日誌

2022年7月の記事一覧

レボリューションって、カッコいい?

 今日7月14日は、フランスの建国記念日であり、ペリーが日本に上陸し日本の開国が促された日でもあります。1789年のこの日、パリ市民がバスティーユ監獄を襲撃・占領し、これがフランス革命の始まりとなりました。そして、1853年のこの日(旧暦嘉永6年6月9日)には、アメリカの4隻の黒船艦隊が江戸湾の浦賀沖に現れ、ペリー提督が久里浜に上陸して将軍への親書を渡し、翌年「日米和親条約」が結ばれ、日本は開国することになりました。両方とも日本史と世界史で勉強する重要な史実ですが、非常に対照的な史実が同じ日だったことが面白かったので、少しつぶやく?ことにしました。 

 革命とは、①天命が革(あらた)まること。前の王朝が倒れて別の王朝がかわって統治者となること。易姓革命。②被支配階級が、支配階級を倒して政治権力を握り、国家や社会の組織を根本的に変えること。と定義されていますが、日本ではクーデター(政変)はあっても革命(レボリューション)はなかったとされています。それは、クーデターが、同一支配層内部での権力移動であり、革命は体制そのものを変革するものだからです。日本では一揆が革命に発展することはありませんでした。

 日本は外圧でしか変われないということが以前から揶揄されていますが、革命を起こした他国が優れているということではなく、国民性や地域性など条件が違えば歴史が変わってくるのは当然ですので、日本では革命が起こる必然性がなかったとも言えます。世界史総合や世界史探究で扱うような大きなテーマです。日本では天皇制とも大きく関係していることですが、125代、2700年にわたって万世一系の天皇が存在しているなどという国は、他にありません。ただ、初代の神武天皇から25代目の武烈天皇までは、実在したかどうかは不明確です。

 昨日は、日本史・世界史・生物の授業を参観し、生物が顕微鏡を使った観察実験だったので生物について書こうかなと思いつつ、前日の野球以外のスポーツ漫画についてもありかなと迷っていたところ、上記の意外な事実に気付いたので地歴公民の教師としては、こちらを選んでしまいました。余談の余談ですが「レボリューション」が曲名に入ったものの中で、好きなのは、渡辺美里の『My Revolution』とSuperfly の『タマシイレボリューション』ですね。「天才バカボン」のレレレのおじさんと「ベルサイユのばら」のオスカルを共演させた漫画は、30年くらい前に現代社会のレジュメに載せたものです。(我ながら、くだらないものを描いたなと思います)

『この映画恐いね』と君が言ったから7月13日はオカルト記念日

 今日、7月13日はオカルト記念日です。1974年のこの日、映画『エクソシスト』が日本で初公開され、オカルトブームの火附け役となったからだそうです。実は、私の記念すべき初映画鑑賞が、この「エクソシスト」でした。小学校5年生の時で、友達5、6人と観に行きましたが、恐くて1週間くらい、夜にトイレに行けませんでした。友達の1人は、「恐いシーンが終わったら、教えてくれ」と恐いシーンでずっと目をつぶっていましたが、何のために来たんだよと思っていました。ちなみに「エクソシスト」とは、悪魔払いの祈祷師のことで、少女に憑依した悪魔を払う神父の戦いを描いています。悪魔に取り憑かれた少女の変化がすさまじく、まだCGがない時代ですから、少女の演技が素晴らしかったということになります。日本のオカルト映画で恐いものというと「リング」や「呪怨」が有名ですが、私は「エクソシスト」のほうが恐かったです。観たのが子どもの時か大人の時かで随分違うかもしれませんが。
 「オカルト」は科学では説明がつかない神秘的な出来事や超自然的なものを指す言葉ですが、似ている言葉に「カルト」があります。英語圏では正統的キリスト教を「教会」、その分派を「セクト」とよぶのに対し、異端的または異教的小集団を「カルト」と呼び、オウム真理教の地下鉄サリン事件以降、.過激で異端的な新興宗教集団をさす言葉として定着しました。今回の安倍元総理の殺害事件で、昔、霊感商法などで問題となった、ある宗教団体がクローズアップされました。皆さんは、大学入学後に多くのサークルから勧誘されることと思いますが、その中には怪しげな団体もあります。もちろん、表向きは健全なサークルを装っていますので、地方から出てきた新入生が騙されやすいのです。もう一つ、近年定着した「スピリチュアル」という言葉があります。占いや霊的なもの、オカルトなどを指して使われますが、こちらのほうが柔らかい感じがするため、誤ってハマると人生が台無しになることもあります。理系の高学歴者がオウム真理教の幹部に多くいて話題になりましたが、宗教教育の大切さと危うさとは、宗教絡みの事件が起こる度に実感します。人の弱くなっている心につけ込んで、お金を巻き上げようとする輩に騙されないように、非科学的なことを安易に信じたりしないで、「なんか、おかしいぞ」という感覚をもったら、立ち止まって考え、信頼できる人に相談するようにしてください。タイトルの意味がわからない人は、サラダ記念日で検索してください。

