日誌

榎本校長のつぶやき

Wカップから仕事考

 今、サッカーワールドカップが、とんでもなく盛り上がっていますが、コスタリカ戦の視聴率(ネットで見る人が多いですかね?)は、日曜日なのですごいかもしれませんね。皆さんは、期末テストの勉強で、それどころじゃないかもしれませんが。今回、試合での勝利とは別に話題になっているのが、日本の選手とサポーターのマナーの良さです。以前から外国のマスコミに取り上げられていましたが、ロッカールームのきれいさと、スタジアムのゴミ拾いをしている姿が報道され、話題になっています。日本人としては、外国人ほど驚かないと思いますが、それは、児童・生徒が学校の清掃をするお国柄だからでしょう。それは、自治体の清掃活動に繋がっています。
 ただ、そうした慈善行為が、清掃員の仕事を奪っているという声もあります。これについては、ボランティアで行ったことが、誰かの仕事を奪うことになるのでやらないほうが良いということになりますが、ダメなら予め言ってもらえば済むことではないでしょうか。しかし、インドのチャイのカップの話では、飲んだ後の陶器のカップは叩きつけて壊すのがマナーだそうで、日本人ならお店に返しますよね。ところが、そうすると激怒されるそうです。大事にしていると陶器職人の仕事がなくなるからだそうで、日本の常識は、世界の常識ではないのですね。郷に入っては郷に従えと言いますが、外国旅行するときは現地の習慣とか考え方とか、よく調べたほうがいいですね。皆さんは、どう思いましたか。よかれと思ってやったことで、迷惑がられたり、怒られたりしたら割に合わないですね。

 ちなみに、世界史で勉強したと思いますが、19世紀初期に産業革命にともなう機械使用の普及により、失業のおそれを感じた手工業者・労働者が起こしたラッダイト運動と呼ばれる機械破壊運動が起こりました。仕事というものは、文明の進歩とともに淘汰されるものがあれば、新しいものが生まれます。極端なことを言えば、虫歯や歯槽膿漏を完全に予防する薬が開発されれば、歯医者さんは、ほぼ失業してしまいますね(矯正歯科は大丈夫)。職業は、現在3万以上あると言われますが、何かしら人の役にたって、報酬がもらえるなら、それは仕事といってよいと思うので、無くなる仕事がある一方で、今後も様々な仕事が生まれてくることでしょう。何十年後、世界にはどんな仕事があって、皆さんはどんな仕事をしているのでしょうか。

 

ガンバレニッポン!頑張れ受験生!

 日本が勝ちましたね。私は、サッカーのワールドカップ1次リーグE組で、日本がドイツに2ー1で勝つという希望的予想をしていましたが、朝のテレビ番組で、ドイツ人関係者へのインタビューでは、全員がドイツの勝利を予想していました。それだけに、日本の逆転勝ちは痛快でした。ジャイアントキリング(大番狂わせ)と言われていますが、本当にそうかな?と思います。前半PKの1点だけで抑えたから逆転ができたのではないでしょうか。アルゼンチンにサウジアラビアが勝ったのも大きなニュースになりましたが、日本には判官贔屓(ほうがんびいき)という言葉があるとおり、弱い方を応援したくなる気持ちがわかりますね。スラムダンクという漫画で、インターハイで湘北高校が山王工業高校を追い詰めていったときに、湘北への応援が増えて、観客が「ここまで来たら歴史が変わる瞬間を見たいですよ」と言っていたのが思い出されます。 

「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければ、それは成功になる。」と松下幸之助さんは、言っています。エジソンも「諦めたらイカン!」という意味の同様の言葉を言っていますが、スラムダンクで湘北の顧問の安西先生が三井に言った「あきらめたら、そこで試合終了だよ」という言葉も有名ですね。

3年生の皆さん、受験勉強もこれからが正念場です。最後まで諦めずに頑張ってください。

マラソン大会無事終了に感謝

 小春日和の好天の下、マラソン大会が無事終了しました。暑いくらいになりましたが、明日の雨を予想させる飛行機雲が、青い空にきれいに2本描かれていました。大きな事故や怪我等もなく、全員が完走することができました。走路で、安全に配慮していただいた係の先生方、本日走ることができずに、補助作業を手伝ってくれた生徒の皆さん、お疲れ様でした。そして、ありがとうございました。ゴールした生徒に笑顔が多くみられたのが、大変うれしく、印象的でした。走り終えて、閉会式の時には、「終わった~」という達成感のある表情が多く、和やかな雰囲気が感じられました。入賞した生徒の皆さん、おめでとうございます。クラス対抗では、6位内に1年生が4クラス入り、1年生頑張ったなあと思いました。3年生は、最初で最後のマラソン大会でしたが、どんな感想をもったでしょうか。今年度の体育的行事は、これで全て終わりました。気が付けば、もう期末考査1週間前です。マラソン大会同様、頑張ってくれることを期待します。

苦中楽あり

 先日、日本教育新聞の書評欄に「受験勉強で君は史上最高の自分になる」(宝島社)という本を見つけました。受験勉強というと、「暗い」「辛い」「忍耐」などのネガティブなイメージが強いのかもしれませんが、皆さんはこの本のポジティブなタイトルを見て「読んでみたい!」という気分になりませんでしたか。書評で概要は読みましたが、面白そうだったので実際に書店で中身を確かめてから買って読もうと思います。皆さんは、勉強だけに限らず何かに打ち込んでいて、自分が覚醒していく感じにとらわれたことは、ありませんか。勉強でも運動でも音楽や美術でも、自分が一皮むけたと感じたことが。それは、ランナーズハイと同じで一生懸命に打ち込んだ人にしか味わえないものなのかもしれません。適当に取り組んでいる人には、一生訪れない感覚なのでしょう。何か新しいことを身に付けようと努力するとき、どこまで頑張れるか。この頑張れる力というのが、社会に出て求められます。

 明日はマラソン大会ですね。これまで、皆さんは体育の時間にマラソン大会の練習をしてきましたね。苦しくて嫌だと思っていた人も多いかもしれません。ただ、マラソンは人生に例えられたりするように、自分のペースで自分の意志で負荷を決めて、走るものです。楽は、苦があって初めてわかるものだと思います。これからの人生で肉体的精神的に辛いことが全くないなんてことはありません。マラソンという学校行事から、皆さんは何を学ぶのか、どんな力をつけることを期待されているのか、考えてみてください。今回、諸事情で走ることができない人も少なくないと思います。越塚さんの講演会の中でお話をいただいた佐藤さんのように走りたくても走れない人も、世の中にはたくさんいます。走れることは、当たり前のことではないことに気づき、マラソン大会では走れる人も走れない人も自分にできることをしっかりやってください。 

クレインサンダーズ

 本日は、前橋で開催された県高等学校PTA指導者研究集会に出かけてきました。記念講演で、群馬クレインサンダーズ社長の阿久澤毅氏から「群馬クレインサンダーズとの出会い」という演題でお話を聴きました。阿久澤氏は、高校野球で選手、監督として活躍された方で、前半は、御自分の半生について、後半は、クレインサンダーズとBリーグの広報的内容でしたが、色々な活動をしているということがわかりました。最後に迫力ある試合が大きなスクリーンで見られてよかったです。私は昔バスケットボールをしていて、二人の子どものミニバスにも6年間つきあいました。好きなのでTV観戦もするし、実際に見に行ったこともあります。JリーグやVリーグと同様、Bリーグも地域密着型のスポーツとして、発展してくれればと願います。鶴と雷という群馬をよく表すものからつけた「クレインサンダーズ」は、クレインとサンダーの対比が印象深く、優雅さと力強さが同居したいい名前だと思いますが、かかあと雷だったらどうなっていたでしょうね。奥さんを「山の神」とも言いますから、「マウンテンゴッドサンダーズ」ですかね。敵をひれ伏せられるような、すごく強くてかっこいい名前だと思いませんか?

マナーと避難能力アップ

 今日は、登校時にマナーアップ運動が、6限終了後に地震によって火災が発生したという想定で避難訓練が実施されました。マナーアップ運動は、先日に全県下で実施されましたが、本校は創立40周年記念式典があった関係で、今日になりました。冷たい風が吹く中で生徒たちと挨拶を交わしながら交通ルールが守られているか観察しました。御協力いただきました保護者の皆様、寒い中早朝からありがとうございました。

 避難訓練は、緊急放送の不具合が判明し、違った意味で訓練を実施した甲斐がありました。現在、コロナ感染予防のために全員がマスクをしているので、ハンカチで口を押える必要がないのは、怪我の功名といったところでしょうか。ただ、訓練はあくまで訓練ですので、実際に地震や火災に巻き込まれたときに、どれだけ冷静に周囲の状況を把握し、迅速に動けるかが、生死をわけます。先日、韓国で起こった圧死事件の件でも書きましたが、危機を察知するアンテナを高くし、いち早く避難できるようにしましょう。

電池から水へ

 今日11月11日は、何の日でしょうか?調べたら70以上ありました。1ばかり並ぶので覚えやすいから何かこじつけて記念日にしたいのでしょうね。煙突の日や箸の日、ポッキー&プリッツの日などは、その形状から予想がつきますが、「電池の日」はどうでしょう?私は、昔この理由を聞いて忘れられずにいます。11月11日を漢字で書くと「十一月十一日」になります。もうピンときましたか?そう、プラスマイナスプラスマイナスと読めるからです。漢字文化と西洋文化が共存している国だから、制定できた日ですね。電池のおかげで、私たちの生活は随分と便利になっています。電気器具がコードなしで持ち運べるようになりました。電気で動くものが、全部コードがついていたらと想像すると、うんざりしませんか?太陽電池1個で、家中の電気がまかなえる時代が早くきてほしいですね。ソーラーパネルは色々と問題があるようですので、政治的技術的問題をクリアしたエネルギー発生装置を早く開発してもらいたいです。水資源の豊かな日本に住んでいると、実感できませんが、温暖化の影響?で大陸の大河川が、干上がっています。一方で氷河が融けて水位が上昇して国土が狭くなったり、海岸線が侵食されたりして困っている人たちがいます。昔、NHKスペシャルの「水の世紀」という番組を授業で使ったことがありました。21世紀は、石油などのエネルギー資源ではなく、水資源の争奪で戦争が起こるかもしれません。水がなければ、人間は生きていけませんからね。海水を真水に変える装置も多く開発されていますが、それを動かすエネルギー問題と環境問題が行く手に立ち塞がっています。がんばれ!世界の科学者たち!

