手にスイッチが入るためには、次のステップが必要です。まず①やってみる。②できるようになる。(勉強や仕事の見通しがつく)③やる気がでる。(目標を達成できる目途が立つ)これが本当だと思います。①やる気がでる。②やってみる。③できるようになる。ではないと思うのです。もちろん、人によって個人差はあるので、一概には言い切れません。(色々なことにやる気をもって取り組める人もいます) 私事で言えば、手をつけるのを躊躇している仕事(やる気がでない仕事)でも、えいやっと始めれば意外とやる気モードになって仕事が進んだりします。勉強も、10分だけやろうと始めて気がついたら1時間過ぎていたというのが理想じゃないかなと思います。1時間、2時間やらなくちゃと思って始めるよりも、結果的に2時間勉強してしまったというほうが気分がいいと思います。最後に一つ、言葉を紹介します。
 「自分を鏡で見ることができる人は練習します。モチベーションのスタートは恥ずかしさです。”このままの自分では終わりたくない”ということです。」
今の自分を客観視して、高い目標を定めて一歩を踏み出してください。3年間は短いです。
※皆さんにとっては、「やる気」「モチベーション」「意欲」のどれが最もしっくりきますか?