日誌

榎本校長のつぶやき

学園天国

 明日から2学期が始まります。8月2日を最後に、このブログも長いこと休んでいました。今日はウォーミングアップとして、内外教育という資料の巻頭コラムで上越教育大学名誉教授の新井郁男先生が席替えの思い出について書いていたので席替えについてつぶやいて(語って)みたいと思います。新井教授のコラムの概要は以下のとおりです。
 『私が、長野県須坂市立中学校2年の夏休みにクラスで市営施設に宿泊していた夜のこと、男子が寝ている大広間に担任がやってきて、全員に「好きな子がいたら名前をいいなさい」と言ったので、私は伝えました。すると2学期最初の席替えで、好きだと伝えた子の隣になりました。今まで座席は自由であり男子は男子同士で座っていたのを担任の先生が変えようとしたのです。それをきっかけにその子と仲良くなれました。教育に関する研究に携わるようになり、学校における席の配置について気になっています。机の並べ方は、ペアやグループなど学び合いが普通に行われるようになって色々な型が考えられてきましたが、児童生徒をどう配置するかについては、統一した考えがあるようには思えません。教師の考え方や子供たちの気持ちを聞いてみたいです。』
 この話を読んで、みなさんはどう思いましたか。「なんて、いい先生だ。うらやましい」と素直に思った人、「この先生は、女子の気持ちも聞いてマッチングした二人だけ隣にしたのか?」と疑問をもち、鋭く突っ込んだ人。「よく、先生に好きな子の名前を教えるなぁ、俺には無理だわ」と冷めている人。いろいろな感想・意見をもったと思いますが、共学校で席替えってけっこう重要じゃないですか?私は男子校だったので、どうでもよかったですが(笑) 。昔、フィンガー5という五人組の兄弟アイドルがいて、そのヒット曲に「学園天国」というのがありました。1974年の3月にリリースされ、ヒットした時私は小学5年生でした。「学園天国」は、好きな女の子の隣の席争奪戦ともいうべき内容です。「勉強する気もしない気も、この席替えにかかっている」ことを歌っています。小泉今日子さんもカバーしていました。私が担任をもっていたころ、席替えは1ヶ月に1回していました。一番の目的は、クラス全員と話せるようにすることです、最初は計算して席替えしていますが、後半はLHRでイベント化して、盛り上げることもしました。視聴覚室で座席をパソコン画面で映して、くじ引きで順番に座りたい席を選んでもらい、埋まった席は色をつけていきます。名前の入力は別シートなので、誰がどこを選んだかは最後までわかりません。そして全員の名前が入ったら、後ろの席や窓際から順番に開けていきます。開ける度に歓喜と悲嘆の声があがります。昔は、LHRで各クラス自由裁量の時間が少なからずあったので、調理実習や球技大会、その他レクリエーションなどがやれました。みんなクラスの友達と知り合い、仲良くなるための手段でしたので、やりたいことがあれば生徒からも企画を出してもらいました。たかが席替え、されど席替えです。みなさんは、席替えにどんな思い出がありますか。

 

伝統を高めて伝える者に

 今日は、猛暑の中、太田市民会館で学校説明会を午前午後の2回に分けて実施しました。午前の部が終わり、12時すぎに昼食を食べに行くため車に乗り込むと、車外気温が43℃と表示されました。「暑いぞ!熊谷」在住の私も流石にげんなりとしました。さらに自宅に帰ったのは6時少し前でしたが、車外気温はまだ39℃で「この時間で、まだ39℃?」と叫んでいました。熊谷に住み、教員生活の中で館林・伊勢崎勤務が22年と3分の2以上を占め、暑いところに縁がある私にとっても、今日の暑さは格別でした。