いざ往かん 修学旅行

 来週の月曜日からの2年次生の修学旅行を控えて、今日は事前指導がありました。群馬県も全国も依然としてコロナ感染者数は多いままですが、従来と同様に修学旅行に行けることになり、喜ばしい限りです。事前指導で生徒の皆さんに話したのは、集団行動でのルールを守ることの大切さです。私は、今回で修学旅行の引率は8回目ですが、色々なことがありました。昔は、修学旅行中の問題というと他校生とのケンカや喫煙・飲酒などが多かったと思いますが、私が実際に引率で経験したのは、帰りの飛行機に乗り遅れそうになったり、男子が女子部屋にいるのを見つけて、廊下に正座させて説教したり、などです。(ここには書けないことも多々あります。)もちろん、多少の怪我や体調が悪くなる生徒がでるのは、200名を超える集団では、ある程度仕方がないとは思いますが、1度くらいは、1人も病気・ケガ・事故等がない修学旅行を経験してみたいです。昔は無事に行ってこられるように神社にお参りに行ったこともありましたが、今回は以前に体育祭の時にしたように修学旅行中の無病息災を祈願して、週末は写経しようと思っています。修学旅行中もブログは休まずに続けますが、旅日記みたいなものにします。ありがたいことに、このブログを読んでいただいている保護者の方もいるようですので、頑張って実況報告したいと思います。

危機察知能力を高めよう!

 「おしくらまんじゅう、押されて泣くな!」と言いながら、おしくらまんじゅうをしたのは、小学生のころでした。今の子どもは、おしくらまんじゅうをしたことがあるのでしょうか?皆さんは、どうですか?先日、韓国で156人もの人が狭い路地で圧死するという痛ましい事故がありました。あの人混みの中にいた人は、どんなにか恐かったことでしょう。幅約3メートルの坂道で、長さ6メートル足らずの範囲に約300人が集中したというのは、想像を絶します。私は東京で通学・通勤していたころ、満員電車に乗ることは多々ありましたが、本当に混んでいる時は、痛くて苦しいです。おしくらまんじゅうどころではありません。背の低い子どもや女性は、特に苦しいと思います。今回の事故も犠牲になったのは女性が多かったようです。日本でも、2001年の明石の花火大会で1平方メートルあたり13人から15人という異常な混雑となり、歩道橋で「群衆雪崩」が発生し、11名が死亡した事故がありました。皆さん、周囲の状況をよく観察し、危険を察知する能力を高めましょう。

栄光あれ 太田東高校

 今日11月1日は、本校の40周年の創立記念日です。上毛新聞の朝刊に40周年記念の半面の広告を掲載してもらいましたが、見た人はどれくらいいるでしょうか?後ですべてのクラスに配付しますので見てください。また、今日から14日まで、昼休みの終わりに校歌を放送します。プロと39期生が歌っているものを毎日交互に流しますので、聞き比べてそれぞれの良さを感じてください。3年生は、式典等でほとんど歌う機会がなく、歌詞をおぼえている人も少ないかもしれませんが、味わい深い歌詞も多いので、この機会に是非もう一度おぼえてみてください。それと、校長室には、多くの盾とトロフィーが飾ってありますが、その中から選んだものを2階の生徒昇降口に設置したショーケースに移動しました。太東生の栄光の歴史ですので、皆さんに見てもらいたいと思います。

 気づいた人もいると思いますが、今日、1階の大学合格者等の掲示板から名票がすべて取り外されました。今度は3年生の皆さんの番です。「スペースが足りない!」という嬉しい悲鳴が聞けることを願っています。

変身願望ありますか?

 早いもので、今年もあと2か月となりました。今日は、ハロウィンですね。皆さん、「Trick or Treat!」という言葉を言い合っていたのでしょうか。「Trick or Treat!」は、「お菓子をくれないと、いたずらしちゃうぞ」ととらえていましたが、分かりやすく語を補うと「Treat me, or we'll trick you」らしく、日本語にすると「もてなせ、さもなければ悪事を働くぞ」という意味になるみたいです。バレンタインデーやホワイトデーのようにお菓子業界の仕掛けにまんまとはまったのかもしれませんが、日本の子供たちにとっては、お楽しみ会が一つ増えてうれしいのかもしれません。朝のテレビで外国人観光客が「日本のハロウィンが世界で一番クレイジーだ」と話していました。日本のハロウィンは、単に仮装して(コスプレですね)騒ぐお祭りになってしまっています。渋谷での様子を見ていると、コロナは収束したわけではないのにマスクもせず、密になっていて、また感染者が増えるのではと心配になります。学校行事や部活、もちろん授業ができなくなるのは、もう勘弁してほしいです。

 日本では、コスプレも、十分市民権を得ているように思いますが、まだオタクのイメージが強いのでしょうか。顔までバッチリとメイクして本格的な衣装を着れば、誰かはわからなくなります。非日常性と自分以外の好きなキャラになる楽しさがあるのでしょう。パーソナリティ(人格)の語源は、ペルソナ(仮面)です。みんな人やTPOに応じて仮面を使い分けているとも言えます。パーソナリティとは、気質と性格を合わせたもので「その人らしさ」と言い換えてもいいかもしれませんが、今とは違う自分になりたいという願望を、みんな多かれ少なかれもっているのではないでしょうか。その願望を叶える場所の一つが、渋谷のハロウィンなのかもしれません。皆さんは、変身願望がありますか?

ぐんまハッピーDay!

 今日は、群馬県民の日で学校は休みですが、部活動を頑張っている生徒もたくさんいると思います。顧問の先生方、ありがとうございます。3年生は、勉強を頑張っていると思います。お疲れ様。昔、都道府県民の日について調べたことがあって、少し驚いた記憶があります。それは、そういう日がない府県が10、公立学校などが休日となるのは茨城県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・山梨県くらいということです。都道府県民の日が制定された由来は、廃藩置県だったり、名称が現在のものになったり、県域が定まったりというのが大半です。群馬県は、廃藩置県で1871年10月28日に初めて群馬県という名称が使われたことが由来です。

 ディズニーランドが、県民の日は、そこの県民で混むというのは、よく知られていますが、みんな関東ですよね。学校が休みになる都県では、郷土愛を育み地域の魅力に触れる機会とすることを目的に休校措置をとっているのだそうですが、皆さん郷土愛を育んでいますか。私は埼玉県民であり、群馬県の高校出身で就職も群馬県なので、県歌は、両方歌えます(*´∀`*)。特に埼玉県民の日はJR東日本を除く県内の鉄道が乗り放題となる一日乗車券が発売され、遊園地・動物園・水族館・博物館・映画館等の入園料が無料や割引になるそうで、他県からするとうらやましいですね。ただ、私はというと群馬県で働いているため仕事を休めず、子どもが小さい頃に県民の日に家族で出かけられなかったので、そんな埼玉県民の恩恵をほとんど受けたことがありません。埼玉と群馬の県境に住んでいる人で、同じ境遇の人は結構いるかもしれません。県民の日が学校休みというだけでも恵まれていると思いますので、有効に過ごしましょう。

朝日耀う通勤路

 私は、現在、通勤路の3分の1くらいを東に向かって車を走らせていますが、冬が近づくにつれて通勤時間帯の太陽の高度が低くなるので、眩しい朝日が目に入るようになってきます。本校の校歌の3番に「わが学び舎に 朝日耀(かがよ)う」とありますが、冬は、まさにそれを実感する季節です。東に向かって走るのは、トータルで13年目です。西に向かって走ったのは14年間で、朝日が信号に反射してしまい、何色かがわかりづらく恐い思いをしていました。あとは、北での勤務が5年です。館林にアパート住まいしていた時に南に向かって2年走りました。私が高校生の時は、北へ向かって「からっ風」に逆らいながら40分の自転車通学でした。通学だけで体が鍛えられたような気がします。生徒の皆さんの中には、通学に1時間以上かかる人も少なからずいると思いますが、ぜひ通学時間を有効に使うように工夫してみてください。メジャーリーグで活躍した松井秀喜さんは、「日本一のバッターを目指すなら心も日本一になれ」と山下智茂(星陵高校野球部監督) に言われ、往復2時間の通学時間に色々な本を読んでいたそうです。時間は、すべての人に平等に与えられています。どう使うかは、あなた次第です。

エネルギーって本当に大事

 今日は、原子力の日だそうです。(また、今日は何の日を使ってしまいました・・・) 1956年のこの日に日本が国際原子力機関(IAEA)に加盟したこと、また、1963年のこの日に茨城県東海村の日本原子力研究所の動力試験炉で、日本初の原子力発電が行われたことを記念して、日本政府が1964年に制定したそうです。原子力というと、福島の原発事故や原子爆弾など、あまりいいイメージがないかもしれませんが、どんなものでも人間の使い方次第で良くも悪くもなります。薬は毒になるし、科学で人の役に立つように開発されたものも軍事転用されれば、人を殺す兵器になります。

 私は、原子力というと手塚治虫先生の「鉄腕アトム」が思い浮かびます。妹の「ウランちゃん」や敵のロボット「プルートゥ」など、多くのロボットが登場しますが、ロボットを通して人間の心や行いについて考えてもらおうとしていたのかなと思いました。これからAIとロボット技術の発達によって、マンガのアトムの世界が出現するのでしょう。人間とロボットの共存する世界とはどんな世界になるのでしょうか。映画「ターミネーター」のように対立するようになるのでしょうか。それと、業田良家さんの「ゴーダ君」という4コマ漫画にでてくる「原子力のPRおじさん」が印象に強く残っています。原子力は危ないということを風刺しているのですが、それが非常に面白かったので、昔、政治経済の教材で使わせてもらいました。ゴミが捨てられずに掃除機ごとコンクリートで固めて捨てる原子力掃除機や、1度つけると1万年消えない原子力灯、お米を炊くと大きくなってしまう原子力炊飯器など、原子力の危険性や解決されていない問題などを風刺したものがたくさんありました。日本で非常に小型の原発が開発されましたが、今後の日本のエネルギー政策に注目です。

 現在、エネルギー問題は非常に混沌としています。エネルギーには、化石燃料やガスによる火力、原子力、水力、風力、太陽光、地熱、波力などたくさんあります。地球温暖化ガスの削減を目指して国際的合意もなされましたが、電気自動車の問題点が明らかになり、世界のエネルギー政策は現実の厳しさによって方針が大きく変わるかもしれません。これからガソリン代や電気代など光熱費が、どこまであがるかわかりませんが、世界情勢に注目してエネルギー問題について考えていきましょう。

主体的に学習に取り組むって?

