日誌

榎本校長のつぶやき

修学旅行初日

 本日から三泊四日で、広島・大阪・京都に修学旅行です。午前6時前に本校を出発し、無事、熊谷駅から広島に向けて新幹線に乗車しました。広島までは新幹線とは言え道中は長く、お尻が痛いのを紛らわしながらの4時間弱でした。広島到着後フェリーで宮島に渡りました。風が強く、広島の降水確率は90%でしたが、雨は降っていなかったので何とか天気がもってくれることを祈っていました。各クラスごとに大鳥居をバックに集合写真を無事撮ることができ、ほっとしました。観光地慣れしている鹿が、写真屋さんの誘導で写真の真ん中でポーズをし、お手までする姿に生徒たちから歓声が起き、笑顔で写真を撮ることができました。ガイドさんに案内されて厳島神社を見学しました。見学後、土産物屋を回っている途中で雨が降ってきて、バスに移動している時にかなり雨脚が強まったため、けっこう濡れてしまいました。明日以降は晴れるようですので、よかったです。ホテルでは、夕食時に旅行中に誕生日を迎える生徒3人にサプライズのお祝いをしました。プレゼントとハッピーバースデーの歌が全員から贈られ、生徒は照れながらも嬉しそうでした。食後から行われた健康相談には、一人も生徒は訪れず、初日を無事終えることができました。

 

 

永字八法

 今日、11月2日は、「いい(11)もじ(02)」(いい文字)と読む語呂合わせから書道の日・習字の日だそうです。多くの人に文字を書くことに親しみを持ってもらい、手書きで文字を書くことの大切さを伝えていきたいとの願いを込めて制定されたそうです。

 小学校の先生は、鉛筆の持ち方から硬筆・習字と教える中で、苦労されていると思います。高校生を見ても、正しく筆記用具を持てていない生徒を授業参観でたくさん見かけます。上手な字を書く、早く字を書くためには正しく持たなければ無理です。小学校の頃に習字の塾に行っていた経験がある人も少なくないのではと思います。書道というと大げさな感じがして、「書くことで文字の美しさを表そうとする東洋の造形芸術である」なんて聞くと、更にハードルが上がりますね。2009年に中国の書道が、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。文字は始め実用として生まれましたが、文化の進展につれ絵画と同じように芸術的な価値が見出されるようになりました。

 私は以前に漫画の話で、今は本当に様々なジャンルの漫画があり、「こんなものまでというものもありますよ」と紹介しました。書道の漫画はもちろん、フォントをテーマにした漫画まであります。高校の書道部を描いた『とめはねっ!』は、大変おもしろく勉強にもなりますので、書道に興味がない人にもぜひ読んでみてもらいたい漫画です。

 スマホの普及や学校現場での1人1台端末が進んで、更に文字を手書きする時間が減っています。文字を書くことが減ると、どんなデメリットがあるのでしょうか。文字を書くことの効用は「脳の活性化、集中力の養成、ストレス解消」です。何度も紙に書くことで記憶に残りやすくなり、覚えることが必要な暗記の際には効率的といえます。 (タイプによって異なりますが) 指先を動かすことで、効果的に脳を刺激します。指先を動かすためには、かなり繊細に脳から司令を出す必要があり、脳の神経細胞であるニューロンの連結が促進される、という仕組みになっているのです。それと、これはワープロでも同じですが、”文字を書く”ということは、情報を整理しさらに再構築することが必要なため、より脳を刺激することになります。また、目の前にある物理的な「紙」と「ペン」に向き合うことで集中力を養うことができます。書くという作業に集中することより、ストレスから離れるとともに、自分の気持ちや思いを紙に書き出すことでモヤモヤを吐き出すことができ、気持ちを落ち着かせることができます。

 私は、小学校の時に硬筆も習字もたくさん練習しました(させられた)ので、「書」についての関心は人並み以上にあります。書くことも得意なので、それは仕事以外のことでも役立っています。私が社会人になったころ、ワープロやパソコンが仕事で本格的に使われるようになりました。最初は手書きだった授業プリントもワープロで作るようになり、ICT機器の活用が進んだ現在では、プロジェクタで黒板に投影することも多くなり、手書きで板書することが昔よりかなり減っているのではないでしょうか。皆さんは、まだノートは手書きでしょうが、将来キーボ―ドで打ち込む日がくるかもしれません。ただ、文字を書く感覚というのは上記で述べたとおり大事だと思いますので、今はなるべく意識して書くことを多くしてください。未来は、音声入力はもちろん頭で考えたことが文章入力できるようになり、書くことが激減するかもしれないのですから。

※タイトルの「永字八法」の意味は、わからなかったら調べてください。そのほうが頭に残ります。

41回目の「清きいのち」の集い

 今日、本校は41回目の開校記念日を迎え、午後に記念式典を挙行しました。記念講演では第27期生の中島様を迎え、「好きを見つけて幸せに~研究者として伝えたいこと~」という演題で、高校~大学~大学院~会社において自分がどう過ごしてきたかを振り返り、本校生徒に「幸せ」について考えさせてくださいました。久しぶりに全校生徒が体育館に集まり、吹奏楽部の伴奏で校歌も歌うことができて、よかったです。

 また、今日は多くの都道府県や市町村で、「教育の日」に定められ、11月1日から7日までを「教育週間」としている県もあります。この1週間に、教育・文化に関する行事を集中的に実施し、我が国の教育・文化に関して、広く関心と理解を深めてもらい、その充実・振興を図ることを目的として、昭和34年から毎年開催されています。18の都道府県で「教育の日」や「教育週間」が定められていて、関東では、茨城県・群馬県・埼玉県で定められています。今までも現在の教育問題について書いてきましたが、本当に小学校が「待ったなし」の状況になっているようです。経済も大切ですが、教育がだめになると未来に大きな負債を抱えることになりますので、この機会に皆さんによくよく考えてほしいと思います。

これでいいのだ!