熱闘!高校野球

 昨日は、野球部の第104回全国高等学校野球選手権大会の県予選第一回戦の応援に敷島球場に行ってきました。ジリジリきて痛い暑さの中、吹奏楽部とチアリーディングの生徒の皆さん、応援ありがとうございました。保護者の皆様、引率の先生方、お疲れ様でした。3時間半を超える熱戦を戦い抜き、大差をつけられても諦めることなくプレーし、中盤に一度は逆転したものの最後はあと一歩及ばず15対14で惜しくも敗れました。野球部の皆さん、監督・顧問の先生方、マネージャーの皆さん、お疲れ様でした。この悔しさをバネに秋に向けて頑張ってください。応援にも力が入る、これぞ高校野球といういい試合でした。「俺はキャプテン」という漫画の中で主人公が「日本の夏は甲子園があるから美しいんだ」というセリフがあったと記憶していますが、もはや高校野球は日本の文化、日本の夏の風物詩となっていると思います。
 私は小学生の頃から野球は好きで(毎日、夕食時に父親がナイターを観ていたせいか)、野球漫画も400冊くらい持っています。単行本を持っていなくても読んだことがある野球漫画は40以上です。ただ、調べたら今までに出版された野球漫画は440以上あるらしく予想以上でした。水島新司さん、ちばあきおさん、あだち充さんの三人で、私が持っている野球漫画の半分を占めます。野球漫画の第一人者と言えば、水島新司さんであることは疑いようがないですが、「男どアホウ甲子園」「ドカベン」「あぶさん」「一球さん」「野球狂の詩」「光の小次郎」「球道くん」「おはようKジロー」など高校野球とプロ野球がメインです。「キャプテン」「プレイボール」のちばあきおさんは、中学・高校野球です。あだち充さんは、「ナイン」「ああ!青春の甲子園」「タッチ」「MIX」「H2」「クロスゲーム」など、ほぼ高校野球専門ですね。リトルリーグからメジャーまで、また女子野球やソフトボールもありで、本当に日本人は野球が好きなんだなと思います。ただ、最近は少子化とサッカーやバスケ、バレー、テニスなど他のスポーツに競技人口が流れていて、各スポーツで子どもの取り合いみたいになっています。オリンピックの影響で、スケボやスノボをやる子どもも増えていますね。どのスポーツも将来のプレイヤーと観客増のため真剣です。
 『週刊少年ジャンプ』(集英社)の三大原則として語られていた「友情、努力、勝利」は、日本の典型的な少年漫画を表す標語です。ここに「豊かな人間性」「コミュニケーション能力」「協働」「自己肯定感」などの教育的要素が詰まっていますね。(漫画から学べることも多いんですよ。)