 今日は、放課後に授業改善推進委員会というものがありました。学校は授業が命です。学校行事や部活動は、命を育む栄養となります。ですから、教師にとって授業改善は最重要課題です。先生方は、それぞれ自分が教える教科をおもしろくしたい、生徒に力をつけたいと考えて、授業改善の努力をしています。そして、授業をした後は生徒の皆さんの力を伸ばせたかどうかを確かめる必要があります。評価には観点別評価というものがあります。以前は、「関心・意欲・態度」「思考力・判断力・表現力」「技能」「知識・理解」の4観点でした。(ただし、5観点だったり3観点だったりするものもありました。教科によってバラバラだった評価の観点が、全教科で新しい3観点に統一されたのです)以前も「関心・意欲・態度」をどのように評価するかで、全国の先生方が悩んだものでしたが、学習指導要領が新しくなって3観点になり、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学習に取り組む態度」になりました。育てたい資質としての3要素のうち「学びに向かう力、人間性など」が、評価する観点として「主体的に学習に取り組む態度」になりました。そして、今度は「主体的に学習に取り組む態度」の評価で先生方は悩むことになったのです。生徒の皆さんは、「主体的に学習に取り組む態度」について何をどのように評価してほしいと思いますか。そもそも「主体的に学習に取り組む態度」って、どんな態度なんでしょう。具体的に説明できますか。ぜひ、皆さんの意見を聞かせてもらいたいものです。
 今から50年ほど前、京都大学の入学式の祝辞で総長が「京都大学は、諸君に何も教えません」と言ったそうです。あとに続く言葉は、これを書いた人の記憶が確かならば「諸君が自分で求めようとしなければ、大学では何も得られない」のようです。似たような話は、他の大学でもあります。AIの普及やネット社会の発展で、さらに社会の変化のスピードが増し、曖昧で不確実な時代が到来します。そんな時代を生きるためには、変化を前向きに受け止め、人生をより豊かにしていくためにどうすべきか主体的に考え出すことができる力、文科省のいう「生きる力」を育てることが重要となります。自分の頭で考えて主体的に動くことは、これからの社会に出て求められることです。高校生の時から、主体的に考え行動する態度を身に付けようとする心構えが大事です。ぜひ、そのことを意識して、高校生活を過ごしてください。

電球のぬくもり

 最近、めっきり秋めいてきましたね。毛布やこたつを出した家も多いと思います。今日も寒かったですが、明日も寒いみたいですね。受験生の皆さん、風邪をひかないように気をつけてください。今年は、インフルエンザも流行ると言われていますが、まだ、コロナが終息したわけではなく、みんなマスクをして気を付けているのにどうやったら流行るのでしょうかね?

 さて、肌寒い季節になると、思い出す歌があります。石川啄木の「秋近し! 電燈の球(たま)のぬくもりの さはれば指の皮膚に親しき」です。この歌に共感する人は、どのくらいいるでしょうか。実際に電球に触って、温かいと思ったことがありますか。実際には熱いです。よほど指先が冷えていれば別でしょうが。寒くなってくると、電気やガス、灯油といったエネルギーの有難さを実感しますね。東日本大震災の時、カセットコンロで暖をとったのを思い出します。ある日突然、当たり前のことが当たり前でなくなりますので、暖のとれる生活ができることに感謝しつつ、勉強を頑張ってください。

対話が大事!

 まず、次の文を読んでください。

 あまり成績のよくない学生がゼミに入れてほしいとやってきた。成績を理由に断ったのだが学生は、「今まで何をやっても中途半端だった。根性をたたき直すために入れてほしい。」と粘る。面白い。ゼミの内容を毎週家に持ち帰り、食事の時に両親に説明し、その結果を毎週リポートで提出するという条件をつけた。最初のリポートが面白かった。いつもはお笑い番組などを見ながら食事をする息子が突然「冷戦の崩壊」などと話し始めたから、親は笑ってまじめに取り合わなかったという。しかし、息子は真剣だ。毎週報告しなければゼミから放り出される。息子の熱意に親が引き込まれ、親子で話し合う様子が生き生きとリポートに表れるようになった。学生の成長はめざましかった。1年半のゼミの後、学生は就職試験を受けた。成長ぶりを見ている私には企業はこんな若者を見逃さないだろうと確信があった。学生は希望の企業に合格した。報告にきた学生に、最終面接の朝、両親はどんな言葉で励ましたかと尋ねた。頑張れでも落ち着けでもなかった。「今までやってきたことを全部発揮してこい!」だったという。親子が対話を続けていたからこそ出た言葉だと思う。作新学院大学特任教授小林和男 内外教育「ひとこと」より

 今の若者は、ネット中心でテレビはあまり見ないようですが、家ではどんな話をしているのでしょうか。対話的学習が重視されている現在、授業ではペアやグループでの学習が当たり前のように行われています。質のよい対話的な学びを積み上げていけば、次第に「知識とは、自分たちの手によってどんどんと良くなっていくものだ」という知識観を形成していけるのです。世界の教育現場では対話型、討論型が主流です。自分の考えを述べる、それに質問を受ける、それによって考えが深まり、当初考えていたより以上の多面的多角的な考え方ができるようになります。対話は、別に友達や先生、親などの大人だけが相手ではありません。偉大な先人たちの言葉がたくさん残されています。「自分ならどう考えるか」というときに、それまでに先人たちがどのように考えてきたかを学ぶことは、具体的に何かの役に立てるという勉強以上に重要な意味をもっているのです。太東の生徒の皆さんは、男女の仲が良いので、対話的学習や学び合いといった活動が、よくできています。今後も切磋琢磨して太東全体で力を伸ばしていけるように頑張っていきましょう。

ヒヤリ ハッと!

 最近、暗くなるのが早くなってきて、自転車通学の人は下校時に「こわいな」と感じることも増えてきたかなと思います。でも、車を運転しているほうもこわいんですよ。無灯火の自転車や上下黒のウェアでウォーキングしている人がいると、「事故にあいたいんか~い?」と突っ込みたくなります。私は、目の前で車の衝突事故を2回目撃しています。あと少しタイミングがずれていれば、巻き込まれていました。「あ~っ、ぶつかる、ぶつかる、ドーン」という感じで「全然、前を見てないだろ」というぶつかり方でした。時間に余裕がないと、どうしてもスピードを出したいと思ってしまいますが、急いでいる時ほど冷静にならないといけません。雨の日は特に自転車通学の人は気をつけましょう。自転車のタイヤを滑らすものはたくさんあります。学校の敷地内でも道路同様スピードを出して運転しないでくださいね。自分の安全は自分で守るしかありません。自爆事故はもちろん、もらい事故がないように周りに注意して登下校してくださいね。あと、ヘルメットをかぶりましょう。「つけててよかった」ですよ。

挨拶を進化させよう!

 今日は、県教育委員会から指導主事に来校いただきました。学校訪問と呼ばれるもので、学校の教育活動改善のための指導・助言をしていただくためのものです。生徒の皆さんの授業への取組や挨拶について、お褒めの言葉をいただきました。以前に学校評議員の方からも、挨拶についてお褒めの言葉をいただきましたが、さらに気持ちの良い挨拶が条件反射でできるように、意識してください。きっと、その習慣は今後の皆さんの財産になるはずです。それと、学校のウェブページの発信力について高評価をいただきました。生徒の充実した楽しそうな学校生活の様子が、学校行事や部活動の記事からよくわかるとのことです。先生方は、生徒の皆さんに色々な力をつけてもらうために、授業に学校行事に部活動にと日々頑張ってくれています。これからも、みんなで力を合わせて、太東をより楽しく充実した学校生活が送れる場所にしていきましょう。

過去と他人は変えられない?

