日誌

榎本校長のつぶやき

「生・命・健」

 昨年10月に、こども園の送迎バスの車中に置き去りにされ、熱射病で当時3歳の女児が亡くなる事件がありました。今朝のニュースで、事件後半年経って父親が胸中を明らかにしていました。私も二人の娘の父親ですので、娘の小さい頃と重なって涙なしには見られませんでした。

 保育園・幼稚園・こども園・小学校・中学校・高校といった幼児・児童・生徒を預かる施設は、命を預かっているので「安全・安心」が第一です。それが保障されなければ生活や勉強どころではありません。事故やいじめがないように先生方は日々細心の注意をして子どもたちを見守っています。体育的行事や体育、部活動などでケガをしたり熱中症にならないように事前指導を行い、活動中も様子をよく見ています。「エピペン」や「AED」の校内研修を行い、運動や食事などで注意を要する生徒の情報を共有し、万が一に備えています。県の教育委員会からも体育施設の視察があり、危険箇所のチェックと指導があります。将来の危険を予測する力が求められるわけですが、「このくらい大丈夫だろう」という気持ちが事故につながります。雷が遠くで鳴った時に、昔なら「まだ大丈夫」でしたが、死亡事故が起こってからは、すぐに活動を中止して避難するようになっています。
 親にとっては、子どもが元気でいてくれることが第一ですので、皆さんも校訓の「健」にあるとおり、より健全な心身をつくれるよう主体的に鍛練し、心身の自己管理ができるようになってください。

同好の士を!PART2

 昨日は、コロナ感染のため高熱でブログを書くことができませんでしたが、なんとか今日は平熱近くまで下がったので、短時間で書こうと思いました。

 本日は、部活動編成の日で、各部への入部希望者が割り当てられた場所で入部届けを提出します。昨年もこの時期に2日間かけて活動している部活は全部見て廻りました。今年は、来週廻りたいと思います。1年次生が入ってくると、活気が出てくるし、先輩としてしっかりしなくちゃと思って生徒の皆さんも気が引き締まりますよね。運動部でも文化部でも、同じ趣味嗜好の人の集まりですから、きっとHRのクラスとは違った友達ができると思います。運動部で言えば、集団競技と個人競技、個人競技でも団体戦がありますね。集団競技でも敵と入り乱れるものとそうでないもの、敵と入り乱れるものでも接触が当たり前のものとそうでないものなど様々なバリエーションがあります。たくさんあるスポーツの中から自分に合ったものを選んだわけですから、それを選んだ皆さんは同好の士ということになります。文化部の皆さんは、活動日数が1~6日と幅があると思いますが、兼部して新しいことにチャレンジすることで、新しい自分を見つけられるかも知れませんよ。ぜひ、気の合う仲間をたくさん作って高校生活を楽しいものにしてください。

ChatGPTからの未来予想図

 今日は、巷で話題になっているChatGPTについて書きたいと思います。私は新し物好きなので、面白いなとかいいなと思ったものは、すぐに試したり買ったりしてしまうのですが、ChatGPTとAIによる画像作成ソフトもすぐに試してみました。正直言って大変驚きました。「ChatGPTの普及によって予想される問題を教えて」に対する回答を受けて、さらに「小学5年生でもわかるように教えて」と質問すると、以下の回答がありました。
1 ウソの情報が広まる問題: ChatGPTは多くの情報を学習しているため、ウソの情報も学んでしまうことがあります。それが広まると、みんなが間違ったことを信じてしまうことがあります。
2 人間が仕事を失う問題: ChatGPTが進化すると、人間がやっていた仕事を機械がやることができるようになるため、人間がやる仕事がなくなってしまうかもしれません。
3 感情や文化の理解が難しい問題: ChatGPTは、人間の感情や文化の理解が難しいため、間違った返答を返すことがあります。それが原因で、人々が不快になることもあります。
以上のような問題が起こる可能性がありますが、ChatGPTは、私たちの生活をより便利にするためにも、とても役立つ技術です。ただし、この技術をうまく使うためには、正しい情報を見分ける力や、機械に仕事を奪われないためにも、自分たちが何ができるかを考えていく必要があると言えます。
 どうでしょうか。この回答は1秒と待たずに出てきました。現在、ChatGPTを始めとするAIを活用したソフトについて解説する動画がたくさんアップされています。作文や感想文を書き、要約もしてくれます。相談に対してカウンセラーのように答えてもくれます。作成したい画像のキーワードや注文を書き込めば、たくさんの画像を作成してくれます。そのクオリティは普通のイラストレーターを失業に追い込むほどです。そのほかに動画作成や作曲ソフトもあります。音声認識と翻訳機能が発達して、AIと会話しながら仕事を進める未来も近いのかもしれません。皆さん、そんな未来を見据えて、汎用的な能力を身に付けられるよう頑張っていきましょう。
※「いじめをなくすにはどうしたらいいの?」「なぜ、人を殺してはいけないの?」などAIならどんな回答をしてくれるだろうという質問をいくつかしてみました。十分満足のいく回答は得られませんでしたが、教科書的な模範解答は得られました。質問を繰り返して深掘りしていけば、もっと違う回答も返ってくるのかもしれません。出てきた回答に対して無条件にそれを受け入れてしまえば、人間は「考える葦」ではなくなってしいます。AIを活用して、さらによいものを作り上げていくための努力を怠らないようにしたいものです。

