日誌

榎本校長のつぶやき

やれることをやったら、あとは神頼み!

 明日は、いよいよ大学入学共通テストです。被災地の受験生の皆さんは大変な思いをしながら明日を迎えることになったと思いますが、無事受験会場に行って受けられることを祈っています。今日は、4時間目に恒例の共通テスト激励会が実施されました。昔は格技場でやっていましたが、寒いこととコロナやインフルエンザ感染等が心配なため昨年同様リモートで行いました。あいさつでは、昨年とほぼ同じことを話しましたが、短くしました。40年以上前に自分が共通一次試験を受けた時の数学での失敗談から、もし頭が真っ白になってしまったら、4秒吸って8秒かけて吐く深呼吸を1分間続けてくださいという話をしました。試験でも試合でも、実力を発揮するためには平常心が大事です。なんでこんな問題がわからなかったんだとならないように、落ち着くことを第一にしてください。そして、最後のツキや運を呼ぶのは、普段の地道な努力の積み重ねです。ぜひ、運を呼び込んで100%以上の力が発揮できることを祈っています。みんな切磋琢磨してきた「太東団体戦」のメンバーです。各クラスで担任の先生方からいただいた激励の言葉を胸に力を出し切って、笑顔で月曜日を迎えてください。

Open the rice cake and Luck!?

 今日は鏡開きです。皆さんの家では正月に年神様や仏様に鏡餅をお供えしましたか。お供えした餅を神仏に感謝し、また無病息災などを祈って、汁粉や雑煮などで食べるわけですが、今はどれくらいの家でされているでしょうか。私も久しくやっていません。もともとは武家で鎧などの具足に供えた具足餅を下げて雑煮などにして食し、女性は鏡台に供えた鏡餅を食したわけです。鏡餅という呼び名は、文字通り鏡に由来します。 昔の鏡は丸い形をしており、神器の一つでした。 日光を反射し太陽のように光ることから、鏡には神様が宿ると考えられ、伊勢神宮など多くの神社で鏡を御神体として祀っています。天皇家の三種の神器の一つが八咫鏡ですね。鏡餅を食べるためには、固くなった餅を金槌でたたいてほどよい大きさにする必要があります。(木槌だと厳しいです) 武家では鏡餅を刃物で切ることは切腹を連想させるため、手や木槌で割る風習がありました。同様に縁起が悪いので「切る」「割る」という言葉は避けて「開く」という言葉が使われました。鏡は円満を、開くは末広がりを意味して縁起がいいわけです。また、鏡餅を食すことを「歯固め」と言うそうで、硬いものを食べて歯を丈夫にして年神様に長寿を祈るのだそうです。鏡開きの後14、15日に、お正月飾りを燃やして、1年の無病息災や五穀豊穣を祈る火祭り「どんど焼き」が終われば、正月気分も終わりです。気持ちを引き締めなおして、新たな1年を頑張っていきましょう。ちなみにタイトルの英語は正しくありませんので、信用しないでください。

政治を知らなきゃソンする?・・・なぜ?

 今日は、追川徳信様と鈴木敦子様のお二人の県議会議員の方を2年次生の授業に迎えて、昨年に引き続き「GACHi(ガチ)高校生✕(かける)県議会議員」~政治を知らなきゃソンをする!~を実施しました。及川様と鈴木様、事務局の方には御多忙の中、大変御世話になりました。ありがとうございました。

 皆さんは、タイトルの「損をする」の意味がわかりますか? 昨年18歳で選挙権が行使できるようになりましたが、20代の有権者数と60代の有権者数を比較すると60代が1.5倍です。その上、投票率は20代が30%弱なのに60代は70%弱です。「政治家は選挙落ちればただの人」という川柳がありました。ここから志があってやりたいことがあっても、当選しなければ実現できないから、一票を入れてもらうためにどちらの年代の要望を聞こうとするかは考えてしまうと思います。そんな現実を直視すると、政治について考え、投票に行って自分たちの意思表示をしないと、若い人たちにとっては不利になることは避けられないでしょう。もっとも、少数者の利益を守るためにも議員さんは活動しているので、そんなに単純なことではありませんが。二人の議員さんに生徒からたくさんの質問が出ました。生徒の皆さんが熱心に話を聞いてくれて、質問をしてくれてよかったとお褒めの言葉をいただきました。生徒から出た質問は「議員になるためにどんな勉強をしましたか」「どこで県民の声を拾っているのですか」「議員生活で一番大切にしていることは何ですか」「議員で生活が窮屈だと思ったことは何ですか」「一番やりがいを感じた仕事は何ですか」「議員になろうと思ったきっかけは何ですか。いつ頃なろうと思いましたか」「政治や政党に関する情報はどこで見ればいいですか」「一番大変だったことは何ですか」などです。こうした質問への回答で、根底にあるのは「地域のため」「本当に困っている人のため」に県議として要望が通せるように頑張っているということでした。予算がつけてもらえないと、ほとんどの要望は叶えられませんから。県議会の提案で、学校では、全ての県立高校の普通教室へエアコンが設置され、トイレの洋式化が進んでいます。追川議員のお話で印象に残ったのは、自宅近くのコンビニで高校生に「議員さんですよね」と話しかけられ、「自分も議員になって日本の政治をよくしたい」(実際にはもっと過激な言葉でしたが)と熱く語られたということで、高校生で高い志をもっていて感心したという話でした。「人はパンのみにて生きるにあらず」と言いますが、どんな仕事につくとしても、自分のためだけにする仕事というのはないので、そこには何かしら志がほしいですね。

