日誌

榎本校長のつぶやき

私の辞書には生憎という言葉はない?

 昨日の日本対ブラジルのサッカーの試合は、PKの失点のみの0-1という結果で、非常に惜しかったですね。雨の中プレーする選手を見ていて、初任校でサッカー部の新人戦で雪の中、副審をしていて非常に寒くて辛かったことを思い出しました。雨でも中止にならないサッカーやラグビー、ゴルフなどのスポーツは厳しいですね。(雨天中止と決行のスポーツの違いに疑問をもった人は予想を立てて、調べてみましょう)

 さて、関東は昨日梅雨入りしましたね。週間天気予報に注目しています。とにかく体育祭が無事できるかどうかが心配です。(御利益がある、てるてる坊主がどこかで売ってないですかね。それはそうと、てるてる坊主の歌にも出てきますが、てるてる坊主の由来って怖いみたいですよ) テレビ番組のプレバトで有名になった夏井いつきさんは、こんなことを言っています。「俳人の世界では、生憎という言葉はなく、花見で雨が降れば、雨の桜の句が詠める。中秋の名月が見えなければ、無月を楽しめる。これは日本人ならではの精神であり、この精神で俳句を続けていくと、個人的な不幸や病気、苦しみ、憎しみなどマイナス要素のものが、すべて句材と思えるようになります。」『生憎』の意味がわからない人は、すぐ調べましょう。物事を自分でマイナス方向に価値付けないことは大事です。

 ただ、そうは言ってもやはり体育祭の日は、雨が降らないでほしい。(笑) 体育祭で雨が降れば、雨の体育祭ができるわけではないので。

体育祭成功祈願

 昨日、久しぶりに写経をしました。写経をするようになって20年近くたちますが、昔は1週間に1度の頻度でしていたこともありました。ここ2年くらいは1年に数回で、太東に来てからは初めてです。写経とは、般若心経を書き写すことですが、300文字ほどを1時間くらいかけて集中して書きます。般若心経は『般若波羅蜜多心経』の略称で、大乗仏教の思想の核心を簡潔に説いている、全経典の中でも最も短いもののひとつです。私は、現代社会や倫理、世界史・日本史の授業等で宗教を教えてきましたが、みなさんは宗教って何だと思いますか?
 「相対性理論」で有名なアインシュタイン博士は、「仏教は、近代科学と両立可能な唯一の宗教です。現代科学に欠けているものを埋め合わせてくれる宗教があるとすれば、それは仏教です。」と言っています。
 仏教的に見れば「失敗したくない」と思うのは、あまりにもバカバカしい考えだそうで「とにかく成功したい」と思うのも、同じようにバカバカしいということです。仏教的に正しい態度は、「精一杯やったら、失敗しても成功しても、どっちでも構わない」という態度です。それをしっかり覚えておけば、健康な心を維持することは難しくありません。とは、書きつつも写経の願いに「太田東高校体育祭成功」と書いてしまいました。(笑)どうか、雨よ降らないで!

※校長室の隣の応接室の壁に画家の岡本太郎さんの書が飾ってありますが、そこにも「失敗したら失敗したでいい 成功したら成功したでいい」という言葉があります。何が書いてあるんだろうと、読んだ人はどれくらいいるでしょうか。

ガンバレ!生徒会

 昨日、生徒会本部役員の立候補者の演説と投票が行われました。みなさん、堂々と抱負を述べていて立派でした。体育館で全校生徒を前にしての演説でなく、パソコン室からのオンライン配信になってしまって残念でしたが、画面を通して候補者の熱意は伝わったと思います。

「地方自治は民主主義の学校である」という言葉を政治経済で学習するはずですが、なぜ、こんなふうに言われるかと言えば、地方自治が国政より住民の意見を反映させやすく、民主主義の理想政治体制にとても近いからです。さらに、その前段階にあるのが、児童会や生徒会活動です。「学校は、おもしろいところではなく、おもしろくするところです」ぜひ、生徒会を中心に自分たちで太東での学校生活をおもしろく思い出深いものになるように力を合わせてください。
※右のマンガは、予算をテーマに考え30年前に政治経済のプリントに載せたものです。アザラシのゴマちゃんが出てくる「少年アシベ」で有名な森下裕美さんの「ここだけのふたり!」のキャラを拝借しました。生徒会をテーマにしたマンガはたくさんありますが、みなさんは何か好きなものはありますか?

※右のマンガの先生と生徒を太東の実在の生徒会係の先生と生徒会本部役員に似せて差し替えることも可能です。本人のリクエストがあればやりますので、申し出てください。

御武運を!GOOD LUCK!