 「過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる」エリック・バーン(カナダ精神科医・心理学者) 

 有名な言葉なので聞いたことがある人も多いと思います。皆さんは、この言葉を読んだ時、「そのとおり!」と同意しましたか?それとも、「いや、違う」と否定しましたか。普通は、タイムマシンでもない限り過去は絶対変えられないと思いますよね。過去を変えるのと同じくらい他人を変えるのは難しいということを言っています。だから他人を変えようとして思い通りにいかずイライラするくらいなら、自分を変えたほうが精神的にいいよということですね。「いやなことは、その日のうちに忘れろ。自分でどうにもならんのにクヨクヨするのは阿呆だ。」と田中角栄は言っていますが、似たようなことを言っている人は他にもいます。過去のことをいくら悔やんだところで、過去は変わりませんからね。

 では、過去と他人を変えられると思った人は、なぜ、そう思ったのでしょうか。仏教学者の柴田泰山に次のような言葉があります。「こうありたい」という未来を決めれば、今ここですべきことが見えてくる。すると、過去に向き合う自分も変わり、やがて過去の様々な出来事の意味も変わる。だから過去は変えられる。

 事実は事実として存在しますが、それに対して幸・不幸などの価値付けをするのは人間です。自分の意識を変えれば、過去を変えることができるのです。他人にたいする意識も、変えることができれば変わるということです。すべては、自分次第ということですね。他人も過去も変えて、未来も変えられるように自分の意識を変えられるようになるといいですね。

日本の文化カラオケ

 生徒の皆さんの中で、カラオケをしたことがない人はどれくらいいるでしょうか。友達や家族、恋人と行くだけでなく、一人カラオケだってありです。今日10月17日は、「カラオケ文化の日」だそうです。「カラオケは我が国が生んだ最大の娯楽文化」との認識から、カラオケを通じた文化活動の支援や文化交流を行い、その普及を図ることを目的として一般社団法人・全国カラオケ事業者協会(JKA)が1994年に制定したそうです。カラオケは、スキヤキ、スシ、ゲイシャなどと同様、海外で通用する日本語です。カラオケボックスが普及していなかった昔は、飲食店で1曲100円払って歌っていたものです。近年のカラオケの進化には、すさまじいものがありますね。近いうちに好きな歌手の声で歌うことができるようになりそうです。コロナ禍で、私はもう2年半カラオケに行っていませんが、気にせず行っている人は行っているのでしょうね。私は、まだ立場上行き辛いのですが、2年生の皆さんも、修学旅行前にコロナに感染しないように自重してくださいね。コロナを気にせず、みんなが大きな声で歌を歌える日が1日も早くくることを願っています。

うまい話と断る力

 今日は、群馬県高等学校PTA連合会東毛地区指導者研究集会(長い!)というものがあり、出かけてきました。その後半で「成年年齢引き下げと若者の消費者トラブル ~親として知っておきたいこと~」という講演がありました。高校3年生は、未成年ではなくなるので、金銭トラブルに巻き込まれる人が増えます。結論から言うと、「うまい金儲けの話には絶対のるな」です。欲をかいて楽して儲けようと思えば、大体失敗します。最悪の場合、失敗するだけでなく友達も失います。それと、話の中で一番印象的だったのが、強く勧誘されると断れない人の割合が、全世代の中で10代、20代の人が大変多かったということです。あなたは、はっきり断ると悪いんじゃないかと思って、答えをにごして曖昧に答えてしまうほうですか?1989年に「NOと言える日本」という本がベストセラーになりましたが、日本人は自己主張が下手と言われます。よくとれば謙虚で奥ゆかしい、ことを荒立てるようなことは避ける、とでも言えるのでしょうか。「結構です」「いいです」という言葉は、「YES」「NO」どちらにもとれます。日本語には、曖昧でぼかす表現が多く、直接的な表現を避けて言葉と態度から察する文化があります。講演の中で、「先輩から誘われた時のセリフを考えよう」という質問がありました。先輩は「簡単に儲かる話があるんだ。この後、ご飯でも食べながら、一緒に話を聞かない?」と言っています。あなたなら、どんな言葉で断りますか?100%の正解というものはありません。ぜひ皆さんの断るセリフを教えてください。

趣味と仕事

 皆さんには、趣味がありますか?自己紹介で話したり、面接で聞かれたりしますよね。何か趣味がないと、つまらない人間みたいに思われるのが嫌で、とりあえず無難に「音楽鑑賞」とでもしとけ、みたいな人もいるかもしれません。私は、趣味って自分が好きでやっていることで、人に自慢したり、ひけらかしたりするものではないと思うので、「昼寝」とか「ボーっとしてすごすこと」だって全然いいのではないかと思います。若い芸能人が、似たようなことを言っていたので、同じことを考えている人も多いのではと思いました。ただ、趣味はある程度継続的にやっているものというニュアンスがあるので、「単に好きなもの」と「趣味」の分かれ目は、そこかなと思います。一番幸せなのは、趣味が仕事になることかもしれませんが、仕事になると辛くなることもあるので、趣味は趣味のままにしておきたいという人もいることでしょう。仕事がおもしろいので、ほかに趣味などいらないという人もいます。結局、仕事と趣味は、その人の生き方に関わってくることなので、何でもありなのかなと思います。ただ、自分の世界を広げるという意味で、いろいろなことにチャレンジして、それが趣味になったり、仕事になったりして誰かの役にたてたらいいなと思います。皆さんも、若くてエネルギーがあるうちに、いろいろなものに興味をもってチャレンジしてください。そして、趣味の合う友達を見つけてください。

真実はいつも・・・

 私は、専門が歴史なので歴史的に重要な出来事があった日は、記憶しているものも少なくありません。皆さんは、10月12日が歴史上どんな日か知っていますか? 1492年のこの日、イタリアの探検家・航海者クリストファー・コロンブスが率いるスペイン船隊が新大陸アメリカに到達したので、これを記念して10月12日は「コロンブス・デー」と呼ばれます。ただ、実際には最初に上陸したのはアメリカ大陸ではなく、西インド諸島でした。この日はアメリカの多くの州で祝日となっており、1970年より月曜休日統一法によって10月の第2月曜日となりました。現在、「コロンブス・デー」は、アメリカで多くの公共施設が定休日となり、企業や学校も休みとなる場合があるそうです。また、コロンブスの新大陸発見はスペイン王室の支援により達成され、スペインにとって中南米への植民地建設への第一歩を記した記念日でもあるため、10月12日はスペインでは「イスパニア・デー」という国民の祝日になっており、首都マドリードでは伝統的な軍事パレードが毎年行われているそうです。さて、私が、「コロンブス・デー」について書いたのは、別にコロンブスを讃えるためではなく、この象徴的な日を通して歴史の見方について考えてほしいと思ったからです。コロンブスの新大陸発見は、大西洋を横断する貿易の航路を見出すのには役立ちましたが、スペインの植民地化を進めるきっかけにもなり多くのアメリカン・インディアンの命を奪ってしまうことにもつながりました。アメリカにはコロンブス・デーに反対する人たちもいて、代わりにアメリカ先住民の日としてお祝いする州もあります。中南米全体の傾向として、スペインによる侵略と殺戮、略奪が始まった日として、特に先住民系の人たちによる抗議デモも行われています。歴史は、勝者によって書かれます。味方を変えると、コナンみたいに「真実はいつも一つ!」なんて言えないのです。歴史を勉強するときは、事実とされることを鵜呑みにせず、陽の当たらない裏にまで目を光らせることが大事です。色々な面で、プロパガンダに騙されないようにしましょう。

協働>競争

 「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本が、2009年に刊行され、大変話題になりました。ベストセラーとなり、その後、アニメ化・漫画化・映画化もされました。ドラッカーは、マネジメントの大家であり、ビジネスマンなら彼の本を読んだことのある人は、多いと思います。マネジメントについては、たくさんの本が出ており、本質は同じですが、その方法は色々あります。マネジメントとは、「経営管理」や「組織運営」といった意味で、ヒト・モノ・カネを効率的に活用し、「目標」や「ミッション」の達成を目指すことです。日本型経営の特徴として、「年功序列型賃金」と「終身雇用」がありますが、経済のグローバル化によって「成果主義」が取り入れられるようになり、日本の職場も変わってきているかも?しれません。?と書いたのは、なかなかうまくいかなかったという記事を読んだことがあるからです。仕事の種類や業務内容が多岐にわたっているため、評価が難しいことや、短期で成果をださなければならず、長期的取組に支障がでるなどのデメリットがあげられました。社内の同僚との競争も激しくなり、職場の雰囲気が悪くなったということも言われました。この組織マネジメントが、学校に取り入れられるようになってからもう20年近く経ちます。

 新しい学習指導要領では、「協働」が重視されていますが、社会的活動というのは「協働」であって「競争」ではありません。集団で作業し、それぞれがその専門的知識や技術を提供しあい、その協働の成果はみんなで分かち合うのが理想です。

 こんな例え話がありました。Aくんはある教科でいつも100点をとる。Bくんは80点しかとれない。でも0点ばかりとっているCくんを気の毒に思って勉強の仕方を教えたので、Cくんは30点とれるようになった。受験の場ではAくんの評価が高いが、労働の場ではBくんの点数にCくんの点数が足されるのでBくんの評価が高くなる。

 この話を読んで、あなたはどう思いましたか?勉強でも、部活でも、学校行事でも「協働」が大事だと思いませんか?社会では、損得だけで動いていたら、「協働」なんてできませんし、大きな仕事なんてできませんね。

頼られるって嬉しい?

 中間考査が終わり、皆さん解放感に満ち溢れていることでしょう。ただ、これから新人戦がある部活の人は、早く練習したいのではないかと思います。ここのところ寒い日が続いていますので、受験勉強を頑張っている3年生、部活を頑張っている1、2年生、体調に気を付けてくださいね。

 今日は、午後から太田市立北の杜学園で太田地区中高生徒指導対策協議会があり、出かけてきました。北の杜学園は、太田北中が太田東小学校、韮川西小学校と統合して令和3年4月に開校した小中一貫校です。皆さんは、小学校1年生から中学校3年生までが同じ敷地内で、いろいろと関わりながら学校生活を送っている姿が想像できますか。学年が上の児童・生徒が、お兄さん・お姉さんになって頼られることで、自己有用感が育まれていきます。本校のサブリーダー制が、広い範囲で有効に機能している印象でした。説明を聞き、見学させていただき、子ども達の様子が非常にほほえましく感じました。本校には、リーダーシップがとれ、面倒見がよい生徒がたくさんいると思います。今後も、上級生の下級生への面倒見のよさを本校のよき伝統として伝えていってほしいと思います。この伝統は、卒業生が後輩のために非常に協力的であるということにもよく表れています。在校生の皆さんも、卒業後に後輩達への支援について頼られた際には、よろしくお願いしますね。

AIが止まらない

 先日届いた「月刊日本教育10月号」に、熊本市教育長の連載記事があるのですが、その中に完成度の高い絵を描くAI(人工知能)のサービスの話がありました。私も「AIが描く絵」で検索してみましたが、驚くほどの出来栄えで、短時間でできるみたいです。ただ、誰でもすごい絵が描けるわけではなく、ソフトウェアを使いこなす技術のほかに絵の才能もある程度必要なようですね。