夢と道

 私は学校にいる時の昼食は、大体ヤフーニュースを眺めながら食べています。今日見たトピックに今年の東大入学式での祝辞がSNSで話題を呼んでいるという記事があったので、読んでみました。祝辞をしたのは、低・中所得国での感染症対策を支援する国際機関「グローバルファンド」で保健システム及びパンデミック対策部長を務める馬渕俊介さんです。祝辞の中で印象に残ったところは下記のとおりです。

〇自分の夢に関わる本当に好きなことをやらないと、それを徹底的に突き詰めることはできません。また、好きなことをやってないと、幸せの尺度が「自分が他人にどう評価されているか」になってしまう。それではうまくいかないときに持たないです。他人の評価を気にする他人の人生ではなく、自分がやりたいことに突き進む自分の人生を生きてください。

〇夢は、探し続けて行動し続ける人にしか見つけることはできないということです。夢が見つけられないというのは、ほとんどすべての人が抱え続ける悩みですが、夢は、待っていれば突然降ってくるものではありません。探し続けて、行動してみて、その中で少しずつ「彫刻」のように形作っていくものだと思います。周りに流されず、自分の興味のままに、探し続けてください。そしてそれが一番自由にできるのは、今からの4年間です。

 以下は馬淵さんが、松下幸之助の「道」という書から引用した座右の銘です。

“自分には自分に与えられた道がある。どんな道かは知らないが、ほかの人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがいのないこの道。
他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道はすこしもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道がひらけてくる。深い喜びも生まれてくる。”

 道と言えば、高村光太郎の「道程」にある“僕の前に道はない 僕の後ろに道は出來る”や徳川家康の“人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。”が有名ですが、俗っぽいところでは、テレビドラマ「水戸黄門」の主題歌の歌詞“人生楽ありゃ苦もあるさ涙の後には虹も出る 歩いてゆくんだしっかりと自分の道をふみしめて”も年配の方には、よく知られていると思います。

 3月16日のニュースで、第一生命保険による「大人になったらなりたいもの」の調査で、男子は小・中・高校ともに「会社員」が三年連続の1位となり、女子も3年連続で「パティシエ」が1位に輝きました。この結果に「夢がないねぇ」というのは簡単なのですが、子どもは世の中と大人を冷静によく見ているとも言えます。会社員と言っても色々な業種・職種がありますので、幅がありすぎて参考にならない解答とも言えます。

 夢は、ただ待っていても叶えられるものではありません。自分の夢を見出し、叶えるために、自分の行く道をしっかりと見据えることができるかは、皆さんの主体性にかかっています。生徒の皆さんが、高校で、もしくは大学で夢を叶える自分の道を見つけられるように願っています。そのサポートは太東の先生方に任せてください。

主体的に高校生活に取り組む態度「A」

 今日は、対面式と部活動紹介、体育祭の団色決めがありました。体育館に全校生徒が集まったのは3年ぶりです。幸せな光景でした。私が高校1年生で対面式での洗礼を受けたのは、45年前のことでしたが、上級生に圧迫されて入場したのを覚えています。太東では、優しく面倒見のよい先輩が、入場と退場時に花道を通る1年次生に温かい拍手を送ってくれました。部活動紹介では、凝った動画による紹介やステージ上での部員による紹介、ステージ下でのパフォーマンスなど、盛りだくさんで、1年次生だけでなく、上級生も楽しんでいました。吹奏楽部の演奏からチアリーディング部の締めのパフォーマンスまで、長時間に渡りましたが、中身が濃く短く感じました。ボクシング部の練習風景やフラダンス同好会のダンス、少林寺拳法部の演舞、チアリーディング部のパフォーマンスはなかなか間近で見る機会はないので、1年次生は「高校ってすごい!」と思って見ていたと思います。体育祭は、1年次生から3年次生をクラスごとに立て割りにして6団作り、6団での対抗戦になります。3年次の各クラスから一人ずつ団長が選ばれ、団色決めを行い、必勝表明をし気勢をあげました。きっと盛り上げてくれることでしょう。

 高校は小・中学校と違って生徒数が多いので、色々なことに興味をもって、チャレンジすれば、必ず自分と趣味の合う友達、気が合う友達が見つかるはずです。体育祭を手伝ってくれる有志を募っていましたが、自分から動くことで得られるものも多くなります。ぜひ積極的に参加してください。部活動では、2足の草鞋を履いている人も多いので、時間を有効に使って勉強以外にも打ち込める好きなものを見つけてください。それが勉強にもいい影響を与えて相乗効果を得ることができます。高校生活を充実したものにするために、ぜひ主体的に取り組んでくれることを期待します。