 昨日は関東大会の壮行会がありました。選手たちに「リラックスして楽しんできてください。リラックスできれば実力を発揮できます」と伝えました。そして、最後は運を呼び込めるかどうかです。あだち充の漫画に「ナイン」という野球漫画がありますが、その中で監督とマネージャーの娘の次のような会話があります。
娘「甲子園行きなんて、大部分はツキでしょ」
監督「バカ者!その最後のツキを呼ぶのが、日頃の地道な努力の積み重ねなんじゃ」
娘「うわっ!重いセリフ」
私たちは、失敗したとき「運が悪かった」「ついてない」で片づけがちですが、「運」を味方につけるためには普段から努力を続けることが大切なんですね。
「成功している人の共通点は、全員が『自分には運があると思っている』ところです。運があると感じている人間は、根拠のない自信をもっているんです。根拠があれば自信なんて誰でももてますから。」と西田文郎(サンリオ会長)さんは言っています。
みなさんは、普段から運を味方につける努力をしていますか?『根拠のない自信』を持つとは、何があっても最後まで自分を信じるということですね。受験にも言えます。頑張ってください。

アイデアが閃くには

 昨日6月1日は、サンスター文具株式会社により「アイデアに挑戦する日」として一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されたそうです。アイデアと言えば、私は4コマ漫画の作者はすごいと思います。よくあれだけアイデアがひねり出せるなと感心します。

 私は昔、授業のプリントに時々自分で考えた漫画を載せていました。右の漫画は30年くらい前に日本史のプリントに載せたものです。(オヤジギャグでお恥ずかしい) 別に仕事ではないのでパッと思い浮かんだものを適当に描いていたので苦労はありませんでしたが、仕事として毎日何本も考えなければならないと思うと大変なことだと思います。

 アイデアについて斎藤孝さんの言葉を紹介します。「みんなは、記憶するということと創造する、つまり何かを創りだすということは、別なことのように思っているかもしれないけれど、黒沢明はたくさんの本を読み、たくさんの映画も観て、たくさんのことが頭の中に入っていることによって、自分のアイディアが生まれたのです。「記憶は創造の母」という言葉もありますが、たくさん本を読んで、いろいろな知識を得て覚えたことが、新しいものをつくるときの土台となるのです。」

 わからなければググればいいというものではありません。自分の頭の中にたくさんの知識があれば、それらがリンクして新しいアイデアが閃きますよ。 
注※ 有名な源頼朝像は、足利直義説が出ており、現在「伝源頼朝像」と表記され、頼朝と断定されていない。

授業命の覚悟

    今日は、地震を想定した避難訓練がありますね。どこにいても落ち着いて行動できるように自分事として訓練に臨んでください。早いもので、あの東日本大震災も11年前のこととなりました。「天災は忘れたころにやってくる」という有名な言葉がありますが、いざという時の心構えと避難物資の準備を怠らないようにしましょう。私は、被災地の高校教師の言葉で忘れられないものがあります。それは、「『しっかり家で予習復習をしてきなさい』とは言えません。もはや『授業中心』ではありません。『授業命』の覚悟で私たちは教壇に立ちます。」というものです。コロナで当たり前のことが当たり前でなくなる経験をして、今まで当たり前と思っていたことに感謝する気持ちがもてたことと思いますが、天災でもそういう経験をします。自然災害の少ない群馬県に住んでいることに感謝し、充実した高校生活をおくってください。

将来使いません

   小学校教師を目指して教育実習中の娘の役に立つかもと思って、先日、『子供の「困った発言」に5秒で返す 教師の「切り返し」』という本を買いました。その中に「〇〇を勉強したってどうせ将来使いません」という発言がありました。みなさんなら、どう返しますか?
 「勉強というものは、いいものだ。代数や幾何の勉強が、学校を卒業してしまえば、もう何の役にも立たないものだと思っている人もあるようだが、大間違いだ。植物でも、動物でも、物理でも化学でも、時間のゆるす限り勉強しておかなければならん。日常の生活に直接役立たないような勉強こそ、将来、君たちの人格を完成させるのだ。何も自分の知識を誇る必要はない。覚えるということが大事なのではなくて、大事なのは、カルチベートされるということなんだ。カルチュアというのは、公式や単語をたくさん暗記していることではなくて、心を広くもつということなんだ。つまり、愛するということを知ることだ。学生時代に不勉強だった人は、社会に出てからも、必ずむごいエゴイストだ。学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底にひとつかみの砂金が残っているものだ。これだ、これが貴いのだ。勉強しなければいかん。そうして、その学問を、生活に無理に役立てようとあせってはいかん。ゆったりと、真にカルチベートされた人間になれ!」          以上は、太宰治の言葉ですが、私は内容よりも、太宰治がこんなことを言ったんだということに驚きました。
勉強の意味や意義について述べた言葉は、他にもたくさんありますが、私にとって一番印象に残っていたものなので、少し長いですが紹介しました。