 私が中3のときに読んだ筒井康隆の短編SF小説に「暗いピンクの未来」というのがありました。未来では、画家という職業はなくなってしまい、コンピュータが絵を描くようになり、デザインにも進出してきます。プログラマーの天下になるわけです。ただ、漫画家は生き残っています。40年以上前に、予言していたわけですね。パソコンを初めて買ったころ、ペイントソフトで、元絵を「印象派風」「水墨画風」「点描風」「水彩画風」「油彩風」などと、変えられるものが既にありました。AIを使って絵を描くようになっても、驚くほどのことではないのかもしれません。そのうち、AIを使ってヒット曲を生み出すのが、普通になってしまうかもしれません。よく考えたら、AIは、Artificial Intelligenceの略でart(芸術)が入ってるんですよね。

 これから、さらにAIが進化していくと、ロボットの開発と歩調を合わせて現在ある人間の仕事を徐々に奪っていくことでしょう。AIに代替できない人間の能力とは何か。これから皆さんに、身に付けることが求められる力とは何なのか。すぐ身につくことは、すぐ役立たなくなります。じっくり腰を落ち着けて、汎用的能力を育てていきましょう。

学問の本質

 今日から2学期の中間考査が始まりましたが、皆さん、勉強は計画的にできたでしょうか。今日は、高校で勉強している内容が人生で役に立つのかと、悶々としている人に少し例をあげてつぶやき?ましょう。
 一つ目は、1868年から1894年にかけて4回英国首相を務めたウィリアム・グラッドストンの逸話です。彼は、オックスフォード大学で数学の天才と呼ばれていましたが、大学に入る前は最も嫌いな教科が数学であり、そのせいで進級も危ぶまれていました。「数学のない学校に転校させてほしい」と父親に手紙を書いたくらいです。父親は「おまえは数学が嫌いだというが、本当に身を入れて数学を勉強したことがあるのか。(中略)不得意なものに挑戦してそれを克服することは、将来社会に出て、おまえが出会うかもしれない大きな困難をも克服することになる。転校を口にする前に、私の言うことをかみしめてほしい。」この言葉を聞いて、彼は数学に挑戦しました。どんな分野でも天才と呼ばれる人が生まれたときからそうだったわけではありません。自分のもっている能力や体力を十分出すために努力することの大切さをグラッドストンの逸話は教えています。
 二つ目は、企業が文系人材の採用で重視していることと、その理由です。重視するのは、「大学入試をきちんと突破した」ことなのです。言い換えると「受験勉強を最後までがんばれたか」なのです。三角関数や微分・積分は、一部の専門的職業を除き仕事で直接使うことや、日常生活で使うこともありませんが、それを理解できる能力や、理解はできないまでも公式を覚えて問題を解ける能力は、仕事でも有効で汎用性があります。勉強していることで、生活に直接役立たなくても、汎用的な能力育成に役立っていることがたくさんあるのです。私は、選択教科を極力少なくして昔のようにほぼ全てを必修にしたほうがよいと考えている人間です。地歴公民、物化生地、美術など、高校では全員が履修するべきです。文系理系分けもそうすれば、3年からで十分です。
 今、注目されているのは、数値で測ることが困難な非認知能力です。協調性、コミュニケーション力、主体性、自己管理能力、統率力、創造性、探究心などです。これらの能力は、学校での全ての教育活動を通して育まれていきます。文系理系は関係ありません。高校の時点で、全国一律に生徒を文系理系なんて画一的に分けるのは、世界でもおそらく日本だけのようです。(間違っていたら教えてください) 自分から興味をもって勉強することだけでなく、興味をもてなくても、やっているうちに面白さがわかるものもあります。若いうちは偏らずに幅広く勉強したほうがいいと思います。長いつぶやきになってしまいました。残りの定期考査、頑張ってください。

「あなたの長所は?」

 9月30日に、3年次生のLHRで、「心の教育」が行われました。 ストレスを感じた時に生じるストレス反応への対処法であるコーピングについてスクールカウンセラーの先生に講義・演習をしてもらいました。その中に「自分が短所だと思っているところが、見方を変えると長所になることを知る」という演習がありました。面接のマニュアル本は、たくさん出ていますが、短所を聞かれたときに馬鹿正直に答えるのではなく、長所にとれるように言い換えるというのは昔からありました。

 たとえば、「優柔不断」は「慎重すぎるところがある」、「あきっぽい」は「好奇心が旺盛なので、新しいものに気が移りやすい」などです。長所と短所は、背中合わせなので他人から見れば、その人に好意的かどうかで逆転すると思います。実は、多くの人は気付いていないかしれませんが、自分をよく知っているのは自分ではなく、周りの家族・友人・同僚です。人は、社会の中で生きているので、生きる行為が自己完結していない限り、自己評価でなく、他者評価によってその存在が認識されています。ですから、「自分は優しい」と自己評価していても、他者からそう評価されていなかったら、自分を客観的に見られていない、メタ認知ができていないということになります。イギリスの名門校の卒業までの目標に、「自己評価と教師の評価が一致すること」というのがあります。自分を客観的に見つめるということ、自己理解が、いかに難しいかがわかりますね。日本の小学校で、児童の長所について質問したとき、児童だけでなく保護者もあまり答えられなかったという笑えない話がありました。人は、お互いに評価しあって尊重しあって生きているので、必要以上に自分を低く評価することはありません。自分にも他者にも、マイナスをプラスに変えて評価できるようになるといいですね。

元気ですか!

 アントニオ猪木さんが、79歳で亡くなったというニュースが、連日報道されています。皆さんのような若い人でも「元気ですか~!」「元気があれば、何でもできる!」「1、2、3、ダ~ッ!」は、見たり聞いたりしたことがあると思います。ただプロレスラーとしての全盛期にタイムリーで見ていた人は、私と同年代以上でしょう。1970~80年代にプロレスブームがあり、個性的な外国人レスラーも多数参戦し、漫画の「タイガーマスク」が現実の選手として出てきたりしました。

 小学生の時に、プロレス技を休み時間に掛け合うことが流行りました。四の字固め、コブラツイスト、卍固めなどでしたが、足の骨を折る事故が起こり、禁止になりました。(笑) 仮面ライダーのライダーキックが禁止になったのと同じですね。プロレス漫画も多く、描かれました。「1・2の三四郎」「プロレススーパースター列伝」が、最も記憶に残っています。アニメは、「タイガーマスク」が正統的プロレスでは最初で最後かと思います。

 プロボクシングファンとプロレスファンは、真剣勝負か筋書きのあるショーかで喧嘩になることも多かったと聞いています。ただ、強靭な肉体がないとやっていけないのがプロレスラーであることは間違いありません。一般の人がやったら、すぐ病院送りになってしまうでしょう。

 ですから、アントニオ猪木さんが、55歳まで現役で活躍されたのは、すごいとしか言いようがありません。皆さんも、自分が元気であることは、もちろんですが、周りに元気を伝染させられる人になってほしいです。できる範囲で。

アントニオ猪木さんの御冥福をお祈りいたします。

うちの家族はみんなが悪い

 どこで読んだか忘れましたが、こんな話がありました。
 今日私が学校から帰ると、お母さんが「お兄ちゃんの机を拭いていて金魚鉢を落として割ってしまった」といいました。 するとお兄ちゃんは「僕が端っこに置いておいたから、僕が悪かった」といいました。でも私は思い出しました。昨日おにいちゃんが端っこに置いたとき私は「危ないな」と思ったのにそれを言わなかったから私が悪かったといいました。夜、帰ってきてそれを聴いたお父さんは「いや、お父さんが金魚鉢を買うとき、丸いほうでなく四角いほうにすればよかったなあ。お父さんが悪かった」といいました。そしてみんなが笑いました。うちはいつもこうなんです。うちの家はいつもみんなが悪いのです。

 この話を読んで、あなたはどう思いましたか。「気持ち悪い」「偽善的」と感じましたか。「みんな、人のせいにしなくてすごい」「お互いに思いやりがある」と思いましたか。よく日本人は「すみません」を連発する民族だと外国人には不思議がられるようですが、この話は日本人の国民性を大袈裟に表現しているのかもしれません。すべての家族がこんなだったら、「叱る」「怒る」状況は家庭にはなくなるのでしょうね、

 これと似た日本人の国民性を表す話として榎本博明(MP人間科学研究所代表)によるもので、『欧米などの「自己中心の文化」では、コミュニケーション能力は「相手を説得するための手段」であるのに対して「間柄の文化」の日本では、「よい関係を築くための手段」となっており、また、「対話」も欧米社会では「自分の意見を押し通すための手段」であるのに対して、日本社会では「相手と調和して落としどころを探るためのものである』というものがあります。日本は、聖徳太子の十七条の憲法の第1条にある「和(やわらぎ)を以て貴しと為し、忤(さか)ふること無きを宗とせよ。」の文化が根付いている国なのでしょう。

クリーニングとアイロンがけ

 なるべく「今日は何の日」は使いたくないのですが、最近はつい頼りがちです。今日は「929」の語呂合わせで「クリーニングの日」だそうです。私は、大学から社会人にかけて1人暮らしをしていたので、アイロンがけも自分でやっていました。社会人になってからは、週に5枚はワイシャツのアイロンがけをするわけですが、ある日ふと思いました。ワイシャツ1枚のクリーニング代が120円なので5枚で600円です。5枚洗濯してアイロンがけする時間と手間を考えると、クリーニングに出したほうがきれいになるし、いいんじゃないかと。そして、クリーニングに出す味を覚えました。今は、アイロンがけは私の仕事なので、クリーニングに出さずにアイロンがけしています。ただ、スーツは流石にクリーニングに出していますが、ワイシャツと違ってクリーニング代が高いので「出さなくても別に大丈夫じゃないかな」と思ったりしますが、「1年に1回だから出すか」とあきらめて出しています。クリーニングのプロの人の技をテレビで見たことがありますが、お気に入りの服にシミがついたときに、とってもらえたら本当にうれしいと思います。どこの世界にもプロはいますが、日本人の職人魂と研究熱心さはすごいと思います。皆さんは、どんな道でプロを目指しますか。天職に巡り会えるように頑張ってください。

