日誌

榎本校長のつぶやき

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 期末考査中は、ブログ通信の発行を控えていたら、また2号同時に出すことになってしまいました。前よりも1話が長くなりがちで、1号に5話入れるつもりが、イラストも入れるようになったら3話の号が出てきてしまいました。内容を削って短くする努力はしているんですが、なかなか短くなりません。文字だけで長いと読む気がなくなるだろうなぁと思って、イラストを入れるようにしたら余計時間がかかるようになって、どうしようかと今悩んでいるところです。毎日、何かしらその日に関連ある話題で書いて教育的にまとめることが、きつくなってきたので、とにかく無理しないように書けることを書こうと思い始めました。
 それはそうと、イラストを私が描いていることを生徒が信じないということをS先生から聞きました。私は、高校生の頃からイラストや似顔絵、色紙やTシャツのデザインやポスターなどを多く手がけてきました。太東では女子テニス部の生徒の卒業記念に似顔絵やイラスト入りの色紙や写真と組み合わせたイラストを作りました。アンパンマンのキャラクターをテニス仕様にしました。(生徒の顔は肖像権があるので隠してあります。)
シティハンターのパロディマンガは選挙も近いし、おまけで載せました。大昔に日本史のレジュメに載せたものです。

雨雨ふれふれ♪

 早いもので、令和4年も半分が過ぎ、7月となりました。皆さんは、睦月から師走まで旧暦の月の呼び方を古典で学習していると思いますが、わかりやすいものもあれば、現在の感覚では昔と季節のずれを考慮しても理解し難いものもありますね。よく耳にするものは、弥生・皐月・師走でしょうか。
 旧暦の7月は、文月(ふづき、ふみづき)と呼ばれますが、書道の上達を祈って、短冊に歌や願い事などを書く、七夕の行事にちなんだ呼び方だという説があります。ほかには、収穫が近づくにつれて稲穂が膨らむことから「穂含月(ほふみづき)」「含月(ふくむづき)」が転じて「文月(ふづき)」になったという説、稲穂の膨らみが見られる月であることから「穂見月(ほみづき)」が転じたという説もあります。今年は、梅雨期間が短かったことから西日本では、ダムの貯水率が非常に低く、水不足で稲の発育に悪影響が出そうだと心配されています。以前の「雨にぬれても」のブログで「農業者にすれば、想定外も実は想定内。雨が降り続いても彼らは案外明るい。明るくあきらめている。」と書きましたが、今回は、その逆となります。体育祭の時とは逆に、てるてる坊主を逆さにつるそうかと思います。
 私は日本史が専門でしたので、旧暦の月の中では「神無月」が好みです。10月に出雲に全国から神様が集まります。ですから出雲では「神在月」といい、その他のところでは「神無月」となるそうです。ただ、全部の神様が集結すると困るからなのか、留守番の神様もいるようで、恵比須様や、金比羅様、道祖神、かまどの神様などは出かけないみたいですね。それで、集まった神様は何をするかというと、出雲大社で「神議り(かみはかり)」という議論をし、我が国や私たちの繁栄や安寧、それに縁結びや五穀豊穣など、とてもありがたいことを決められるそうです。これは絶対神がすべての権限を有している一神教では考えられないことですね。縁結びも神議りで決められるみたいなので、9月の終わりに、よくお願いしておいたほうがいいかもしれませんよ。

知識・技能+勇気

 昨日は、先生方が救急救命講習で、AEDの使い方を研修しました。セミナーハウスの2階の和室2部屋に分かれて行いました。もう何回も受けている講習ですが、1年に1回なので忘れていることや新たな気付きがあります。私が感心したのは、先生方から講師の方にたくさん質問が出たことです。アクティブラーニングを先生方自身が体現できているなと思いました。ただ、アクティブラーニングは、特別なことではありません。教科書を読むという行為でも、漫然と読むのではなく、わからないところや疑問に思ったところをチェックしながら読むだけでアクティブラーニングになります。それは先生の説明を聞くときも一緒です。ただ、受動的にやらさられているだけの学習活動を、意識を変えるだけで思考力が高められる活動になります。
 AEDの研修をしていて、いつも思うことは、学んだ知識・技能を生かすためには勇気が必要だということです。心肺停止の人を目の前にしたときに、「自分がやって、大丈夫だろうか」と不安に思って躊躇してしまうのが普通ではないでしょうか。ただ、学校内では、先生方が協力して生徒を助けるために動いてくれるので、心配はいらないと思います。問題は、学校外で起こった時です。周りに協力してくれる人を見つけて、一人で重荷を背負わないようにすることも大切です。人の命がかかった場面に遭遇することは、なかなかありません。その少ない場面のために、知識・技能を身に付け、心構えをしておくことが大事だと思いました。改めて、救急救命医療に携わっているお医者さんたちは、すごいなと思います。

もう、しょーがない!