ガンバレ!実習生

    今日から教育実習が始まります。みなさんの先輩ですので、基本的に温かく、時には少し厳しく接してあげてください。よい先生になれるように。
 さて、私が教育実習をしたのは、今から37年も前ですが、2週間で指導案を10時間分書き、19時間授業をしました。指導案は、当時はB4一枚で手書きでした。「あなたの答案が真っ赤になって返ってくる〇〇ゼミ」のように添削していただきました。「よし、最終日の研究授業は、頑張ろう」と考え、毎日2~3時くらいまで教材研究をしました。そして、板書も説明もすべて覚えて研究授業に臨み、チャイムスタート・チャイムエンドで終え、心の中でガッツポーズをしました。ところが、当時としては珍しいビデオに撮ってもらっていた授業映像を見てみると…。「えっ何だこりゃ、しゃべり方が変、間が変、思っているより下を向いてる時間が長い」など、自負心が木っ端微塵となりました。この時のショックが、自分を第三者の目で観て改善する姿勢をもたせました。

 「実るほど 頭(こうべ)を垂れる 稲穂かな」という句があるように、できる人ほど謙虚であり「自分などまだまだ」という意識が強いものです。だから、停滞せず伸びるのです。自信は大事ですが、過剰にならないように、自分に不満をもって、いろいろなことに取り組んでください。不満があるから改善しようとします。実習生も生徒のみなさんも、伸び続けるために頑張ってください。

ごますり和尚

   先日、「ほめる」という話題が出てきて、ふと思い出したのが、アンパンマンに出てくるスリコギ坊主とごますり和尚です。スリコギ坊主が「そーれっ!それそれっ!ゴマすれゴマすれ」というかけ声とともにごますり和尚の頭の鉢でごまをすると、お世辞が次々とでてきて、みんながよろこびます。「ほめる、叱る」は教育の一大テーマで、書き出すとつぶやきでは終わらないので、「ほめる」話をいくつか紹介します。
①父親から「パパをほめて」と言われた6歳の女の子の答え…「やる気がないのにがんばっているところ」この深い洞察力恐るべし。
②女子から「かっこいいですね」とほめられた時の返事として、最も適切なものを答えなさい。模範解答「えーっ!全然そんなことないけど〇〇ちゃん(相手の名前)に言われたら超うれしい」
③1999年、60の企業が共同で出した連合広告…「ニッポンをほめよう」
④そごう 父の日キャンペーンのキャッチコピー…「父さんだって、ほめれば育つ」
⑤私はこれまで世界中のさまざまな大人物と会ってきたが、人にほめられて働くより叱られて働くほうがよい仕事ができるという人間には、まだ会ったことがない。
そう言えば、人をおだてて持ち上げたり、しきりに誉めるなどして良い気分にさせることで「よいしょする」という言葉がありましたが、死語になってしまったんですかね。

ウルトラスーパー便利?

 我が家では、かねてからA3対応プリンタが欲しいというリクエストがあり、今のプリンタも9年も使っているので昨日買い換えました。リビングのデスクトップの下にプリンタは設置しているので、今まではUSBケーブルでつないでいましたが、今度はWi-Fiでつなごうと作業を始めると…。プリンタにWi-Fiは繋がっているのにパソコンが認識してくれず、色々と試しましたが諦めてUSBケーブルにすることにしました。思えば、すぐ下にプリンタがあるのに、わざわざ不安定なWi-Fiにする必要もなかったと時間を無駄にしてアホでした。USBが登場したとき、「何の略?」「ウルトラスーパー便利だよ」という冗談がありましたが、それくらい当時は画期的でした。USBの登場前は、数多くの接続規格が乱立していて、キーボード用、プリンタ用、ハードディスク用などそれぞれ違う端子をパソコンに搭載する必要がありました。 (私は20数年前に、外付けCDドライブの接続を朝まで悪戦苦闘してだめで、購入した量販店へ持って行ったら不良品でした。「時間を返せ!」と叫びました。)1996年にUSB1.0の規格が成立し、その後Windows98以降のOSでは追加ソフトなしでUSBポートが使えるようになり、外部機器の接続がすごく楽になりました。デジタルデバイド(情報格差)という言葉がありますが、コンピュータやインターネットを使いこなせずに不利益を被る人(情報弱者)も少なくありません。特に高齢者は。コロナワクチンの予約申し込みを私は両親に代わって3回行いましたが、「電話だとつながらないので、息子さんがいるならネットでやってもらってください」と言われたそうです。私はMS-DOSの時代からパソコンと付き合っていますので、それなりの知識はあるつもりですが、早く「パソコンとプリンタを繋いで」と言えば、済む時代になってほしいです。