パソコンの思い出

 今日9月28日は、NECが1979年に初めてパソコンを発売したのでパソコン記念日だそうです。私もパソコンとは長いつきあいになりますが、初めて買ったパソコンは、NECのB5ノートブックでした。28歳の時で、当時30万円くらいしたのを覚えています。(なんと内蔵ハードディスクは540MBしかありませんでした。それでも当時は最も多いほうでした) 今はパソコンが高機能で安くなって、隔世の感があります。学校での生徒1人1台パソコンも実現し、1980年代のマンガに定期試験をパソコンで受けているシーンがありましたが、近い将来現実になりそうですね、私が自宅で使っているSONYのノートパソコンは、もう13年使っています。デザインが気に入っているのでWindows7のサポートも切られていますが、使い続けています。これまでに使っていたノートパソコンは全部で6台ですが、平均使用年数は3年くらいですので、今のパソコンの使用年数がいかに長いかがわかります。学校では、9月に校長室のパソコンがデスクトップからノートになり、ワープロソフトの一太郎が使えなくなって、仕事に大変支障をきたしています。ただ、これからウェアラブル端末が進化して、キーボードは消滅し、しゃべればすべて済む時代がくるのも遠くないかもしれません。私が退職する前には、無理でしょうが・・・。皆さんが、社会人になるころにはどんなパソコン環境になっているでしょうか。世界中の人と端末を介して普通に話せる日も、近いかもしれません。

「耳」+「目」「心」=「?」

 以前に「吐く」が「叶う」になることについて、こじつけだとわかっていてもわかりやすくて好きだと書きました。今日は、それと同じくらいわかりやすい漢字について書きます。皆さんは、音に関する「きく」という漢字をいくつ書けますか。「聞く」「聴く」「訊く」がありますが、普通に使うのは「聞く」ですね、人の話を真摯な姿勢で聞くことを「傾聴」といいます。カウンセラーの聞く姿勢が「傾聴」です。「聴」は、「耳」に「目」と「心」をプラスしてできています。「+」を「プラス」でなく「十分な」ととってもいいかもしれません。相手をよく見て、心を込めて聞くのが「聴く」です。教師に求められるのも、「聴く」です。生徒や保護者の話を、いかに相手が「よく聴いてもらえた」と思えるまで聞けるか。途中で口を挟まないで聞けるか。相手の話をよく聞いてこそ、それを材料として説得力のある話ができます。「話し上手は、聞き上手」という言葉がありますが、私が真っ先に思い浮かぶのは、明石家さんまさんです。彼は、しゃべりがすごい印象が強いですが、ゲストの話をよく聞き、それらを繋げられる頭の良さがあるから、たくさんの人の話をうまくまとめられるトークができるのだと思います。昨今の学校教育では、学び合う対話的活動が重視されていますが、話をよく聞いてくれる人には好感がもてますよね。皆さんも、自分の意見をよく聴いてもらえるように、相手の話をよく聴けるようになってください。

firework? flowerじゃなくて?

 雨が心配されていましたが、24日(土)の18時30分から大泉の花火大会が実施されました。刀水橋の東側が打ち上げ場所だったので、利根川を挟んで自宅からよく見えました。コロナで自粛になってから、今年は花火大会もやっと復活してきましたが、やっぱり実際の花火はいいですね。腹に響く「ドン!」という音が心地良いです。中心から円形に広がるのではないグラデーションの花火は初めて見ました。この2年で花火も進化していますね。全国で花火大会が中止になって花火師の方々もさぞかし残念だったと思います。花火師は一人前になるまで10年以上かかるそうで、以前にテレビで仕事の様子を紹介していたのを見ましたが、本当に職人芸で日本人の感性が生きる仕事だなと思いました。VRが進化していますが、まだまだ本物にはかないません。風、匂い、音、気温など花火の光だけでない要素まで再現できるまでは、まだまだ時間がかかるでしょう。

 花火大会が終わると、暗くなった夜空を見上げ「祭りの後の寂しさ」を感じます。お金と時間と労力をかけて作った作品が、一瞬で輝いて消え去っていく。演奏されて消え去っていく音楽に似ていると思います。花火は、作ってくれた花火師さんに感謝し、しみじみと余韻をかみしめて見たいものです。ちなみに花火は英語で「firework」(火の作品)だそうですが、火の職人さんが作った作品ということですね。花火大会で打ち上げられる花火もいいですが、コンビニ等で買えて、みんなで庭で楽しめる花火もいいものですね、みなさんは、今年は花火をしましたか。夏の終わりに線香花火もいいものですよ。

紛争をなくすには・・・

 今日9月21日は、国際平和デー,世界の停戦と非暴力の日(International Day of Peace)だそうです。ウクライナとロシアは、戦争を停止したのでしょうか。
コスタリカの発案により1981年の国連総会によって制定され、当初は国連総会の通常会期の開催日である9月第3火曜日でしたが、2002年からは9月21日に固定されたそうです。2002年から、この日は「世界の停戦と非暴力の日」として実施され、この日一日は敵対行為を停止するよう全ての国、全ての人々に呼び掛けているそうです。

 私の漫画蔵書の中に「THE STAR」というものがあります。これは、演劇の素人が、世界的な俳優に成長する物語です。この最終回で、主人公が演技で世界中の紛争を停める話があります。漫画ではありますが、地球上のすべての場所から人類史上、初めて争いが消えたのです。残念ながら「平和のためには、とりあえず戦争が必要だ」という言葉もあります。日本では、江戸時代が泰平の世が長く続いた時代として記憶されていますが、そのために多くの血が流されました。そして、幕末にも多くの血が流されました。歴史や公民の授業を通して、平和を維持するためには、何が必要なのかを考えてください。

台風と運

 台風14号が、日本列島に爪痕を残して行きました。各地の被害状況をTVで見ながら、台風の進路予想から群馬県は今回も影響はあまり受けないだろうなと思っていましたが、やはりそのとおりになりました。今朝も生徒の登校時間は雨が止んでいて、1時間目が始まるくらいにザーザーと降ってきました。全く運がいいです。         TVでは、新築したばかりの家が浸水してしまい、「泣きたい」と言っている人が映っていました。沖縄や九州の人は、台風シーズンは何度も被害を受けて、気が休まらないのではないかと思います。災害が少ないところに住んでいると、被害のニュースを見るたびに何か申し訳ない気持ちになります。以前に天気のことについて、農家の方は明るくあきらめているということを書きました。自然の猛威の前には、人間なんて本当にちっぽけな存在で、あきらめるしかないのかと思います。ただ、ちっぽけなんだけど人間は強いなと思います。時間がかかってもあきらめずに復興して、手強い自然となんとかやってきているわけですから。これから科学が進んで、気候をコントロールする方法が見つかればいいんですけどね。台風を爆弾で消すなんて物騒な方法はなしで。これから修学旅行シーズンになりますが、コロナ禍でも今年は実施に向けて動いているところがほとんどだと思いますので、台風に邪魔されないように祈っています。

See you again next year!

 本日、無事オープンスクールが終わりました。先生方、生徒のみなさん、ありがとうございました。心配していた午後の天気も崩れることなく、部活動見学をしてもらえました。受付の40分前に正門を入ったところに女子生徒がいて、そこにいたら暑いよと思って見ていたら、日陰に歩いて行ったので安心しました。校内にあふれている中学3年生が、とても初々しく感じました。中学校の先輩と目があったのか、お互いに笑顔になっている様子も見られました。校内を巡回している中で、「こんにちは」と挨拶してくれる生徒も多くいました。授業中なので、控えめに答えました。教室の廊下側に張り出されていた大学ランキングを熱心に見ている生徒も見られました。もう志望大学が決まっているなら、本校の求める生徒像に合致しますね。高い目標に向かって努力が継続できる生徒を求めています。部活動も熱心に見ていましたが、どのような感想をもったでしょうか。学校説明会の動画や実演も好評でしたが、やはり実際に見てもらうと、熱気と迫力が伝わるのではないかと思います。ぜひ、合格して入学した暁には、部活で頑張って太東を盛り上げるために貢献してもらいたいと思います。今日、オープンスクールに参加してくれた皆さんが一人でも多く本校を志願してくれることを願っています。本日、本校に入学したいという思いを強くしてくれたなら、これからの受験勉強を諦めずに頑張ってください。応援しています。

ウェルカム トゥー 太東!

 さて、明日はオープンスクールです。各中学校から皆さんの後輩である中学3年生が、午前と午後に分散して来校します。皆さんの授業を受けている姿と、部活動の様子を見学します。太東を来年ぜひ受験したいと思わせられるようなかっこよく凜々しい姿を見せてください。校舎内の清掃も、今日は少し気合いを入れてやってもらえたと思います。ただ、残念ながら、明日の部活動の時間の天気が微妙です。なんとか6時まで雨が降らないように祈っています。皆さんの活気ある部活動の様子を、見て帰ってもらいたいですね。それでは、明日は太東のいいところをたくさん見て帰ってもらいましょう。今後の太東が、ますます元気になるように協力をよろしくお願いします。

球技大会無事終了に感謝!