 話が横道にそれましたが、そんな猛暑の中、学校説明会に1400人以上の方々に御来場いただき、大変有り難く思いました。生徒会の生徒を中心に多くの生徒の皆さんに企画・運営を手伝ってもらい、成功裏に終えることができました。ありがとうございました。また、多くの先生方にお骨折りいただき、無事に終えることができました。ありがどうございました。生徒の皆さんは、学校説明会に参加した中学3年生を見て、「ついこの前、客席側にいた自分が、今は学校の説明をしているなんて、なんか変な感じだなぁ」と感慨深く思ったでしょうか。太東を、ますます盛り上げて、素敵な高校にするために、太東の素晴らしさを中学生に伝えて、入学志願者を増やすことが、自分たちのためにもなります。太東をおもしろくするための同士を勧誘することが、今の私たちに与えられた使命です(大袈裟ですね)。

 40年かけて生成・継承されてきた太東の校風は、男女共学の良さを体現しています。私が平成16年3月の太東の離任式で、生徒の皆さんに言った言葉は、「みなさんが先輩から受け継いだものを、より高めて後輩に伝えてください」でした。果たして気付いた人がいたかどうかわかりませんが、マンガの『エースをねらえ!』でお蝶夫人が岡ひろみに言った言葉をもじったものです。よき伝統は、連綿と先輩から後輩へと受け継がれ、さらによいものへと進化していきます。よい連鎖を生み出し、よくなっていく母校を見続けたいとは思いませんか。

「IJIME」

 今日は、本校を主会場として太田地区の「いじめ防止フォーラム」が開催されました。太田市内の6校の高校を拠点校として、近隣の小中高校・特別支援学校から学校代表の児童・生徒が集まり、オンラインでいじめ防止の話し合いをしました。本校の生徒会長が総合司会をし、他の生徒会役員にも色々と手伝ってもらいました。ありがとうございました。拠点校の先生方や、引率の先生方、保護者の皆さん、猛暑の中大変お世話になりました。

 開会の挨拶では言えなかったこともありました。いじめで自殺に追い込まれるほど被害を受けている子どもがいて救済もできていない一方で、本来ならいじめだとは言えないことが重大事案になってしまうことや、「いじめ利得」などという問題も生じているようです。(ここでは詳細は書きません。自分で調べてみてください。) 深刻ないじめに遭っている子どもからすれば、いじめっ子が良い子になっていじめをやめてくれるなんて、悠長に待ってはいられません。心の教育は時間がかかるし、万全ではありません。もし、万全ならそれは完璧な洗脳になります。いじめられている子をすぐに救うためのシステム(ちゃんと機能する)を作ることが求められます。『逃げるは恥ではないし、役に立つ』ことを、最悪でも教える必要があります。

 私は、いじめを防止するためには、幼稚園や小学校から徹底的に「いじめは絶対許さない」という断固たる姿勢をまず先生が貫くことが必要だと思います。そこには、いじめに対する高感度のアンテナ(察する力)が必要です。どこかの中学校みたいに先生が先生をいじめていて事件になるなんて言語道断です。現在は、ジャイアンとのび太のようにいじめる側といじめられる側が固定されているのではなく、その立場が逆転することも多々あります。アンケートでいじめたこともいじめられたこともあると答える生徒が多いように、次は自分がいじめのターゲットになるのではないかと怯えて傍観者を装ってしまう。そうさせないためには、先生が、学校がみんなを守るという確固たる姿勢が求められます。

『いじめ防止は、「いじめたい心」の理解から始まる。』あるいじめ関係の本の中の一節です。『いじめは絶対悪』からスタートすると、思考停止して根本的な解決策、つまり「いじめたい心」を消すことはできないのではないかと考えます。学校はすべてのカリキュラムを通して、良好な人間関係を形成する力をつけるために、ソーシャルエクササイズをするところです。どんなときにどんな気持ちになるのかを、小さい時から失敗しながら学び合うことが大事です。

「いじめ」は、心と体への傷害罪であり、重大な人権侵害です。泥棒を「万引き」と置き換えて、罪の意識を軽くし、親に「返せばいいんだろう」と言わしめる問題。それと同様に、いじめをふざけだとか軽くとらえてしまう意識の低さの問題。いじめは学校だけの問題でなく、人間社会全体の問題です。ですから、いじめ防止フォーラムも児童・生徒だけでなく、地域の大人も巻き込んだものになってほしいです。小学生から「おじさんの会社では、いじめはないのですか」「いじめは止められないのですか」と質問された時、どう答えるでしょうか。

自由研究ってワクワク?