ライス→ライク→ライフ→ライト

 以前にキャリア教育について、「夢なし先生の進路指導」の話や「13歳のハローワーク」の話などを書きましたが、今日は次の文を読んでみてください。


 生活の糧を得るために働くことを「ライスワーク」といいます。仕事が面白くなってきた段階を「ライクワーク」といいます。さらに心を込めていけば、好きな仕事は人生をかけてもいいと思える仕事、則ち「ライフワーク」になります。「ライフワーク」を極めていくと、多くの人に喜びを与え、社会に光を当てられるようになっていきます。その仕事を「ライトワーク」といいます。問題は、仕事そのものではなく、仕事に対する考え方なのです。


 仕事について、とてもわかりやすくきれいにまとめてくれていますが、よほどのお金持ちでない限り、皆さんは生きていくためにいずれ働いて生活費を稼がなくてはならなくなります。その時、仕事についてどう考えるかが非常に大事です。今は昔と違って、懇切丁寧に「生き方・在り方」に関する進路指導を行っており、興味関心・能力・適性などを調べ、どんな職業が向いているかアドバイスしてくれます。なんていい時代・・・と思いますか?私は天職に巡り会えるのは「運」と「縁」だと思っています。そして、その「運」と「縁」も普段の自分の行いが引き寄せるものだと思っています。最初は「ライスワーク」でもよいので、仕事に打ち込んでいるうちに「ライトワーク」になることを祈っています。

みんないい!何が?

 次の文章は、ある青年の回想です。(少し語尾を変えてあります)

 広汎性発達障害で友だちができず、集団行動がとれない自分に担任が面談で言ってくれた言葉が「ひとりでも堂々としていられるお前のキャラは、この先、確実に強みになる」でした。また、一人でいることへの批判と同じくらい自分を苦しめてきたのが「強くなれ」という言葉でした。上手に話せない、人の輪には入れない。「弱い」というのは、いけないことだと刷り込まれてきました。担任の「みんなが優しくあれたのは、お前の弱さがあったからだ」という言葉に今までの人生が許された気がしました。

 上記の文章を読んで、皆さんはどう思いましたか。昔は、発達障害という言葉は現在のようにポピュラーではありませんでした。先生方が研修等で勉強し始めてから20年はたっていません。平成17年4月から「発達障害者支援法」が施行されているので、それ以降です。発達障害を簡潔に説明すると、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)など、脳機能の発達に関係する障害です。 発達障害のある人は、他人との関係づくりやコミュニケーションなどがとても苦手ですが、優れた能力が発揮されている場合もあり、周りから見てアンバランスな様子が理解されにくい障害です。

 現在、発達障害に関する本が書店でたくさん並んでいます。それほど、悩んでいる大人や子どもをもつ保護者が多いということでしょうか。私が過去に担任した生徒の中にも、発達障害ではないかと思う生徒は少なからずいました。うまくコミュニケーションがとれないことで悩んでいた生徒も多かったと思います。黒柳徹子さんが発達障害であることをカミングアウトしていることや、「みんなちがって、みんないい」という金子みすゞさんの言葉は、発達障害の子を勇気づける言葉でありました。長所も短所もありのままの自分を肯定する。ただ、発達障害だから全部仕方ないと思ってしまうと進歩はありません。自分にどんな特性があるのかを理解した上で、対策を考えることはできます。人間は社会的動物と言われるように社会と全く没交渉で生きることはできません。個別の色々な特性を理解して、寛容になれることが社会でみんなが幸せに暮らす上で必要なことではないでしょうか。昨今は、SNSの発達で寛容性が失われているような気もしますが、皆さんはどう思いますか。