 球技大会2日目が、終了しました。円滑な進行に協力してくれた関係部活の生徒のみなさん、企画運営に頑張ってくれた生徒会のみなさん、そして御指導いただいた先生方、ありがとうございました。登校時のマナーアップ運動中にも小雨がやまない状況には「あれっ?」と、心配になりましたが、昨日よりも大分気温が下がって、熱中症の危険度が下がってよかったです。昨日並に暑かったら、綱引きも大変だったでしょう。体育的行事の時は、いつも怪我人が出ないことを祈っていますが、700人以上の生徒がいて、熱くなって試合をしていますので、今までに勤務した学校で「怪我人ゼロ」は記憶にありません。つい、アドレナリンが出過ぎて、プレーも頑張りすぎることもあるでしょう。昔は、体育祭でも過激な競技が多かったため、怪我人も多かったと記憶しています。危ないということで、小中学校でも人間ピラミッドやタワーといったものは消えつつありますが、安全に十分配慮した上で、あえて困難なものに挑戦させるということも時には必要かなと個人的には思います。ただ、明らかに10段ピラミッドは、危険だと思いますが・・・。話がそれました。

 学校行事や学年次行事、クラス行事などは、勉強以外で、様々な力を伸ばす大事な教育活動です。学校は教科の勉強だけをする場ではなく、コミュニケーション能力や協働というものを学ぶ場でもあります。もちろん、対話的な活動が普通になって、教科学習でもそれらを同様に学ぶようになってきました。学校行事での感動が大きいほど、受験への切り替えもうまくいくということを、以前にブログで書きました。3年生のみなさん、思い出に残る球技大会になりましたか?受験勉強にも同じようにエネルギーを注いで頑張ってください。

球技大会1日目お疲れ様!

 球技大会1日目が、熱中症やけが人もなく、無事終了しました。生徒会のみなさん、各競技の進行担当の先生方や救護担当の先生方、大変お疲れ様でした。ありがとうございました。朝は、曇っていていい感じの天気でしたが、晴れて暑くなり、体育館の競技は暑くて大変そうでした。特にバドミントンをやっていた第二体育館は、サウナみたいな暑さで、昔、バドミントン部の試合の応援に行った時の暑さを思い出しました。バドミントンや卓球は、風の影響を受けないように締め切ってやるので、大変です。第一体育館も応援の生徒は中に入れないので、外に鈴なりになっていて、少し心配になりました。「きゃーっ」と歓声が聞こえると、ちゃんとマスクしてるよなと気になってしまいます。校庭でやっていた玉入れも、多くの生徒が参加していて、よかったです。いろいろと制限付きでの開催になってしまった今回の球技大会でしたが、思っていたよりも生徒のみなさんが楽しんでいる様子が見られてよかったです。あと1日ありますが、明日の朝は、発熱等の連絡がなく、全員無事で笑顔で閉会式ができるように祈っています。最後まで頑張って盛り上がりましょう。

球技大会の光と影

 明日は、いよいよ球技大会ですね。体育祭の時と違って天気の心配をしないで済んだのは良かったですが、代わりにコロナ感染が心配です。1、2学年が学年閉鎖しているところや、球技大会の後に感染者が増えたところもあります。原因は昼食時の会話だそうです。二日間、大いに楽しみ、クラスの親睦を深めてもらいたいですが、感染対策は十二分に注意して行ってください。特に3年次生は、大事な時期ですので、注意しすぎてしすぎることはありません。推薦入試の日に行けなくなるなんてことがないように、自己管理してください。新人戦もこれからです。怪我とコロナに気をつけましょう。
 さて、今日は私の球技大会の思い出について、少し語りましょう。中学・高校の球技大会は、バレーボールとバスケットボールに出ていましたが、楽しかったですね。教員になってからは、職員チームで、バレーボール、バスケットボール、テニスに出て、大人げなく優勝したこともありました。体力や筋力が衰えた分、テクニックでカバーしていた感じです。若い頃と同じ気持ちでやってしまうと、必ずケガしたり、どこか痛めたりします。今や、アキレス腱断裂、肉離れ二回、テニス肘治療中と満身創痍で、あちこちの身体の痛みと闘っています。若返りの薬を求めた権力者の気持ちが、今ならよくわかります(笑´∀`)。まぁ、つまらない年寄りの思い出話は、このくらいにしておきましょう。
 今回の球技大会は、思い切り応援することができずに非常に残念です。無観客試合の味気無さは、コロナ下で、実感しました。応援が選手に与える力は、非常に大きいものがあります。特にそれが異性なら、なおさらですね。それでは、二日間球技大会ができることに感謝して、ルールを守って楽しんでください。

シャウト効果

 校長室にいると、校庭から野球部やサッカー部、日によってはチアリーディング部の元気のいい声が聞こえてきます。また、吹奏楽部の音やバスケ部のバッシュのスキール音が聞こえてきます。非常に活気にあふれている様子が伝わってきて、高校の放課後の音という感じで好きなのですが、十分離れずに大きい声を出していると、コロナが飛沫感染しそうで心配になります。大声を出すのは、ストレス発散になるし、練習を活気づけます。私はカラオケが好きですが、コロナ騒ぎが始まって2年以上、行けていません。仕方ないので通勤の車の中で歌っています。般若心経や光明真言を唱えたりもします。不気味ですかね。校歌を歌ったりもします。みんなスマホに入っているので、Bluetoothでカーステレオに繋いで流しています。
 皆さんは、「シャウト効果」って知っていますか?簡単に言うと大きな声を出すことで筋出力が高まる現象のことで、色々なスポーツで見られます。陸上ならハンマー投げややり投げ、砲丸投げなどの投擲競技で声を出す人が多いですね。テニスでも、ボールを打つ瞬間に絶えず声を出す選手がいます。もう引退してしまいましたが、女子のマリア=シャラポワ選手のかけ声は個性的でした。卓球の張本選手の「チョレイ!」は、決まった後なので、シャウト効果ではありません。勉強でも、シャウト効果で問題が解ければいいのですけどね。早く、気兼ねなくスポーツで大声が出せたり、マスクなしで歌が歌えるようになってほしいものです。そして、全校生徒が校歌を歌う姿を見たいです。

Welcome to Japan!

 とうとう夏休みが終わり、2学期が始まりました。みなさん、いいスタートがきれましたか。本日は、長いこと不在だったALTの先生を迎えることができました。

エリシオ=エンゾ先生です。アメリカのロサンゼルス出身で、大学では心理学を専攻し、趣味はスノーボードです。22歳のフレンドリーなナイスガイです。エリシオ先生の名前は、ギリシャ神話のエリシオンが語源かと最初思っていましたが、スペルが違うようでした。エリシオンなら日本語で「楽園、天国」という意味です。

 エリシオ先生は、一人で慣れない異国に来ています。もしかしたらホームシックになるやもしれません。みなさん、支えてあげてくださいね。私は、現場で何人かALTの先生を見てきましたが、日本人の奥さんがいて日本語ペラペラの人から、ほとんど日本語がしゃべれず、1年で帰ってしまった人まで色々でした。ぜひエリシオ先生には、日本が好きになってほしいと願っています。日本食を始めとする日本文化について、よいところを教えてあげてください。群馬は、うどん、焼きそば、スパゲティ、ラーメン、もんじゃ焼き、たこ焼きなど小麦粉の食文化の県です。上野・下野は、毛野国と呼ばれ、毛は麦を表しています。また、群馬はスキー場と温泉の県でもあります。ぜひ、エリシオ先生には、冬になったら温泉とスノーボードを楽しんでもらいたいと思います。

 それでは、エリシオ先生によく教わって、英語の力を伸ばしつつ日米交流を深めてください。先生が驚くくらい元気な声で、あいさつしてくださいね。

 

自由研究ってワクワク?

 令和4年度第1学期も今日で終わりです。このブログも宣言どおり何とか続けてこられました。夏季休業中は、原則休むことになりますが、何か書きたいことがあればつぶやくことにします。ところで、みなさん「夏休み」が楽しかったのって小学生までですか?
 「自由って辛い」「自由って楽しい」みなさんは、どっちですか?実は、人は「自由」を欲しているにも関わらず、「本当の自由」を与えられると困るようです。頭の中の考えるという行為以外は、全ての行動に責任がついてまわるからです。夏季休業中に、課題も課外授業もなく、部活動もなく、全部自分1人で考えてやらなければならないとしたらどうですか?「誰からも指示されない、束縛されない、自分で全て決められるなんて、サイコー!」って思える人は最高です。確固たる意志と計画力、実行力がある人ですね。ただ、本来は太東の生徒全員にそうなってほしいのです。「主体性」を身に付け、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」を自分で伸ばせるようになってほしいのです。「自己教育力」を身に付けてほしいのです。大学に入ると高校よりも自由度が高まります。ただ、最近は新入生にやめられると経営上困るので、色々と世話してくれる大学が増えています。自ら考えて動くというより、高校の時のように手取り足取り支援してもらえるほうがありがたい、してくれないと困ると思う人が増えているのでしょうか。
「私たちは自由、個性や主体性といった聞こえのいい言葉に踊らされがちである。学校は一定の強制力をもって身に付けるべき知識を身に付けさせることに基本的な存在意義があるともいえる。各人の個性に任せて自由で主体的な学習に期待したとしても学習が広く深くなる保証は全くない。むしろ現実はその逆であることを示している。」 この言葉に反発して、太東で主体性を身に付けてください。それでは、よい「夏季休業」を!