 連日、猛暑日が続いていますが、3階のエアコンの調子が悪いようで1年次生には、申し訳ないと思います。私が教壇に立っていた頃は、まだ教室にはエアコンはなく、39度の教室で意識朦朧として授業をしたこともありました。私は汗っかきだったので、太東でも夏場は1日3回着替えていました。そんな思い出を書きつつ、一番勉強がはかどる室温は何度だろうという疑問がわいたので、絶対そういう研究があるだろうと思って調べました。
 室温は22~25℃が作業や勉強には最適だそうです。これは夏場ですかね。電気代の節約を目的とした省エネ推奨温度は28度とされていますが、室温と作業効率を調べる研究では、気温が25度以上になると、1度上がるごとにパフォーマンスが2%下がるという報告もあります。WHO(世界保健機関)は2018年11月に「冬場の室温は、18度以上にするべき」と強く勧告したそうですが、寒さは脳神経の質そのものを低下させ、自律神経の異常や集中力の低下を招くことが近年の研究で明らかになっているみたいです。18℃前後の室温で、脳にある温度調整機能が活発に働き、感覚や思考が鋭敏になるそうです。
 脳はコンピュータと一緒で活発に働けば発熱します。暑くなると、体温調節のために自律神経が酷使されるため、脳の温度が上がりやすくなります。さらに、コロナ禍の今は、マスクの中で温まった湿気の多い空気を吸ってしまうので、脳に熱がこもったまま冷えにくくなります。以前より脳がオーバーヒートを起こしやすい環境にあります。また、悩みや不安による精神的なストレスや、過労や肉体疲労による身体的なストレスが増すと、自律神経中枢の負荷が大きくなることから、脳が発熱しやすくなるそうです。脳が体をコントロールしているので、脳がオーバーヒートすれば、頭痛や発熱、だるさ、めまいなど、体に不調が表れ、集中力及びパフォーマンスが低下します。
 「頭寒足熱」という言葉があるとおり、受験勉強では室温・湿度を適切に保ち、換気をして酸素を取り入れることが脳にとって大事です。3年次生の皆さん、環境をしっかり整えて、夏冬を乗り切ってください。

ここは今から倫理です。

 昨日、公民部会で「トロッコ問題」が話題に出ました。トロッコ問題とは、人の命の数や重みをどう判断するか、という倫理的なジレンマを扱う思考実験です。具体的には、暴走したトロッコの先に5人いて、ポイントを切り替えるとポイント先の1人が犠牲になり、5人は助かります。あなたならどうしますか?という問題です。選択する人と人数には、様々なパターンがあり、命の質と量に対する考えが問われます。この解答に全員を助ける方法が出てきて、ツィッターで話題となりユーチューブでも動画が公開されています。これは本来の問題の趣旨からそれるという批判もありますが、二者択一でなく第三の解決方法を考えられるなら、そのほうがよいのではと思います。社会に出れば、学校のテストのような正解はなく、その時得られる最良の納得解を探さなければなりません。「倫理」という科目は昔は必修でしたが、今は選択で、しかも履修できる学校は限られています。「倫理」は高校生に学習してほしい科目です。キャリア教育が進路指導とは違うものとして導入されたのは、「生き方、在り方」について考えることがまず大事だからです。「私は何者なのか」「この世界は何なのか」などの答えの出ない問いについて考えることは、決して無駄なことではありません。尾崎豊は「自分の存在が何なのかさえ解らず震えている15の夜」と歌いましたが、多感な中高生の頃は、一度は考えることではないでしょうか。多くの先人の様々な考えに触れ、悩み、深く考えを巡らせることは、心の栄養となります。
『ここは今から倫理です。』というマンガも出ています。倫理に興味をもったら読んでみてください。