 今日10月31日は、語呂合わせで「テン・サイ」と読み、「天才の日」だそうです。昨年は、ハロウィンについて書きましたので、他に何かないかと探して見つけました。皆さんは、「天才」についてどんなイメージをもっていますか?天才に生まれたかったですか?まず、以下の天才についての文を読んでみてください。共通していることは何でしょうか?

〇 天才は1%のインスピレーションと99%の発汗(パースピレーション)である。 エジソン

〇 努力だ。勉強だ。それが天才だ。だれよりも、3倍、4倍、5倍、勉強する者、それが天才だ。  野口英世

〇 天才とは、努力する凡才のことである。私は天才ではない。ただ人より長く問題と付き合っているだけだ。  アインシュタイン

〇 どれだけの労力を注ぎ込んだかを知れば、天才なんて呼べないはずだ。 ミケランジェロ

〇 必要なのは才能じゃない。練習、練習、練習、それだけだ。 マイルス・デイヴィス(ジャズ・トランペット奏者)

〇 甲子園は天才も待っているが、甲子園は努力で磨いた普通をいちばん待っている  阿久悠(作詞家)

〇 努力せずに何かできるようになる人のことを『天才』というのなら、僕はそうじゃない。努力した結果、何かができるようになる人のことを『天才』というのな   ら、僕はそうだと思う。人が僕のことを、努力もせずに打てるんだと思うなら、それは間違いです。 イチロー

 以上の文の中で、特に有名なのはエジソンの言葉ですが、「発汗」は言い換えれば「努力」です。天才は持って生まれた才能だけの人を指すのではなく、とんでもない努力をした結果すごいことができるようになった人を指すと言えるのではないかと思います。本当に能力のある人は謙虚であることが多いですが、天才と呼ばれる人も本人は自分のことを天才どころか凡人であると思っていることが多いようです。才能に恵まれていたことよりも、目標に向かって好きなことを地道に努力し続けられる能力があったからと思っているみたいですね。ポール・ヴァレリー(仏詩人)は「世の中には創造する天才があるように、探す天才もあり、書く天才があるように、読む天才もある。」と言っていますが、人は多様な才能があると考え、自分の才能を信じて努力して育てようとすることが大事ではないでしょうか。最後に、才能と仕事について述べた文を紹介しますので、先日の仕事について述べたブログに引き続き考えてみてください。

〇 『自分が好きな仕事、楽しい仕事を選びなさい』という人もいるけれど、それは天才だからできること。われわれ凡人が現況の未熟な判断力で、『楽しい仕事』を選んだとしても、うまくいかないことも多い。それより、任された仕事を苦労してこなすうちに、だんだん楽しさがわかってくるほうがいい。

〇 人の総合的な能力の差というのは、天才は例外としても、秀才を含めてせいぜい五倍、普通は二、三倍程度の違いしかありません。しかし、ヤル気、意欲、意識の差は百倍の開きがあると感じています。ですから採用は能力よりヤル気を重視したほうが、はるかに戦力になります。 日本電産社長永守重信

災い転じて福となる

 「災い転じて福となす」という諺があります。 身にふりかかってきた災難を,立場や見方を変えてみることによって,うまく活用し,逆に自分の役に立つようにするという意味ですが、タイトルは「なす」ではなく「なる」です。

なぜ、「災い転じて福となる」なのか?それに結びつく印象的なニユースがあったからです。今朝、秋田県の知事が、23日に地元で行った講演での失言のニュースが流れました。 知事は、全国知事会議で四国を訪れた際の体験を「四国なんか、もう大変ですよ。酒もうまくないし」と言い、さらに「メインディッシュがいいステーキだと思って開けたら、じゃこ天です。貧乏くさい」と発言していたのだそうです。 じゃこ天は、小魚のすり身を揚げて作る“愛媛県のソウルフード”。それを県のトップが、「貧乏くさい」とけなしたので問題となりました。じゃこ天を作っている会社は、売上が減ることを覚悟したそうですが、逆に1.5倍に増えました。なんと秋田からの注文が全体の6割を占めたそうです。注文した秋田県民が、「うちの知事が大変失礼なことを言って申し訳ない」と謝罪の言葉を述べていたそうです。皆さん、この秋田県民の対応は、どうですか。素晴らしいですね。よく、政治家の失言がニュースになりますが、心の中でそう思っているからつい口に出てしまうのであって、思っていないことは口から出ません。「口は禍の門」「口は災いの元」とよく言いますが、私も、今まで失敗した経験がありますので、自戒しています。今回は、秋田県トップの失態によって秋田県民が恥ずかしい思いをしたところを、県民によって名誉挽回され、かえって有名になって売り上げが増えました。災い転じて福となったのです。「めでたし、めでたし」と言ってもいいくらい、本当によかったですね。