スマイル¥0は今

 昨日は、日本マクドナルドが1996年に制定したハンバーガーの日でもありました。日本人で高齢者を除いて、マックのハンバーガーを食べたことがない人は、どれくらいいるんでしょうね。1971年7月20日、東京・銀座の三越内に日本マクドナルドの1号店が開店しました。この日は1万人以上の客がつめかけ、1日で100万円以上の売り上げを記録したそうです。マックの商売上手というか戦略上手なところは、ハッピーセットですね。子どもの時にマックの味を覚えさせて、大人になっても、子どもができてもリピーターとして来てもらえるようにする。まさに「損して得取れ」ですね。そしておまけが大事です。おまけ欲しさに商品を買わせるというのは、昔からの企業戦略です。古くは仮面ライダースナックが有名ですが、小学生が箱買いして、カードだけ取り、スナックは捨てるという行為が社会問題になりました。お店のドブに食べられていないスナックが捨てられている光景がよく見られました。それにしても、日本の菓子のおまけは、高品質ですよね。私は、昔、お菓子のおまけの色々なハンコを集めていて、提出されたプリントやノートの確認印に使っていました。話がそれてしまいましたが、私が高校生の時にモスバーガーが出店し、初めて食べた時は、そのおいしさに感動しました。それ以来、多少高くとも個人的にはモスが好きです。顧客を獲得し売り上げを伸ばすために、商品そのものに工夫を凝らすのはもちろんですが、「料理は値段に見合ったものしかできない。しかし、サービスは青天井で、いくらでもよくすることができる。」と某日本料理店の創業者が言っているように、マックの「スマイル¥0」も、重要な戦略ですね。日本の接客サービスの良さには外国人が驚いて感激しています。あるコンビニで挨拶を徹底したら、クレームが激減したそうですが、接客サービスの基本はやはり「笑顔と挨拶」なんですね。みなさんもお金をかけずに将来仕事で役に立つ「笑顔と挨拶」を太東で鍛錬してください。

にこん♡

 今、授業では「主体的・対話的で深い学び」を目指しています。対話的な学びには、友人や先生、みらい学での講師の方々などとの対話によって学び会うだけでなく、本やその他の媒体を通して、過去現在の優れた人々と対話をすることも含まれています。そうして、たくさんの多様な考えを知ることによって「生きる力」をつけることができます。よくいうところの「座右の銘」とは、生きていく上で心の支え、指針となる言葉のことです。私は、覚えておきたい言葉を書き留める(実際にはエクセルに入力する)ようになってから20年が経ちました。一般的な言葉と教育関係の言葉に分けてありますが、現在3700くらいになっています。ブログの中でも内容に合わせて紹介していますが、今日は二つ紹介します。

「而今」にこんと読みます。語感が可愛いので気に入っていますが、「今」を大切に生きることです。戻ってこない「過去」や、まだ起きていない「未来」にとらわれ、後悔したり、不安を抱くのは、「今」をきちんと生きているとはいえません。人は、心配しても仕方がないことや後悔しても意味がないことを考えてしまいがちです。今に力を集中することで未来は開けます。

「一日一生」仏教の教えです。朝、起きると自分が生きて呼吸していることに感謝する。昼は、自分が平和な世界にいることに感謝する。そして、夜は1日が無事に終わったことに感謝する。それさえできれば、1日は一生と同じくらい貴重なものになるという意味です。その前に「人間として生まれたことに感謝する」「地球に生まれたことに感謝する」「日本に生まれたことに感謝する」ということがあるかもしれません。

 太東での学びが「主体的・対話的で深い学び」となるように、1日を大事にしていきましょう。

『この映画恐いね』と君が言ったから7月13日はオカルト記念日

 今日、7月13日はオカルト記念日です。1974年のこの日、映画『エクソシスト』が日本で初公開され、オカルトブームの火附け役となったからだそうです。実は、私の記念すべき初映画鑑賞が、この「エクソシスト」でした。小学校5年生の時で、友達5、6人と観に行きましたが、恐くて1週間くらい、夜にトイレに行けませんでした。友達の1人は、「恐いシーンが終わったら、教えてくれ」と恐いシーンでずっと目をつぶっていましたが、何のために来たんだよと思っていました。ちなみに「エクソシスト」とは、悪魔払いの祈祷師のことで、少女に憑依した悪魔を払う神父の戦いを描いています。悪魔に取り憑かれた少女の変化がすさまじく、まだCGがない時代ですから、少女の演技が素晴らしかったということになります。日本のオカルト映画で恐いものというと「リング」や「呪怨」が有名ですが、私は「エクソシスト」のほうが恐かったです。観たのが子どもの時か大人の時かで随分違うかもしれませんが。
 「オカルト」は科学では説明がつかない神秘的な出来事や超自然的なものを指す言葉ですが、似ている言葉に「カルト」があります。英語圏では正統的キリスト教を「教会」、その分派を「セクト」とよぶのに対し、異端的または異教的小集団を「カルト」と呼び、オウム真理教の地下鉄サリン事件以降、.過激で異端的な新興宗教集団をさす言葉として定着しました。今回の安倍元総理の殺害事件で、昔、霊感商法などで問題となった、ある宗教団体がクローズアップされました。皆さんは、大学入学後に多くのサークルから勧誘されることと思いますが、その中には怪しげな団体もあります。もちろん、表向きは健全なサークルを装っていますので、地方から出てきた新入生が騙されやすいのです。もう一つ、近年定着した「スピリチュアル」という言葉があります。占いや霊的なもの、オカルトなどを指して使われますが、こちらのほうが柔らかい感じがするため、誤ってハマると人生が台無しになることもあります。理系の高学歴者がオウム真理教の幹部に多くいて話題になりましたが、宗教教育の大切さと危うさとは、宗教絡みの事件が起こる度に実感します。人の弱くなっている心につけ込んで、お金を巻き上げようとする輩に騙されないように、非科学的なことを安易に信じたりしないで、「なんか、おかしいぞ」という感覚をもったら、立ち止まって考え、信頼できる人に相談するようにしてください。タイトルの意味がわからない人は、サラダ記念日で検索してください。

ここは今から倫理です。

 昨日、公民部会で「トロッコ問題」が話題に出ました。トロッコ問題とは、人の命の数や重みをどう判断するか、という倫理的なジレンマを扱う思考実験です。具体的には、暴走したトロッコの先に5人いて、ポイントを切り替えるとポイント先の1人が犠牲になり、5人は助かります。あなたならどうしますか?という問題です。選択する人と人数には、様々なパターンがあり、命の質と量に対する考えが問われます。この解答に全員を助ける方法が出てきて、ツィッターで話題となりユーチューブでも動画が公開されています。これは本来の問題の趣旨からそれるという批判もありますが、二者択一でなく第三の解決方法を考えられるなら、そのほうがよいのではと思います。社会に出れば、学校のテストのような正解はなく、その時得られる最良の納得解を探さなければなりません。「倫理」という科目は昔は必修でしたが、今は選択で、しかも履修できる学校は限られています。「倫理」は高校生に学習してほしい科目です。キャリア教育が進路指導とは違うものとして導入されたのは、「生き方、在り方」について考えることがまず大事だからです。「私は何者なのか」「この世界は何なのか」などの答えの出ない問いについて考えることは、決して無駄なことではありません。尾崎豊は「自分の存在が何なのかさえ解らず震えている15の夜」と歌いましたが、多感な中高生の頃は、一度は考えることではないでしょうか。多くの先人の様々な考えに触れ、悩み、深く考えを巡らせることは、心の栄養となります。
『ここは今から倫理です。』というマンガも出ています。倫理に興味をもったら読んでみてください。

氷は水より出でて水よりも寒し

 昨日は、梅雨明けの発表があり、思わず「え~っ!」と声をあげてしまいました。7月に「戻り梅雨」もあるかもしれませんが、過去最短の梅雨期間でした。これから猛暑が続くことが予想されますが、みなさんも体調管理をしっかりしましょう。
 日本は、「湯水のごとく使う」という表現があるとおり、水資源が豊かで諸外国に比べて大変恵まれていると言えます。四季がはっきりしていて感性豊かで表現の多彩な日本ならではの特徴として、雨の呼び方は、400種類以上もあると言われています。普段よく耳にするものだけでも、春雨、菜種梅雨、五月雨、秋雨、時雨、氷雨などがあります。時期ではなく雨の降り方によっても呼び名がたくさんありますね。驟雨(にわか雨)、雷雨、霧雨、白雨(夕立)、土砂降り、天気雨、通り雨、大雨、小雨、豪雨、御湿りなどは、よく使われるものではないでしょうか。個人的には、天泣(雲がないのに降る雨)が好きです。そんな風情のある雨も、降り方によって洪水などの災害を起こし、作物の生育に大きな影響を与えます。今年は雨不足で作物に与える影響が心配されますね。
 さて、日本では豊かな水ですが、地球上に存在する水のうち、97.5%は「海水」であり、人間が利用できる「淡水」は地球上の水の総量のたった2.5%ほどで、簡単に利用できない南極や北極地域の氷雪や深い地下水を除くと、人間が実際に取水して利用できる淡水は、地球全体の水の0.02%程度しかありません。そうした水も汚染されていることがあるため、実際に使える水の量は、地球全体の0.01%だそうです。これは、もし地球のすべての水の量がふろおけ1杯分(200リットル)だとすると、20mlしかないということになります。ちょっと多めの目薬くらいです。
 日本が水を大量に輸入していると言ったら、みなさんは驚きますか。仮想水(バーチャルウォーター)という考え方では、食料などを輸入する際に、その生産に必要な水も輸入したことになると考えます。日本の主要穀物(大麦、小麦、大豆、トウモロコシ、コメ)と畜産物(牛肉、豚肉、鶏肉)についての仮想水総輸入量は年間約60兆リットル以上にのぼり、国内での灌漑に使う水の量を上回ります。日本人1人あたりで計算するとおよそ50万リットルで、仮想水輸入量は世界一と考えられるといいます。研究では、1キログラムを生産するのに必要な水は、小麦では2000リットル、コメでは3600リットル。一方、鶏肉では4500リットル、牛肉では2万700リットルにもなると推計されています。私たちが食べているものには、とんでもない量の水が必要なんだということがわかります。
 水資源というと、飲料水や炊事や洗濯に使う生活用水が思い浮かぶ人が多いと思いますが、実は世界の水資源取水量の約7割は農業用水として利用されており、工業用水は2割、生活用水は1割程度にしか過ぎません。昔、NHKスペシャルの水問題に関する番組で、上記のことをわかりやすく解説してくれていました。私が地理の授業で使用したので、20年以上前の話です。現在も水問題は人類の大きな課題ですが、解決に向けてどう進歩しているのでしょうか。
 日本は海水淡水化や排水・下水再利用など水インフラで優れた技術を持ち、世界の水不足問題の解決に大きく貢献できると期待されています。頑張ってもらいたいです。皆さん、今年の夏は、水不足が心配されます。水を大事にしましょう。※ちなみにタイトルの意味は「青は藍より出でて藍より青し」と同じです。