政治教育と宗教教育の大切さと危うさ

 参議院議員選挙が終わりました。選挙権をもった3年次生のみなさんは、投票に行きましたか?相変わらず全体の投票率は低かったようですが…。8日に安倍元総理が、応援演説中に銃撃されて亡くなったというニュースは世界を駆け巡りました。日本国内よりも世界で評価されていたことが、明らかになりました。総理を退いたとはいえ、まだ日本のためにやらなければならないと思っていることが多かったのではと思います。森友学園をめぐる公文書改ざんや加計学園問題、「桜を見る会」問題など負の側面もありましたが、安倍元総理の政治家としての実績は後世の人によって評価されることでしょう。
ロッキード事件で失脚した田中角栄元総理は、「マスコミ人も日本国民の一人だ。おれの悪口を書いて食していけるなら、それもまぁ結構なことではないか。政治家の評価は後世の人がするんだ。今悪口を言われても結構。悪口を言われている間は仕事をしてることなんだ。」と言っていましたが、政治家としての信念をもって命がけでやっているかどうかが問われるのだと思います。(別に悪いことを擁護しているわけではありません)
 日本の内閣総理大臣でテロにより死亡したのは、伊藤博文(初代)、原敬(19代)、高橋是清(20代)、濱口雄幸(27代)、犬養毅(29代)、齊藤実(30代)、安倍晋三(第90、96~98代)であり、戦後では安倍元総理が初めてです。濱口雄幸は正確には、亡くなったのは9ヶ月後で、テロで受けた傷が原因であることから入っています。テロリズムは、要人暗殺の意味で使われることが多いですが、警察庁組織令第39条では、「広く恐怖又は不安を抱かせることによりその目的を達成することを意図して行われる政治上その他の主義主張に基づく暴力主義的破壊活動」と規定されているので、今回はテロと呼べるのか疑問です。

 暗殺された歴史上の人物として有名だと思われるのは、マハトマ・ガンディー、ケネディ大統領、キング牧師、井伊直弼、坂本龍馬などです。彼らが暗殺された理由を調べてみてください。こうした事件が起こると、「許されない卑劣な行為」だと一様に非難の声があがりますが、虚しさが残ります。最後にフランスの哲学者ヴォルテールの言葉を紹介します。「私はあなたの意見には反対だ。だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」 リーダーや政治家としての器の大きさを表現する言葉に「清濁併せ呑む」があります。大きな目標を達成するためには、自分の価値観や考え方にこだわらず、自分とは異なる意見も積極的に取り入れ、より良い答えを導き出そうとする姿勢が大切です。今回の選挙の結果、どうなるかを注視したいと思います。

なお、今回のテーマの意味については、読んだあなた自身で考えてみてください。

言霊か言魂か

 昨日は、芸術鑑賞教室として劇団四季のミュージカル『アラジン』を観に3年次生が東京に行ってきました。私は、引率で平成15年に『マンマ・ミーア』を観に行ったことを記憶しています。舞台装置のすごさや劇団員の方々の演技と歌の素晴らしさにひきこまれ、楽しい時間を過ごさせてもらいました。今回も引率された先生方から、生徒が楽しんでいた話を聞きました。私はミュージカルや演劇は数えるくらいしか観ていませんが、本当にたくさんの人が関わって一つの舞台ができあがっているということを感じます。それは、映画のロールエンドで、俳優や監督などの他に非常に多くの団体や個人が協力していることがわかることと同義です。たくさんの人に楽しんでもらうために多くの人が誇りをもって協力し、一つの作品を作り上げているのだと思います。生徒の皆さんも、ぜひ誇りをもって取り組める仕事を見つけられるように、太東と進学先での勉強を頑張ってください。
 世界に知られる映画の黒澤明監督は役者の演技をチェックする時に3つのセリフに注目したそうです。「ありがとうございます」「いらっしゃいませ」「かしこまりました」この3つは心がこもっていないと、とても不自然に聞こえる言葉だとのことでした。『戦後最高のウェイターと呼ばれた男の話』という本に載っていました。別に、これらの言葉に限らず、言葉の意味よりも、そこに込められた気持ちのほうが大事で、言葉の質感というか、言霊みたいなものが出るかでないかが、言葉が人に届くためには必要なのかなと思います。顔や身体の表情と声の表情がそろって、言葉が人に伝わる力が決まるのだと思います。今はマスクのせいで、目力だけで勝負しなければならなくなっていますが、早くマスクを取りたいものです。ちなみに言霊は言魂とも書くようです。みなさんは、どちらがしっくりきますか?