 令和4年度第1学期も今日で終わりです。このブログも宣言どおり何とか続けてこられました。夏季休業中は、原則休むことになりますが、何か書きたいことがあればつぶやくことにします。ところで、みなさん「夏休み」が楽しかったのって小学生までですか?
 「自由って辛い」「自由って楽しい」みなさんは、どっちですか?実は、人は「自由」を欲しているにも関わらず、「本当の自由」を与えられると困るようです。頭の中の考えるという行為以外は、全ての行動に責任がついてまわるからです。夏季休業中に、課題も課外授業もなく、部活動もなく、全部自分1人で考えてやらなければならないとしたらどうですか?「誰からも指示されない、束縛されない、自分で全て決められるなんて、サイコー!」って思える人は最高です。確固たる意志と計画力、実行力がある人ですね。ただ、本来は太東の生徒全員にそうなってほしいのです。「主体性」を身に付け、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」を自分で伸ばせるようになってほしいのです。「自己教育力」を身に付けてほしいのです。大学に入ると高校よりも自由度が高まります。ただ、最近は新入生にやめられると経営上困るので、色々と世話してくれる大学が増えています。自ら考えて動くというより、高校の時のように手取り足取り支援してもらえるほうがありがたい、してくれないと困ると思う人が増えているのでしょうか。
「私たちは自由、個性や主体性といった聞こえのいい言葉に踊らされがちである。学校は一定の強制力をもって身に付けるべき知識を身に付けさせることに基本的な存在意義があるともいえる。各人の個性に任せて自由で主体的な学習に期待したとしても学習が広く深くなる保証は全くない。むしろ現実はその逆であることを示している。」 この言葉に反発して、太東で主体性を身に付けてください。それでは、よい「夏季休業」を!

スマイル¥0は今

 昨日は、日本マクドナルドが1996年に制定したハンバーガーの日でもありました。日本人で高齢者を除いて、マックのハンバーガーを食べたことがない人は、どれくらいいるんでしょうね。1971年7月20日、東京・銀座の三越内に日本マクドナルドの1号店が開店しました。この日は1万人以上の客がつめかけ、1日で100万円以上の売り上げを記録したそうです。マックの商売上手というか戦略上手なところは、ハッピーセットですね。子どもの時にマックの味を覚えさせて、大人になっても、子どもができてもリピーターとして来てもらえるようにする。まさに「損して得取れ」ですね。そしておまけが大事です。おまけ欲しさに商品を買わせるというのは、昔からの企業戦略です。古くは仮面ライダースナックが有名ですが、小学生が箱買いして、カードだけ取り、スナックは捨てるという行為が社会問題になりました。お店のドブに食べられていないスナックが捨てられている光景がよく見られました。それにしても、日本の菓子のおまけは、高品質ですよね。私は、昔、お菓子のおまけの色々なハンコを集めていて、提出されたプリントやノートの確認印に使っていました。話がそれてしまいましたが、私が高校生の時にモスバーガーが出店し、初めて食べた時は、そのおいしさに感動しました。それ以来、多少高くとも個人的にはモスが好きです。顧客を獲得し売り上げを伸ばすために、商品そのものに工夫を凝らすのはもちろんですが、「料理は値段に見合ったものしかできない。しかし、サービスは青天井で、いくらでもよくすることができる。」と某日本料理店の創業者が言っているように、マックの「スマイル¥0」も、重要な戦略ですね。日本の接客サービスの良さには外国人が驚いて感激しています。あるコンビニで挨拶を徹底したら、クレームが激減したそうですが、接客サービスの基本はやはり「笑顔と挨拶」なんですね。みなさんもお金をかけずに将来仕事で役に立つ「笑顔と挨拶」を太東で鍛錬してください。